ケプラー予想とは?わかりやすく|みかんの積み方・ヘールズの証明・Flyspeck

ケプラー予想とは?わかりやすく|みかんの積み方・ヘールズの証明・Flyspeck

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ケプラー予想

ひとことで言うと

「同じ大きさの球をいちばん密につめるのは、八百屋のみかんの積み方」。1611年に予想、1998年にヘールズが証明、2014年に完全な確認が完了。

問題同じ大きさの球を空間につめるとき、いちばん密なのは面心立方格子の積み方か
出された年1611年(ヨハネス・ケプラー)
解かれた年1998年(ヘールズが発表)・2005年に論文掲載・2014年にFlyspeck完了
解いた人トーマス・ヘールズ(とサミュエル・ファーガソン)
密度π÷√18 ≒ 0.74048(約74.05%)
分野幾何・離散幾何学
特ちょうコンピューターが本質的な役割をはたした証明。8次元・24次元は2016年に証明

このページのポイント

  • ケプラー予想は「同じ大きさの球を、すきまがいちばん少なくなるようにつめる」問題。八百屋のみかんの積み方の密度は π÷√18 ≒ 74.05%
  • 1831年にガウスが「格子の場合」を証明。1998年にヘールズが、コンピューターの計算を使って一般の場合を証明(論文は2005年)
  • 2014年にFlyspeck計画が完了、2016年にはヴィアゾフスカが8次元・24次元の場合を証明。中学受験の「積んだ個数」の問題ともつながる

ケプラー予想とは?(ひとことで)

ケプラー予想とは、「同じ大きさの球を、すきまがいちばん少なくなるようにつめこむには、八百屋さんがみかんを積むときの積み方(面心立方格子)がベストか」という問題です。1611年にドイツの天文学者ヨハネス・ケプラーが述べました。

この積み方で球がしめる体積の割合(密度)は、π÷√18 ≒ 0.74048(約74.05%)です。1998年にアメリカの数学者トーマス・ヘールズが、コンピューターの計算を使った証明を発表しました。論文は2005年に数学の雑誌に載り、2014年には証明全体をコンピューターで確かめるFlyspeck(フライスペック)計画の完了が発表されました。この論文は2017年に出ています。

問題の意味は、みかんやオレンジを積んだことがある人なら分かるほど簡単です。ところが、証明まで400年以上かかりました。球の体積の公式は球の体積と表面積の公式で確認できます。

うかるくん

うかるくん

みかんの積み方は、見ればすぐ分かるのに、どうして証明がむずかしいんですか?

合格先生

合格先生

「いちばんいい」を示すには、ほかのすべての積み方より悪いと言わなくてはいけないんだ。積み方は、無限にあるうえに、球の位置は少しずつずらせる。ほんの少しずらした積み方まで、ぜんぶ調べつくす必要があった。それが何百年も解けなかった理由だよ。

ケプラー予想の意味をやさしく解説

まず平面で考える:円のつめ方

3次元の前に、平面で円をならべる問題を考えます。同じ大きさの円を、すきまが少ないようにならべるには、どうすればよいでしょうか。

平面で円をつめる:どちらが密? 正方形ならび78.5% 六角形ならび90.7%
正方形のならべ方の密度は π/4 ≒ 78.5%、六角形のならべ方は π/(2√3) ≒ 90.7%

正方形のますに1つずつ円を入れると、円の面積の割合は π÷4 ≒ 78.5%です。ところが、円を六角形(ハチの巣)の形にならべると、割合は π÷(2√3) ≒ 90.7%になります。ハチの巣の形のほうが、ずっとすきまが少ないのです。この「平面ではハチの巣状がベスト」は、ラグランジュが格子の場合を示し、20世紀の初めまでに一般の場合も証明されています。

3次元:球をつめる

3次元では、球を1段目に六角形にならべ、その上の段を、球と球の間のくぼみの上に置いていきます。くぼみは2種類あり、3段目を「1段目と同じ位置(A)」に置くか、「まだ使っていないくぼみ(C)」に置くかで、積み方が2つにわかれます。

1段目(A)のくぼみに2段目を置く 橙=A層 青=B層(くぼみの上) 3段目をAにすればABAB型、CにすればABCABC型(どちらも密度は同じ)
球を六角形にならべた層をくぼみの上に重ねていく。3段目の置き方で、ABAB型とABCABC型の2つの積み方ができる
  • ABCABC型(面心立方格子):八百屋さんのみかんの山。立方体の頂点と各面の中心に球がある形です。
  • ABAB型(六方最密充填):蜂の巣のような形で、金属結晶でも見られます。

どちらも密度はπ÷√18 ≒ 0.74048で、同じです。実は、このABの重ね方は、段ごとに自由にえらべるので、密度が同じ積み方は無限にあることが分かっています。ケプラー予想は、「これ以上に密な積み方はない」ことを主張します。

密度を計算で確かめる

面心立方格子の立方体(1辺 a)の中には、球が4個分入っています(頂点の球8個の1/8ずつで1個分、面の中心の球6個の1/2ずつで3個分)。球の半径を r とすると、立方体の面の対角線の長さが 4r なので、a=2√2 r です。すると、

密度 = (4×4/3πr³) ÷ (2√2 r)³ = (16π/3) ÷ 16√2 = π÷(3√2) = π÷√18 ≒ 0.7405

となります。かんたんな図形の計算と 平方根の計算の計算だけで確かめられます。ほかの積み方との比較は次の図のとおりです。

3次元の球のつめ方と密度 単純立方52.4%体心立方68.0%面心立方・六方74.05% 残りのすきまが、もっとも少ないのは 74.05%の積み方
単純立方 π/6≒52.4%、体心立方 √3π/8≒68.0%、面心立方・六方 π/√18≒74.05%。ケプラー予想は74.05%が最大と主張する

「いちばん」を証明するむずかしさ

球のつめ方は、格子(規則的な並び)だけではありません。球を不規則に置くことも、あるところは密に、あるところはまばらに置くことも自由です。ケプラー予想は、そのすべての置き方の中で、74.05%を超えるものがないと主張しています。

つながっている身近な問題

球のつめ方は、お菓子の箱づめ、お米をつめる容器、結晶のならび方、さらに通信で使われる誤り訂正符号(ノイズがあってもデータを正しく伝える技術)とも関係します。たとえば、デジタル通信では、信号を「高次元の球」の中心と考え、球どうしがかさならないようにつめると、まちがいにくい符号ができます。ケプラー予想の高次元版は、通信技術と結びついているのです。

ケプラー予想の歴史と年表

1611年:ケプラーの小さな本

ヨハネス・ケプラー(ケプラーの業績と生涯)は、惑星の運動を表す3つの法則で知られます。1611年、ケプラーは友人への新年の贈り物として、小さな本『六角形の雪について』を書きました。なぜ雪の結晶は六角形なのかを考える中で、ケプラーは、小さな粒がそれぞれ球で、できるだけ密にならぶと六角形の形ができるのでは、と考えました。そして、球の最もよい積み方は、八百屋の積み方(面心立方格子)だろう、と述べました。ただし、証明はつけていません。

16世紀末:砲弾の積み方

16世紀の終わりごろ、イギリスのウォルター・ローリー卿が、船に積む砲弾を最も効率よく積む方法を、数学者のトマス・ハリオットにたずねた、と伝えられています。ハリオットは砲弾の山の個数を数える表を作り、これがケプラーとのやりとりを通じて、球のつめ方への関心につながった、といわれます。

1831年:ガウスが「格子」の場合を証明

ガウスの業績と生涯は1831年、球が格子(規則正しい繰り返し)にならんでいる場合に限れば、面心立方格子が最も密になることを証明しました。これは、ケプラー予想の一部分の解決で、全体の解決ではありません。格子でない並べ方もすべて考えなくてはならないからです。

1900年:ヒルベルトの23の問題

1900年、ヒルベルトの業績と生涯は、20世紀の数学者に向けて23の問題を発表しました。その第18問題の一部に、球のつめ方の問題がふくまれています。

1953年:有限の計算に帰着

1953年にハンガリーのラースロー・フェイェシュ・トート(Fejes Tóth)が、この問題は「有限だけれど非常に大きな数の計算」に帰着できることを示しました。つまり、コンピューターさえあれば、理屈では確かめられる、と分かったのです。

1990年:ずさんな証明の騒ぎ

1990年には、項武義(Wu-Yi Hsiang)が証明を発表しましたが、その後の検討で、証明には不十分な点があるという見方が広まりました。ヘールズも1994年に批判を発表しています。

1998年:ヘールズの証明

1998年8月、ミシガン大学(当時)のトーマス・ヘールズが、大学院生のサミュエル・ファーガソンとともに、証明を発表しました。証明は、約250ページの文章と、3ギガバイトにおよぶ計算プログラムとデータから成ります。球の位置の関係を、約5000通りの図形(構成)に分け、それぞれについて、線型計画法という計算で「密度が74.05%をこえない」ことを確かめる、という方法です。

2003〜2005年:審査と掲載

数学雑誌Annals of Mathematics(数学の最高峰の1つ)は、12人の審査員に審査を依頼しました。審査には4年かかり、2003年に審査団は「証明が正しいと99%の確信をもっているが、コンピューターの計算を全部は確かめきれなかった」と報告しました。こうしてコンピューター計算以外の部分(約120ページ)だけが、2005年にAnnalsに掲載されました。

2003〜2014年:Flyspeck計画

ヘールズはこの結果を受けて、2003年にFlyspeck計画(Formal Proof of Kepler の略)を始めました。証明全体をコンピューターの証明検証ソフト(Isabelle と HOL Light)で1行ずつ確かめる計画です。2014年8月にその完了が発表され、論文A formal proof of the Kepler conjectureは2017年にForum of Mathematics, Piに掲載されました。

年できごと
1611年ケプラーが『六角形の雪について』で、八百屋の積み方が最もよいと述べる
1831年ガウスが、格子にならぶ場合の最密を証明
1900年ヒルベルトの23の問題(第18問題)に球のつめ方が入る
1953年フェイェシュ・トートが、有限の計算に帰着できることを示す
1998年ヘールズ(とファーガソン)がコンピューターを使った証明を発表
2003年審査団が「99%正しい」と報告。Flyspeck計画がスタート
2005年証明の論文が Annals of Mathematics に掲載される
2014年Flyspeck計画の完了(証明全体をソフトで確認)が発表される
2016年ヴィアゾフスカが8次元と24次元の最密充填を証明
2017年Flyspeckの論文が Forum of Mathematics, Pi に掲載される
ケプラー予想:400年の道のり1611ケプラーが雪の結晶の本で予想を書く1831ガウスが「格子」の場合を証明1900ヒルベルトが第18問題に入れる1998ヘールズが証明を発表2005論文が数学の雑誌に掲載2014完全な形式証明Flyspeck完了
1611年に生まれた予想は、証明が1998年、完全な確認が2014年。400年以上かかった

ケプラー予想はいつ・だれが解いた?

ケプラー予想は、1998年にアメリカの数学者トーマス・ヘールズ(と大学院生サミュエル・ファーガソン)が証明を発表しました。2005年に論文が掲載され、さらに2014年にFlyspeck計画で、証明全体のコンピューターによる確認が完了しました。

証明の考え方(ざっくり)

  1. 球を、まわりの球との位置関係に応じて、小さな多面体(空間を切り分けた部分)に分けます。
  2. それぞれの部分に「空間がどれくらい余るか」の点数をつけます。
  3. 点数の合計が、面心立方格子の場合の点数を超えないことを示します。
  4. そのために、約5000通りの場合に分けて、各場合を線型計画法(不等式の最適化)で計算して確かめます。

つまり「無限にある並べ方を、有限個の場合に分けて、一つひとつコンピューターで確かめる」という証明です。四色問題と同じように、コンピューターが本質的な役割をはたした証明です。

「99%」から「完全に確認」へ

審査団が「99%の確信」としか言えなかったのは、プログラムが数千行になり、人が全部確かめることができなかったからです。ヘールズは、「証明が正しいか」を人の判断にたよらず、コンピューターの検証ソフトに確かめさせることを選びました。これが Flyspeck です。完了までに11年かかり、世界の多くの研究者が協力しました。

8次元と24次元:ヴィアゾフスカの発見

3次元の証明が長く難しかったのに対して、ほかの次元では、驚くほど短い証明が2016年に出ました。ウクライナの数学者マリーナ・ヴィアゾフスカは、8次元では「E8格子」が、続いてほかの数学者たちと一緒に24次元では「リーチ格子」が、最もすきまの少ない球のつめ方であることを証明しました。8次元の論文はわずか約23ページほどでした。この功績で、ヴィアゾフスカは2022年にフィールズ賞を受けています(ヴィアゾフスカの業績)。

最密充填が分かっている次元 1次元線に球を並べる2次元円を平面に3次元球を空間に8次元E8格子24次元リーチ格子 自明1910年ごろ(トゥーエ)1998/2014年(ヘールズ)2016年(ヴィアゾフスカ)2016年(5人の共同) ほかの次元(4〜7、9〜23など)は未解決
最密充填が証明されている次元は、1・2・3・8・24次元だけ。ほかの次元は未解決

8次元と24次元は、「たまたま特別な形(E8、リーチ格子)」があるため、うまく証明できた次元です。4次元から7次元、9次元以上の多くの次元では、最もよい球のつめ方さえ、まだ分かっていません。

「ここが大事!」と説明する合格先生

合格先生

「いちばん」を示すときは、他のすべての場合より悪いと言う必要があるんだ。最大・最小の問題では、見つけた値が本当に最大かを、必ず確かめよう。

ケプラー予想はなぜ難しかったのか

1. 球の置き方が無限にある

格子なら規則があるので調べやすいのですが、球を不規則に置いた場合も含めると、無限の可能性があります。ガウスが証明できたのは格子の場合に限られました。

2. 少しずらしてもよい

球の位置を、ほんの少し動かしただけでも、密度は少し変わります。ケプラー予想の最大値(74.05%)は、ぎりぎりの値で、「ほんの少しでもよくなる積み方」がないことを示すには、とても細かい検討が必要です。

3. 場合分けが多すぎる

フェイェシュ・トートの考えをもとに、場合分けを有限にしぼることはできました。しかし、その場合の数が膨大で、人の手ではできません。コンピューターを使うしかなく、そのうえ「その計算が正しいと、どうやって保証するか」という問題が生まれました。

4. 平面とのちがい

平面の円の問題は、20世紀の初めに解かれ、証明は短いものです。しかし、3次元では「球どうしのすきま」が複雑で、平面のやり方がそのままでは使えません。同じ“つめこみ”でも、次元がかわると難しさが一変するのは、数学のふしぎなところです。

サクラちゃん

サクラちゃん

8次元とか24次元って、どうやって考えるんですか?

合格先生

合格先生

目に見える図は描けないけれど、座標の数を8個、24個に増やすだけなんだ。2次元なら (x, y)、3次元なら (x, y, z)。8次元なら (x₁, x₂, …, x₈)。距離の計算も、三平方の定理を8個、24個の座標に広げれば、同じように出せるんだよ。

よくある誤解

「実際のオレンジの山を見れば、証明なんていらない」と思う人は多いです。でも、ある積み方が実際によく使われていることと、それが数学的に最良だと証明されていることは別の話です。八百屋さんの積み方が最良だと「確かめられた」のは、ようやく1998年のことです。また、「74.05%」という値は、積み方の種類(面心立方か六方か)に関係なく同じだ、という点にも注意が必要です。

受験・勉強とケプラー予想のつながり

中学受験:立体と球、個数の数え方

中学受験の算数では、「ボールを三角すいや四角すいに積んだとき、全部で何個か」という問題が出ます。1段ずつの数を、1、3、6、10、…(三角数)や 1、4、9、16、…(平方数)の和として数えます。たとえば四角すいに4段積むと、1+4+9+16=30個です。三角すい(正四面体)に4段積むと、1+3+6+10=20個です。

八百屋のみかんの積み方 四角すいの形に積むと 1+4+9+16=30個(4段) これが 74.05%の面心立方ならびの1つ
みかんを4段積んだ四角すい。段ごとに 1・4・9・16 個で合計30個

高校受験・大学受験:球の体積と数列

球の体積 4/3πr³ と、立方体の体積の比から密度を求めるのは、そのまま入試に出せる問題です。球の体積と表面積の公式をしっかり覚えましょう。また、積み上げた球の個数 n(n+1)(2n+1)/6 は、数学的帰納法での証明の典型例です。数学的帰納法とはで確認できます。

大学入試:球と空間図形

大学入試の空間図形では、「立方体の中に球が内接・外接する」「球を何個並べると…」という問題があります。立方体の頂点や面の中心に球を置いて、対角線の長さから半径を求める、面心立方格子の計算と同じ形です。数学オリンピックの問題(長方形に詰めた正方形)も、つめ込みの考え方のよい練習になります。

勉強法として

ケプラー予想から学べるのは、「いちばんよいこと」を示すには、すべてのライバルに勝つ必要があるということです。最大・最小の問題では、見つけた値が最大であることを、背理法の使い方などで示します。数学の勉強法(解法の暗記→演習→過去問)で、証明の書き方も練習しましょう。

ケプラー予想が数学・社会にあたえた影響

  • コンピューターによる証明の確認:Flyspeck 計画は、大きな数学の定理をソフトで1行ずつ確認する「形式的証明」の代表例です。四色問題の形式的証明とともに、証明の信頼性を考えなおすきっかけとなりました。
  • 高次元の幾何学:ヴィアゾフスカの8次元・24次元の発見は、フーリエ解析やモジュラー形式という道具を新しく結びつけました。
  • 通信と符号:スマートフォンの通信やデータ保存で使われる誤り訂正符号は、高次元の球のつめ方と関係しています。
  • 結晶と材料:金属の結晶の多くは、面心立方や六方最密の形をしています。原子の並び方の研究でも、つめ方の考え方は役立ちます。

ケプラー予想は、「小さな本のなかの1つの予想」が、数学・計算機科学・物理学を結びつけた例です。同じように、見た目はやさしい問題が奥深いものに、フェルマーの最終定理やコラッツ予想があります。

ケプラー予想に挑戦!練習問題

やさしい

  1. みかんを四角すいの形に積みます。4段積むと全部で何個ですか。1段目から順に、一番上が1個、その下が4個、9個、16個です。
    答えと解説を見る1+4+9+16=30個。
  2. 半径 r の球が、1辺 2r の立方体にちょうど入っています。球の体積は立方体の体積の何倍ですか(π のままで)。
    答えと解説を見る球 4/3πr³ ÷ 立方体 (2r)³=(4/3πr³)÷8r³=π/6(約0.524、約52.4%)。単純立方ならびの密度です。

ふつう

  1. 三角すい(正四面体)の形に、砲弾を4段積みます。1段目から順に、一番上が1個、その下が3個、6個、10個です。全部で何個ですか。
    答えと解説を見る1+3+6+10=20個。
  2. 面心立方格子の立方体(1辺 a)の中には、球が何個分入っていますか。頂点に8個、各面の中心に6個の球があります。
    答えと解説を見る頂点の球は1/8ずつで 8×1/8=1個分、面の球は1/2ずつで 6×1/2=3個分。合計4個分。

むずかしい

  1. 面心立方格子では、立方体の1辺を a、球の半径を r とすると、a と r の関係はどうなりますか。また、そこから密度を求めなさい。
    答えと解説を見る面の対角線に沿って3つの球が接するので、対角線の長さ √2 a=4r。よって a=2√2 r。密度=4×(4/3πr³)÷(2√2 r)³=(16π/3)÷(16√2)=π/(3√2)=π/√18=約0.7405。
  2. 円を平面に六角形にならべたとき、正三角形の1辺の長さが 2r(r は円の半径)になる。この正三角形の中に円はどれだけ入る(面積の割合)か。
    答えと解説を見る正三角形(1辺 2r)の面積は √3 r²。円のかけらは3つの角に60°ずつ、合計 180°=半円分で πr²/2。割合=(πr²/2)÷(√3 r²)=π/(2√3)=約0.9069(約90.7%)。

ケプラー予想と関係する数学者・難問

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読みもの(合格大作戦の数学の記事)

よくある質問

ケプラー予想とは何ですか?

ケプラー予想とは、同じ大きさの球を空間にすきまが最も少なくなるようにつめるとき、八百屋さんがみかんを積むような積み方(面心立方格子)が最もよい、という予想です。密度は約74.05%で、現在は証明されています。

ケプラー予想はだれがいつ解きましたか?

1998年にアメリカの数学者トーマス・ヘールズが、大学院生のサミュエル・ファーガソンとともに、コンピューターを使った証明を発表しました。論文は2005年に数学の雑誌に掲載されています。

ケプラー予想はだれが考えたのですか?

天文学者ヨハネス・ケプラーが、1611年の小さな本『六角形の雪について』で述べました。雪の結晶が六角形なのはなぜかを考えるなかで生まれたと伝えられます。

密度74.05%はどうやって求めますか?

面心立方格子の立方体(1辺 a)には球が4個分入り、半径 r とすると a=2√2 r です。密度=4×(4/3πr³)÷(2√2 r)³=π÷(3√2)=π÷√18 ≒ 0.7405となります。

Flyspeck計画とは何ですか?

ヘールズが2003年に始めた、ケプラー予想の証明全体を証明検証ソフト(Isabelle と HOL Light)で確かめる計画です。2014年8月に完了が発表され、論文は2017年に Forum of Mathematics, Pi に掲載されました。

ガウスは何を証明したのですか?

ガウスは1831年に、球が規則正しい格子にならぶ場合に限れば、面心立方格子が最も密になることを証明しました。格子でない並べ方を含めた全体の証明は、1998年のヘールズまでかかりました。

8次元や24次元ではどうなっていますか?

2016年にマリーナ・ヴィアゾフスカが8次元でE8格子が最密であることを証明し、ほかの数学者との共同で24次元ではリーチ格子が最密であることも証明しました。ヴィアゾフスカは2022年にフィールズ賞を受けました。

平面で円をつめる問題は解かれていますか?

解かれています。同じ円を平面にならべるときは、ハチの巣のような六角形のならべ方が最もよく、密度は約90.7%です。

コンピューターの証明は信頼できますか?

ヘールズの証明は、審査団が2003年に「99%正しい」と報告しました。その後、証明検証ソフトで全体を確かめるFlyspeck計画が2014年に完了し、現在は広く受け入れられています。

ケプラー予想は受験に出ますか?

ケプラー予想そのものは出ませんが、球の体積の公式、ボールを三角すいや四角すいに積んだ個数、立方体に球を入れる問題などは、中学受験から大学入試まで出ます。

あわせて読みたい

出典・参考

  • T. C. Hales, “A proof of the Kepler conjecture”(Annals of Mathematics, 2005年)
  • T. Hales ほか, “A formal proof of the Kepler conjecture”(Forum of Mathematics, Pi, 2017年)
  • M. Viazovska, “The sphere packing problem in dimension 8”(Annals of Mathematics, 2017年)
  • H. Cohn, A. Kumar, S. Miller, D. Radchenko, M. Viazovska, “The sphere packing problem in dimension 24”(Annals of Mathematics, 2017年)
  • J. Kepler, 『六角形の雪について』(1611年)

最終更新:2026年10月29日/作成:大学受験合格大作戦