【虫食い算】○△×△○=○□○の○△□を求めよ|覆面算のかけ算クイズ(ヒント・解き方・類題5問)

この記事の結論

  • 虫食い算は、けた数・一の位・いちばん上の位の3つから数字をしぼると、ほとんど全部試さずに解けます
  • この記事は問題 → コツ → ヒント → 答え → 解き方 → 類題の順。ヒントと答えは押すと開くので、まずは自分で考えてみてください

問題:○△×△○=○□○ の ○△□ を求めよ(虫食い算)

虫食い算。○△□を求めよ。○△×△○=○□○
元の問題(2025年1月に出題)
○△□は 1〜9 の異なる整数。○△□を求めよ × 2けたの数ひっくり返した数答えは3けた 同じ記号には同じ数字、ちがう記号にはちがう数字が入ります
同じ問題を筆算の形で。○△に、数字を逆に並べた△○をかけると○□○になる

○、△、□には、1〜9のちがう整数が1つずつ入ります。同じ記号には同じ数字が入ります。2けたの数「○△」に、その数字を逆に並べた「△○」をかけると、3けたの数「○□○」になりました。○△□はそれぞれいくつでしょう?

2025年のお正月に出した問題です。小学生の算数でも解けますが、中学・高校の数学の考え方(文字式・展開)を使うと、なぜ答えが1つに決まるのかまで説明できます。全部の組み合わせを試すと 9×8×7=504通りもあります。どうしたら少ない手間でしぼれるかを考えてみましょう。

あせるサクラちゃん

サクラちゃん

504通りも試すなんて無理です…! どこから手をつければいいんですか?

虫食い算とは?覆面算とのちがい

虫食い算(むしくいざん)は、計算式の数字の一部が虫に食われたように「□」になっていて、残った数字から□に入る数を当てるパズルです。古い帳面が虫に食われて読めなくなった様子にたとえた名前だといわれます。中学受験の算数でもよく出る題材です。

これに対して、数字が記号や文字で隠されていて、同じ記号には同じ数字、ちがう記号にはちがう数字が入るものは覆面算(ふくめんざん)と呼ばれます。数字が覆面をかぶっているイメージです。英語では alphametic(アルファメティック)や cryptarithm(クリプタリズム)といい、英国のパズル作家ヘンリー・デュードニーが1924年に発表した「SEND+MORE=MONEY」がよく知られています。

虫食い算 覆面算 8□ − □7 = 49 ○△ + △○ = □○□ ・数字が虫に食われて □ に ・□どうしは同じ数でも ちがう数でもよい ・数字が記号・文字で隠れる ・同じ記号は同じ数字 ・ちがう記号はちがう数字 手がかりは「見えている数字」 手がかりは「記号の重なり」
虫食い算は「□どうしは別の数でもよい」、覆面算は「同じ記号は同じ数字」

今回の「○△×△○=○□○」は、同じ記号が何度も出てくるので、きちんと分けると覆面算の仲間です。ただ、日本ではこの形もまとめて「虫食い算」と呼ぶことが多いので、題では虫食い算としています。覆面算は、同じ記号がくり返し出てくること自体がヒントになるのが面白いところです。

虫食い算の解き方のコツ(かけ算)

かけ算の虫食い算は、いきなり数字を当てはめるより、次の3つの順で「入れられる数」をしぼると速く解けます。

コツ見るところ考えること
① けた数答えが何けたか2けた×2けたが3けたなら、かける数どうしはあまり大きくできない
② 一の位かける数の一の位どうし一の位どうしの積の「一の位」だけが答えの一の位になる
③ 最高位答えのいちばん上の位十の位どうしの積で、答えのおおよその大きさが決まる

③の「十の位どうしの積でおおよその大きさが決まる」は、2けたのかけ算を長方形の面積として見るとよくわかります。○△は「10×○+△」、△○は「10×△+○」なので、たて・よこを分けると、長方形は4つの部分に分かれます。

よこ:○△ = 10×○ + △ たて:△○ = 10×△ + ○ 100×○×△ 十の位 × 十の位(いちばん大きい) 10×○×○ 10×△×△ ○×△
2けた×2けたの面積図。十の位どうしの「100×○×△」がいちばん大きな部分

この面積図は、中学で習う展開(かっこをはずす計算)と同じものです。くわしくは数学用語辞典の「展開とは?」、文字を使った表し方は「文字式とは?」、公式は公式辞典の「乗法公式」で確かめられます。2けたのかけ算を暗算で速くする方法は「インド式かけ算のやり方一覧」にもまとめています。

うかるくん

うかるくん

一の位と、いちばん上の位。どっちから見たほうがいいんですか?

合格先生

合格先生

どちらからでも解けます。この問題は答えのいちばん上の位にも「○」があるので、答えの大きさ(けた数と百の位)から考えると一気にしぼれます。一の位から考える方法も、答えのあとで紹介しますね。

ヒント

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答えは3けたで、百の位が○です。上の面積図のいちばん大きな部分「十の位どうしの積=100×○×△」が、すでに答えの大部分をしめます。百の位が○のままでいられるのは、△がいくつのときでしょう?

ヒント2を見る

答えは「○00〜○99」の間に入ります。十の位どうしの積は 100×○×△。もし△が2以上なら、これだけで ○×200 以上になり、○00 より 100 以上大きくなってしまいます。

答えが入る場所 ○00 ○99 ○×200 △=1:十の位どうしは ○×100(入口にぴったり) △が2以上:十の位どうしだけで はみ出す
答えは○00〜○99の間。△が2以上だと十の位どうしの積だけではみ出す

△が決まったら、残りは ○ だけです。○ に数を入れて、答えが「○□○」の形になるか確かめましょう。

答え

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○=2、△=1、□=5

21 × 12 = 252

元の記事にのせた【解答】も「21×12=252」です。○△=21、△○=12、答えの 252 は百の位と一の位が 2(○)、十の位が 5(□)になっています。

解き方(答えが書いてあります)

解き方を見る(答えが書いてあります)

方法1:答えの大きさ(百の位)から考える

ステップ1:△を決める。答えは3けたで、百の位は○。だから答えは「○00以上、○99以下」です。一方、十の位どうしの積は 100×○×△。△が2以上だと 100×○×2 = ○00+○00 となり、○は1以上なので ○99 をこえてしまいます。よって△=1です。

ステップ2:○を決める。△=1 なので、式は「○1 × 1○ = ○□○」。○は1以外(△とちがう数)なので、2から順に試します。

△=1 として ○ を 2〜9 で試す 1000(ここから4けた) 21 × 12 = 252○ 合う 31 × 13 = 403× 百の位 41 × 14 = 574× 百の位 51 × 15 = 765× 百の位 61 × 16 = 976× 百の位 71 × 17 = 1207× 4けた 81 × 18 = 1458× 4けた 91 × 19 = 1729× 4けた
△=1のとき、3けたで「○□○」の形になるのは 21×12=252 だけ

○=3 からは百の位が○とずれ、○=7 からは4けたになります。条件に合うのは 21×12=252 だけで、□=5 は○(2)とも△(1)ともちがうので、条件をすべて満たします。

方法2:一の位から考える

答えの一の位は、一の位どうしの積「△×○」の一の位で決まります。これが○になる組を探すと、△=1 のときのほかに、○が偶数で△=6 のとき(2×6=12、4×6=24、8×6=48)、○=5 で△が奇数のとき(5×3=15 など)があります。全部で 14組です。

この 14組のうち、答えが3けたになるのは 21×12=252、31×13=403、41×14=574、51×15=765、61×16=976 の5組。さらに百の位が○になるのは 21×12=252 だけです。方法1より手間はかかりますが、どの道をたどっても同じ答えにたどり着くのが、きちんと解けた証拠です。

方法3:文字式で確かめる(中学生・高校生向け)

○=a、△=b とおくと、○△=10a+b、△○=10b+a です。展開すると

(10a+b)(10b+a) = 100ab + 10(a²+b²) + ab

となります。百の位に ab、十の位に a²+b²、一の位に ab が並ぶ形です(繰り上がりがないとき)。答えが「○□○」なので、百の位も一の位も ab=a、つまり b=1。十の位は a²+1 が1けた(9以下)でなければならず、a は 1 か 2。a は b(=1)とちがうので a=2、□=2²+1=5 と決まります。面積図の4つの部分が、そのまま百・十・一の位になっていることがわかります。

ただし、この方法3は「繰り上がりがない」と考えて決めています。繰り上がりがある場合まで含めて答えが1つだけだと確かめるには、方法1・2を使ってください。

サクラちゃん

サクラちゃん

文字にすると「百の位と一の位が同じ」理由まで見えるんですね!

合格先生

合格先生

そのとおり。具体的な数で試す → 文字で一般化する、は入試数学の基本の流れです。整数の問題は京大などの大学入試でもよく出ますよ。

おまけ:ひっくり返しかけ算と回文の数

おまけを見る(答えが書いてあります)

この問題の答え 252 は、左から読んでも右から読んでも同じ回文(かいぶん)の数です。方法3の式を見ると、ab×ba の答えは「ab、a²+b²、ab」と左右対称に並ぶので、繰り上がりがなければ必ず回文になります。

数字を逆に並べてかけると、答えも左右対称(回文)に? 11 × 11 = 121回文 ○ 12 × 21 = 252回文 ○ 22 × 22 = 484回文 ○ 13 × 31 = 403繰り上がりで × 112 × 211 = 23632回文 ○
数字を逆に並べてかけると、繰り上がりがなければ答えは回文になる

13×31 は十の位が 1²+3²=10 で繰り上がるので、403 になって回文がくずれます。3けたの 112×211=23632 のように、けたが増えても繰り上がりがなければ同じことが起きます。11×11=121 は「2けた×11」の暗算(2桁×11を暗算するやり方)でも出てくる形です。

「ここが大事!」と説明する合格先生

合格先生

虫食い算は「けた数」「一の位」「いちばん上の位」の3つでしぼるのが基本!全部を試す前に、まず答えの大きさを見ましょう。

似た虫食い算・覆面算に挑戦(類題5問)

同じ考え方で解ける問題を5つ用意しました。どれも答えは1つに決まります(プログラムで全部の組み合わせを調べて確かめています)。虫食い算の□は、それぞれ別の数でもかまいません。覆面算は同じ記号に同じ数字、ちがう記号にちがう数字が入ります。

類題1虫食い算・ひき算8□ − □7 = 49 類題2虫食い算・かけ算2□ × □ = 2□8 類題3覆面算・たし算○△ + △○ = □○□ 類題4覆面算・2乗○△ × ○△ = □○△ 類題5発展・4けたアイウエ × 4 = エウイア
類題5問。類題1・2は虫食い算、類題3・4は覆面算、類題5は4けたの発展問題

類題1:8□ − □7 = 49(虫食い算・ひき算)

ヒントを見る

一の位は「□−7」で9になります。そのままでは引けないので、十の位から1借りてきます。

答えを見る

86 − 37 = 49。一の位は (10+□)−7=9 なので□=6。十の位は 1借りたので 8−1−□=4 となり、□=3 です。

類題2:2□ × □ = 2□8(虫食い算・かけ算)

ヒントを見る

まず「けた数」。2□×□ が200以上になるには、かける1けたの数は大きめでないといけません。次に一の位が8になる組を探します。

答えを見る

26 × 8 = 208。29×6=174 なので、かける数は7以上。7のときは 29×7=203 だけが200台で、一の位が3なので合いません。9のときは、一の位どうしの積「□×9」の一の位が8になるのは□=2だけです。でも 22×9=198 で、200に届きません。8のときは 25〜29 の中で一の位が8になるのが 26 だけなので、26×8=208 です。

類題3:○△ + △○ = □○□(覆面算・たし算、○△□は1〜9の異なる整数)

ヒントを見る

○△+△○ は (10○+△)+(10△+○)=11×(○+△) で、必ず11の倍数です。また、2けた+2けたは200より小さいので、□はすぐ決まります。

答えを見る

29 + 92 = 121。答えは3けたで200未満なので□=1。1○1 が11の倍数になるのは 121(=11×11)なので ○=2、○+△=11 から △=9 です。11をかける暗算は「2桁×11を暗算するやり方」でも練習できます。

類題4:○△ × ○△ = □○△(覆面算・2乗、○△□は0〜9の異なる数字、○と□は0でない)

ヒントを見る

2乗しても下2けたが変わらない2けたの数を探します。まず一の位:△×△ の一の位が△になる数字は 0・1・5・6 だけです。

答えを見る

25 × 25 = 625。3けたになるのは31以下の数です。△が0・1・5・6の数を2乗して下2けたが元の数になるのは25だけです(25×25=625)。ちなみに 76×76=5776 も下2けたが76のままですが、4けたなので条件に合いません。

類題5:アイウエ × 4 = エウイア(発展・4けた)

ヒントを見る

答えも4けたなので、ア×4 は10未満、つまりアは1か2。答えの一の位アは「4の倍数の一の位」なので偶数です。するとアが決まり、エ×4 の一の位がアになることからエも決まります。

答えを見る

2178 × 4 = 8712。ア=2、エ×4 の一の位が2になるのは エ=3 か 8 で、エウイア が8000台以上なので エ=8。あとは十の位と百の位を順に決めると 2178 になります。同じように数字を逆に並べる問題では 1089×9=9801 も有名です。

うかるくん

うかるくん

類題5、4けたの数は1000〜9999の9000個もあるのに、ヒントを使うと数手で決まりました!

合格先生

合格先生

それが虫食い算の楽しさです。「条件から入れられる数をしぼる」考え方は、大学入試の整数問題にもそのままつながります。

虫食い算は中学受験から大学入試まで役に立つ

虫食い算・覆面算は、中学受験の算数で定番のパズルですが、使う考え方は大学入試の整数問題と同じです。「けた数で範囲をしぼる(不等式)」「一の位で場合を分ける(余りで考える)」「文字でおいて式にする(展開)」の3つは、高校数学の整数の分野の基本です。整数の性質は公式辞典の「整数の性質(約数の個数・倍数の判定)」、自然数と整数のちがいは「自然数・整数とは?」でおさらいできます。

入試の整数問題は「2025年大学入試予想問題【整数問題】」で、京大で整数がどれくらい出ているかは「京大 理系数学の出題分析」「京大 文系数学の出題分析」で確かめられます。

ほかの数字パズルもどうぞ。規則を見つけるクイズは「5行5列の数字の表の規則」「35, 77, □, 221…□に入る数は?」「【IQテスト】4+2=14、2+7=23…」、並べ方のパズルは「直線上の合計が24になるように並べよう」があります。11〜19どうしのかけ算の暗算は「くれない算のやり方」で。

数学の記事は「数学まとめ」、公式は「算数・数学公式辞典」、言葉の意味は「数学用語辞典」から探せます。わからないところは「受験の質問・相談」から質問してください。

まとめ

  • 虫食い算は□に入る数を当てる計算パズル。同じ記号に同じ数字が入るものは覆面算とも呼ぶ
  • かけ算の虫食い算は「けた数」「一の位」「いちばん上の位」の3つでしぼる
  • 2けた×2けたは面積図(展開)で見ると、十の位どうしの積が答えの大きさを決めるとわかる
  • 答え・解き方・おまけは上の「見る」を押すと開きます

よくある質問

虫食い算とは何ですか?

計算式の数字の一部が□になっていて、残った数字から□に入る数を当てる算数のパズルです。中学受験の算数でもよく出ます。

虫食い算と覆面算のちがいは?

虫食い算は□どうしが同じ数でもちがう数でもかまいません。覆面算は数字が記号や文字で隠され、同じ記号には同じ数字、ちがう記号にはちがう数字が入ります。

かけ算の虫食い算を解くコツは?

答えのけた数、一の位どうしの積、答えのいちばん上の位の3つから、入れられる数をしぼることです。全部を試す前に答えの大きさを見ます。

○△×△○=○□○の答えはどこに書いてありますか?

記事の「答えを見る」を押すと表示されます。解き方は3通り、「解き方を見る」の中にのせています。

小学生でも解けますか?

解けます。2けたのかけ算ができれば、けた数と百の位に注目して少し試すだけで答えにたどり着けます。

あわせて読みたい

出典・参考

  • 問題は大学受験合格大作戦の作成(2025年1月出題)。写真も合格大作戦
  • 答え・類題の答えがそれぞれ1つに決まることは、合格大作戦がプログラムで全部の組み合わせを調べて確認
  • 覆面算「SEND+MORE=MONEY」:ヘンリー・デュードニーが1924年に発表したパズルとして広く知られる

最終更新:2026年10月21日/作成:大学受験合格大作戦

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