解と係数の関係とは?意味と使い方をわかりやすく【例題・問題つき】|合格大作戦 数学用語辞典

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大学受験

解と係数の関係とは

二次方程式 ax2+bx+c=0ax^2+bx+c=0 の2つの解を α, β\alpha,\ \beta とすると、α+β=−ba\alpha+\beta=-\dfrac ba、αβ=ca\alpha\beta=\dfrac ca が成り立つという関係です。解を求めなくても、解の和と積が係数から分かります。

読み方:かいとけいすうのかんけい/英語:Vieta's formulas/習う学年:数学Ⅱ(複素数と方程式)

うかるくん

うかるくん

α2+β2\alpha^2+\beta^2 を求めよって、まず解の公式で解を出すんですよね…?

合格先生

合格先生

その必要はないよ。和は −ba-\dfrac ba、積は ca\dfrac ca と係数からすぐ分かる。α2+β2=(α+β)2−2αβ\alpha^2+\beta^2=(\alpha+\beta)^2-2\alpha\beta に入れれば一発だ。

この用語のポイント

  • 和 α+β=−ba\alpha+\beta=-\dfrac ba、積 αβ=ca\alpha\beta=\dfrac ca
  • 解を求めずに、対称式(α2+β2\alpha^2+\beta^2 など)の値が出せる
  • 和 pp・積 qq の2数は t2−pt+q=0t^2-pt+q=0 の解

やさしく言うと

解と係数の関係は、二次方程式の2つの解の「和」と「積」が、係数だけで分かるというきまりです。ax2+bx+c=0ax^2+bx+c=0 の2つの解を α, β\alpha,\ \beta とすると、

α+β=−ba,αβ=ca\alpha+\beta=-\frac{b}{a},\qquad \alpha\beta=\frac{c}{a}

身近なたとえで考えてみましょう。

  • 2人の年れい:「2人の年れいの合計は 5、かけると 6」と聞けば、2人を直接見なくても、2人について多くのことが分かります。解と係数の関係は、解を見なくても「合計」と「かけ算」が分かるしくみです。
  • レシートの合計:1つ1つの値段(解)が分からなくても、合計(和)は分かることがあります。合計が分かれば、平均なども計算できます。
  • 暗号の手がかり:和と積の2つの手がかりがあれば、もとの2つの数を割り出せます(二次方程式を作って解けばよい)。
x² −5x +6 = 0 解は x=2、3 和 2+3=5 積 2×3=6 符号を変える そのまま 解を求めなくても、和と積は係数から分かる
x²−5x+6=0 の解 2 と 3。和と積が係数に出ている

つまり、解そのものを求めなくても、解の和と積は係数から一発で分かるということです。

使い方の例

○ 正しい使い方

  • x2−5x+6=0x^2-5x+6=0 → 和 55、積 66
  • 2x2+6x−5=02x^2+6x-5=0 → 和 −3-3、積 −52-\dfrac52
  • x2+x+1=0x^2+x+1=0 → 和 −1-1、積 11(解が虚数でも成り立つ)
  • x2−6x+9=0x^2-6x+9=0 → 重解 3, 33,\ 3 も「2つの解」と数えて和 66、積 99
  • 和 55、積 66 の2数 → t2−5t+6=0t^2-5t+6=0 を解く

× まちがった使い方

  • 2x2+6x−5=02x^2+6x-5=0 の和を −6-6 とする(aa でわっていない)
  • x2−5x+6=0x^2-5x+6=0 の和を −5-5 とする(符号の取りちがえ)
  • x3−2x+1=0x^3-2x+1=0 に二次の公式をそのまま使う(三次は別の形)
  • x+3=0x+3=0 に使う(一次方程式は解が1つ)

和は符号を変えて aa でわる、積はそのまま aa でわる、と覚えましょう。

図で見る:なぜ和と積が係数に出るのか

ax2+bx+c=0ax^2+bx+c=0 の解が α, β\alpha,\ \beta なら、左辺は a(x−α)(x−β)a(x-\alpha)(x-\beta) と因数分解できます。これを展開して、もとの式と係数をくらべると、関係が出てきます。

ax² + bx + c = a(x−α)(x−β) 右辺を展開すると = ax² − a(α+β)x + aαβ 係数をくらべる b = −a(α+β) → α+β = −b/a c = aαβ   → αβ = c/a 「解で因数分解した形」と、もとの式の係数が対応している
a(x−α)(x−β) を展開すると、和と積が係数の位置に出てくる
サクラちゃん

サクラちゃん

和のほうだけ、どうしてマイナスがつくんですか?

合格先生

合格先生

(x−α)(x−β)(x-\alpha)(x-\beta) を展開すると、まん中は −αx−βx=−(α+β)x-\alpha x-\beta x=-(\alpha+\beta)x になるからだよ。解は「x−x-解」の形で因数に入るから、和にはマイナスがつく。積はマイナスどうしをかけるからプラスになるんだ。

グラフで見ると、和の意味もはっきりします。2つの解は放物線と xx 軸の交点で、そのまん中が軸です。軸の位置 −b2a-\dfrac{b}{2a} は、ちょうど和 −ba-\dfrac ba の半分です。

xyO α=1 β=5 軸 x=3 頂点 (3, −4) α+β=6 → まん中は 6÷2=3(軸の位置) αβ=5(定数項)
2つの解 1 と 5 のまん中 3 が軸。和 6 の半分

対称式の値を求める

α2+β2\alpha^2+\beta^2 や 1α+1β\dfrac1\alpha+\dfrac1\beta のように、α\alpha と β\beta を入れかえても変わらない式を対称式といいます。対称式は、必ず和 α+β\alpha+\beta と積 αβ\alpha\beta で表せます。だから、解を求めなくても値が計算できます。

α² β² αβ αβ αβ 正方形全体 =(α+β)² 赤い 2 つをひくと 青い 2 つが残る α²+β² = (α+β)² − 2αβ
(α+β)² の正方形から、αβ を2つひくと α²+β²
対称式和と積で表すと
α2+β2\alpha^2+\beta^2(α+β)2−2αβ(\alpha+\beta)^2-2\alpha\beta
1α+1β\dfrac1\alpha+\dfrac1\betaα+βαβ\dfrac{\alpha+\beta}{\alpha\beta}
(α−β)2(\alpha-\beta)^2(α+β)2−4αβ(\alpha+\beta)^2-4\alpha\beta
α3+β3\alpha^3+\beta^3(α+β)3−3αβ(α+β)(\alpha+\beta)^3-3\alpha\beta(\alpha+\beta)
ひらめいたサクラちゃん

サクラちゃん

和と積さえ分かれば、ややこしい式も計算できるのね!

反対に、和が pp、積が qq の2数は、二次方程式 t2−pt+q=0t^2-pt+q=0 の2つの解です。和と積から2数を求めるときに使います。

テスト・入試ではこう出る

解と係数の関係は、高校の数学Ⅱ(複素数と方程式)で習います。定期テストや大学入試では、2解の対称式の値、和と積から2数を求める、解の条件から係数を決める、解の符号を調べる(2つとも正の解なら、判別式 D≥0D\ge0、和 >0>0、積 >0>0)といった形でよく出ます。

例題1(対称式の値)

二次方程式 x2−3x+1=0x^2-3x+1=0 の2つの解を α, β\alpha,\ \beta とするとき、(1) α2+β2\alpha^2+\beta^2 (2) 1α+1β\dfrac1\alpha+\dfrac1\beta (3) α3+β3\alpha^3+\beta^3 の値を求めなさい。

  1. 解と係数の関係より、α+β=3\alpha+\beta=3、αβ=1\alpha\beta=1。
  2. (1) α2+β2=(α+β)2−2αβ=9−2=7\alpha^2+\beta^2=(\alpha+\beta)^2-2\alpha\beta=9-2=7
  3. (2) 1α+1β=α+βαβ=31=3\dfrac1\alpha+\dfrac1\beta=\dfrac{\alpha+\beta}{\alpha\beta}=\dfrac31=3
  4. (3) α3+β3=(α+β)3−3αβ(α+β)=27−9=18\alpha^3+\beta^3=(\alpha+\beta)^3-3\alpha\beta(\alpha+\beta)=27-9=18

答え (1) 7 (2) 3 (3) 18

例題2(和と積から2数を求める)

和が 44、積が −5-5 である2つの数を求めなさい。

  1. 和が 44、積が −5-5 の2数は、t2−4t−5=0t^2-4t-5=0 の2つの解。(和が pp、積が qq なら t2−pt+q=0t^2-pt+q=0)
  2. 因数分解:(t−5)(t+1)=0(t-5)(t+1)=0 より t=5, −1t=5,\ -1。
  3. たしかめ:5+(−1)=45+(-1)=4、5×(−1)=−55\times(-1)=-5。

答え 55 と −1-1

まちがえやすい点

腕でバツを作る合格先生

合格先生

和は ba\dfrac ba じゃない! 符号を変えて −ba-\dfrac ba。x2−5x+6=0x^2-5x+6=0 の和は 55 だよ。

  • 和の符号:α+β=ba\alpha+\beta=\dfrac ba とするのは×。正しくは −ba-\dfrac ba です。x2−5x+6=0x^2-5x+6=0 の和は 55 です。
  • aa でわり忘れる:2x2+6x−5=02x^2+6x-5=0 の積を −5-5 とするのは×。a=2a=2 でわって −52-\dfrac52 です。
  • 重解のときは使えないと思う:重解も「同じ解が2つ」と数えます。x2−6x+9=0x^2-6x+9=0 なら α=β=3\alpha=\beta=3 で、和 66、積 99 が成り立ちます。
  • 解が実数だと決めつける:解と係数の関係は虚数解でも成り立ちます。「2つの正の解」などの条件では、判別式で実数解であることを別に確かめる必要があります。
  • α2+β2\alpha^2+\beta^2 を (α+β)2(\alpha+\beta)^2 とする:(α+β)2=α2+2αβ+β2(\alpha+\beta)^2=\alpha^2+2\alpha\beta+\beta^2 なので、2αβ2\alpha\beta をひくのを忘れないようにします。

ことばの由来

方程式の「解」と、式の「係数」の間にある「関係」なので、この名前です。英語では、16世紀のフランスの数学者ヴィエト(ラテン語名 Vieta)の名をとって Vieta's formulas(ヴィエタの公式)と呼ぶことがあります。

ミニ問題

問題1 二次方程式 2x2+6x−5=02x^2+6x-5=0 の2つの解を α, β\alpha,\ \beta とするとき、α+β\alpha+\beta と αβ\alpha\beta を求めましょう。

答えと解き方を見る

α+β=\alpha+\beta=−3-3、αβ=\alpha\beta=−52-\dfrac52 です。a=2, b=6, c=−5a=2,\ b=6,\ c=-5 なので、α+β=−62=−3\alpha+\beta=-\dfrac62=-3、αβ=−52\alpha\beta=\dfrac{-5}{2}。aa が1でないときは、aa でわるのを忘れないようにします。

問題2 二次方程式 x2+4x+2=0x^2+4x+2=0 の2つの解を α, β\alpha,\ \beta とするとき、α2+β2\alpha^2+\beta^2 の値を求めましょう。

答えと解き方を見る

12 です。α+β=−4\alpha+\beta=-4、αβ=2\alpha\beta=2 なので、α2+β2=(−4)2−2×2=16−4=12\alpha^2+\beta^2=(-4)^2-2\times2=16-4=12。解 −2±2-2\pm\sqrt2 を求めて2乗しても同じ答えになりますが、計算がずっと長くなります。

問題3 二次方程式 x2−6x+k=0x^2-6x+k=0 の1つの解が、もう1つの解の2倍であるとき、定数 kk の値を求めましょう。

答えと解き方を見る

k=8k=8 です。

  1. 2つの解を α, 2α\alpha,\ 2\alpha とおく。
  2. 和:α+2α=6\alpha+2\alpha=6 より α=2\alpha=2。
  3. 積:k=α×2α=2α2=8k=\alpha\times2\alpha=2\alpha^2=8。

たしかめ:x2−6x+8=(x−2)(x−4)x^2-6x+8=(x-2)(x-4) で、解は 2 と 4。たしかに 4 は 2 の2倍です。

関連する公式・用語

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あわせて覚えたい用語

よくある質問

解と係数の関係とは簡単にいうと何ですか?

二次方程式の2つの解の和と積が、係数だけで表せるという関係です。和は −b/a、積は c/a です。

解と係数の関係はどんなときに使いますか?

解を求めずに α²+β² などの対称式の値を出すとき、和と積から2数を求めるとき、解の条件から係数を決めるときに使います。

解が虚数のときも成り立ちますか?

はい。解が虚数でも成り立ちます。重解のときも、同じ解が2つあると考えて使えます。

対称式とは何ですか?

α と β を入れかえても変わらない式のことです。α²+β² や αβ など。対称式は必ず和と積で表せます。

三次方程式にも解と係数の関係はありますか?

はい。ax³+bx²+cx+d=0 の3つの解の和は −b/a、2つずつの積の和は c/a、3つの積は −d/a です。

解と係数の関係は何年生で習いますか?

高校の数学Ⅱ(複素数と方程式)で習います。

出典・参考

  • 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 数学編」数学Ⅱ(複素数と方程式)

最終更新:2026年10月13日/作成:大学受験合格大作戦