この記事の結論
- ギリシャ文字は全部で24文字あり、α(アルファ)・β(ベータ)・γ(ガンマ)・θ(シータ)・π(パイ)・Σ(シグマ)などが数学や物理でよく使われます
- 読み方は人や分野によって少し違い、ξ(グザイ/クシー)、φ(ファイ/フィー)、ψ(プサイ/プシー)などはどちらの読みも使われます。まずは高校で使う13文字の読みと意味を覚えましょう
ギリシャ文字の読み方一覧(大文字・小文字・24文字)
この記事は2012年7月に「数学(物理)でよく使うギリシャ文字の読み方(まとめ)」として書いたものです。元の表はそのまま残し、数学・物理で何に使うか、読みの揺れ、形の似た文字の見分け方、書き方のコツを図で足しました。
元の記事では、まず大学入試によく出てくるギリシャ文字として次の6つを挙げました。
- α ⇒アルファ
- β ⇒ベータ
- γ ⇒ガンマ
- θ ⇒シータ
- π ⇒パイ
- δ ⇒デルタ
大学に合格してからはさらに多くのギリシャ文字を目にするようになります。下の表が、元の記事の「大学の数学でよく使うギリシャ文字」の一覧です(右の列は、ほかによく聞く読み方を足したものです)。
| 大文字 | 小文字 | 読み方 | ほかの読み方 | |
|---|---|---|---|---|
| 1 | Α | α | アルファ | ― |
| 2 | Β | β | ベータ | ― |
| 3 | Γ | γ | ガンマ | ― |
| 4 | Δ | δ | デルタ | ― |
| 5 | Ε | ε | イプシロン | エプシロン |
| 6 | Ζ | ζ | ゼータ | ツェータ |
| 7 | Η | η | イータ | エータ |
| 8 | Θ | θ | シータ | テータ |
| 9 | Ι | ι | イオタ | ― |
| 10 | Κ | κ | カッパ | ― |
| 11 | Λ | λ | ラムダ | ― |
| 12 | Μ | μ | ミュー | ― |
| 13 | Ν | ν | ニュー | ― |
| 14 | Ξ | ξ | グザイ | クサイ・クシー・クシィー |
| 15 | Ο | ο | オミクロン | ― |
| 16 | Π | π | パイ | ― |
| 17 | Ρ | ρ | ロー | ― |
| 18 | Σ | σ | シグマ | ― |
| 19 | Τ | τ | タウ | ― |
| 20 | Υ | υ | ウプシロン | ユプシロン |
| 21 | Φ | φ | ファイ | フィー |
| 22 | Χ | χ | カイ | キー |
| 23 | Ψ | ψ | プサイ | プシー |
| 24 | Ω | ω | オメガ | ― |
理系学部を目指す人は読み方くらい知っておいたらよいですね。ギリシャ文字の読み方は人によって多少違います。元の記事には、表の読み方について「京大流です」と書いてありました。
大文字はアルファベットとそっくりなものが多い
表を見ると、大文字の Α・Β・Ε・Ζ・Η・Ι・Κ・Μ・Ν・Ο・Ρ・Τ・Υ・Χ は、英語のアルファベットの大文字と見た目がほとんど同じです。これは、英語のアルファベット(ラテン文字)がギリシャ文字から生まれた文字だからです。そもそも「アルファベット(alphabet)」という言葉も、最初の2文字アルファ(α)とベータ(β)を並べたものだといわれています。
ただし、見た目が同じでも読みは違います。たとえば Η は英語の「エイチ」ではなくイータ、Ρ は「ピー」ではなくロー、Χ は「エックス」ではなくカイです。数学や物理の式でよく使うのは小文字なので、まずは小文字の形と読みをセットで覚えましょう。
うかるくん
先生、授業で先生が「グザイ」って言ったのに、参考書の解説動画では「クシー」って言ってました。どっちが正しいんですか?
合格先生
どちらも使われている読み方だから、どちらでも大丈夫だ。ギリシャ文字は、英語風の読みや、もとのギリシャ語・ドイツ語などに近い読みなど、いくつかの読みが日本で使われているんだ。
サクラちゃん
じゃあ、テストで読み方を書かされることはないんですか?
合格先生
入試で読み方そのものを問われることはまずないね。大事なのは文字を見て、何を表すかがすぐわかること。読みは、先生や友だちと話すときに通じれば十分だ。
ギリシャ文字の読みの揺れ:ξ はグザイ?クシー?
元の記事の表でも、ξ は「グザイ(クサイ・クシー・クシィー)」、φ は「ファイ(フィー)」、ψ は「プサイ(プシー)」と、かっこの中に別の読みを書いていました。このように、読みが2通り以上あるギリシャ文字はいくつもあります。
たとえば θ は日本の学校ではふつう「シータ」と読みますが、「テータ」と読む先生もいます。ε は「イプシロン」と「エプシロン」、η は「イータ」と「エータ」、ζ は「ゼータ」と「ツェータ」です。どれも、どちらかがまちがいというわけではありません。どちらの読みも使われると知っておけば、授業や参考書で別の読みを聞いても混乱しません。
読みは、先生や参考書、分野によって少しずつ違うことがあります。元の記事に「京大流」と書いてあったのも、読みに幅があるからでしょう。
ギリシャ文字は数学で何に使う?θ・π・Σ・σ・α・β
高校の数学で出てくるギリシャ文字は、実はそれほど多くありません。でも、出てくる文字にはだいたい決まった役割があります。役割を知っていると、問題文に θ と書いてあれば「角だな」、Σ があれば「和だな」とすぐにわかります。
θ(シータ):角の大きさ
θ は、数学Ⅰの三角比や数学Ⅱの三角関数で、角の大きさを表すのに使います。sin θ、cos θ、tan θ の形で、毎日のように目にする文字です。三角比の基本は公式辞典の「三角比・三角関数の基本」、用語の意味は数学用語辞典の「三角関数」でまとめています。θ が2つ出てくる加法定理は「三角関数の加法定理」で、α と β を使って sin(α+β) のように書きます。
π(パイ):円周率と弧度法
π は、中学1年の円やおうぎ形で出会う円周率(3.14159…)です。数学Ⅱでは、角度を「180°=π(ラジアン)」と表す弧度法でも使います。用語辞典の「円周率」「弧度法」もあわせて読んでみてください。π の記号は、1706年にイギリスのウィリアム・ジョーンズが使い、そのあとオイラーが広めたことで定着した、とよく紹介されます。
Σ(シグマ):数列の和
大文字の Σ は、数学Bの数列で「足し合わせる(和)」という意味の記号です。Σ はアルファベットの S にあたる文字で、「和(sum)」の頭文字から選ばれた、と説明されることが多いです。1+2+3+…+n や、k² の和の公式は「Σの公式(k・k²・k³の和)」、記号の読み方と使い方は用語辞典の「シグマ(Σ)」で確かめられます。
σ(シグマ):標準偏差
同じシグマでも、小文字の σ は標準偏差(データや確率変数の散らばりの大きさ)を表します。数学Bの統計的な推測では、正規分布を N(m, σ²) のように書きます。くわしくは公式辞典の「正規分布と標準化」や用語辞典の「分散・標準偏差」をどうぞ。大文字と小文字で意味がまったく違うので、Σ と σ を書き分けることが大切です。
α・β・ω:方程式の解と1の3乗根
数学Ⅱでは、2次方程式の2つの解を α・β とおいて、α+β や αβ を係数で表す「解と係数の関係」を学びます(用語辞典「解と係数の関係」)。また、x³=1 の解のうち虚数のものを ω(オメガ)と書き、ω²+ω+1=0 などの性質を使う問題がよく出ます。数学Cの複素数平面でも、点を α・β・γ で表します(「複素数平面(複素平面)の記事」)。
こうした文字の使い方は、記号として決まっているわけではなく、習慣としてよく使われているものです。問題によっては別の文字を使うこともあるので、問題文の「〜を θ とする」「〜を α、β とする」という書き出しを必ず確かめましょう。

合格先生
問題文に θ があれば「角」、Σ があれば「和」、σ があれば「散らばり」。文字を見ただけで役割がわかるようになれば、問題を読むスピードが上がるぞ!
ギリシャ文字は物理で何に使う?λ・μ・ω・ρ・Δ・Ω
元の記事の題にも「数学(物理)」と書いたとおり、ギリシャ文字は物理でもたくさん使います。むしろ高校では、数学より物理のほうが多くのギリシャ文字に出会うかもしれません。
- μ(ミュー):摩擦係数。静止摩擦係数を μ、動摩擦係数を μ′ と書くことが多いです。長さの単位 μm(マイクロメートル)のように、100万分の1を表す接頭語としても使います。
- λ(ラムダ):波の波長。波の式 v=fλ(速さ=振動数×波長)で出てきます。
- ω(オメガ):円運動や単振動の角速度。v=rω の形で使います。
- Δ(デルタ):変化量。Δx は位置の変化、Δt は時間の変化で、Δx/Δt が平均の速さです。Δ はアルファベットの D にあたる文字です。
- ρ(ロー):電気の抵抗率や、物体の密度。
- Ω(オメガの大文字):電気抵抗の単位オーム。
- α・β・γ:原子の分野で、放射線の種類(α線・β線・γ線)。
このほかにも、光子のエネルギーを hν(ν はニュー、振動数。教科書によっては f と書く)と書いたり、磁束を Φ(ファイ)、真空の誘電率を ε₀(イプシロン・ゼロ)と書いたりします。物理の参考書の選び方は「物理のおすすめ参考書・問題集」にまとめています。
化学や生物にもギリシャ文字は出てくる
化学や生物でも、α・β などの文字を目にします。たとえば、にんじんなどに多い色素の「β-カロテン」がそうです。受験生の食事の話としては「βカロテンとリコピンとは?(受験の食育)」の記事もあります。教科の垣根をこえて同じ文字が出てくるので、24文字の読みを一度押さえておくと、どの科目でも困りません。
形の似たギリシャ文字の見分け方:ν と v、ω と w、ρ と p
ギリシャ文字でいちばん困るのは、アルファベットとそっくりな文字です。自分で書いた答案を見直したとき、ν(ニュー)なのか v(ブイ)なのかわからなくなった経験はありませんか。物理では v を速さ、ν を振動数に使うことがあるので、書き分けられないと答案が読めなくなります。
見分けのポイントは、ギリシャ文字は丸く、アルファベットはとがらせることです。ω はおしりの丸い「こぶ2つ」、w は下がとがった形にします。ρ は縦線を丸の上に出さず、p は縦線を丸の上まで引きます。κ(カッパ)は小さく、k は縦線を長く。χ(カイ)は x より線を下へ長く伸ばします。ι(イオタ)には点を打ちません。
京大などの記述式の2次試験では、答案は採点者が読むものです。自分にしか読めない文字では、せっかくの正しい答えが伝わりません。京大の数学の答案の書き方は「京大受験数学の極意(理系)」、出題の傾向は「京大理系数学の出題分析」で解説しています。
ギリシャ文字の書き方のコツ(α・θ・σ・ε)
ギリシャ文字には、ひらがなや漢字のような学校で習う決まった書き順はありません。人によって書き方が少しずつ違います。ここでは、答案で読みやすく、速く書ける書き方の一例を紹介します。
- α:右上から入って左に輪を作り、そのまま右下へ抜ける一筆書き。数字の 2 や a と区別がつくよう、輪をはっきり作ります。
- θ:縦長の楕円を書いてから、まん中に横棒を引きます。数字の 0 やアルファベットの O と区別するため、横棒をはっきりと。
- σ:丸を書いてから、上で右へ短い横棒を出します。数字の 6 や b に見えないように、横棒は上にまっすぐ。
- ε:上の小さな弧と下の大きな弧を一筆でつなぎます。数字の 3 を左右反対にした形、と覚えるとかんたんです。集合の記号 ∈(属する)とも区別しましょう。
ほかに書きにくい文字として、ξ(グザイ)と ζ(ゼータ)があります。どちらも大学で多く出てくる文字なので、高校のうちは「見て読める」で十分です。
ギリシャ文字はいつ出てくる?中学から大学までの順番
ギリシャ文字は、学年が上がるにつれて少しずつふえていきます。中学で π、数学Ⅰで θ、数学Ⅱで α・β・ω、数学Bで Σ・σ、数学Cの複素数平面で α・β・γ と出てきます。大学入学共通テスト(共通テスト、旧センター試験)の「数学Ⅰ,数学A」「数学Ⅱ,数学B,数学C」でも、これらの文字は当たり前のように使われます。
大学に入ると、元の記事に書いたとおりさらに多くのギリシャ文字を目にします。たとえば、極限を厳密に考える「ε-δ(イプシロン・デルタ)論法」、行列の固有値を表す λ、リーマンのゼータ関数 ζ などです。数学の言葉の全体は「数学用語辞典」、公式の一覧は「算数・数学公式辞典」、数学の記事の入口は「数学まとめ」から探せます。オイラーの公式 eiθ=cos θ+i sin θ(「オイラーの公式」)のように、θ が大活躍する式もあります。
サクラちゃん
ギリシャ文字、24文字も覚えられる気がしません…。全部覚えないとダメですか?
合格先生
高校生なら、まずは図1で黄色にした13文字で十分だ。θ・π・Σ・σ・α・β・ω、物理なら λ・μ・ρ・Δ を、「読み」と「何に使うか」のセットで覚えよう。
うかるくん
「θ=角」「λ=波長」みたいに、役割とセットなら覚えられそうです!
合格先生
そのとおり! 残りの文字は大学に入ってから出会ったときに、この表を見返せばいいんだ。
ギリシャ文字を覚えて数学・物理の勉強に生かすには
ギリシャ文字は、覚えること自体が目的ではありません。式を読むときに引っかからないための道具です。次の順で身につけると、ふだんの勉強の中で自然に覚えられます。
- 教科書や問題集で出てきた文字を、その場で声に出して読む:「サイン・シータ」「シグマ・ケー・イコール・イチ」のように。
- 役割をセットで言う:「θ は角」「σ は標準偏差」「λ は波長」。
- 答案では丸くていねいに書く:ν と v、ω と w の書き分けを意識します。
数学の勉強の進め方そのものは「数学の勉強法」、問題集の選び方は「青チャートと1対1対応の演習」で解説しています。

サクラちゃん
「θ は角、Σ は和、λ は波長」って、読みと役割をセットで覚えたら、問題文がスラスラ読めるようになりました!
ほかの受験生がギリシャ文字や数学の記号をどう覚えているかは、受験掲示板「100点BBS」の共通テスト掲示板や京都大学の掲示板で聞いてみるのもよいでしょう。数学の勉強で迷ったら「受験の質問・相談」で受け付けています。
よくある質問
ギリシャ文字は全部で何文字ありますか?
24文字です。α(アルファ)から ω(オメガ)まで、それぞれに大文字と小文字があります。
ξ の読み方はグザイとクシーのどちらが正しいですか?
どちらも使われています。グザイ、クサイ、クシーなどの読みがあります。φ(ファイ/フィー)や ψ(プサイ/プシー)も同じように2通りあります。
θ は数学で何を表しますか?
三角比・三角関数で角の大きさを表すのによく使われます。sin θ、cos θ、tan θ のように使います。
Σ と σ の違いは何ですか?
大文字の Σ は数列の和を表す記号、小文字の σ は統計で標準偏差を表す文字として使われます。どちらも読みはシグマです。
ν と v はどう書き分ければよいですか?
ν(ニュー)は右側を丸くカーブさせ、v(ブイ)は左右対称にとがらせて書くと区別できます。
あわせて読みたい
出典・参考
- ギリシャ文字の表(大文字・小文字・読み方)は2012年の元の記事の表による。「ほかの読み方」の列は、日本で広く使われている別の読みを足したもの
- 高校数学での使われ方は文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)」の数学Ⅰ〜Ⅲ・A〜Cの内容と、一般的な教科書の表記による
- 大学入試センター「令和9年度大学入学共通テスト実施要項」(数学の出題科目名)
- π の記号の歴史(ウィリアム・ジョーンズ、オイラー)は数学史の一般的な説明による
- 図はすべて大学受験合格大作戦 作成
最終更新:2026年10月22日/作成:大学受験合格大作戦











