数学の難問・未解決問題一覧【29問】いつ・だれが解いた?ミレニアム懸賞問題・リーマン予想・ABC予想

数学の難問・未解決問題一覧【29問】いつ・だれが解いた?ミレニアム懸賞問題・リーマン予想・ABC予想

この一覧について

  • 古代ギリシャの作図問題から、フェルマーの最終定理・ポアンカレ予想・リーマン予想まで、数学の有名な難問29問を「いつ・だれが出して、いつ・だれが解いたか」の表にまとめました
  • 未解決の問題10問と、解かれた(または「できない」と証明された)問題19問に分けています。100万ドルのミレニアム懸賞問題7問もまとめました
  • 名前に色がついている問題は、問題の意味・歴史・なぜ難しいか・受験とのつながりを1問1ページでやさしく解説しています。解いた数学者のページにもつながります

くわしく解説している難問(15問)

未解決の難問(10問)

今も解かれていない問題です。中には、小学生でも問題の意味が分かるのに、世界中の数学者が何百年も解けないものがあります。

問題(出された年・人)いつ・だれが解いた?
奇数の完全数はあるか解説
古代ギリシャ・ユークリッド ほか
未解決
6・28のように約数の和が自分の2倍になる完全数。偶数のものは52個見つかっているが、奇数の完全数は1つも見つかっていない
ゴールドバッハ予想解説
1742・ゴールドバッハ
未解決
4以上の偶数は2つの素数の和で表せるか。とても大きな数まで確かめられているが証明はない(奇数版の「弱い予想」は2013年に証明が発表された)
双子素数予想解説
1849・ド・ポリニャック
未解決
3と5、11と13のように差が2の素数の組は無限にあるか。2013年に「差が7000万以下の組は無限」と分かり、その後246まで縮まった
リーマン予想解説
1859・リーマン
未解決
ゼータ関数の「自明でない零点」は、すべて実部が1/2の直線上にあるか。素数の分布のかぎ。ミレニアム懸賞問題
コラッツ予想解説
3n+1 問題・角谷の問題
1937ごろ・コラッツ
未解決
偶数なら2でわり、奇数なら3倍して1を足す。どんな数から始めても1にたどり着くか
ホッジ予想
1950・ホッジ
未解決
図形の「形のかけら」は代数的な式で作れるか。ミレニアム懸賞問題
バーチ・スウィンナートン=ダイアー予想
BSD予想
1965ごろ・バーチ・スウィンナートン=ダイアー
未解決
楕円曲線の上の有理数の点の個数を、関数で読み取れるか。ミレニアム懸賞問題
P≠NP 予想解説
P対NP問題
1971・クック
未解決
答えを確かめるのが速い問題は、答えを見つけるのも速いのか。コンピューターの世界の最大の難問。ミレニアム懸賞問題
ナビエ–ストークス方程式の解の存在となめらかさ
2000(懸賞)・クレイ数学研究所
未解決
水や空気の流れを表す方程式に、いつでもなめらかな解があるか。ミレニアム懸賞問題
ヤン–ミルズ方程式と質量ギャップ問題
2000(懸賞)・クレイ数学研究所
未解決
素粒子の力を表す理論を数学として厳密に作れるか。ミレニアム懸賞問題

解かれた難問・決着した問題(19問・年表)

出された順にならべています。「解決」は証明された問題、「不可能・決められないと証明」は「できないこと」や「今の数学の決まりからは決められないこと」が証明された問題です。ABC予想は、証明が発表され論文も掲載されましたが、数学者の間で評価が分かれています。

問題(出された年・人)いつ・だれが解いた?
三大作図問題解説
円積問題・立方倍積問題・角の三等分問題
前5世紀ごろ・古代ギリシャ
不可能・決められないと証明
1837・1882年 ヴァンツェル・リンデマン
定規とコンパスだけで、円と同じ面積の正方形・体積2倍の立方体・角の三等分を作図できるか。どれも不可能と証明された
平行線公準の問題解説
第5公準
前300ごろ・ユークリッド
不可能・決められないと証明
1830年ごろ ロバチェフスキー・ボーヤイ
ほかの公理から平行線の公理を証明できるか。証明できず、成り立たない幾何学(非ユークリッド幾何学)もあると分かった
素数は無限にあるか
前300ごろ・ユークリッド
解決
前300ごろ年 ユークリッド
素数がどこまでも続くことを、背理法で示した最も古い有名な証明の一つ
5次方程式の解の公式解説
アーベル・ルフィニの定理
16世紀・カルダノ ほか
不可能・決められないと証明
1824年 アーベル・ガロア
2次・3次・4次方程式のような、四則と累乗根だけの解の公式が5次方程式にもあるか。一般にはないと証明された
ケプラー予想解説
球の詰め込み問題
1611・ケプラー
解決
1998(発表)・2005(掲載)・2014(確認) ヘールズ
同じ大きさの球をいちばん密に詰める方法は、八百屋のみかんの積み方か。コンピューターで証明
フェルマーの最終定理
フェルマー予想
1637ごろ・フェルマー
解決
1995年 ワイルズ
n≧3 のとき xⁿ+yⁿ=zⁿ をみたす自然数はない。360年近く解けなかった
バーゼル問題
1644・メンゴリ
解決
1734ごろ年 オイラー
1+1/4+1/9+1/16+… はいくつか。答えは π²/6
ケーニヒスベルクの橋の問題解説
一筆書きの問題
1730年代・ケーニヒスベルクの人々
解決
1736年 オイラー
7つの橋を1回ずつ渡って元にもどれるか。できないと示し、グラフ理論が生まれた
円周率の超越性
πは超越数か
18世紀・オイラー ほか
解決
1882年 リンデマン
π はどんな整数係数の方程式の解にもならない。これで円積問題が不可能と決まった
ウェアリングの問題
1770・ウェアリング
解決
1909年 ヒルベルト
どの自然数も、決まった個数の k 乗数の和で書けるか(3乗なら9個)
素数定理
素数の分布
1792ごろ・ガウス・ルジャンドル
解決
1896年 アダマール・ド・ラ・ヴァレー・プーサン
x 以下の素数はおよそ x/log x 個ある、という素数の散らばり方の法則
カタラン予想
ミハイレスクの定理
1844・カタラン
解決
2002年 ミハイレスク
累乗どうしで差が1になるのは 8 と 9(2³ と 3²)だけか
四色問題解説
四色定理
1852・ガスリー
解決
1976年 アッペル・ハーケン
どんな地図も4色でぬり分けられるか。コンピューターを使った初めての大きな証明
連続体仮説解説
1878・カントール
不可能・決められないと証明
1938〜40・1963年 ゲーデル・ポール・コーエン
自然数と実数の「あいだの大きさ」の無限はあるか。今の集合論の公理からは決められないと証明された
算術の無矛盾性(ヒルベルトの第2問題)
1900・ヒルベルト
不可能・決められないと証明
1931年 ゲーデル
数学がけっして矛盾しないことを、数学の中で証明できるか。不完全性定理でできないと分かった
ポアンカレ予想解説
1904・ポアンカレ
解決
2002〜03年 ペレルマン
穴のない3次元の図形は、球と同じ形と言えるか。ミレニアム懸賞問題で唯一の解決
ビーベルバッハ予想
ド・ブランジュの定理
1916・ビーベルバッハ
解決
1984年 ド・ブランジュ
複素関数の係数の大きさについての予想。68年後に解決
モーデル予想
ファルティングスの定理
1922・モーデル
解決
1983年 ファルティングス
曲線の上の有理数の点は有限個か。解決でフィールズ賞
ABC予想解説
1985・オステルレ・マッサー
解決と発表・評価が分かれる
2012(発表) 望月新一
a+b=c のとき、c は abc の素因数の積よりめったに大きくならない。望月新一の証明は2021年に論文掲載、評価が分かれている

ミレニアム懸賞問題(7問)

2000年にアメリカのクレイ数学研究所が、1問につき100万ドルの賞金をかけた7つの難問です。解決したのはポアンカレ予想だけで、解いたペレルマンは賞金を受け取りませんでした(2010年に辞退が報じられました)。

  • リーマン予想 未解決
    ゼータ関数の「自明でない零点」は、すべて実部が1/2の直線上にあるか。素数の分布のかぎ。ミレニアム懸賞問題
  • P≠NP 予想 未解決
    答えを確かめるのが速い問題は、答えを見つけるのも速いのか。コンピューターの世界の最大の難問。ミレニアム懸賞問題
  • ナビエ–ストークス方程式の解の存在となめらかさ 未解決
    水や空気の流れを表す方程式に、いつでもなめらかな解があるか。ミレニアム懸賞問題
  • ヤン–ミルズ方程式と質量ギャップ問題 未解決
    素粒子の力を表す理論を数学として厳密に作れるか。ミレニアム懸賞問題
  • ホッジ予想 未解決
    図形の「形のかけら」は代数的な式で作れるか。ミレニアム懸賞問題
  • バーチ・スウィンナートン=ダイアー予想 未解決
    楕円曲線の上の有理数の点の個数を、関数で読み取れるか。ミレニアム懸賞問題
  • ポアンカレ予想 解決
    穴のない3次元の図形は、球と同じ形と言えるか。ミレニアム懸賞問題で唯一の解決

ヒルベルトの23の問題

1900年、ドイツの数学者ヒルベルトは、20世紀に解くべき23の問題を発表しました。連続体仮説(第1問題)や算術の無矛盾性(第2問題)、リーマン予想(第8問題の一部)もその中にあります。くわしくはヒルベルトの業績と23の問題のページで解説しています。

この一覧の使い方

よくある質問

数学の未解決問題で有名なものは何ですか?

リーマン予想・ゴールドバッハ予想・双子素数予想・コラッツ予想・P≠NP予想などが有名です。とくにリーマン予想とP≠NP予想は、100万ドルの賞金がかかったミレニアム懸賞問題に入っています。

ミレニアム懸賞問題とは何ですか?

2000年にクレイ数学研究所が1問100万ドルの賞金をかけた7つの難問です。リーマン予想・P≠NP予想・ナビエ–ストークス方程式・ヤン–ミルズ理論・ホッジ予想・BSD予想・ポアンカレ予想の7つで、解決したのはポアンカレ予想だけです。

ポアンカレ予想はだれが解きましたか?

ロシアの数学者グリゴリー・ペレルマンが、2002〜2003年にインターネットで公開した論文で解決しました。2006年にフィールズ賞、2010年にミレニアム賞の賞金を辞退したと報じられています。

フェルマーの最終定理はいつ解かれましたか?

イギリスの数学者アンドリュー・ワイルズが1994年に証明を完成させ、1995年に論文が発表されました。フェルマーが書き残してから、およそ360年かかりました。

小学生でも意味が分かる未解決問題はありますか?

あります。「4以上の偶数は2つの素数の和で表せるか」(ゴールドバッハ予想)や、「偶数なら2でわり、奇数なら3倍して1を足すと、いつか1になるか」(コラッツ予想)は、問題の意味は小学生でも分かりますが、まだだれも証明できていません。

「不可能と証明された」とはどういうことですか?

解けないのではなく、「そういう方法や答えは存在しない」ことが証明された、という意味です。たとえば定規とコンパスで角を三等分することや、5次方程式の一般的な解の公式は、存在しないことが証明されています。

ABC予想は解決したのですか?

京都大学の望月新一が2012年に証明を発表し、2021年に論文が数学の専門誌に掲載されました。ただし、証明に不備があると考える数学者もいて、数学界の評価は分かれています。

コンピューターで解かれた難問はありますか?

四色問題(1976年)やケプラー予想(1998年に発表、2014年にコンピューターによる証明の確認が完了)が有名です。人の手だけでは確かめきれない量の場合分けを、コンピューターで調べました。

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出典・参考

  • Clay Mathematics Institute「Millennium Prize Problems」
  • 各問題の年号は、ページのある問題はそのページの出典欄、それ以外は数学史の本・百科事典で広く知られた内容によります

最終更新:2026年10月29日/作成:大学受験合格大作戦