古文の助動詞一覧表|全28語の意味・接続・活用の型、見分け方(識別)の入口と覚える順番・練習問題【大学受験】

古文の助動詞一覧表|全28語の意味・接続・活用の型、見分け方(識別)の入口と覚える順番・練習問題【大学受験】

古文文法辞典 › 助動詞

大学受験難関大

ひとことで言うと

古文の助動詞は約28語。接続(未然形・連用形・終止形〈ラ変型は連体形〉・連体形/体言・サ未四已)と、意味の9つの家族(受身・使役・打消・過去・完了・推量・打消推量・希望・断定)で整理すると、1語ずつの意味と識別が見通せます。

このページのポイント

  • 古文の助動詞は約28語(「なり」「たり」は2語ずつ)
  • 1語ごとに意味・接続・活用の3つを押さえる
  • 意味で分けると9つの家族。いちばん多いのは推量の仲間
  • 活用の多くは動詞型・形容詞型・形容動詞型。独自なのは特殊型(ず・き・まし)と無変化型(じ・らし)
  • 識別(ぬ・ね・る・なり・に・し)の決め手は上の語の活用形

はじめて(やさしく)

助動詞(じょどうし)は、動詞・形容詞などのうしろにつけて意味をつけ足すことばです。現代語でいえば「書かない」「書いた」「書かれる」の「ない・た・れる」にあたります。形が変わる(活用する)ところが、変わらない「助詞」とのちがいです(くわしくは品詞の種類と見分け方)。

古文の助動詞は、教科書や文法書で28語前後が取り上げられます。このページは、その全部を1枚の地図にまとめ、1語ずつの解説ページへの入口にした「目次のページ」です。

助動詞は、動詞などのうしろにつく来カ変「来」来る+に完了「ぬ」〜てしまった+けり詠嘆「けり」〜たなあ秋は来にけり = 秋は来てしまったのだなあ(百人一首47番・恵慶法師「八重むぐら」)
「秋は来にけり」は、動詞「来」に助動詞「ぬ」「けり」が2つ続いた形
うかるくん

うかるくん

28個もあるんですか……。どこから手をつければいいのか、わかりません。

合格先生

合格先生

1語ずつ覚える前に、意味で家族に分けるといい。「過去の家族」「推量の家族」のように分けると、28個が9つのまとまりになるよ。

サクラちゃん

サクラちゃん

9つなら、なんとかなりそう!

意味で分けると、9つの家族受身・尊敬などる・らる使役・尊敬す・さす・しむ打消ず過去き・けり完了・存続つ・ぬ・たり・り推量の仲間む・むず・らむ・けむ・べしまし・めり・らし・なり打消推量じ・まじ希望まほし・たし断定・比況なり・たり・ごとしいちばん大きい家族は「推量の仲間」(9語)
古文の助動詞を意味で9つの家族に分けた図。推量の仲間がいちばん多い

助動詞の1語ずつについて、調べるときは次の3つを見るのが基本です。

  1. 意味:何を足すことばか(打消・過去・推量など)。
  2. 接続:上の語がどの活用形になるか(くわしくは助動詞の接続)。
  3. 活用:助動詞そのものがどう形を変えるか。
ひらめいたうかるくん

うかるくん

意味・接続・活用の3つを、表で横に並べて見ればいいんだ! 次の「しっかり」の表がそれだね。

ここまでのまとめ

  • 助動詞=用言などのうしろにつき、意味をつけ足す。活用する
  • 古文では28語前後。意味で分けると9つの家族
  • 1語ごとに「意味・接続・活用」の3つを見る

わからないところは、受験掲示板「100点BBS」の古典文法のお勉強のスレで質問できます。

しっかり(大学受験の基礎〜標準)

助動詞一覧表(全28語の意味・接続・活用の型)

接続の順(未然形→連用形→終止形→連体形など)に並べ、右の列にこの辞典の解説ページを示しました。表の中の「ラ変型は連体形」とは、ラ変型に活用する語(あり・形容詞のカリ活用など)には連体形につく、という意味です。

助動詞主な意味接続活用の型解説ページ
る・らる受身・尊敬・自発・可能未然形下二段型「る・らる」
す・さす・しむ使役・尊敬未然形下二段型「す・さす・しむ」
ず打消未然形特殊型「ず」
じ打消推量・打消意志未然形無変化型「じ」
む(ん)推量・意志・適当・勧誘・仮定・婉曲未然形四段型「む」
むず(んず)「む」とほぼ同じ未然形サ変型「むず」・「む」
まし反実仮想・ためらい・実現不可能な希望未然形特殊型「まし」
まほし希望未然形形容詞シク活用型「まほし」
き過去(直接経験)連用形(カ変・サ変に特別な形)特殊型「き・けり」
けり過去(伝聞)・詠嘆連用形ラ変型「き・けり」
つ完了・強意・並列連用形下二段型「つ・ぬ」
ぬ完了・強意・並列連用形ナ変型「つ・ぬ」
たり(完了)完了・存続連用形ラ変型「たり・り」
けむ(けん)過去推量・過去の原因推量・過去の伝聞・婉曲連用形四段型「けむ」
たし希望連用形形容詞ク活用型「たし」
らむ(らん)現在推量・現在の原因推量・現在の伝聞・婉曲終止形(ラ変型は連体形)四段型「らむ」
べし推量・意志・可能・当然・命令・適当終止形(ラ変型は連体形)形容詞ク活用型「べし」
らし推定終止形(ラ変型は連体形)無変化型「らし」
めり推定・婉曲終止形(ラ変型は連体形)ラ変型「めり」
なり(伝聞・推定)伝聞・推定終止形(ラ変型は連体形)ラ変型伝聞推定の「なり」
まじ打消推量・打消意志・不可能・打消当然・禁止・不適当終止形(ラ変型は連体形)形容詞シク活用型「まじ」
なり(断定)断定・存在体言・連体形形容動詞ナリ活用型断定の「なり」
たり(断定)断定体言形容動詞タリ活用型断定の「たり」(完了との見分けは「たり・り」)
ごとし比況・例示連体形・助詞「が」「の」形容詞ク活用型「ごとし」
り完了・存続サ変の未然形・四段の已然形ラ変型「たり・り」

表の「接続」の列は、教科書では5つのグループにまとめて覚えます。接続の覚え方・特別な接続(「き」のカ変・サ変、「り」の「サ未四已」など)・接続から語を決める問題は、助動詞の接続のページで深く扱います。

意味別の助動詞一覧(訳し方と見分けのカギ)

読解では、右の「カギ」の列が大事です。

家族助動詞訳の目安見分けのカギ
受身・尊敬・自発・可能る・らる〜れる・〜られる・自然と〜・〜できる「〜に」があれば受身、心の動きの動詞なら自発、打消と一緒なら可能(中古)
使役・尊敬す・さす・しむ〜させる・〜なさる下に尊敬語(給ふ など)がなければ使役。「せ給ふ」は人物で判断
打消ず〜ない連体形「ぬ」・已然形「ね」が完了「ぬ」とまぎらわしい
過去き・けり〜た・〜たそうだ・〜だなあ「き」は自分の体験、「けり」は伝え聞き。和歌・会話の「けり」は詠嘆が多い
完了・存続つ・ぬ・たり・り〜た・〜てしまった・〜ている「たり・り」は存続(〜ている)も。「つ・ぬ」は下に推量があると強意
推量の仲間む・むず・らむ・けむ・べし・まし・めり・らし・なり〜だろう・〜ようだ時(過去・現在・未来)、根拠(目で見た/耳で聞いた)で分ける
打消推量じ・まじ〜ないだろう・〜まい「じ」は「む」の、「まじ」は「べし」の打消
希望まほし・たし〜たい接続がちがう(まほし=未然形/たし=連用形)
断定・比況なり・たり・ごとし〜である・〜のようだ断定「なり」は体言・連体形の下。終止形の下の「なり」は伝聞推定
活用の型=「何と同じ変わり方か」動詞型四段型む・らむ・けむ下二段型る・らる・す・さす・しむ・つナ変型ぬラ変型けり・たり・り・めり・なりサ変型むず形容詞型ク・シクべし・まじ・まほし・たし(ク活用型)ごとし形容動詞型ナリ・タリなり・たり(断定)特殊型独自ず・き・まし無変化型形が1つじ・らし型がわかれば、活用表を丸暗記しなくてよい
活用の型。動詞と同じ型・形容詞と同じ型・形容動詞と同じ型と、独自の型(特殊型・無変化型)がある

活用の型で覚える

助動詞の活用は、多くが動詞・形容詞・形容動詞のどれかと同じ変わり方をします。たとえば「けり・たり・り・めり」はラ変「あり」と同じ、「ぬ」はナ変「死ぬ」と同じ、「べし・まじ」は形容詞と同じです。用言の活用は変格活用(カ変・サ変・ナ変・ラ変)・形容詞・形容動詞のページで確かめられます。型に当てはまらないのは特殊型(ず・き・まし)と無変化型(じ・らし)だけです。

時を表す助動詞の地図

上の段=起きたこと 下の段=おしはかることき・けり過去つ・ぬたり・り完了・存続まだ起きていない過去現在未来けむ過去推量〜ただろうらむ現在推量今ごろ〜だろうむ・べし推量〜だろう「けり」は過去のほか、気づきの詠嘆(〜だなあ)にも
起きたこと(過去・完了)と、目の前にないことをおしはかる助動詞(けむ・らむ・む)を時間の線で並べた

「む・らむ・けむ」の時のちがいは助動詞「む」のページで、「き」と「けり」のちがいは「き・けり」、「つ」と「ぬ」のちがいは「つ・ぬ」のページでくわしく扱います。

例文で地図を確かめる

八重むぐらしげれる宿のさびしきに人こそ見えね秋は来にけり

(百人一首47番・恵慶法師(八重むぐら))

現代語訳つる草が何重にも生い茂っている宿のさびしいところに、人は訪ねて来ないけれど、秋だけはやって来たのだなあ。

ここがポイント「しげれる」の「る」は四段の已然形「しげれ」についた完了・存続「り」の連体形(茂っている)。「見えね」の「ね」は「こそ」の結びで、打消「ず」の已然形。「来にけり」は完了「ぬ」の連用形+詠嘆「けり」。1首で「り・ず・ぬ・けり」の4語が見られます。
百人一首47番 恵慶法師の絵札
百人一首47番・恵慶法師の絵札。「八重むぐらしげれる宿のさびしきに人こそ見えね秋は来にけり」。1首に4つの助動詞が入っています。画像:絵札「Hyakuninisshu 047」(パブリックドメイン、Wikimedia Commons)

今来むといひしばかりに長月の有明の月を待ち出でつるかな

(百人一首21番・素性法師(今来むと))

現代語訳「すぐに行こう」とあなたが言ったばかりに、(その言葉を信じて待つうちに)九月の長い夜を明かし、有明の月が出るのを待つことになってしまったよ。

ここがポイント「来む」はカ変の未然形「こ」+意志「む」(主語は相手)。「いひし」の「し」は過去「き」の連体形。「待ち出でつる」の「つる」は完了「つ」の連体形(「かな」に続く)。推量・過去・完了の3つの家族がそろっています。

あはれともいふべき人は思ほえで身のいたづらになりぬべきかな

(百人一首45番・謙徳公(藤原伊尹)「あはれとも」)

現代語訳(私が死んでも)かわいそうだと言ってくれそうな人は思いうかばないで、私はきっとむなしく死んでしまうにちがいないのだなあ。

ここがポイント「なりぬべき」は、完了「ぬ」の終止形+推量「べし」の連体形。「ぬ」の下に推量の助動詞があるので、この「ぬ」は強意(きっと〜)。「ぬべし」「てむ」「なむ」などの形は、2つの家族がつながって新しい意味になる例です。

覚える順番のおすすめ

全部を同じ重さで覚える必要はありません。入試での出やすさから、3段階に分けるとむだがありません(ここでの順番は一般的な目安です)。

段階助動詞ねらい
1 まず最初にず・き・けり・つ・ぬ・む・べし・なり(断定・伝聞推定)読解で毎ページ出る。活用表を口で言えるように
2 次にる・らる・す・さす・しむ・たり・り・らむ・けむ・じ・まじ意味の見分け(受身か尊敬か、など)が問われる
3 仕上げまし・めり・らし・むず・まほし・たし・ごとし和歌・難関大で差がつく。「まし」の反実仮想は最重要
「ここが大事!」と説明する合格先生

合格先生

まずは段階1の8語。この8語の識別(「ぬ」「なり」など)ができれば、読解の土台はできたも同然だよ。

もっと深く(難関大・上級者)

1. 識別(見分け)の入口:同じ形・ちがう語

入試の文法問題で最も多いのが、同じ形のちがう語を見分ける問題です。決め手の第一は、ほとんどの場合すぐ上の語の活用形(接続)です。

同じ形、ちがう語(識別の入口)ぬ完了「ぬ」終止形/打消「ず」連体形ね完了「ぬ」命令形/打消「ず」已然形る・れ「る」(受身など)/完了「り」なり断定/伝聞・推定/形容動詞の語尾に完了「ぬ」連用形/断定「なり」連用形し過去「き」連体形/サ変「す」連用形せ過去「き」未然/サ変未然/使役「す」決め手の第一は「上の語の活用形」
まぎらわしい形の一覧。上の語の活用形が第一の決め手になる
形候補決め手くわしいページ
ぬ完了「ぬ」の終止形/打消「ず」の連体形上が連用形→完了、未然形→打消。下に体言があれば打消の連体形「つ・ぬ」・「ず」
ね完了「ぬ」の命令形/打消「ず」の已然形「こそ〜ね」や下に「ど・ども・ば」なら打消の已然形「ず」・「つ・ぬ」
る・れ受身などの「る」/完了・存続「り」上がア段(未然形)→「る」、エ段(四段已然形・サ変未然形)→「り」「る・らる」・「たり・り」
なり断定「なり」/伝聞推定「なり」/形容動詞の語尾体言・連体形の下→断定、終止形の下→伝聞推定。ラ変型の撥音便(あなり など)は伝聞推定伝聞推定の「なり」・形容動詞・断定の「なり」
に完了「ぬ」の連用形/断定「なり」の連用形/格助詞・接続助詞など連用形の下で「にき・にけり」→完了。「にあり」「にや」→断定「つ・ぬ」・「に」の識別
し過去「き」の連体形/サ変「す」の連用形/強意の副助詞など連用形の下の「し」→過去。「しき・して」のサ変も注意「き・けり」・変格活用
たり完了・存続「たり」/断定「たり」連用形の下→完了、体言の下→断定「たり・り」
べし6つの意味(推量・意志・可能・当然・命令・適当)主語の人称と文脈。「べからず」の訳し分け「べし」
なむ願望の終助詞/ぬ+む/係助詞/ナ変+む未然形の下→願望、連用形の下→ぬ+む「む」(なむの4つの見分け)

識別の専用ページもあります:「なり」・「に」・「ぬ」・「ね」・「なむ」・「る・れ」・「らむ」・「し」・「せ」・「なる」「な」。

2. 助動詞の数はなぜ「28前後」なのか

助動詞の数は、文法書によって少しずつちがいます。主な理由は次のとおりです。

  • 同じ形の2語を分けるか:「なり」(断定/伝聞推定)、「たり」(完了/断定)を2語に数えるのがふつうです。
  • 「むず」「けらし」などを独立させるか:「むず」は「むとす」がつまった形と説明され、1語として表に入れる本が多い一方、「けらし」(「けるらし」がつまった形)は「けり+らし」として扱われることが多いです。百人一首2番「春過ぎて夏来にけらし白妙の」の「けらし」がその例です。
  • 奈良時代(上代)の助動詞を入れるか:受身・自発の「ゆ・らゆ」、反復・継続の「ふ」、尊敬の「す」(四段型)などは、平安時代の文章ではあまり使われないので、表の外で説明されることが多いです。

3. 意味の数え方も、本によってちがう

同じ語でも、意味をいくつに分けるかは文法書により差があります。たとえば「べし」は、推量・意志・可能・当然・命令・適当の6つ(スイカトメテ)とする説明が多い一方、「予定」を加える本もあります。「けり」の詠嘆を「気づき」と言いかえる説明や、「る・らる」の可能は平安時代には打消・反語と一緒に使われることが多い、という説明もよく見られます。入試では、選択肢の訳を文脈に当てはめて決めるので、意味の名前より「訳し方」を覚えておくことが大切です。

サクラちゃん

サクラちゃん

本によって数がちがうなんて! じゃあ、どれを覚えればいいの?

合格先生

合格先生

教科書の表(このページの一覧表)で十分だよ。大事なのは数ではなく、形を見て、どの語のどの活用形かを言えること。そこから意味が決まるからね。

4. 現代語とのつながり

古文の助動詞は、今のことばの中に生きているむん→う書かむ→書こうたりた書きたり→書いたず(ぬ)ぬ・ん知らぬ・知らんべしべき行くべき道にてありである→だ春なり→春だ(変化の道すじは、一般的な説明による)
古文の助動詞の多くは、形を変えて現代語にも残っている

現代語の感覚と結びつけると、訳を思い出しやすくなります。ただし「けり」の詠嘆や「らむ」の原因推量のように、現代語にない使い方こそが入試でねらわれます。

よくあるまちがい

まちがい1:「なり」「たり」を1語だと思っている

「なり」には断定と伝聞・推定、「たり」には完了と断定の2語があります。接続(終止形か、連体形・体言か、連用形か)で区別します。

まちがい2:意味だけ覚えて、接続を覚えていない

「ぬ」が完了か打消かは、意味からではなく上の語の活用形で決まります。意味より先に接続を覚えると、識別問題がぐっと楽になります(助動詞の接続)。

まちがい3:「まほし」と「たし」の接続を同じにする

どちらも「〜たい」ですが、まほし=未然形(見まほし)、たし=連用形(見たし)。四段で比べると「行かまほし/行きたし」です。

練習問題

やさしい

  1. 次の助動詞を、意味の家族に分けなさい。
    き・ず・む・けり・べし・ぬ
    答えと解説を見る

    過去=き・けり、打消=ず、推量の仲間=む・べし、完了=ぬ。

  2. 助動詞「ぬ」の活用の型を答えなさい。また、同じ型の動詞を1つ答えなさい。
    答えと解説を見る

    ナ変型。同じ型の動詞は「死ぬ」「往ぬ(去ぬ)」。な・に・ぬ・ぬる・ぬれ・ね と活用します。

ふつう

  1. 「なり」には2つの助動詞がある。それぞれの意味と接続を答えなさい。
    答えと解説を見る

    ① 断定(・存在)の「なり」:体言・連体形に接続。② 伝聞・推定の「なり」:終止形(ラ変型には連体形)に接続。

  2. 「人こそ見えね」(百人一首47番)の「ね」を文法的に説明しなさい。
    答えと解説を見る

    下二段動詞「見ゆ」の未然形「見え」についた打消の助動詞「ず」の已然形。係助詞「こそ」の結びなので已然形になっています。完了「ぬ」の命令形「ね」ではありません(命令の意味では文が通らない)。

むずかしい

  1. 次の傍線部「ぬ」の文法的意味を答えなさい(自作)。
    ① 花散りぬ。 ② 花散らぬ里もなし。 ③ 花散りぬべし。
    答えと解説を見る

    ① 連用形「散り」の下で文末なので完了「ぬ」の終止形(散ってしまった)。② 未然形「散ら」の下で体言「里」に続くので打消「ず」の連体形(散らない里もない)。③ 完了「ぬ」の終止形だが、下に推量「べし」があるので強意(きっと散るにちがいない)。

  2. 「散りにけり」(自作)の「に」が完了の助動詞だといえる理由を、接続と活用から説明しなさい。
    答えと解説を見る

    「に」の上の「散り」は四段動詞「散る」の連用形で、完了「ぬ」は連用形に接続する。また下の「けり」も連用形に接続するので、「に」は連用形でなければならない。完了「ぬ」の連用形は「に」なので、完了「ぬ」の連用形と判断できる(散ってしまったのだった)。断定「なり」の連用形「に」は体言・連体形の下にあり、「にあり」「にや」「にこそ」などの形をとるので区別できる。

関連ページ

読みものとして、助動詞の全体像を文章でたどる記事「古文の助動詞 全28語を完全攻略」もあります(「もしもしかめよ」の歌での覚え方や、徒然草での読み方の練習つき)。

読みもの(合格大作戦の記事)

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よくある質問

古文の助動詞はいくつありますか?

教科書や文法書ではふつう28語前後を扱います。「なり」(断定・伝聞推定)と「たり」(完了・断定)を2語ずつ数えるかなどで、本によって少し差があります。

助動詞の一覧はどう覚えればよいですか?

まず接続の5グループ(未然形・連用形・終止形・連体形と体言・サ変未然形と四段已然形)を覚え、次に意味の家族ごとに訳し方を覚えます。入試頻出の「ず・き・けり・つ・ぬ・む・べし・なり」から始めるのが効率的です。

助動詞の活用の型とは何ですか?

助動詞がどの用言と同じように活用するかを表したものです。「けり」はラ変型、「ぬ」はナ変型、「べし」は形容詞型のように覚えると、活用表を丸暗記せずにすみます。

助動詞の識別(見分け方)で大事なことは?

すぐ上の語の活用形(接続)を確かめることです。たとえば「ぬ」は、連用形の下なら完了「ぬ」、未然形の下なら打消「ず」の連体形です。

「まほし」と「たし」の違いは?

どちらも希望「〜たい」ですが、「まほし」は未然形、「たし」は連用形に接続します。平安時代の文章では「まほし」が多く使われます。

あわせて読みたい

出典・参考

  • 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)」国語(言語文化・古典探究)
  • 例文の本文:百人一首(2・21・45・47番)。表記は読みやすいように一部改めています
  • 高校の古典文法の標準的な説明(助動詞の意味・接続・活用の型)にもとづいて作成。意味の数え方や上代の助動詞の扱いは文法書により差がある
  • 画像:百人一首47番 恵慶法師の絵札「Hyakuninisshu 047」(パブリックドメイン、Wikimedia Commons)

最終更新:2026年10月21日/作成:大学受験合格大作戦