エビングハウスの忘却曲線とは?1日後は「33.7%しか覚えていない」は誤解|節約率の意味と、忘れない暗記法・復習のタイミング

この記事の結論

  • 忘却曲線は、ドイツの心理学者ヘルマン・エビングハウスが1885年に発表した、記憶の実験の結果
  • 縦軸は「覚えている量」ではなく「節約率」(覚え直すときに、最初より何%の時間を節約できたか)。「1日後に33.7%しか覚えていない」は誤解
  • それでも、覚えた直後から1日のうちに急激に忘れるのは事実。早めの復習をくり返すことが暗記のカギ

エビングハウスの原著の数値

0%25%50%75%100% 58.244.235.833.727.825.421.1 20分1時間1日6日31日 縦軸=節約率(覚え直しで節約できた時間の割合)/横軸=経過時間(対数目盛り)
エビングハウスの忘却曲線(原著の節約率)
覚えてからの時間 節約率 覚え直しにかかった時間(最初を100とすると)
20分後 58.2% 41.8
1時間後 44.2% 55.8
約9時間後(8.8時間) 35.8% 64.2
1日後 33.7% 66.3
2日後 27.8% 72.2
6日後 25.4% 74.6
31日後 21.1% 78.9

エビングハウスは、意味のない音節(rit、pek など)のリストを、まちがえずに言えるまで覚え、時間をおいて覚え直すのにどれだけ時間がかかるかを自分で測りました。たとえば1日後の節約率33.7%は、「覚え直しに最初の66.3%の時間がかかった」という意味で、「33.7%しか覚えていなかった」という意味ではありません。2015年には別の研究者が同じ方法で実験をやり直し、ほぼ同じ形の曲線が得られています。

以下、くわしい説明と、おすすめの暗記法です。

エビングハウスの忘却曲線

忘却曲線(ぼうきゃくきょくせん)は、記憶の中でも特に中期記憶(長期記憶)の忘却を表す曲線。ドイツの心理学者「ヘルマン・エビングハウス」によって導かれた。エビングハウスは、自ら「子音・母音・子音」から成り立つ無意味な音節(rit, pek, tas, ...etc)を記憶し、その再生率を調べ、この曲線を導いた。エビングハウスの名から、「(ヘルマン・)エビングハウスの忘却曲線」とも呼ばれる。

 

エビングハウスの忘却曲線

 

縦軸は「節約率」を表しています。
(よく記憶の量・記憶保持量と説明されることがありますがちょっと違います。)

では節約率とはなんなのでしょうか。

 この一番上のグラフは経過時間ごとの節約率を表している。節約率とは一度記憶した内容を再び完全に記憶し直すまでに必要な時間(または回数)をどれくらい節約できたかを表す割合である。式で表すと

(節約率)=(節約された時間または回数)÷(最初に要した時間または回数)
(節約された時間または回数)=(最初に要した時間または回数)-(覚え直すのに要した時間または回数)

例えば、最初にritを覚えるまでに10分を要し、20分後に覚え直すと約4分を要したとする。この場合、覚え直すのに最初と比べ、6分節約したことになる。すると節約率は 6(節約された時間)÷10(最初に要した時間)=0.6= 60% となる。
また、最初にpekを覚えるのに40回の書き取りを要し、1時間後に覚え直すのに22回要したとする。この場合、最初に比べ、18回分節約したことになる。すると節約率は 18(節約された回数)÷40(最初に要した回数)=0.45= 45% となる。
(wikipedia)

要するに節約率とは一度覚えたものを再度覚えなおしするために必要な時間・手間をどれだけ節約できたかという値なのです。

節約率が低いということは、覚えなおすために、多くの時間・手間が必要ということであり、すなわち多くのことを忘れていたということになります。

このあたりから縦軸の「節約率」を「記憶の保持量」と誤解する人が増えてきたのでしょう。

 

とはいえ、人間は覚えたものをすぐに忘れてしまうことに変わりはありません。上の緩やかな曲線にだまされがちですが横軸を分単位で見てみると

エビングハウスの忘却曲線

各ポイントは

  • 0分 節約率100%
  • 20分 節約率58%
  • 60分 節約率44%
  • 1440分(1日) 節約率34%(原著33.7%)
  • 8640分(6日) 節約率25%(原著25.4%)
  • 44640分(31日) 節約率21%(原著21.1%)

 

あっというまに節約率が下がっていくのがわかります。

暗記してから、1日の間に急激な忘却が起きています。

 

効率の良い暗記をするためにはこのエビングハウスの忘却曲線から脱却しなくてはなりません。

受験勉強における暗記においては

 

この忘却曲線をいかに緩やかなものとするかがポイントになります。

 

なんの脈絡もない無意味なものを覚えてもすぐに忘れてしまうのであれば、できるだけ体系的に相互に関連を持たせて暗記していけばよいのです。

では具体的にどのようにして暗記していけばよいのだろうか。

お勧めの暗記法を掲載しておきます。

暗記法

●五感を活用して暗記する。

声を出しながら暗記する。

歩きながら暗記する。

自分の声を録音したもので暗記する。

図面や絵にしたもので暗記する

 

 

●相互に関連させて暗記する(覚えることをどんどん連鎖させていきましょう)

一つの単語を暗記するのでなく前後の文脈を利用して暗記する。

同じ意味や、反対の意味などグループに分けて暗記する

英単語は語源から暗記する

ゴロあわせで覚える

絵や図表にして暗記する

ノートや紙にまとめて暗記する。

ページのレイアウト自体も画像として暗記する

ノートのどの部分に書いてあるかということも暗記を助ける要素です

イラストやマークを作って暗記する

 

暗記法

 

 

●アウトプットする(覚えたものをすぐにアウトプットして暗記の定着を図る。)

声に出して暗記する

紙に書いて暗記する

絵や図表にして暗記する

人に教える

 

●やはり反復が大切

相互に関連させて覚えれば忘却曲線は緩やかになるといっても、いずれは忘れてしまいます。

覚えるものによりますが反復は③のつく時間でやっていきましょう。

3分後

30分後

30時間後

3日後

30日後

300日後

復習のときは世界のナベアツ(渡辺鐘・桂三度)のようにアホになって復習してみるのもよいかもしれません。

人によりどの手法が一番良いかは言い切れません。

ここに掲載している暗記法も参考にして、

 

自分に最も適した暗記法を確立していきましょう!

 

 

追記

ゲームのキャラクターや魔法の名前なんかは英単語を覚えるのに役立ちますよ。

私が「icicle」という英単語を覚えたのはファイナルファンタージーというゲームの中でした。

つららの形をした敵キャラの名前が「アイシクル」。

ゲームを楽しみながら画像と名前を関連付けて覚える。これこそまさに忘却曲線を緩やかにさせる暗記法の一つでしょう。

icicle

 


関連記事

 

忘れにくくする復習のタイミング

忘却曲線からわかるのは、忘れるスピードは最初が一番速いということです。だから、忘れかけたころに復習し、間隔を少しずつ広げていくのが効率的です。

タイミング やること
覚えた直後〜当日中 もう一度テストしてみる(寝る前に見直す)
翌日 朝いちばんに思い出してみる
3日後〜1週間後 問題集や単語帳で確認テスト
1か月後 まとめて総復習

本文で紹介している「3分後・30分後・30時間後・3日後・30日後・300日後」の「3のつく時間」も、この考え方にそったおぼえやすい目安です。

「エビングハウス錯視」も同じ人

エビングハウスは、同じ大きさの円が、まわりの円の大きさによって大きく見えたり小さく見えたりする「エビングハウス錯視」でも名前が知られています。

よくある質問

エビングハウスの忘却曲線とは?

ドイツの心理学者エビングハウスが1885年に発表した、時間がたつにつれて記憶がどう失われるかを示した実験結果の曲線です。

1日後には何%覚えていますか?

「1日後に33.7%」という数字は、覚えている量ではなく節約率です。覚え直すのに最初の66.3%の時間がかかった、という意味です。

節約率とは何ですか?

一度覚えたものを覚え直すとき、最初に覚えたときと比べて何%の時間や回数を節約できたか、という割合です。

忘れないためにはいつ復習すればいいですか?

覚えた当日のうちに一度、翌日、数日後、1週間後、1か月後のように、間隔を少しずつ広げてくり返すのが効果的です。

エビングハウスの錯視と同じ人ですか?

同じ人です。エビングハウスは、円の大きさが違って見える「エビングハウス錯視」でも知られています。

あわせて読みたい

出典・参考

  • Hermann Ebbinghaus, Über das Gedächtnis (1885)(節約率の数値)
  • Murre, J. M. J. & Dros, J. (2015). Replication and Analysis of Ebbinghaus' Forgetting Curve. PLOS ONE

最終更新:2026年10月8日/作成:大学受験合格大作戦

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