
この記事の結論
- フェルマーの最終定理:3以上の自然数 n について、xⁿ+yⁿ=zⁿ を満たす自然数 x, y, z の組は存在しない
- n=2 なら 3²+4²=5² のように解がある(三平方の定理)。それが n≧3 になると1つもない
- 17世紀にフェルマーが「驚くべき証明を見つけた」と書き残し、約360年後にアンドリュー・ワイルズが証明した

フェルマーの最終定理とは(図解)
n=2 の xⁿ+yⁿ=zⁿ は、三平方の定理 x²+y²=z² です。3²+4²=5² や 5²+12²=13² のように、自然数の解(ピタゴラス数)が無数にあります。ところが n を3以上にすると、たとえば x³+y³=z³ を満たす自然数の組は1つもありません。
証明までの歴史
| 時代 | できごと |
|---|---|
| 17世紀 | フランスの数学者フェルマーが、本の余白に「驚くべき証明を見つけたが、余白が狭すぎて書けない」と書き残したと伝えられる |
| 〜18世紀 | n=4 はフェルマー自身、n=3 はオイラーが証明。その後も個別の n で証明が進む |
| 長いあいだ | 一般の n では証明も反例も見つからず、「フェルマー予想」とも呼ばれた |
| 1990年代 | イギリスの数学者アンドリュー・ワイルズが証明。1995年に論文が発表され、約360年ぶりに解決 |
この定理は「フェルマーの大定理」、証明後は「ワイルズの定理」「フェルマー・ワイルズの定理」とも呼ばれます。
もし入試に出たら? 部分点の取り方
こんな問題が入試に出ることはまずありませんが、仮に出たとしても、その場であきらめてはいけません。全員が白紙なら差はつきませんが、方針を書けば部分点がもらえる可能性があります。
n=4 のときと、n が奇数の素数のときに成り立つことを示せば、すべての n≧3 について成り立つ。
このような方針を書くだけでも、白紙とは評価がちがいます。実際の入試でも、自分にとってはフェルマーの最終定理と同じくらい難しく感じる問題が出ることがあります。そんなときは、
- 「こういう方針で解きたい」という道筋を書く。
- 小さい場合(n=1、2、3 など)を調べて書く。
- 途中までの計算や、使えそうな定理を書く。
大学によって採点基準はちがいますが、白紙の答案には部分点をあげようがありません。みんなが解けない難問ほど、部分点の有無が合否を分けます。
よくある質問
フェルマーの最終定理とは?
3以上の自然数nについて、xⁿ+yⁿ=zⁿを満たす自然数x, y, zの組は存在しない、という定理です。
n=2のときはどうなりますか?
三平方の定理になり、3²+4²=5²のように自然数の解が無数にあります。
誰が証明しましたか?
イギリスの数学者アンドリュー・ワイルズです。1995年に証明の論文が発表されました。
なぜ「最終定理」と呼ばれるのですか?
フェルマーが書き残した主張のうち、最後まで証明されずに残ったものだからです。
難しい問題で部分点を取るには?
解く方針、小さい場合を調べた結果、途中までの計算など、考えた道筋を答案に書くことです。
あわせて読みたい
出典・参考
- フェルマーの最終定理の内容と歴史は、数学史の一般的な記述によります
- 計算例は検算済みです
最終更新:2026年10月8日/作成:大学受験合格大作戦
この記事に関係する数学者(業績と生涯)
- ソフィ・ジェルマンの業績と生涯
フェルマーの最終定理の研究(ジェルマン素数)。男性の名前で論文を送った - 谷山豊の業績と生涯
谷山・志村予想(フェルマーの最終定理の証明のかぎ) - ヒュパティアの業績と生涯
記録に残る最初期の女性数学者。円錐曲線論などを注釈して教えた - フェルマーの業績と生涯
フェルマーの最終定理・フェルマーの小定理。本業は法律家のアマチュア数学者 - ワイルズの業績と生涯
フェルマーの最終定理を証明(1995年に論文発表) - ピタゴラスの業績と生涯
三平方の定理(ピタゴラスの定理)。「万物は数である」の教団を開いた - アーベルの業績と生涯
5次方程式には解の公式がないことを証明。アーベル賞の名前のもと - ポアンカレの業績と生涯
ポアンカレ予想・位相幾何学・カオスの発見
この記事に関係する数学の難問
- ABC予想とは(解決と発表・評価が分かれる)
a+b=c のとき、c は abc の素因数の積よりめったに大きくならない。望月新一の証明は2021年に論文掲載、評価が分かれている - 5次方程式の解の公式とは(不可能・決められないと証明)
2次・3次・4次方程式のような、四則と累乗根だけの解の公式が5次方程式にもあるか。一般にはないと証明された - ケプラー予想とは(解決)
同じ大きさの球をいちばん密に詰める方法は、八百屋のみかんの積み方か。コンピューターで証明 - リーマン予想とは(未解決)
ゼータ関数の「自明でない零点」は、すべて実部が1/2の直線上にあるか。素数の分布のかぎ。ミレニアム懸賞問題












