正六角形と台形の面積は何倍?補助線で秒殺の算数図形問題【問題編】ヒント3段階・類題6問

この記事の結論

  • 正六角形の面積の問題は、中心と頂点を結んで正三角形6つに分け、さらに同じ面積の小さな三角形にそろえて「何個分か」を数えると、むずかしい計算なしで解けます
  • この記事は問題編です。問題 → 正六角形の性質 → 補助線のコツ → ヒント3段階 → 答え → 類題6問の順。ヒントと答えは押すと開くので、まずは自分で考えてみてください

問題:正六角形の面積は赤い台形の何倍?(補助線の図形問題)

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正六角形問題。正六角形に図のように対角線を引いた。元の正六角形の面積は赤色の台形の面積の何倍か
元の問題(2014年5月に出題)
地頭を鍛える算数の問題

正六角形に図のように対角線を引きました。
元の正六角形の面積は赤色の台形の面積の何倍でしょう?

ヒント:頭の中で補助線引いたら秒殺!

2014年5月に出した「地頭(じあたま)を鍛える算数の問題」です。元の記事では「解答編は明日2014年5月29日19時ごろUPします。それまでに解けるかな??」と出題しました。いまは解答編もいつでも読めますが、まずはこのページで考えてみてください。

問題の図を、記号をつけて描き直すと次のようになります。

ABCDEF OM 正六角形 ABCDEF 引いた対角線 FC ・ BE ・ BD 赤い台形 正六角形の面積は 赤い台形の何倍? 補助線を頭の中で!
問題の図(描き直し)。対角線 FC・BE・BD を引き、赤い台形 OMDE ができる

正六角形の頂点を、左上から時計回りに A・B・C・D・E・F とします。上の辺 AB と下の辺 ED が水平な向きです。引いた対角線は、左右の頂点を結ぶ FC(横の長い対角線)、右上と左下を結ぶ BE(ななめの長い対角線)、右上と右下を結ぶ BD(たての短い対角線)の3本です。FC と BE が交わる点を O、FC と BD が交わる点を M とすると、赤い台形は OMDE です。上の辺 OM と下の辺 ED が平行なので、台形になっています。

問われているのは「元の正六角形の面積は、赤い台形の面積の何倍か」です。辺の長さは書かれていません。それでも答えが1つに決まるのは、正六角形の形がどれも同じ(大きさがちがうだけで相似)だからです。面積の「比」だけを聞かれているので、長さを使わずに「同じ形の三角形が何個分か」で比べられます。

指さして説明するサクラちゃん

サクラちゃん

辺の長さも高さも書いてないのに、何倍かってわかるんですか? 赤い台形、ちょっと中途半端な形に見えます…

正六角形の性質(角度・対角線・面積の求め方)

この問題を解くカギは、正六角形の性質を知っているかどうかです。正六角形(せいろっかくけい)は、6本の辺の長さがすべて等しく、6つの角の大きさもすべて等しい六角形です。英語では regular hexagon(レギュラー・ヘキサゴン)といいます。正多角形の定義は数学用語辞典の「正多角形とは?」、多角形そのものは「多角形とは?」でくわしく説明しています。

①②③④⑤⑥ 60° ABCDEF 6正三角形 6つ分中心と頂点を結ぶ 角1つの内角 120°60° + 60° 和内角の和 720°180° ×(6−2) 線対角線は 9本長い3本・短い6本 2長い対角線=1辺×2中心を通る対角線
正六角形は中心と頂点を結ぶと、合同な正三角形6つに分かれる

図のように、正六角形の中心 O と6つの頂点を結ぶと、合同な正三角形が6つできます。中心のまわりの角 360° が6等分されて1つ60°になり、O から各頂点までの長さがすべて等しいので、6つの三角形はどれも「2辺が等しく、間の角が60°」の二等辺三角形、つまり正三角形です(二等辺三角形と正三角形の関係は「二等辺三角形・正三角形とは?」)。

性質正六角形では理由・ひとこと
1つの内角120°正三角形の角 60° が2つ集まる
内角の和720°180°×(6−2)=720°
1つの外角・外角の和60°・360°外角の和はどの多角形も360°
対角線の本数9本(長い3本・短い6本)6×(6−3)÷2=9
長い対角線の長さ1辺の2倍中心を通り、正三角形の辺2本分
短い対角線の長さ1辺の√3倍高校では三平方の定理・三角比で求める
対称性線対称(軸6本)かつ点対称中心 O が対称の中心
面積1辺の正三角形 6つ分1辺 a なら (3√3/2)a²

内角の和の公式「180°×(n−2)」は公式辞典の「多角形の内角の和・外角の和」、対角線の本数の公式「n(n−3)÷2」は「多角形の対角線の本数」で証明つきで確かめられます。内角・外角という言葉は「内角・外角とは?」、線対称と点対称は「線対称・点対称とは?」で。

正六角形の面積の求め方(小学生・中学生・高校生)

正六角形の面積は、学年によって求め方が変わります。

  • 小学生:正三角形の面積は小学校では公式として習わないので、「正三角形○個分」のように同じ形がいくつ分かで比べます。今回の問題がまさにこれです。
  • 中学生:正三角形の高さを三平方の定理で求めます。1辺 a の正三角形の高さは (√3/2)a、面積は (√3/4)a²。正六角形はその6倍で (3√3/2)a² です(三平方の定理は「三平方の定理」)。
  • 高校生:三角形の面積の公式「(1/2)×2辺×sin(間の角)」を使えば、正三角形は (1/2)a²sin60°=(√3/4)a² とすぐ出ます。

たとえば1辺 2cm の正六角形なら、面積は (3√3/2)×2²=6√3 で、約 10.39cm² です。公式の導き方と例題は公式辞典の「正六角形の面積の公式」にまとめています。ただし、今回の問題は面積の値ではなく「何倍か」を聞いているので、√3 が出てくる計算はまったく要りません。

補助線とは?図形問題の補助線の引き方のコツ

補助線(ほじょせん)とは、問題の図にはない線を、解くために自分で書き足す線のことです。元の記事のヒント「頭の中で補助線引いたら秒殺!」のとおり、図形の問題は1本の線で急に見通しがよくなることがよくあります。逆に、補助線なしで長さや高さを求めようとすると、計算がどんどん長くなります。

正六角形の問題でよく使う補助線は、次の3つです。

① 中心と頂点を結ぶ② 1つおきに結ぶ③ 方眼にする 正三角形 6ついちばんの基本 大きな正三角形+まわりの三角形3つ 小さな正三角形 24個数えるだけで比が出る
正六角形の補助線は「中心と頂点」「1つおきの頂点」「方眼」の3つが基本

① 中心と頂点を結ぶ(いちばんの基本)

長い対角線を3本引くと、中心で交わって正三角形が6つできます。正六角形の問題は、まずこの6つの正三角形を描いてみるのが定石です。今回の問題の図には、長い対角線が2本(FC と BE)しか引かれていません。残りの1本を頭の中で引くと、何が見えてくるでしょうか。

② 1つおきの頂点を結ぶ

A・C・E のように1つおきに頂点を結ぶと、大きな正三角形ができ、まわりに3つの二等辺三角形が残ります。短い対角線(今回の BD もこの仲間)が出てくる問題では、この形を思い出すと面積の関係がつかみやすくなります。類題1・類題6で使います。

③ 方眼にする(小さな正三角形で数える)

①の6つの正三角形を、さらに辺の真ん中どうしを結んで4つずつに分けると、小さな正三角形24個の「三角方眼」になります。方眼ができてしまえば、ほとんどの図形は「小さな正三角形何個分か(半分の三角形も数える)」で面積の比がわかります。図をていねいに描ける人には、いちばん確実な方法です。

補助線を引くときの3つの心がけ

  1. 「同じ形・同じ面積」が見える線を探す:比を聞かれたら、同じ大きさの部品にそろえるのが近道です。
  2. 中心・真ん中(中点)を通す:正多角形は中心と中点にいろいろな性質が集まっています。中点については「中点連結定理」も参考に。
  3. 平行な線を見つける:正六角形は向かい合う辺がすべて平行です。平行線があれば、次の節の「等積変形」が使えます(平行線と角の関係は「平行線と角」)。
うかるくん

うかるくん

補助線って、どこに引けばいいか毎回なやむんです。センスがないとダメなんですか?

合格先生

合格先生

センスというより「型」の数です。正六角形なら「中心と頂点を結ぶ」が第一の型。いろいろな問題で同じ型を使ううちに、問題を見た瞬間に線が浮かぶようになります。今日の問題でその型を1つ身につけましょう。

台形の面積・等積変形・面積比の基本(復習)

ヒントに進む前に、面積の比の問題で使う基本を3つ確かめておきましょう。どれも小学校の算数〜中学数学の範囲です。

台形の面積 上底下底高さ (上底+下底)×高さ÷2 等積変形 同じ底辺 頂点を平行線にそって 動かしても面積は同じ
台形の面積の公式と、平行線を使う等積変形

台形の面積の公式

台形の面積は (上底+下底)×高さ÷2 です。同じ台形をさかさまにしてくっつけると平行四辺形になり、その半分だから、と覚えておくと忘れません。くわしくは公式辞典の「台形の面積の公式」、台形とひし形の定義は「台形・ひし形とは?」で。今回の赤い台形も、長さがわかればこの公式で面積が出せます。でも、長さを使わずに比べるほうが速いのが、この問題のおもしろいところです。

等積変形(とうせきへんけい)

平行な2本の線の間にある三角形は、底辺が同じなら、頂点を平行線にそって動かしても面積は変わりません。高さが変わらないからです。形を変えて面積の同じ図形に置きかえるこの方法を等積変形といいます(「等積変形」)。正六角形は向かい合う辺が平行なので、等積変形がとても使いやすい図形です。類題4で使います。

高さが同じ三角形は「底辺の比=面積の比」

高さが同じ2つの三角形の面積の比は、底辺の比と等しくなります。たとえば、三角形のある頂点から、向かいの辺の真ん中に線(中線)を引くと、面積はちょうど半分ずつに分かれます。この考え方は「面積比と辺の比」「隣り合う辺の比と面積比」で練習できます。三角形と平行四辺形の面積の関係は「三角形・平行四辺形の面積」で。

ここまでの道具(正三角形6つ・台形・等積変形・底辺の比)がそろえば、今回の問題は解けます。

この問題でよくあるまちがい

ヒントに進む前に、この種の問題でつまずきやすい点を挙げておきます。自分の考えがどれかに当てはまっていないか確かめてみてください。

  • 「何倍」の向きを逆にする:聞かれているのは「正六角形は台形の何倍か」です。「台形は正六角形の何分のいくつか」を求めたら、最後にひっくり返すのを忘れないようにしましょう。
  • 点 M の位置を見まちがえる:M は横の対角線 FC 全体の真ん中ではありません。FC 全体の真ん中は中心 O です。M がどこにあるかは、たての対角線 BD と正三角形の関係から考えます。
  • 見た目の大きさで決めてしまう:図をフリーハンドで描くと、台形が大きく見えたり小さく見えたりします。面積の比は、必ず「同じ形の部品が何個分か」か、計算で確かめましょう。
  • 長さを決めずに計算しようとして止まる:辺の長さが書いていないときは、1辺を「1」や「2」のような計算しやすい数に決めてかまいません。比は辺の長さによらないからです。

どれも、図を大きくていねいに描き、補助線を1本ずつ足していけば防げるまちがいです。ではヒントへ進みましょう。

ヒント(3段階)

ヒントは3段階です。1つ開いて考え、わからなければ次を開いてください。ヒント3まで開くと、答えはほとんど見えます。

ヒント1を見る(いちばん軽いヒント)

問題の図に引かれている長い対角線は FC と BE の2本です。もう1本の長い対角線 AD を、頭の中で引いてみましょう。中心 O で3本が交わり、正六角形が同じ大きさの正三角形6つに分かれます。赤い台形は、その正三角形のどれとどれにまたがっていますか?

ヒント2を見る

赤い台形 OMDE は、対角線 OD(ヒント1の AD の一部)で2つに分かれます。

  • 三角形 OED:6つの正三角形のうちの1つ、まるごとです。
  • 三角形 OMD:正三角形 OCD の一部です。点 M は、O と C のちょうど真ん中にあります(たての対角線 BD は、横の対角線 FC と、O と C の真ん中で交わります)。

三角形 OMD は、正三角形 OCD の何分のいくつでしょう?「高さが同じ三角形は底辺の比=面積の比」を思い出してください。

ヒント3を見る(答えの一歩手前)
ABCDEF OM ア イ ア:三角形 OED → 正三角形 まるごと1つ イ:三角形 OMD → 正三角形 OCD の   どれだけ? M は OC の真ん中
ヒント3:赤い台形は、正三角形まるごと1つ(ア)と、正三角形OCDの一部(イ)に分かれる

イ(三角形 OMD)と三角形 MCD は、どちらも頂点が D で、底辺 OM と MC の長さが等しいので、面積も等しくなります。つまりイは正三角形 OCD の半分です。

では、6つの正三角形をすべて半分に分けた小さな三角形で数えると、正六角形は何個分、赤い台形は何個分になるでしょう?

答え

考えがまとまったら、下を押して答え合わせをしましょう。くわしい解き方・別解は解答編にあります。

答えを見る

答え:元の正六角形の面積は、赤い台形の面積の 4倍

123456789101112 ABCDEF 同じ面積の三角形 全部で 12個 赤い台形は 3個 12 ÷ 3 = 4 答え 4倍
正六角形を同じ面積の三角形12個に分けると、赤い台形は3個分。12÷3=4

中心と頂点を結んでできる6つの正三角形を、それぞれ半分にすると、正六角形は同じ面積の三角形12個に分かれます。赤い台形は、正三角形 OED まるごと(小さな三角形2個)と、正三角形 OCD の半分の三角形 OMD(1個)で、3個分です。

12 ÷ 3 = 4

元の解答編の答えも「12等分した三角形3つ分なので、12÷3=4」です。

台形の公式でも確かめる

正六角形の1辺を 2、正三角形の高さを h とすると、赤い台形は上底 OM=1、下底 ED=2、高さ h なので、面積は (1+2)×h÷2=1.5h。1辺2の正三角形1つの面積は 2×h÷2=h なので、正六角形は 6h。6h÷1.5h=4 で、同じ答えになります。小さな正三角形24個の方眼で数えても、赤い台形は6個分で、24÷6=4 です。

ほかの解き方(正三角形6つで考える方法、面積比で考える方法、高校数学の座標・ベクトルでの確かめ方)は解答編で紹介しています。

「ここが大事!」と説明する合格先生

合格先生

正六角形の面積の問題は、まず中心と頂点を結んで正三角形6つ! それでも半端が出たら、さらに半分・4分の1にそろえて「何個分」で数えましょう。

似た問題:正六角形を三角形に分ける面積の問題(類題6問)

同じ考え方で解ける問題を6つ用意しました。どれも「正六角形 ABCDEF の面積は、赤い部分の面積の何倍か」を答えます。頂点の名前は本問と同じ(A が左上、時計回り)です。答えはすべて座標を使った計算で確かめてあります。

類題1ABCDEF三角形 ACE 類題2ABCDEF三角形 ABC 類題3ABCDEF長方形 ABDE 類題4PABCDEF三角形 PDE 類題5ABCDEF中点を結ぶ 類題6ABCDEF星の内側
類題6問。正六角形ABCDEFの面積は、赤い部分の何倍?

類題1:三角形 ACE(1つおきの頂点を結ぶ)

頂点 A・C・E を結んだ大きな三角形 ACE。正六角形の面積は三角形 ACE の何倍でしょう?

ヒントを見る

正六角形から三角形 ACE を取り除くと、まわりに三角形 ABC・CDE・EFA が3つ残ります。三角形 ABC は、中心 O を使ったひし形 OABC のちょうど半分です。

答えを見る

答え:2倍。正三角形6つ分で考えます。ひし形 OABC は正三角形2つ分、三角形 ABC はその半分で正三角形1つ分。まわりの3つで正三角形3つ分なので、三角形 ACE は 6−3=3つ分。6÷3=2 です。

類題2:三角形 ABC(となりあう3つの頂点)

となりあう頂点 A・B・C を結んだ三角形 ABC。正六角形の面積は三角形 ABC の何倍?

ヒントを見る

類題1のヒントと同じです。ひし形 OABC を対角線 AC で半分にすると…?

答えを見る

答え:6倍。三角形 ABC は正三角形1つ分(ひし形 OABC の半分)なので、6÷1=6 です。「三角形 ABC と三角形 OAB は、底辺 AB が共通で高さも同じ」と等積変形で考えることもできます。

類題3:長方形 ABDE

上の辺 AB と下の辺 ED を、短い対角線 BD と AE で結んだ長方形 ABDE。正六角形の面積は長方形 ABDE の何倍?

ヒントを見る

正六角形から長方形を取り除くと、左右に三角形 BCD と三角形 EFA が残ります。これは類題2の三角形 ABC と同じ形です。

答えを見る

答え:1.5倍(3/2倍)。左右の三角形は正三角形1つ分ずつなので、長方形は 6−2=4つ分。6÷4=1.5 です。「何倍」の答えが整数にならないこともある、という練習です。

類題4:辺 AB 上の点 P と三角形 PDE

辺 AB 上のどこかに点 P をとり、三角形 PDE を作ります。正六角形の面積は三角形 PDE の何倍?(P の位置は書いていません。それでも答えは1つに決まります)

ヒントを見る

辺 AB と辺 ED は平行です。P を辺 AB の上で動かしても、三角形 PDE の面積は変わりません(等積変形)。P を A まで動かしたら、三角形 ADE になります。

答えを見る

答え:3倍。三角形 ADE は長方形 ABDE(類題3より正三角形4つ分)を対角線 AD で半分にしたもので、正三角形2つ分。6÷2=3 です。P が辺 AB 上のどこにあっても同じ答えになることを、計算でも確かめています。

類題5:各辺の真ん中(中点)を結んだ正六角形

正六角形の6つの辺の真ん中の点を順に結ぶと、内側に小さな正六角形ができます。元の正六角形の面積は、内側の正六角形の何倍?

ヒントを見る

内側の正六角形のまわりには、角のところに小さな三角形が6つ残ります。そのうち1つ、たとえば頂点 B のところの三角形は、三角形 ABC と比べてどれくらいの大きさでしょう?(2辺がどちらも半分です)

答えを見る

答え:4/3倍(約1.33倍)。頂点 B のところの三角形は、三角形 ABC(正三角形1つ分)を、2辺をそれぞれ半分にしたもので、面積は 1/2×1/2=1/4。6つで 6/4=1.5 つ分です。内側は 6−1.5=4.5 つ分なので、6÷4.5=4/3 倍です。逆にいうと、内側の正六角形は元の 3/4 です。

類題6:対角線で作った星(六芒星)の内側の正六角形

短い対角線を6本(AC・CE・EA と BD・DF・FB)引くと、2つの大きな正三角形が重なった星の形(六芒星)ができ、真ん中に小さな正六角形ができます。元の正六角形の面積は、真ん中の正六角形の何倍?

ヒントを見る

大きな正三角形 ACE は、もう1つの正三角形 BDF の辺で、同じ大きさの小さな正三角形9個に分かれます(真ん中の正六角形が6個分、星の先が3個分)。三角形 ACE が元の正六角形の何分のいくつかは、類題1でわかっています。

答えを見る

答え:3倍。三角形 ACE は正三角形3つ分(類題1)。それを小さな正三角形9個に分けると、真ん中の正六角形は6個分なので、三角形 ACE の 6/9=2/3。よって正三角形 3×2/3=2つ分で、6÷2=3 です。

サクラちゃん

サクラちゃん

類題、どれも「正三角形何個分?」で解けました! 類題4は、点 P がどこでも同じなのが不思議でした。

合格先生

合格先生

そこが等積変形の力です。「わかっていない長さや位置が、実は答えに関係ない」と見抜くのも図形問題の大事な力。中学受験でも、大学入試の図形やベクトルの問題でも同じ考え方を使いますよ。

正六角形はなぜ身の回りに多い?(ハチの巣・敷き詰め)

正六角形は、ハチの巣、雪の結晶、ボルトのナット、亀の甲羅の模様にちなんだ「亀甲(きっこう)模様」など、身の回りでよく見かける形です。算数・数学の目で見ると、その理由の1つが「すき間なく平面を敷き詰められる」ことにあります。

正三角形60°×6=360°○ すき間なし 正方形90°×4=360°○ すき間なし 正六角形120°×3=360°○ すき間なし 正五角形108°×3=324°× 36°のすき間
1点のまわりに集まる角の和が360°になる正多角形だけが、すき間なく敷き詰められる

同じ正多角形だけで平面をすき間なく敷き詰めるには、1つの点のまわりに集まる角の合計がちょうど 360° にならなければいけません。正三角形(60°×6)、正方形(90°×4)、正六角形(120°×3)はぴったり 360° になりますが、正五角形は 108°×3=324° で 36° のすき間ができ、4つ集めると 432° で重なってしまいます。正七角形から先の正多角形は1つの内角が 120° より大きいので、3つでも 360° をこえます。こうして、1種類の正多角形だけで敷き詰められるのは、正三角形・正方形・正六角形の3つだけだとわかります。内角の求め方は、上でも出てきた「多角形の内角の和・外角の和」の公式です。

この3つのうち、同じ面積の部屋を作るときにまわりの長さ(壁の量)がいちばん少なくてすむのが正六角形です。ハチの巣が六角形なのは、少ないロウで多くの部屋を作れるからだと説明されます。「平面を同じ面積に区切るとき、まわりの長さの合計をいちばん短くできるのは正六角形の並べ方」という「ハチの巣予想」は、数学者トーマス・ヘイルズが1999年に証明を発表しました。

化学では、ベンゼンの分子の炭素原子6個が正六角形に並ぶ「ベンゼン環」が有名です。京大の11月祭(NF)で売られていたベンゼン環の形のパンケーキの話は「京大の11月祭(NF)とベンゼン環パンケーキ」でどうぞ。

六角形を英語で言うと hexagon(多角形の英語)

元の記事でも紹介したとおり、六角形を英語で言うと「hexagon(ヘキサゴン)」です。hexa- はギリシャ語で「6」を表し、-gon は「角」を表します。正六角形は regular hexagon です。

日本語英語数を表す部分
五角形pentagon(ペンタゴン)penta-=5
六角形hexagon(ヘキサゴン)hexa-=6
七角形heptagon(ヘプタゴン)hepta-=7
八角形octagon(オクタゴン)octa-=8
多角形polygon(ポリゴン)poly-=多い

その他の多角形も確認しておきましょう。三角形から十角形までの一覧と数を表す言葉は「多角形を英語で言うと!?」にまとめています。数学で使うギリシャ文字(α・β・θ・π など)は「ギリシャ文字の読み方一覧」で。

図形の補助線は中学受験から大学入試まで役に立つ

「正六角形を正三角形に分けて数える」問題は、中学受験の算数の平面図形でよく出る定番です。そして、ここで使った考え方は高校数学にもそのままつながります。

  • 同じ形にそろえて数える:面積比・相似比の問題の基本(中学数学の相似、高校の図形の性質)。
  • 平行線で動かす(等積変形):高校のベクトルで「平行」「面積比」を式にするときの土台。
  • 座標で確かめる:正六角形の頂点に座標を置けば、面積は計算で必ず出せます。図で見つけた答えを式で確かめる習慣は、大学入試の記述答案でも強い味方です。

京大の入試で図形・ベクトルがどれくらい出ているかは「京大 理系数学の出題分析」「京大 文系数学の出題分析」で確かめられます。数学の記事は「数学まとめ」、公式は「算数・数学公式辞典」、言葉の意味は「数学用語辞典」から探せます。

ほかの「地頭を鍛える」問題もどうぞ。数の規則を見つける「ある法則で数字が並んでいます。□に入る数字は?」、「5行5列の数字の表の規則」、並べ方のパズル「直線上の合計が24になるように並べよう」、「【IQテスト】4+2=14、2+7=23…」、かけ算の「虫食い算 ○△×△○=○□○」、言葉の「生物にあるけど化学にないものは?頭の体操クイズ」があります。数字を仮定して大きさを見積もる練習は「地頭を鍛えるフェルミ推定ノート」で。わからないところは「受験の質問・相談」から質問してください。

まとめ

  • 正六角形は、中心と頂点を結ぶと合同な正三角形6つに分かれる。1つの内角は 120°、内角の和は 720°、対角線は9本
  • 面積の「何倍」を聞かれたら、長さを求めずに同じ面積の部品にそろえて「何個分」で数える
  • 正六角形の補助線は「中心と頂点を結ぶ」「1つおきの頂点を結ぶ」「方眼にする」の3つが基本
  • 平行な辺があれば等積変形、高さが同じなら底辺の比=面積の比
  • ヒント・答え・類題の答えは、上の「見る」を押すと開きます。くわしい解き方と別解は解答編へ

よくある質問

正六角形の面積の求め方は?

中心と6つの頂点を結ぶと、合同な正三角形6つに分かれるので、正三角形1つの面積の6倍です。1辺がaなら面積は(3√3/2)a²です。小学生は「正三角形何個分か」で比べます。

正六角形は正三角形いくつに分けられますか?

中心と頂点を結ぶと6つです。その正三角形をそれぞれ半分にすると12個、辺の中点を結んで4つずつに分けると小さな正三角形24個になります。

補助線とは何ですか?

問題の図にはない線を、解くために自分で書き足す線のことです。正六角形では、中心と頂点を結ぶ線がいちばんよく使われます。

台形の面積の公式は?

(上底+下底)×高さ÷2です。同じ台形を2つ合わせると平行四辺形になり、その半分と考えると覚えやすくなります。

この問題の答えと解き方はどこで見られますか?

この記事の「答えを見る」を押すと表示されます。くわしい解き方と別解は解答編(/2014/05/hexagonans.html)にのせています。

あわせて読みたい

出典・参考

  • 問題は大学受験合格大作戦の作成(2014年5月出題)。元の問題の画像も合格大作戦
  • 答え・類題の答えは、正六角形の頂点に座標を置いて面積を計算し、合格大作戦が確認
  • ハチの巣予想:Thomas C. Hales, "The Honeycomb Conjecture"(1999年に発表、Discrete & Computational Geometry 2001年掲載)

最終更新:2026年10月22日/作成:大学受験合格大作戦

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