古文の助動詞「ず」の意味と活用表|ざり活用(補助活用)・ぬ/ねの識別・で・ずは・覚え方・練習問題【大学受験】

古文の助動詞「ず」の意味と活用表|ざり活用(補助活用)・ぬ/ねの識別・で・ずは・覚え方・練習問題【大学受験】

古文文法辞典 › 助動詞

大学受験

ひとことで言うと

「ず」は未然形につく打消の助動詞で、「〜ない」と訳します。本活用はず・ず・ず・ぬ・ね・○、下に助動詞が来るときの補助活用はざら・ざり・○・ざる・ざれ・ざれ。「ぬ」「ね」は上が未然形なら打消です。

このページのポイント

  • 接続は未然形、意味は打消(〜ない)
  • 本活用:ず・ず・ず・ぬ・ね・○/補助活用:ざら・ざり・○・ざる・ざれ・ざれ
  • 下に助動詞が来たら補助活用(ざらむ・ざりけり・ざるべし)
  • 「ぬ」「ね」は上が未然形→打消、連用形→完了
  • 「で」=ず+て(〜ないで)、「ずは」=〜ないならば、「ざなり」=ざるなり

はじめて(やさしく)

「ず」は、「〜ない」と打ち消す助動詞です。「書かず」は「書かない」、「見ず」は「見ない」。今でも「思わず」「知らず知らず」「食わず嫌い」などのことばに、そのまま残っています。

「ず」は、今の「〜ない」古文今のことば書かず書かない見ず見ない来(こ)ず来ない今も「思わず」「食わず嫌い」に残っている
「ず」は今の「〜ない」。「来ず」は「こず」と読む

「ず」は形がとても変わります。「ず」のほかに「ぬ」「ね」という形があり、さらに「ざら・ざり・ざる・ざれ」という形もあります。最初はびっくりしますが、しくみがわかればかんたんです。

サクラちゃん

サクラちゃん

「ぬ」や「ね」も「ず」なの? ぜんぜん似てないよ……。

合格先生

合格先生

昔は、打消には「な行」の形(ぬ・ね)と「ず」の2つの流れがあって、それが1つにまとまったと説明されるんだ。だから「花咲かぬ春」「人こそ見えね」も打消なんだよ。

うかるくん

うかるくん

じゃあ「ざり」は?

合格先生

合格先生

「ざり」は「ず+あり」がつまった形。「あり」の力を借りて、下に助動詞をつけやすくしたものなんだ。

「ざり」は「ず+あり」ず+ありざり「あり」が入っているので、ラ変のように活用するざらむ〜ないだろうざりけり〜なかったざるべし〜ないはずだ下に助動詞をつけたいときに「ざり」を使う
「ず+あり」がつまって「ざり」。下に助動詞をつけたいときに使う
ひらめいたサクラちゃん

サクラちゃん

「ず・ぬ・ね」が本来の形、「ざら・ざり・ざる・ざれ」は「ず+あり」。下に助動詞が来たら「ざ」の形だね!

ここまでのまとめ

  • 「ず」=打消の助動詞。「〜ない」と訳す
  • 未然形につく(書か・見・こ・せ+ず)
  • 本活用「ず・ず・ず・ぬ・ね」と、補助活用「ざら・ざり・ざる・ざれ」がある
  • 「ぬ」「ね」は完了の「ぬ」とまぎらわしいので、上の語の形で見分ける

助動詞の全体は、記事「古文の助動詞一覧」と辞典の助動詞一覧で見渡せます。わからない所は、受験掲示板「100点BBS」の古典文法のお勉強で質問できます。

しっかり(大学受験の基礎〜標準)

「ず」の活用表(本活用・補助活用)

語未然形連用形終止形連体形已然形命令形活用の型
ず(本活用)ずずずぬね○特殊型
ず(補助活用)ざらざり○ざるざれざれラ変型
「ず」の活用は2段で覚える未然連用終止連体已然命令本活用ずずずぬね○補助活用ざらざり○ざるざれざれ連体形「ぬ」・已然形「ね」は完了「ぬ」とまぎらわしい補助活用は「ず+あり」なのでラ変型
本活用「ず・ず・ず・ぬ・ね・○」と補助活用「ざら・ざり・○・ざる・ざれ・ざれ」

本活用の未然形「ず」は、「ずは」の形にだけ出てくるとする説明が多く、表でかっこに入れる本もあります。補助活用には終止形がありません(言い切りは本活用の「ず」)。命令形は補助活用の「ざれ」だけです(「〜するな」は「〜ざれ」)。覚えるときは、「ず・ず・ず・ぬ・ね・○」「ざら・ざり・○・ざる・ざれ・ざれ」と縦に唱えるのが定番です。

「ず」の接続と意味

項目内容例
接続未然形書かず(四段)・見ず(上一段)・こず(カ変)・せず(サ変)・死なず(ナ変)・あらず(ラ変)
意味打消(〜ない)「花咲かず」=花が咲かない
形容詞・形容詞型の語カリ活用の未然形につく高からず・恋しからず・べからず
形容動詞・断定「なり」「なら」につく静かならず・人ならず

未然形の作り方は動詞の種類で決まります。とくにカ変「来」は「こず」、サ変「す」は「せず」になる点に注意。活用形の基本は活用形のページで確かめられます。形容詞につくときは「高く+あり」からできたカリ活用の「高から」につき、これは「ず+あり→ざり」と同じしくみです(形容詞)。

本活用と補助活用の使い分け

「ず」の下に何が来る?助詞・文末・体言(て・ば・ど・を など)助動詞(む・き・けり・べし など)本活用ず・ず・ず・ぬ・ね補助活用ざら・ざり・ざる・ざれずして・ぬを・ねどざらむ・ざりき・ざるべし命令形は補助活用の「ざれ」だけ
下に助詞や文末なら本活用、下に助動詞なら補助活用
下に来るもの使う形例
文末(言い切り)本活用 ず(終止形)世の中は定めず。(自作)
助詞(て・して・は・とも・ど・ば・を など)本活用ずして・ねど・ねば・ぬを
体言本活用の「ぬ」(「ざる」も)来ぬ人・知らぬ人
助動詞(む・まし・き・けり・べし・なり・めり など)補助活用ざらむ・ざりき・ざりけり・ざるべし
命令補助活用 ざれ怠らざれ(怠るな)(自作)。漢文訓読調の文に多い

補助活用は、下に助動詞をつけるためにできた形です。「ず」の本活用には連用形「ず」はあっても、「き」「けり」をつけにくいので、「ざり+き」「ざり+けり」とします。下の助動詞の接続(「む」は未然形、「けり」は連用形、「べし」は終止形・ラ変型は連体形)に合わせて、ざら・ざり・ざる を選びます。

指し棒で説明する合格先生

合格先生

「ざり」の下には助動詞が来る。だから「ざら」「ざり」「ざる」を見たら、すぐ下の助動詞を探す。2つセットで訳すのがコツだよ。

例文で確かめる

ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。

(方丈記・冒頭)

現代語訳流れていく川の流れは絶えることがなくて、しかも(そこを流れる水は)もとの水ではない。

ここがポイント1つ目の「ず」は連用形(下に助詞「して」)、2つ目は文末の終止形。どちらも本活用です。「絶え」は下二段の未然形、「あら」はラ変の未然形。

いとやむごとなき際にはあらぬが、すぐれて時めきたまふありけり。

(源氏物語・桐壺)

現代語訳それほど高い身分ではない方で、とりわけ帝のご寵愛を受けていらっしゃる方がいた。

ここがポイント「あら」はラ変の未然形なので、「ぬ」は打消「ず」の連体形。下の「が」は、連体形の下につく格助詞(〜で)。完了の「ぬ」なら連用形「あり」につくはずです。

あまた見えつる子どもに似るべうもあらず、いみじく生ひ先見えてうつくしげなる容貌なり。

(源氏物語・若紫(北山の垣間見))

現代語訳(そこに)大勢見えていた子どもたちとは比べものにならず、成長した先がとても楽しみで、かわいらしい顔だちである。

ここがポイント「あら」はラ変の未然形、「ず」は連用形(文が「、」で続く中止法)。「べう」は助動詞「べし」の連用形「べく」のウ音便で、「似るべうもあらず」は「似ているはずもない(比べものにならない)」。
源氏物語 若紫の巻の絵。縁側の鳥かご、空へ逃げる小鳥、垣根の外からのぞく貴族が描かれている
源氏物語「若紫」の垣間見の場面。雀の子を逃がして泣きながら走ってきた少女(のちの紫の上)を、物語は「似るべうもあらず」と、ほかの子とは比べものにならないと書いています。画像:「Wakamurasaki by Unknown Japanese artist.jpg」(1620年ごろ、作者不明、バーミングハム美術館蔵、パブリックドメイン、Wikimedia Commons)

仁和寺にある法師、年寄るまで石清水を拝まざりければ、心うく覚えて、

(徒然草・第五十二段(仁和寺にある法師))

現代語訳仁和寺にいたある法師が、年をとるまで石清水八幡宮をお参りしたことがなかったので、情けなく思って、

ここがポイント下に助動詞「けり」(連用形接続)があるので、「ず」は補助活用の連用形「ざり」。「ざりけれ+ば」で「〜しなかったので」。

八重むぐらしげれる宿のさびしきに人こそ見えね秋は来にけり

(百人一首47番・恵慶法師(八重むぐら))

現代語訳つる草が何重にも生い茂っている宿のさびしいところに、人はだれも訪ねて来ないが、秋だけはやって来たのだなあ。

ここがポイント「こそ」の結びなので、「ね」は打消「ず」の已然形(係り結び)。「こそ〜已然形、」と文が続くときは「〜けれど」と逆接で訳します。

月見れば千々に物こそ悲しけれわが身ひとつの秋にはあらねど

(百人一首23番・大江千里(月見れば))

現代語訳月を見ると、あれこれと限りなく物悲しいことだ。私一人のためにやって来た秋ではないけれど。

ここがポイント「あら」はラ変の未然形、「ね」は打消「ず」の已然形、「ど」は逆接の接続助詞。「ねど」で「〜ないけれど」。
百人一首23番 大江千里の絵札
百人一首23番・大江千里の絵札。「わが身ひとつの秋にはあらねど」の「ね」は、打消「ず」の已然形です。画像:絵札「Hyakuninisshu 023」(パブリックドメイン、Wikimedia Commons)

来ぬ人をまつほの浦の夕なぎに焼くや藻塩の身もこがれつつ

(百人一首97番・権中納言定家(藤原定家)「来ぬ人を」)

現代語訳いくら待っても来ない人を待つ私は、松帆の浦の夕なぎのころに焼く藻塩のように、身もこがれる思いでいる。

ここがポイント「来ぬ」は「こぬ」と読みます。カ変「来」の未然形「こ」+打消「ず」の連体形「ぬ」で、下に体言「人」。もし「きぬ」と読めば、連用形「き」+完了「ぬ」になってしまいます。

もっと深く(難関大・上級者)

1. 「ぬ」の識別:打消の連体形か、完了の終止形か

「ぬ」は入試の識別問題でもっともよく出る形の1つです。手順は上を見て、決まらなければ下を見るです。

「ぬ」のすぐ上は何形?未然形連用形打消「ず」の連体形〜ない来ぬ人(こぬひと)完了「ぬ」の終止形〜た・〜てしまった秋は来ぬ(きぬ)未然形=連用形の語(見え・寝 など)は下を見る下に体言・係り結びの結び → 打消の連体形言い切り(文末) → 完了の終止形
「ぬ」は上が未然形なら打消、連用形なら完了。同じ形なら下を見る
見る所打消「ず」の連体形「ぬ」完了「ぬ」の終止形「ぬ」
上の語未然形(咲か・あら・こ)連用形(咲き・あり・き)
下の語体言・助詞(が・を・に)・係り結びの結び言い切り(文末)・「と」・終止形接続の語(べし・らむ など)
例「知らぬ」(46番 行方も知らぬ)・「ほさぬ袖」(65番)「漕ぎ出でぬと」(11番)・「かれぬと思へば」(28番)

やっかいなのは、未然形と連用形が同じ形の語(上一段・上二段・下一段・下二段)です。百人一首92番「潮干に見えぬ沖の石の」の「見え」は下二段で、未然形も連用形も「見え」。そこで下を見ると、体言「沖」が続くので連体形→打消「(潮が引いても)見えない沖の石」です。完了の「ぬ」の連体形は「ぬる」なので、体言の前に「ぬ」があれば打消と考えてよいのです(36番「まだ宵ながら明けぬるを」の「ぬる」は完了の連体形)。完了の「ぬ」は助動詞「つ・ぬ」のページでくわしく扱います。

2. 「ね」の識別

「ね」も、すぐ上の語で決まる未然形+ねこそ〜ね・ねど・ねば打消「ず」の已然形〜ないけれど・〜ないので連用形+ね文末で命令完了「ぬ」の命令形〜てしまえ「死・往」+ね死ね・往ねナ変動詞の命令形死ね・行ってしまえ「絶えなば絶えね」の「ね」は完了の命令形
「ね」は、未然形の下なら打消の已然形、連用形の下で命令なら完了の命令形

玉の緒よ絶えなば絶えねながらへば忍ぶることの弱りもぞする

(百人一首89番・式子内親王(玉の緒よ))

現代語訳わが命よ、絶えるのなら絶えてしまえ。生きながらえていると、(恋を)こらえ忍ぶ心が弱ってしまうといけないから。

ここがポイント「絶え」は下二段で未然形・連用形が同じ形。ここでは「絶えなば(絶えてしまうなら)」を受けて、文が命令で言い切られているので、「ね」は完了「ぬ」の命令形「〜てしまえ」。

同じ「来ね」でも、「こね」(未然形+打消の已然形)なら「来ないので・来ないけれど」、「きね」(連用形+完了の命令形)なら「来てしまえ(来てくれ)」です。読みがなのない問題では、文末か、下に「ど・ば」があるか、「こそ」があるかで決めます。

3. 「で」「ずは」「なくに」「ざなり」

「ず」の仲間の形で=ず+て〜ないでやすらはで(59番)ずは=ず+は〜ないならば上代は「〜ないで」もなくに=古い形「なく」+に〜ないのに・〜ないことよ我ならなくに(14番)ざなり=ざるなり〜ないそうだ「ん」を書かない形「で」は「ないで」、「ずは」は「ないならば」が基本
「ず」から生まれた形。「で」「ずは」「なくに」「ざなり」

接続助詞「で」は、「ずて」がつまってできたと説明される語で、未然形について「〜ないで」と訳します。百人一首59番「やすらはで寝なましものを」は「ためらわないで寝てしまえばよかったのに」、25番「人に知られでくるよしもがな」は「人に知られないで」です。完了「つ」の連用形「て」や、格助詞の「で」(場所・手段、中世以後)とまちがえないようにしましょう。

「ずは」は、平安時代の文章では「〜ないならば」と仮定で訳すのが基本です。「は」は係助詞と説明されることが多く、上の「ず」を未然形とみる説明と連用形とみる説明があります(表で未然形「ず」をかっこに入れるのはこのためです)。奈良時代の和歌には「〜ないで(むしろ)」と訳さないと通じない「ずは」もあり、万葉集の「かくばかり恋ひつつあらずは」(巻二・磐姫皇后の歌)は「これほど恋い続けていないで(いっそ)」と解釈されます。

「なくに」は、「ず」の古い形「な」に「く」がついた「なく」(ク語法)+助詞「に」で、「〜ないのに・〜ないことだなあ」。14番「乱れそめにし我ならなくに」、34番「松も昔の友ならなくに」に出てきます。

「ざなり」「ざめり」は、「ざる+なり(伝聞・推定)」「ざる+めり」の「ざる」が撥音便で「ざん」になり、「ん」が書かれなかった形です(音便)。「〜ないようだ・〜ないそうだ」と訳します。「なり」の見分けは助動詞「なり」(伝聞・推定)で扱います。「ざるべし」も同じように「ざんべし」「ざべし」となることがあります(助動詞「べし」)。

4. 補助活用の例外と「ず」の連用形「に」

  • 補助活用の連体形「ざる」は、体言の前にも使われます(「知らざる人」)。とくに漢文訓読調の文章や、中世以後の文章に多く見られます。
  • 奈良時代には、連用形として「に」という形があり、「知らに(知らないで)」のように使われました。平安時代以後の文章ではほとんど見られません。
  • 「ずなりぬ」(〜なくなってしまった)のように、下に動詞「なる」が来るときは本活用の連用形「ず」を使います。
うかるくん

うかるくん

「で」も「なくに」も、もとは「ず」の仲間だったのか!

合格先生

合格先生

そう。だからどれも「〜ない」の意味をふくむんだ。訳に「ない」を入れ忘れなければ、大きなまちがいはしないよ。

サクラちゃん

サクラちゃん

百人一首の56番「あらざらむ」も、「ざら(補助活用の未然形)+む」で「生きていないであろう」なんだね!

「む」については助動詞「む(ん)」、「ざりけり」の「けり」については助動詞「き・けり」で説明しています。百人一首43番「昔はものを思はざりけり」は「(逢う前の)昔は物思いなどしなかったのだなあ」と、補助活用+詠嘆の「けり」です。

よくあるまちがい

まちがい1:「ぬ」を全部完了だと思う

「ぬ」は打消「ず」の連体形でもあります。上の語が未然形なら打消。「来ぬ人」は「こぬひと(来ない人)」です。

まちがい2:「ね」を命令と訳す

「人こそ見えね」の「ね」は「こそ」の結びで、打消の已然形。命令形になるのは完了「ぬ」の「ね」です。「こそ」があるか、下に「ど・ば」があるかを確かめます。

まちがい3:「ざり」を見て「ず」と別の語だと思う

「ざら・ざり・ざる・ざれ」は「ず+あり」で、同じ打消の助動詞「ず」です(補助活用)。品詞分解では「ず」の未然形・連用形…と答えます。

覚え方や識別のコツは、受験掲示板「100点BBS」の古典の勉強方法のスレで、ほかの受験生と情報交換できます。

練習問題

やさしい

  1. 打消の助動詞「ず」の本活用と補助活用を、未然形から命令形まで答えなさい(ない形は○)。
    答えと解説を見る

    本活用:ず・ず・ず・ぬ・ね・○。補助活用:ざら・ざり・○・ざる・ざれ・ざれ。

  2. 「京には行かず。」(自作)を現代語に訳しなさい。
    答えと解説を見る

    「京には行かない」。「行か」は四段の未然形、「ず」は打消の終止形です。

ふつう

  1. 次の「ぬ」を文法的に説明しなさい(自作)。
    ① 花咲かぬ里 ② 花咲きぬ。
    答えと解説を見る

    ① 上が四段の未然形「咲か」なので、打消「ず」の連体形(下に体言「里」)。「花の咲かない里」。② 上が連用形「咲き」なので、完了「ぬ」の終止形。「花が咲いた」。

  2. 「雨降らざりければ、田も乾きにけり。」(自作)の「ざり」と「けれ」を文法的に説明しなさい。
    答えと解説を見る

    「ざり」は打消「ず」の補助活用の連用形(下に助動詞「けり」が来るため)。「けれ」は過去「けり」の已然形で、下に接続助詞「ば」。「雨が降らなかったので、田も乾いてしまった」。

むずかしい

  1. 次の「ね」を文法的に説明しなさい(自作)。
    ① 人こそ知らね ② はや帰りね。 ③ 月も見えねば
    答えと解説を見る

    ① 「こそ」の結びで、上は四段の未然形「知ら」。打消「ず」の已然形。② 上は四段の連用形「帰り」で、文末の命令。完了「ぬ」の命令形「早く帰ってしまえ」。③ 「見え」は下二段で未然形・連用形が同じ形。下に「ば」があり「月も見えないので」と訳せるので、打消「ず」の已然形(完了の已然形なら「ぬれば」になる)。

  2. 「さる人は、世にあらざなり。」(自作)の「ざなり」を説明し、訳しなさい。
    答えと解説を見る

    打消「ず」の補助活用の連体形「ざる」+伝聞・推定の助動詞「なり」で、「ざるなり」が撥音便「ざんなり」になり、「ん」が書かれなかった形。「そのような人は、この世にはいないそうだ(いないようだ)」。「ざる」は伝聞・推定「なり」のラ変型への接続(連体形)に合わせた形です。

関連ページ

読みもの(合格大作戦の記事)

受験掲示板「100点BBS」で質問・相談しよう

よくある質問

助動詞「ず」の意味と接続は?

意味は打消(〜ない)で、未然形に接続します。「書かず」「見ず」「こず(来ず)」「せず」のように使います。

「ず」の本活用と補助活用はどう使い分けますか?

下に助動詞が来るときは補助活用(ざら・ざり・ざる・ざれ)、文末や助詞・体言の前では本活用(ず・ず・ず・ぬ・ね)を使います。命令形は補助活用の「ざれ」だけです。

打消の「ぬ」と完了の「ぬ」の見分け方は?

上の語が未然形なら打消「ず」の連体形、連用形なら完了「ぬ」の終止形です。未然形と連用形が同じ形の語は、下に体言や係り結びの結びがあれば打消、言い切りなら完了です。

「ね」の識別のしかたは?

未然形の下で「こそ」の結びや「ど・ば」が続く「ね」は打消「ず」の已然形、連用形の下で命令として言い切る「ね」は完了「ぬ」の命令形です。

接続助詞「で」と「ずは」の意味は?

「で」は「ずて」がつまったと説明される語で「〜ないで」と訳します。「ずは」は平安時代の文では「〜ないならば」と仮定で訳すのが基本です。

あわせて読みたい

出典・参考

  • 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)」国語(言語文化・古典探究)
  • 例文の本文:方丈記(冒頭)、源氏物語(桐壺)、徒然草(第五十二段)、万葉集(巻二・磐姫皇后の歌)、百人一首(11・14・23・25・28・34・36・43・46・47・56・59・65・89・92・97番)。表記は読みやすいように一部改めています
  • 高校の古典文法の標準的な説明(「ず」の活用・接続、本活用と補助活用、「ぬ」「ね」の識別)にもとづいて作成。「ずは」の「は」の扱い、本活用の未然形「ず」の扱いには複数の説があります
  • 画像:百人一首の絵札「Hyakuninisshu 023」(パブリックドメイン、Wikimedia Commons)、「Wakamurasaki by Unknown Japanese artist.jpg」(1620年ごろ、作者不明、バーミングハム美術館蔵、パブリックドメイン〈PD-US〉、Wikimedia Commons)

最終更新:2026年10月21日/作成:大学受験合格大作戦