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中学受験高校受験大学受験難関大
ひとことで言うと
文中に「ぞ・なむ・や・か」があると文末が連体形に、「こそ」があると已然形になるきまり。ぞ・なむ・こそは強意、や・かは疑問・反語です。
このページのポイント
- ぞ・なむ・や・か → 連体形、こそ → 已然形
- 意味:ぞ・なむ・こそ=強意(訳さない)、や・か=疑問・反語
- 結びは文が切れるところの述語の最後の語
- 難関大は結びの省略・流れ(消滅)・こその逆接、文末や間投助詞の「や」
はじめて(やさしく)
古文には、文の中に「ぞ・なむ・や・か・こそ」ということばがあると、文の終わりの形が変わるというきまりがあります。これを係り結び(かかりむすび)といいます。
現代の国語でも、「もし雨が降ったら」「まるで花のようだ」のように、前のことばと後ろのことばがペアになる言い方を習いますね。係り結びも、前のことば(係り)と文の終わり(結び)がペアになるきまりです。
まなぶくん
文の終わりの形が変わるって、どういうこと?
合格先生
たとえば「花、昔の香ににほひけり。」という文に「ぞ」を入れると、「花ぞ昔の香ににほひける。」になるんだ。
ハルちゃん
「けり」が「ける」に変わった! 「ぞ」が入っただけなのに。
合格先生
そう。「ぞ」が文の終わりに「係って」いって、終わりの形を変えて「結ぶ」。だから係り結びというんだよ。
この文は、百人一首35番、紀貫之の歌の一部です。「花ぞ昔の香ににほひける」は「梅の花は、昔と同じ香りでにおっている」という意味です。「ぞ」は意味を強めることばで、訳すときは特に訳さなくてかまいません。

覚えることは、次の2つだけです。
ここだけは覚えよう
- 「ぞ・なむ・や・か」があると、文の終わりは連体形(「けり」→「ける」など)
- 「こそ」があると、文の終わりは已然形(いぜんけい。「けり」→「けれ」など)
- 意味は、「ぞ・なむ・こそ」は強め(訳さなくてよい)、「や・か」は疑問(〜か)

ハルちゃん
「こそ」だけがけれ、ほかはける。「こそ」は特別あつかい、で覚えちゃおう!
中学受験・高校受験では、「文の終わりの形を選ぶ問題」や「係りの語・結びの語をぬき出す問題」がよく出ます。「けり」が「ける」「けれ」に変わることを覚えておけば、多くの問題が解けます。
しっかり(大学受験の基礎〜標準)
係助詞と結び
| 係助詞 | 意味 | 結び | 例 |
|---|---|---|---|
| ぞ | 強意 | 連体形 | 花ぞ昔の香ににほひける |
| なむ | 強意 | 連体形 | 竹なむ一筋ありける |
| や(やは) | 疑問・反語 | 連体形 | 月やはものを思はする |
| か(かは) | 疑問・反語 | 連体形 | いづれの山か天に近き |
| こそ | 強意 | 已然形 | 物こそ悲しけれ |
反語は「〜か、いや〜ない」と、疑問の形で強く打ち消す言い方です。「やは」「かは」の形は反語になることが多いですが、最後は文脈で決めます。
結びの見つけ方
- 文中の係助詞を見つける(取り除いても文の意味が通るのが係助詞)。
- そこから後ろへ読み、文が切れるところ(句点。「と」「とて」で引用が終わる直前もふくむ)の述語を探す。
- その述語のいちばん最後の語(助動詞があれば助動詞)が結び。活用形を確かめる。
例文で確かめる
その竹の中に、もと光る竹なむ一筋ありける。
(竹取物語・冒頭)
現代語訳その竹の中に、根もとの光る竹が一本あった。
人はいさ心も知らずふるさとは花ぞ昔の香ににほひける
(百人一首35番・紀貫之(人はいさ))
現代語訳あなたは、さあ、心も(昔のままかどうか)わかりません。でもなじみのこの土地では、梅の花が昔と同じ香りでにおっていることです。
月見れば千々に物こそ悲しけれわが身ひとつの秋にはあらねど
(百人一首23番・大江千里(月見れば))
現代語訳月を見ると、あれこれと限りなくもの悲しいことだ。私ひとりのためにやってきた秋ではないけれど。
いづれの山か天に近き。
(竹取物語・ふじの山(帝のことば))
現代語訳どの山が天に近いか。
嘆けとて月やはものを思はするかこち顔なるわが涙かな
(百人一首86番・西行法師(嘆けとて))
現代語訳嘆けといって月が私にもの思いをさせるのか、いや、そうではない。(それなのに)月のせいにするような顔つきでこぼれる私の涙であることよ。
心あてに折らばや折らむ初霜の置きまどはせる白菊の花
(百人一首29番・凡河内躬恒(心あてに))
現代語訳あて推量に、折るならば折ってみようか。初霜が一面に置いて、(霜か花か)見分けがつかないようにしている白菊の花を。
もっと深く(難関大・上級者)
1. 結びの省略・結びの流れ・こその逆接
結びの省略:「〜にや」「〜にか」(下に「あらむ」「ありけむ」が略される)、「〜とぞ」「〜となむ」(下に「言ふ」「聞く」などが略される)、「〜とこそ」(「言へ」など)。源氏物語の冒頭「いづれの御時にか」は、「ありけむ」が省略された形で、「どの帝の御代であったか」と訳します。
いづれの御時にか、女御、更衣あまたさぶらひたまひける中に、いとやむごとなき際にはあらぬが、すぐれて時めきたまふありけり。
(源氏物語・桐壺(冒頭))
現代語訳どの帝の御代であったか、女御や更衣が大勢お仕え申し上げていらっしゃった中に、それほど高い身分ではない方で、とりわけ帝のご寵愛を受けていらっしゃる方があった。
結びの流れ(消滅):結びになるはずの語に接続助詞(て・ば・に・を・ども など)がついて文が続くと、係り結びは成立しません。「涙ぞ落ちて、袖ぬれにけり」(自作)は、「ぞ」の結びになるはずの「落ち」が「て」で下へ続くので、結びが消え、文末は終止形「けり」になります。
こそ〜已然形、(逆接):「こそ」の結びの已然形で文が切れずに続くと、「〜けれど」という逆接の意味になります。百人一首92番「わが袖は潮干に見えぬ沖の石の人こそ知らね乾く間もなし」は、「人は知らないけれど、(私の袖は涙で)乾くひまもない」。「ね」は打消「ず」の已然形です。土佐日記の終わり近くの「中垣こそあれ、一つ家のやうなれば」(隔ての垣根はあるけれど、一軒の家のようなものなので)も同じ形です。
2. 「や」「か」は係助詞とは限らない
- 文末の「や」「か」は終助詞(疑問・反語・詠嘆)で、結びはありません。伊勢物語の「わが思ふ人はありやなしやと」(第九段)の「や」は、終止形「あり」「なし」についた文末の疑問です。徒然草の「花は盛りに、月は隈なきをのみ見るものかは」(第百三十七段)は、文末の「かは」で反語(〜だろうか、いやそうではない)。
- 間投助詞の「や」は、語調を整えたり詠嘆したりするだけで、結びはありません。百人一首100番「百敷や古き軒端の……昔なりけり」の「や」は詠嘆・呼びかけで、文末は終止形「けり」。97番「来ぬ人を……焼くや藻塩の」の「や」も間投助詞です。
見分けの目安は、文中にあって、文末が連体形で結ばれているか。文末が終止形なら、その「や」は係助詞ではない可能性が高い、と考えます。
3. 結びの判定の難所
- 四段・ラ変などは終止形と連体形が同じ形のことがある:「逢はむとぞ思ふ」(百人一首77番)の「思ふ」は、形は終止形と同じでも、「ぞ」の結びなので連体形。
- こその已然形は命令形とまぎらわしい:「ものをこそ思へ」(百人一首80番)の「思へ」は、四段「思ふ」の已然形。命令「思え」ではありません。
- 疑問の副詞(いかで・など・なに・いかが など)があると、係助詞がなくても文末が連体形になることがあります(係り結びに準じる形として説明されます)。
- 「なむ」の識別:係助詞の「なむ」は体言や助詞などにつき、取り除いても文が成り立ちます。未然形+「なむ」(願望)や連用形+「なむ」(完了「ぬ」+「む」)と区別します(助動詞「む」の「なむ」の4つの見分けを参照)。
4. 「もぞ」「もこそ」は心配の表現
「も」に「ぞ」「こそ」がついた「もぞ」「もこそ」は、「〜したら大変だ・〜すると困る」という危ぶむ気持ちを表します。結びは、それぞれ連体形・已然形です。

烏などもこそ見つくれ。
(源氏物語・若紫(雀の子を逃がした場面))
現代語訳烏などが見つけたら大変だ。
5. 係り結びの歴史(説の違い)
係り結びは奈良時代・平安時代の文章でさかんに使われ、鎌倉時代から室町時代にかけて、連体形で文を終える言い方が広まるにつれて区別が失われ、しだいに使われなくなったと説明されます。どうして係り結びが生まれたかについては、倒置(「にほひけるは花ぞ」のような語順の入れかえ)から生まれたとする説などがあり、決着していません。
うかるくん
係り結びって、昔の人にとってはどんな感じだったんだろう?
サクラちゃん
「ぞ」や「こそ」で強めると、聞く人に「ここが大事!」って伝わりそう。
合格先生
いい感覚だね。どこを強調しているかを意識して読むと、和歌の気持ちもぐっとわかりやすくなるよ。
よくあるまちがい
まちがい1:係助詞のすぐ後ろの語を結びにする
結びは文が切れるところの述語の最後の語。「花ぞ昔の香ににほひける」の結びは「にほひ」ではなく「ける」。
まちがい2:「や」を見たら、すぐ係り結びと考える
文末の「や」(終助詞)、「百敷や」の「や」(間投助詞)には結びがありません。文中にあって、文末が連体形かを確かめます。
まちがい3:「こそ〜え段」を命令形にする
「ものをこそ思へ」の「思へ」は已然形。こその結びは已然形、と覚えておけば迷いません。
まちがい4:結びの流れを「結びの省略」と答える
結びの語が書かれていないのが省略、結びになるはずの語が接続助詞で下へ続いて消えたのが流れ(消滅)です。
練習問題
やさしい
- ( )に「けり」を正しい形にして入れなさい。(自作)
① 花ぞ咲き( )。 ② 花こそ咲き( )。答えと解説を見る
① 「ぞ」があるので連体形「ける」。② 「こそ」があるので已然形「けれ」。
- 係り結びで、文の終わりが已然形になる係助詞はどれですか。
ア ぞ イ なむ ウ か エ こそ答えと解説を見る
エ(こそ)。ほかの「ぞ・なむ・や・か」は連体形になります。
ふつう
- 「この川にぞ、むかし鬼住みける。」(自作)から係助詞と結びの語をぬき出し、結びの活用形を答えなさい。
答えと解説を見る
係助詞は「ぞ」、結びは「ける」(過去の助動詞「けり」の連体形)。
- 「いづれの山か天に近き。」(竹取物語)の「近き」の品詞と活用形、およびその活用形になっている理由を答えなさい。
答えと解説を見る
形容詞「近し」の連体形。疑問の係助詞「か」の結びだからです。
むずかしい
- 「月ぞ照りまさりて、人々夜もすがら遊びけり。」(自作)で、「ぞ」の結びがどうなっているかを説明しなさい。
答えと解説を見る
「ぞ」の結びになるはずの「照りまさり」に接続助詞「て」がついて文が続いているので、係り結びは成立していません(結びの流れ・結びの消滅)。文末の「けり」は終止形です。
- 百人一首100番「百敷や古き軒端のしのぶにもなほあまりある昔なりけり」の「や」は係助詞ですか。文末の形にふれて説明しなさい。
答えと解説を見る
係助詞ではありません(詠嘆・呼びかけの間投助詞)。係助詞「や」なら文末は連体形「ける」になるはずですが、この歌の文末は終止形「けり」です。「百敷(宮中)よ」と呼びかけ、詠嘆する言い方です。
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兼好法師の文章を読む
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- 国語の勉強掲示板(古文・漢文・現代文の勉強の相談)
よくある質問
係り結びとは何ですか?
文中に係助詞「ぞ・なむ・や・か」があると文末が連体形に、「こそ」があると文末が已然形になる古文のきまりです。
係り結びの係助詞の意味は?
「ぞ・なむ・こそ」は強意で、ふつうは訳しません。「や・か」は疑問か反語で、「〜か」「〜か、いや〜ない」と訳します。
結びの省略とは何ですか?
係助詞に対応する結びの語が書かれていない形です。「〜にや」「〜にか」の下の「あらむ」、「〜とぞ」の下の「言ふ」などが省略されます。
結びの流れ(消滅)とは何ですか?
結びになるはずの語に接続助詞がついて文が続き、係り結びが成立しなくなることです。
係り結びは中学受験や高校受験にも出ますか?
出ます。文末の形を選ぶ問題や、係りの語と結びの語をぬき出す問題が多いので、「ぞ・なむ・や・か→連体形、こそ→已然形」を覚えておきましょう。
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出典・参考
- 文部科学省「中学校学習指導要領(平成29年告示)」国語、「高等学校学習指導要領(平成30年告示)」国語(言語文化・古典探究)
- 例文の本文:竹取物語、源氏物語(桐壺・若紫)、伊勢物語(第九段)、徒然草(第百三十七段)、土佐日記、百人一首(23・29・35・77・80・86・92・97・100番)。表記は読みやすいように一部改めています
- 高校の古典文法の標準的な説明(係助詞・係り結び)にもとづいて作成
- 画像:「Wakamurasaki by Unknown Japanese artist.jpg」(源氏物語 若紫、1620年ごろ、作者不明、Birmingham Museum of Art 蔵、パブリックドメイン〈PD-US〉、Wikimedia Commons)
- 画像:百人一首の絵札「Hyakuninisshu 035」(パブリックドメイン、Wikimedia Commons)
最終更新:2026年10月15日/作成:大学受験合格大作戦



