この一覧について
- 古代ギリシャの作図問題から、フェルマーの最終定理・ポアンカレ予想・リーマン予想まで、数学の有名な難問29問を「いつ・だれが出して、いつ・だれが解いたか」の表にまとめました
- 未解決の問題10問と、解かれた(または「できない」と証明された)問題19問に分けています。100万ドルのミレニアム懸賞問題7問もまとめました
- 名前に色がついている問題は、問題の意味・歴史・なぜ難しいか・受験とのつながりを1問1ページでやさしく解説しています。解いた数学者のページにもつながります
くわしく解説している難問(15問)
- 三大作図問題とは?わかりやすく 不可能・決められないと証明
定規とコンパスだけで、円と同じ面積の正方形・体積2倍の立方体・角の三等分を作図できるか。どれも不可能と証明された - 奇数の完全数はあるかとは?わかりやすく 未解決
6・28のように約数の和が自分の2倍になる完全数。偶数のものは52個見つかっているが、奇数の完全数は1つも見つかっていない - 平行線公準の問題とは?わかりやすく 不可能・決められないと証明
ほかの公理から平行線の公理を証明できるか。証明できず、成り立たない幾何学(非ユークリッド幾何学)もあると分かった - 5次方程式の解の公式とは?わかりやすく 不可能・決められないと証明
2次・3次・4次方程式のような、四則と累乗根だけの解の公式が5次方程式にもあるか。一般にはないと証明された - ケプラー予想とは?わかりやすく 解決
同じ大きさの球をいちばん密に詰める方法は、八百屋のみかんの積み方か。コンピューターで証明 - ケーニヒスベルクの橋の問題とは?わかりやすく 解決
7つの橋を1回ずつ渡って元にもどれるか。できないと示し、グラフ理論が生まれた - ゴールドバッハ予想とは?わかりやすく 未解決
4以上の偶数は2つの素数の和で表せるか。とても大きな数まで確かめられているが証明はない(奇数版の「弱い予想」は2013年に証明が発表された) - 双子素数予想とは?わかりやすく 未解決
3と5、11と13のように差が2の素数の組は無限にあるか。2013年に「差が7000万以下の組は無限」と分かり、その後246まで縮まった - 四色問題とは?わかりやすく 解決
どんな地図も4色でぬり分けられるか。コンピューターを使った初めての大きな証明 - リーマン予想とは?わかりやすく 未解決
ゼータ関数の「自明でない零点」は、すべて実部が1/2の直線上にあるか。素数の分布のかぎ。ミレニアム懸賞問題 - 連続体仮説とは?わかりやすく 不可能・決められないと証明
自然数と実数の「あいだの大きさ」の無限はあるか。今の集合論の公理からは決められないと証明された - ポアンカレ予想とは?わかりやすく 解決
穴のない3次元の図形は、球と同じ形と言えるか。ミレニアム懸賞問題で唯一の解決 - コラッツ予想とは?わかりやすく 未解決
偶数なら2でわり、奇数なら3倍して1を足す。どんな数から始めても1にたどり着くか - P≠NP 予想とは?わかりやすく 未解決
答えを確かめるのが速い問題は、答えを見つけるのも速いのか。コンピューターの世界の最大の難問。ミレニアム懸賞問題 - ABC予想とは?わかりやすく 解決と発表・評価が分かれる
a+b=c のとき、c は abc の素因数の積よりめったに大きくならない。望月新一の証明は2021年に論文掲載、評価が分かれている
未解決の難問(10問)
今も解かれていない問題です。中には、小学生でも問題の意味が分かるのに、世界中の数学者が何百年も解けないものがあります。
| 問題(出された年・人) | いつ・だれが解いた? |
|---|---|
| 奇数の完全数はあるか解説 古代ギリシャ・ユークリッド ほか | 未解決 6・28のように約数の和が自分の2倍になる完全数。偶数のものは52個見つかっているが、奇数の完全数は1つも見つかっていない |
| ゴールドバッハ予想解説 1742・ゴールドバッハ | 未解決 4以上の偶数は2つの素数の和で表せるか。とても大きな数まで確かめられているが証明はない(奇数版の「弱い予想」は2013年に証明が発表された) |
| 双子素数予想解説 1849・ド・ポリニャック | 未解決 3と5、11と13のように差が2の素数の組は無限にあるか。2013年に「差が7000万以下の組は無限」と分かり、その後246まで縮まった |
| リーマン予想解説 1859・リーマン | 未解決 ゼータ関数の「自明でない零点」は、すべて実部が1/2の直線上にあるか。素数の分布のかぎ。ミレニアム懸賞問題 |
| コラッツ予想解説 3n+1 問題・角谷の問題 1937ごろ・コラッツ | 未解決 偶数なら2でわり、奇数なら3倍して1を足す。どんな数から始めても1にたどり着くか |
| ホッジ予想 1950・ホッジ | 未解決 図形の「形のかけら」は代数的な式で作れるか。ミレニアム懸賞問題 |
| バーチ・スウィンナートン=ダイアー予想 BSD予想 1965ごろ・バーチ・スウィンナートン=ダイアー | 未解決 楕円曲線の上の有理数の点の個数を、関数で読み取れるか。ミレニアム懸賞問題 |
| P≠NP 予想解説 P対NP問題 1971・クック | 未解決 答えを確かめるのが速い問題は、答えを見つけるのも速いのか。コンピューターの世界の最大の難問。ミレニアム懸賞問題 |
| ナビエ–ストークス方程式の解の存在となめらかさ 2000(懸賞)・クレイ数学研究所 | 未解決 水や空気の流れを表す方程式に、いつでもなめらかな解があるか。ミレニアム懸賞問題 |
| ヤン–ミルズ方程式と質量ギャップ問題 2000(懸賞)・クレイ数学研究所 | 未解決 素粒子の力を表す理論を数学として厳密に作れるか。ミレニアム懸賞問題 |
解かれた難問・決着した問題(19問・年表)
出された順にならべています。「解決」は証明された問題、「不可能・決められないと証明」は「できないこと」や「今の数学の決まりからは決められないこと」が証明された問題です。ABC予想は、証明が発表され論文も掲載されましたが、数学者の間で評価が分かれています。
| 問題(出された年・人) | いつ・だれが解いた? |
|---|---|
| 三大作図問題解説 円積問題・立方倍積問題・角の三等分問題 前5世紀ごろ・古代ギリシャ | 不可能・決められないと証明 1837・1882年 ヴァンツェル・リンデマン 定規とコンパスだけで、円と同じ面積の正方形・体積2倍の立方体・角の三等分を作図できるか。どれも不可能と証明された |
| 平行線公準の問題解説 第5公準 前300ごろ・ユークリッド | 不可能・決められないと証明 1830年ごろ ロバチェフスキー・ボーヤイ ほかの公理から平行線の公理を証明できるか。証明できず、成り立たない幾何学(非ユークリッド幾何学)もあると分かった |
| 素数は無限にあるか 前300ごろ・ユークリッド | 解決 前300ごろ年 ユークリッド 素数がどこまでも続くことを、背理法で示した最も古い有名な証明の一つ |
| 5次方程式の解の公式解説 アーベル・ルフィニの定理 16世紀・カルダノ ほか | 不可能・決められないと証明 1824年 アーベル・ガロア 2次・3次・4次方程式のような、四則と累乗根だけの解の公式が5次方程式にもあるか。一般にはないと証明された |
| ケプラー予想解説 球の詰め込み問題 1611・ケプラー | 解決 1998(発表)・2005(掲載)・2014(確認) ヘールズ 同じ大きさの球をいちばん密に詰める方法は、八百屋のみかんの積み方か。コンピューターで証明 |
| フェルマーの最終定理 フェルマー予想 1637ごろ・フェルマー | 解決 1995年 ワイルズ n≧3 のとき xⁿ+yⁿ=zⁿ をみたす自然数はない。360年近く解けなかった |
| バーゼル問題 1644・メンゴリ | 解決 1734ごろ年 オイラー 1+1/4+1/9+1/16+… はいくつか。答えは π²/6 |
| ケーニヒスベルクの橋の問題解説 一筆書きの問題 1730年代・ケーニヒスベルクの人々 | 解決 1736年 オイラー 7つの橋を1回ずつ渡って元にもどれるか。できないと示し、グラフ理論が生まれた |
| 円周率の超越性 πは超越数か 18世紀・オイラー ほか | 解決 1882年 リンデマン π はどんな整数係数の方程式の解にもならない。これで円積問題が不可能と決まった |
| ウェアリングの問題 1770・ウェアリング | 解決 1909年 ヒルベルト どの自然数も、決まった個数の k 乗数の和で書けるか(3乗なら9個) |
| 素数定理 素数の分布 1792ごろ・ガウス・ルジャンドル | 解決 1896年 アダマール・ド・ラ・ヴァレー・プーサン x 以下の素数はおよそ x/log x 個ある、という素数の散らばり方の法則 |
| カタラン予想 ミハイレスクの定理 1844・カタラン | 解決 2002年 ミハイレスク 累乗どうしで差が1になるのは 8 と 9(2³ と 3²)だけか |
| 四色問題解説 四色定理 1852・ガスリー | 解決 1976年 アッペル・ハーケン どんな地図も4色でぬり分けられるか。コンピューターを使った初めての大きな証明 |
| 連続体仮説解説 1878・カントール | 不可能・決められないと証明 1938〜40・1963年 ゲーデル・ポール・コーエン 自然数と実数の「あいだの大きさ」の無限はあるか。今の集合論の公理からは決められないと証明された |
| 算術の無矛盾性(ヒルベルトの第2問題) 1900・ヒルベルト | 不可能・決められないと証明 1931年 ゲーデル 数学がけっして矛盾しないことを、数学の中で証明できるか。不完全性定理でできないと分かった |
| ポアンカレ予想解説 1904・ポアンカレ | 解決 2002〜03年 ペレルマン 穴のない3次元の図形は、球と同じ形と言えるか。ミレニアム懸賞問題で唯一の解決 |
| ビーベルバッハ予想 ド・ブランジュの定理 1916・ビーベルバッハ | 解決 1984年 ド・ブランジュ 複素関数の係数の大きさについての予想。68年後に解決 |
| モーデル予想 ファルティングスの定理 1922・モーデル | 解決 1983年 ファルティングス 曲線の上の有理数の点は有限個か。解決でフィールズ賞 |
| ABC予想解説 1985・オステルレ・マッサー | 解決と発表・評価が分かれる 2012(発表) 望月新一 a+b=c のとき、c は abc の素因数の積よりめったに大きくならない。望月新一の証明は2021年に論文掲載、評価が分かれている |
ミレニアム懸賞問題(7問)
2000年にアメリカのクレイ数学研究所が、1問につき100万ドルの賞金をかけた7つの難問です。解決したのはポアンカレ予想だけで、解いたペレルマンは賞金を受け取りませんでした(2010年に辞退が報じられました)。
- リーマン予想 未解決
ゼータ関数の「自明でない零点」は、すべて実部が1/2の直線上にあるか。素数の分布のかぎ。ミレニアム懸賞問題 - P≠NP 予想 未解決
答えを確かめるのが速い問題は、答えを見つけるのも速いのか。コンピューターの世界の最大の難問。ミレニアム懸賞問題 - ナビエ–ストークス方程式の解の存在となめらかさ 未解決
水や空気の流れを表す方程式に、いつでもなめらかな解があるか。ミレニアム懸賞問題 - ヤン–ミルズ方程式と質量ギャップ問題 未解決
素粒子の力を表す理論を数学として厳密に作れるか。ミレニアム懸賞問題 - ホッジ予想 未解決
図形の「形のかけら」は代数的な式で作れるか。ミレニアム懸賞問題 - バーチ・スウィンナートン=ダイアー予想 未解決
楕円曲線の上の有理数の点の個数を、関数で読み取れるか。ミレニアム懸賞問題 - ポアンカレ予想 解決
穴のない3次元の図形は、球と同じ形と言えるか。ミレニアム懸賞問題で唯一の解決
ヒルベルトの23の問題
1900年、ドイツの数学者ヒルベルトは、20世紀に解くべき23の問題を発表しました。連続体仮説(第1問題)や算術の無矛盾性(第2問題)、リーマン予想(第8問題の一部)もその中にあります。くわしくはヒルベルトの業績と23の問題のページで解説しています。
この一覧の使い方
- 問題を解いた・出した数学者の名前(色つき)を押すと、有名な数学者一覧のその人のページに進みます。
- フェルマーの最終定理は、フェルマーの最終定理をわかりやすく解説した記事でくわしく読めます。
- 公式そのものを学びたいときは算数・数学の公式一覧(公式辞典)へ。
よくある質問
数学の未解決問題で有名なものは何ですか?
リーマン予想・ゴールドバッハ予想・双子素数予想・コラッツ予想・P≠NP予想などが有名です。とくにリーマン予想とP≠NP予想は、100万ドルの賞金がかかったミレニアム懸賞問題に入っています。
ミレニアム懸賞問題とは何ですか?
2000年にクレイ数学研究所が1問100万ドルの賞金をかけた7つの難問です。リーマン予想・P≠NP予想・ナビエ–ストークス方程式・ヤン–ミルズ理論・ホッジ予想・BSD予想・ポアンカレ予想の7つで、解決したのはポアンカレ予想だけです。
ポアンカレ予想はだれが解きましたか?
ロシアの数学者グリゴリー・ペレルマンが、2002〜2003年にインターネットで公開した論文で解決しました。2006年にフィールズ賞、2010年にミレニアム賞の賞金を辞退したと報じられています。
フェルマーの最終定理はいつ解かれましたか?
イギリスの数学者アンドリュー・ワイルズが1994年に証明を完成させ、1995年に論文が発表されました。フェルマーが書き残してから、およそ360年かかりました。
小学生でも意味が分かる未解決問題はありますか?
あります。「4以上の偶数は2つの素数の和で表せるか」(ゴールドバッハ予想)や、「偶数なら2でわり、奇数なら3倍して1を足すと、いつか1になるか」(コラッツ予想)は、問題の意味は小学生でも分かりますが、まだだれも証明できていません。
「不可能と証明された」とはどういうことですか?
解けないのではなく、「そういう方法や答えは存在しない」ことが証明された、という意味です。たとえば定規とコンパスで角を三等分することや、5次方程式の一般的な解の公式は、存在しないことが証明されています。
ABC予想は解決したのですか?
京都大学の望月新一が2012年に証明を発表し、2021年に論文が数学の専門誌に掲載されました。ただし、証明に不備があると考える数学者もいて、数学界の評価は分かれています。
コンピューターで解かれた難問はありますか?
四色問題(1976年)やケプラー予想(1998年に発表、2014年にコンピューターによる証明の確認が完了)が有名です。人の手だけでは確かめきれない量の場合分けを、コンピューターで調べました。
あわせて読みたい
出典・参考
- Clay Mathematics Institute「Millennium Prize Problems」
- 各問題の年号は、ページのある問題はそのページの出典欄、それ以外は数学史の本・百科事典で広く知られた内容によります
最終更新:2026年10月29日/作成:大学受験合格大作戦



