共通テスト古文の文法対策|よく出る識別・敬語・助動詞の一覧と勉強の順番・練習問題【大学受験】

共通テスト古文の文法対策|よく出る識別・敬語・助動詞の一覧と勉強の順番・練習問題【大学受験】

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大学受験

ひとことで言うと

共通テストの古文(国語90分・200点のうち45点)で文法が直接問われるのは、主に識別・敬語・助動詞の意味です。まず助動詞の意味と接続、次に敬語の種類と敬意の方向を固めると、傍線部の解釈や説明の選択肢を文法でしぼれるようになります。

このページのポイント

  • 共通テスト「国語」は90分・200点。古典は2問90点で、古文は1問45点(大学入試センターの実施要項)
  • 令和7・8年度の本試験では第4問が古文。リード文と注が付き、現代語訳は付かない
  • 問いは傍線部の解釈・語句と文法・敬語・内容・別の文章とのつながり
  • 勉強の順番は単語→活用→助動詞→助詞→敬語→識別→和歌・常識
  • 本番は敬語で主語を補い、傍線部は品詞に分けて選択肢をしぼる

はじめて(やさしく)

大学入学共通テストの「国語」は、90分・200点の試験です。大学入試センターの実施要項では、「現代の国語」と「言語文化」を出題範囲とし、近代以降の文章と古典(古文・漢文)を出すこと、配点は近代以降の文章が3問110点、古典が2問90点(古文・漢文が各45点)と決められています。

令和7年度・令和8年度の本試験では、大問が5つ並び、古文は第4問(45点)でした。つまり古文は、国語200点のうち2割あまり(45点)をしめます。

共通テスト「国語」90分・200点第1問近代以降の文章45点第2問近代以降の文章45点第3問近代以降の文章20点第4問古典(古文)45点第5問古典(漢文)45点令和7・8年度 本試験の配点(大学入試センター公表)古文は第4問・45点=国語の2割あまり
共通テスト「国語」の5つの大問と配点。古文は第4問・45点(令和7・8年度の本試験)
うかるくん

うかるくん

古文は45点か……。でも、文法ってどこまでやればいいんですか? 辞典のページが70以上もありますよね。

合格先生

合格先生

共通テストでは、文法だけを聞く問題は多くない。でも傍線部の解釈・敬語・内容の説明のどの問いも、文法がわかると選択肢をしぼれる。だから「全部を同じ深さで」ではなく、出る順に、出る深さでやればいいんだ。

サクラちゃん

サクラちゃん

このページは、その「何を・どの順で・どこまで」の道しるべなんですね!

第4問(古文)はどんな形で出る?

令和7年度・令和8年度の本試験の第4問を見ると、次のような形でした(年によって変わることがあります)。

  • リード文:はじめに、何の作品か、どんな場面か、登場人物がだれかが説明されます。
  • 本文:物語などの一節に、むずかしい語句の注が付きます。令和7年度は『在明の別』と『源氏物語』若菜下の巻の2つの文章、令和8年度は『うつほ物語』の一節でした。現代語訳は付きません。
  • 問い:傍線部の解釈(意味)を選ぶ問い、語句・文法・敬語についての説明を選ぶ問い、内容の説明の問い、そして最後に、生徒の話し合いや登場人物の会話など別の文章と本文をつなげて考える問いがありました。
第4問(古文)はこんな形リード文何の作品か・場面・人物の説明本文(注つき)物語など。2つの文章のことも問1 解釈傍線部の意味を選ぶ(3つ)語句・文法助動詞の意味・敬語などの説明内容の説明人物の気持ち・行動・理由最後の問い会話・別の文章と本文をつなぐ(令和7・8年度の本試験の問題より。年によって変わる)
第4問(古文)の流れ。リード文→注つきの本文→解釈→語句・文法→内容→最後の問い

答えはすべてマーク(選択肢)です。記述で訳を書く必要はありませんが、選択肢の訳は細かいところだけがちがうことが多く、そこを決めるのが助動詞・助詞・敬語です。だから文法は「答えを選ぶための道具」として欠かせません。

「ここが大事!」と説明する合格先生

合格先生

共通テストの古文で文法が直接問われるのは、主に識別・敬語・助動詞の意味。まず助動詞の意味と接続、次に敬語の種類と敬意の方向を固めるのが近道だよ。

ここまでのまとめ

  • 国語は90分・200点。古文は古典2問のうちの1問で45点
  • 令和7・8年度の本試験では第4問が古文。リード文と注が付き、現代語訳は付かない
  • 問いは解釈・語句と文法・敬語・内容・別の文章とのつながり
  • 文法は「選択肢をしぼる道具」として使う

勉強の進め方で迷ったら、受験掲示板「100点BBS」の共通テスト掲示板や古典の勉強方法のスレで相談できます。

しっかり(大学受験の基礎〜標準)

共通テストの古文で出る文法項目の一覧(辞典へのリンクつき)

共通テストの古文で役に立つ文法の項目を、何が問われるかと大事さで一覧にしました。★の数はこの辞典の目安で、出題の割合を表す公式の数字ではありません。右の列から各項目のくわしいページへ進めます。

項目共通テストでどう問われるか大事さ辞典のページ
助動詞の意味・接続傍線部の解釈の決め手。選択肢の「〜だろう」「〜てしまった」を見分ける★★★助動詞一覧・助動詞の接続
推量の助動詞「む・べし・らむ・けむ・まし」の意味のちがいで訳が変わる★★★「む」・「べし」・「まし」
識別「なり・に・ぬ・ね・なむ・る・れ」などの正体を説明する選択肢★★★「なり」の識別・「なむ」の識別
敬語の種類尊敬・謙譲・丁寧のどれかを説明する選択肢★★★敬語の種類・敬語動詞の一覧
敬意の方向「だれからだれへの敬意か」の組合せを選ぶ★★★敬意の方向
主語の補い内容の説明・人物の行動の問いの前提★★★主語の補い方
古語の意味傍線部の解釈。現代語と意味がちがう語がねらわれやすい★★★現代語と意味がちがう古語
係り結び・助詞強調・疑問・反語の訳、接続助詞の順接・逆接★★☆係り結び・接続助詞
用言の活用識別の土台(上の語が未然形か連用形か)★★☆動詞の活用の種類・活用形
和歌の修辞本文中の和歌の解釈。掛詞を見つける問い★★☆掛詞・縁語
古文常識・官職人物関係・場面をつかむ。リード文の理解★★☆古文常識・官職と身分

共通テストで問われやすい識別・敬語・助動詞(一覧)

文法の説明を選ぶ問いや、解釈の選択肢を分ける所で使われやすい形を、もう一段くわしく並べます。左の「形」を見たら、右の「決め手」で正体を決めます。

形・語候補(正体)決め手くわしいページ
なり断定/伝聞・推定/形容動詞の語尾/動詞「なる」体言・連体形の下→断定。終止形の下→伝聞推定「なり」の識別・断定・伝聞推定
なむ願望の終助詞/ぬ+む/係助詞/ナ変+む未然形の下→願望。連用形の下→ぬ+む「なむ」の識別
ぬ・ね完了「ぬ」/打消「ず」上が連用形→完了、未然形→打消「ぬ」の識別・「ね」の識別
に完了「ぬ」/断定「なり」/格助詞・接続助詞など「にけり」→完了。「にあり」「にや」→断定「に」の識別
る・れ受身などの「る」/完了・存続「り」ア段の下→「る」、エ段の下→「り」「る・れ」の識別
し・せ過去「き」/サ変「す」/副助詞「し」など連用形の下の「し」→過去。「せし」はサ変+き「し」の識別・「せ」の識別
る・らる受身・尊敬・自発・可能「〜に」があれば受身、心の動き→自発「る・らる」
す・さす使役・尊敬下に尊敬語がなければ使役。「せ給ふ」は人物で判断「す・さす・しむ」・最高敬語
給ふ四段(尊敬)/下二段(謙譲)活用形と、会話文か地の文か「給ふ」
侍り・候ふ謙譲(お仕えする)/丁寧(〜です・ます)補助動詞なら丁寧。本動詞は文脈(謙譲か丁寧か)「侍り」「候ふ」
聞こえ給ふ など二方面への敬語謙譲は受け手へ、尊敬は動作主へ二方面への敬語

勉強の順番(ステップ表)

勉強の順番(下の段は上の段が土台)1古文単語・仮名遣い本文が読める2用言の活用未然形か連用形か3助動詞(意味・接続)まず8語から4助詞・係り結び順接か逆接か5敬語と敬意の方向主語を補える6識別(なり・ぬ・に…)上の形で決める7和歌・古文常識場面がわかる仕上げ:過去問で「問いの型」に慣れる
共通テストの古文文法を勉強する順番の例。下の段は上の段を土台にしている
ステップやることできるようになる目安
1 単語・仮名遣い歴史的仮名遣いを読めるようにし、意味がちがう古語から覚える本文を声に出して読める
2 用言の活用動詞の活用の種類・形容詞・形容動詞「未然形か連用形か」が言える
3 助動詞助動詞一覧で意味・接続・活用。まず「ず・き・けり・つ・ぬ・む・べし・なり」傍線部を品詞に分けて訳せる
4 助詞助詞の種類・係り結び・「ば」順接・逆接、仮定・確定がわかる
5 敬語敬語の種類→敬意の方向→主語の補い方主語のない文で動作主がわかる
6 識別「なり・に・ぬ・なむ・る・し」の識別ページ説明の選択肢の正誤が判断できる
7 和歌・常識掛詞・序詞・旧暦・季節・古文常識和歌の意味と場面がつながる

助動詞の全体像は、読みもの「古文の助動詞一覧」で文章としてたどることもできます。敬語は「古文の敬語」の記事、単語は「古文単語の覚え方」の記事がおすすめです。

問いの型ごとに、どのページで練習するか

問いの型 → 練習するページ語句の解釈古語+助動詞+敬語文法・語句の説明識別・助動詞の意味敬語の説明敬語の種類・敬意の方向和歌の解釈修辞+助動詞・助詞内容・複数の文章主語・古文常識・要旨どの型も「文法で選択肢をしぼる」のが近道
問いの型と、練習に使う辞典のページの対応

ここからは、問いの型を短い本文で見ていきます。例文はどれも有名な古典の一節で、問いの形だけを共通テストに似せています(入試問題そのものではありません)。

型1 傍線部の解釈(古語+助動詞+敬語)

年ごろ思ひつること、果たし侍りぬ。聞きしにも過ぎて、尊くこそおはしけれ。

(徒然草・第五十二段「仁和寺にある法師」)

現代語訳長年思っていたことを、果たしました。聞いていた以上に、尊くいらっしゃった。

ここがポイント「年ごろ」は長年(意味がちがう古語)。「つる」は完了「つ」の連体形、「侍り」は丁寧の補助動詞、「ぬ」は連用形「侍り」の下なので完了(「ぬ」の識別)。「こそ〜けれ」は係り結び。解釈の選択肢は、この1つ1つを訳に入れたものを選びます。

型2 語句・文法の説明(識別)

男もすなる日記といふものを、女もしてみむとてするなり。

(土佐日記・冒頭)

現代語訳男も書くと聞いている日記というものを、女の私も書いてみようと思って書くのである。

ここがポイント「すなる」は、サ変「す」の終止形の下の「なり」なので伝聞。「するなり」は、サ変の連体形「する」の下なので断定。「〜は伝聞の助動詞である」のような説明の正誤を判断する問いは、この見分けで解けます(「なり」の識別)。

型3 敬語の説明(だれからだれへ)

「少納言よ、香炉峰の雪いかならむ」と仰せらるれば、御格子上げさせて、御簾を高く上げたれば、笑はせたまふ。

(枕草子「雪のいと高う降りたるを」の段)

現代語訳(中宮様が)「少納言よ、香炉峰の雪はどうでしょう」とおっしゃるので、(私は)御格子を上げさせて、御簾を高く上げたところ、(中宮様は)お笑いになる。

ここがポイント主語が書かれていませんが、「仰せらる」「せたまふ」はどちらも尊敬を重ねた形で、地の文では中宮のような最高位の人に使われる(最高敬語)。だから主語は中宮、敬意は書き手(清少納言)から中宮へ。敬語から主語を決める練習は敬意の方向で。

型4 和歌の解釈(修辞+文法)

花の色は移りにけりないたづらにわが身世にふるながめせしまに

(百人一首9番・小野小町(花の色は))

現代語訳桜の花の色はすっかりあせてしまったことだなあ。長雨が降り続いていた間に。(そのように私の容姿も衰えてしまった。)むなしく世を過ごし、もの思いにふけっていた間に。

ここがポイント「に」は完了「ぬ」の連用形、「けり」は詠嘆、「な」は詠嘆の終助詞。「ふる」は「降る/経る」、「ながめ」は「長雨/眺め」の掛詞(掛詞)。「せし」の「せ」はサ変「す」の未然形、「し」は過去「き」の連体形(「せ」の識別)。和歌の解釈の選択肢は、修辞と文法の両方で正誤が決まります。
百人一首9番 小野小町の絵札(共通テスト 古文 文法 和歌の解釈 掛詞 せの識別)
百人一首9番・小野小町の絵札。「花の色は移りにけりないたづらにわが身世にふるながめせしまに」。1首に完了「ぬ」・詠嘆「けり」・掛詞・サ変「す」+過去「き」がそろい、和歌の解釈の練習にぴったりです。画像:絵札「Hyakuninisshu 009」(パブリックドメイン、Wikimedia Commons)

型5 本文と和歌集をつなぐ(複数の文章)

昔、男、親王たちの逍遥したまふ所にまうでて、竜田川のほとりにて、

(伊勢物語・第百六段(百人一首17番 在原業平朝臣「ちはやぶる」の場面))

現代語訳昔、ある男が、親王たちがそぞろ歩きをなさる所に参上して、竜田川のほとりで、

ここがポイントこの場面でよまれたのが「ちはやぶる神代も聞かず竜田川からくれなゐに水くくるとは」の歌です。物語の本文と歌集・注釈など2つの文章を読み比べる形では、「たまふ」(尊敬→親王たち)・「まうづ」(謙譲→親王たち)で人物関係をつかみ、歌の修辞(枕詞「ちはやぶる」)と結びつけて考えます。
サクラちゃん

サクラちゃん

どの型も、結局は助動詞と敬語で決まっているんですね。

合格先生

合格先生

そう。共通テストの選択肢は「意味はだいたい合っているが、助動詞の訳だけがちがう」ものが混ざりやすい。傍線部を品詞に分けて、助動詞・助詞・敬語を1つずつ訳に入れるくせをつけよう。

もっと深く(差がつくところ・本番の読み方)

1. 差がつくのは「主語」と「選択肢の細部」

共通テストの古文では、主語がはっきり書かれない文が続く本文がよく出ます。内容の説明の問いで迷う原因の多くは、だれの行動・だれの気持ちかの取りちがえです。主語は、敬語(尊敬語の主語は身分の高い人)、接続助詞(「て」は主語が続きやすく、「を・に・ど」は変わりやすいと説明される)、官職名などの呼び名で補います(主語の補い方)。

もう1つは選択肢の細部です。解釈の選択肢は、たとえば「〜できない」と「〜しない」、「〜しよう」と「〜だろう」、「〜てしまった」と「〜ている」のように、助動詞1語の訳だけがちがう形が多く見られます。打消の可能(「え〜打消」)、推量の「む」の意志・推量、完了「ぬ」と存続「り・たり」の区別が、そのまま得点差になります(「む」・「つ・ぬ」・「たり・り」)。

2. 和歌は「修辞」と「文法」の両方から

本文の中に和歌があると、その歌の解釈や、歌にこめた気持ちを説明する問いが出やすくなります。掛詞・縁語・序詞を見つけ、さらに助動詞(「けり」の詠嘆、「らむ」の原因推量、「まし」の反実仮想)を訳に入れて、二重の意味を説明している選択肢を選びます。和歌の5つの修辞は枕詞・序詞・掛詞・縁語・本歌取りのページで、百人一首の例を多く使って練習できます。読みもの「和歌の修辞」もあわせてどうぞ。

識別の組合せ(和歌の「なむ」)

高砂の尾の上の桜咲きにけり外山の霞立たずもあらなむ

(百人一首73番・権中納言匡房(大江匡房)「高砂の」)

現代語訳高い山の峰の桜が咲いたなあ。手前の山の霞よ、どうか立たないでほしい。

ここがポイント「あら」は未然形なので、「なむ」は他に対する願望の終助詞(〜てほしい)。同じ「なむ」でも、百人一首63番「今はただ思ひ絶えなむ」は連用形「絶え」の下なので完了「ぬ」の未然形+「む」(きっと〜しよう)です。上の語の活用形が決め手です(「なむ」の識別)。

「なり」も同じように組で覚えると強くなります。百人一首83番「世の中よ道こそなけれ思ひ入る山の奥にも鹿ぞ鳴くなる」の「なる」は、終止形「鳴く」の下で、鹿の声を聞いて判断する推定(「ぞ」の結びで連体形)。百人一首96番「花さそふ嵐の庭の雪ならでふりゆくものはわが身なりけり」の「なり」は、体言「わが身」の下なので断定です。

3. 時間の使い方と、本番での読み方の手順

国語は90分で5つの大問を解きます。大問ごとの時間は決められていないので、自分で配分します。配点の割合(古文45点÷200点)で90分を分けると約20分になり、これを1つの目安にして、過去問で自分の時間を確かめるのがよいでしょう。

本番の読み方(手順の例)1リード文・注を先に読む作品・場面・人物をつかむ2人物に印をつける呼び名(官職名)をそろえる3敬語で主語を補う尊敬語の主語=身分の高い人4傍線部は文法で切る助動詞・助詞・敬語を訳に出す5最後の問いは本文に戻る会話・別の文章と照らし合わせる3(主語の補い)が、内容の問いのカギになる
本番での読み方の手順の例。3の「敬語で主語を補う」がいちばん大事

とくに2の「呼び名をそろえる」は見落としがちです。令和8年度の本試験のリード文でも、同じ人物が本文では「中納言」「君」と呼ばれると説明されていました。呼び名は官職と身分のページで確かめられます。

4. 国公立二次・難関私大への橋渡し

共通テスト → 二次・私大へ共通テスト二次・私大答え方選択肢から選ぶ記述(訳・説明)文法の使い方選択肢をしぼる訳の中に全部出すねらわれる所識別・敬語・解釈訳・理由・和歌時間90分の中で配分大学ごとに異なる共通テストの文法の力が、そのまま記述の土台になる
共通テストと国公立二次・難関私大の古文のちがい

共通テストでは文法を「選択肢をしぼる道具」として使いますが、国公立二次や難関私大の記述では、現代語訳の中に文法をすべて出すことが求められます。共通テストの対策で身につけた「傍線部を品詞に分けて訳す」力は、そのまま記述の土台になります。記述の書き方や差がつく項目(「もぞ・もこそ」・二方面への敬語・本歌取りなど)は、国公立二次・難関私大の古文文法のページへ進んでください。高校受験までの古文から確かめ直したい人は高校受験の古文のページが入口です。ほかの入試のページは、目次の受験別に探すからも選べます。

ひらめいたサクラちゃん

サクラちゃん

共通テストで「品詞に分けて訳す」くせをつけておけば、二次の記述でもそのまま使えるんだ!

よくあるまちがい

まちがい1:単語だけ覚えて、文法を後回しにする

単語の意味がわかっても、助動詞の訳がちがえば解釈の選択肢は選べません。単語と並行して、助動詞の意味と接続を早めに固めましょう。

まちがい2:リード文と注を読まずに本文に入る

リード文には、人物の関係や場面が書かれています。読まずに始めると、主語の取りちがえが起き、内容の説明の問いをまとめて落としやすくなります。

まちがい3:選択肢の「だいたいの意味」で選ぶ

共通テストの選択肢は、大筋が同じで助動詞や敬語の訳だけがちがう形が多く見られます。「〜できない/〜しない」「〜しよう/〜だろう」など、1語の訳まで本文と照らし合わせて選びます。

まちがい4:古文に時間をかけすぎる

古文は国語の5つの大問の1つです。1つの問いで迷い続けると、ほかの大問の時間がなくなります。過去問で、自分に合った時間配分を決めておきましょう。

練習問題

共通テストの問いの形をまねた自作の問題です(本文は有名な古典から短く引いています)。

やさしい

  1. 次の文の傍線部「年ごろ」の意味として最も適当なものを、ア〜ウから選びなさい。
    年ごろ思ひつること、果たし侍りぬ。(徒然草・第五十二段)
    ア 年齢  イ 長年  ウ その年のころ
    答えと解説を見る

    イ(長年)。「年ごろ」は「長年・数年来」の意味の古語で、現代語の「年ごろ(年齢)」とは意味がちがいます(現代語と意味がちがう古語)。

  2. 同じ文の「果たし侍りぬ」の「ぬ」の文法的な説明として正しいものを選びなさい。
    ア 打消の助動詞「ず」の連体形  イ 完了の助動詞「ぬ」の終止形
    答えと解説を見る

    イ。「ぬ」のすぐ上の「侍り」はラ変の連用形で、文がここで終わっています。連用形の下の「ぬ」は完了「ぬ」の終止形です(果たしました)。打消「ず」の連体形「ぬ」なら上は未然形になります(「ぬ」の識別)。

ふつう

  1. 次の文の二つの「なり」について、説明の組合せとして正しいものを選びなさい。
    男もすなる日記といふものを、女もしてみむとてするなり。(土佐日記・冒頭)
    ア ①伝聞 ②断定  イ ①断定 ②伝聞  ウ ①②とも断定
    答えと解説を見る

    ア。①「すなる」はサ変「す」の終止形の下なので伝聞(書くと聞いている)。②「するなり」はサ変の連体形「する」の下なので断定(書くのである)。「す」と「する」の形のちがいが決め手です(「なり」の識別)。

  2. 次の文の「仰せらるれ」「笑はせたまふ」について、正しい説明を選びなさい。
    「少納言よ、香炉峰の雪いかならむ」と仰せらるれば、……笑はせたまふ。(枕草子)
    ア どちらも作者から中宮への敬意を表す
    イ どちらも作者から少納言への敬意を表す
    ウ 「仰せらるれ」は謙譲語で、中宮から作者への敬意を表す
    答えと解説を見る

    ア。「仰せらる」(尊敬の動詞「仰す」+尊敬の「らる」)、「せたまふ」(尊敬の「す」+尊敬の「たまふ」)は、地の文で最高位の人に使われる尊敬の重ねた形です。地の文なので敬意は書き手(作者の清少納言)から、尊敬語なので動作をする中宮へ。「少納言」は作者自身なので、イはまちがいです(敬意の方向・最高敬語)。

むずかしい

  1. 次の二首の「なむ」について、正しい説明を選びなさい。
    A 高砂の尾の上の桜咲きにけり外山の霞立たずもあらなむ(百人一首73番)
    B 今はただ思ひ絶えなむとばかりを人づてならで言ふよしもがな(百人一首63番)
    ア A・Bとも願望の終助詞
    イ Aは願望の終助詞、Bは完了「ぬ」の未然形+意志「む」
    ウ Aは係助詞、Bは願望の終助詞
    答えと解説を見る

    イ。Aは未然形「あら」の下なので他に対する願望の終助詞(立たないでほしい)。Bは連用形「絶え」の下なので完了(強意)「ぬ」の未然形「な」+意志「む」(きっと思いを断ち切ろう)。係助詞の「なむ」なら文末が連体形で結ばれ、取り除いても文が通ります(「なむ」の識別)。

  2. 次は、百人一首9番について話し合う生徒の会話(自作)である。本文の説明として適当でないものを一つ選びなさい。
    花の色は移りにけりないたづらにわが身世にふるながめせしまに
    ア 生徒A「『移りにけりな』の『に』は完了の助動詞だから、色があせてしまったことを表しているね。」
    イ 生徒B「『ふる』は『降る』と『経る』、『ながめ』は『長雨』と『眺め』の掛詞になっているよ。」
    ウ 生徒C「『せし』の『し』は強意の副助詞だから、訳さなくてもいいんだね。」
    答えと解説を見る

    ウが適当でない。「せし」の「せ」はサ変「す」の未然形で、「し」は過去の助動詞「き」の連体形です(「き」はサ変には未然形「せ」につく)。下の「まに(間に)」という体言に続くので連体形になっています。アの完了「ぬ」、イの掛詞は正しい説明です(「し」の識別・「き・けり」)。

関連ページ

例文に使った和歌は、合格大作戦の百人一首 全百首で現代語訳・品詞の分解・修辞を1首ずつ確かめられます(覚え方やクイズもあります)。

読みもの(合格大作戦の記事)

受験掲示板「100点BBS」で質問・相談しよう

よくある質問

共通テストの古文は何点で、試験時間は何分ですか?

国語は全体で90分・200点です。大学入試センターの実施要項では、古典が2問90点で、古文と漢文が各45点とされています。古文だけの試験時間は決められていません。

共通テストの古文は第何問ですか?

令和7年度と令和8年度の本試験では、第4問が古文、第5問が漢文でした。

共通テストの古文文法は何から勉強すればよいですか?

まず古文単語と用言の活用を固め、次に助動詞の意味と接続、そのあと敬語の種類と敬意の方向、識別の順に進めるのが効率的です。

共通テストで文法問題は出ますか?

文法だけを答える問いは多くありませんが、語句や敬語についての説明を選ぶ問いがあり、傍線部の解釈の選択肢も助動詞や敬語の訳で分かれることが多いので、文法の力が得点に直結します。

共通テストの古文に現代語訳は付きますか?

令和7・8年度の本試験では、本文に語句の注は付きましたが、本文全体の現代語訳は付いていません。

あわせて読みたい

出典・参考

  • 大学入試センター「令和9年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト実施要項」別紙「出題教科・科目の出題方法等」(国語90分・200点、注1:近代以降の文章3問110点・古典2問90点〈古文・漢文各45点〉)、試験時間割(国語は第1日13:00〜14:30)
  • 大学入試センター「令和7年度 本試験の正解」「令和8年度 本試験の正解」国語(第1問45点・第2問45点・第3問20点・第4問45点・第5問45点)
  • 大学入試センター「令和7年度 本試験の問題」「令和8年度 本試験の問題」国語 第4問(令和7年度:『在明の別』『源氏物語』若菜下、令和8年度:『うつほ物語』)
  • 大学入試センター「令和7年度大学入学共通テスト 試作問題『国語』の概要」(第4問 古典〈古文〉・第5問 古典〈漢文〉の構成)
  • 例文の本文:徒然草(第五十二段)、土佐日記(冒頭)、枕草子(「雪のいと高う降りたるを」の段)、伊勢物語(第百六段)、百人一首(9・17・63・73・83・96番)。表記は読みやすいように一部改めています
  • 高校の古典文法の標準的な説明にもとづいて作成。大事さの★と勉強の順番・時間配分は、この辞典の目安(公式の数字ではありません)
  • 画像:百人一首9番 小野小町の絵札「Hyakuninisshu 009」(パブリックドメイン、Wikimedia Commons)

最終更新:2026年10月21日/作成:大学受験合格大作戦