うかるくん
のときって「解なし」と書けばいいんですか?
合格先生
正しくは「実数解をもたない」。数学Ⅱで虚数を習うと、 のときも虚数の解が2つあるとわかるんだ。
この用語のポイント
- の判別式は
- :2つ、:重解、:実数解なし
- は解の公式の根号の中身。放物線と 軸の共有点の数もわかる
やさしく言うと
判別式は、2次方程式を解かなくても、実数の解がいくつあるかがわかる式です。 の判別式は で、その符号(+か、0か、−か)を見るだけで解の個数がわかります。
- 健康しんだんの「判定」:くわしい検査をしなくても、1つの数値を見て「A・B・C」と分けられることがあります。判別式は、2次方程式の解を「2つ・1つ・なし」に分ける判定の数です。
- ボールを投げる高さ:放物線をえがくボールが、ある高さまでとどくかどうか。とどく(2回その高さを通る)、ちょうどてっぺん(1回)、とどかない(0回)の3通りを、計算で見分けられます。
- 天気予報の「晴れ・くもり・雨」:答えのくわしい中身(解の値)より先に、まず「どの場合か」を知りたいときに役立ちます。
グラフでいうと、放物線 が 軸と何か所で交わるかがわかります。
左から 、、 です。まとめると、判別式は「解の個数を、先に見分ける数」です。
D の符号と解の個数
| の符号 | 2次方程式の解 | 放物線と 軸 |
|---|---|---|
| 異なる2つの実数解 | 2点で交わる | |
| 重解(実数解は1つ) | 1点で接する | |
| 実数解はない(数学Ⅱでは異なる2つの虚数解) | 共有点がない |
「実数解をもつ」条件は です( もふくみます)。

うかるくん
「実数解をもつ」は 、「異なる2つ」は 。等号のありなしに注意だ!

うかるくん
D が正なら2つ、0なら1つ、負なら実数解なし。これで決まりだ!
なぜ解の個数がわかるのか
解の公式 の、根号の中身が です。 が正なら で2つの解、0 なら1つ、 が負なら実数の範囲では が計算できません。
平方完成から見ることもできます。 のとき、 と変形できるので、放物線の頂点の 座標は です。 なら頂点は 軸より下(2点で交わる)、 なら 軸の上(接する)、 なら 軸より上(交わらない)になります。
判別式が使える・使えない
○ 判別式が使える
- 2次方程式の実数解の個数
- 放物線と 軸の共有点の個数
- 放物線と直線の共有点(連立して2次方程式にする)
- 2次不等式がすべての で成り立つ条件
- 円と直線の共有点の個数(連立して2次方程式にする)
× 使えない・注意が必要
- の係数が0になるかもしれない式( で のとき)
- 3次方程式( は2次方程式の式)
- 解の値そのものを求めたいとき(解の公式や因数分解を使う)
- 解が「正か負か」を知りたいとき( だけでは決まらない。解と係数の関係も使う)
- の範囲がしぼられた中での解の個数(グラフで端の値も調べる)
図で見る:直線との共有点
判別式は、放物線と 軸だけでなく、放物線と直線の関係も見分けられます。2つの式から を消すと2次方程式になり、その判別式で共有点の数がわかります。
うかるくん
直線と放物線が「接する」ことを、どうして判別式で調べられるんですか?
合格先生
を消してできる の解が、共有点の 座標だよね。接するのは共有点が1つだけのとき、つまり重解をもつとき。だから が「接する」条件になるんだ。
「すべての で 」が成り立つかどうかも、判別式で調べられます。グラフが下に凸()で、 軸と共有点がない()なら、グラフはいつも 軸より上です。
D/4 の使い方
の係数が偶数()のときは、 を使うと計算が楽です。例: は で、 なので、異なる2つの実数解()をもちます。 は を 4 で割っただけなので、符号は と同じです。
テスト・入試ではこう出る
判別式は数学Ⅰの2次関数・2次方程式で習います。定期テストや大学入試では、解の個数の判定、重解をもつ条件、放物線と直線が接する条件、2次不等式がつねに成り立つ条件がよく出ます。数学Ⅱでは虚数解の判定や、円と直線の位置関係にも使います。共通テストでも、2次関数の問題の中でよく使われます。
例題1(重解をもつ条件)
2次方程式 が重解をもつような の値と、そのときの重解を求めなさい。
- 重解をもつ条件は 。
- より 。
- のとき で重解 。 のとき で重解 。
答え のとき 、 のとき
例題2(直線が接する条件)
放物線 と直線 が接するような の値と、接点の座標を求めなさい。
- を消すと 、つまり 。この2次方程式の実数解が、共有点の 座標。
- 接する ⇔ 重解をもつ ⇔ 。よって 。
- このとき で 、。
答え 、接点
まちがえやすい点

合格先生
は「解なし」ではなく「実数解なし」! の係数が0になる場合も忘れずに。
- で「解なし」と書く:正しくは「実数解をもたない」です。数学Ⅱで虚数を習うと、 のときも2つの虚数解があります。
- で のまま計算する: なら です。 とするのは×です。
- の係数が文字のときに、すぐ判別式を使う: は、 だと1次方程式 になり、解は1つです。判別式は のときだけ使えます。
- 「実数解をもつ」を とする:重解も実数解なので、正しくは です。「異なる2つの実数解」なら です。
- 符号の計算ミス: が負のとき、 は正になります。 なら です。
ことばの由来
「判別」は、見分けて区別するという意味です。判別式は、解の様子(2つ・重解・実数解なし)を見分けるための式なので、この名前がついています。英語では discriminant(ディスクリミナント)といい、「見分けるもの」という意味です。記号の は、この英語の頭文字です。
ミニ問題
問題1 2次方程式 の実数解の個数を答えましょう。
答えと解き方を見る
0 個(実数解をもたない)です。 だからです。数学Ⅱの範囲では、異なる2つの虚数解をもちます。
問題2 2次方程式 が異なる2つの実数解をもつような の値の範囲を求めましょう。
答えと解き方を見る
です。 の係数 4 は偶数なので 。。異なる2つの実数解をもつ条件は なので、、。
問題3 すべての実数 について が成り立つような の値の範囲を求めましょう。
答えと解き方を見る
です。
- の係数は 1(正)なので、グラフは下に凸。
- いつも 軸より上にある条件は、 軸と共有点をもたないこと:。
- 。
- よって 。
関連する公式・用語
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あわせて覚えたい用語
よくある質問
判別式のDは何の略ですか?
英語のdiscriminant(判別式)の頭文字です。
D=0のときの解は何個ですか?
重解(重なった解)が1つです。グラフでは、放物線がx軸に接します。
D/4はいつ使いますか?
xの係数が偶数(b=2b′)のときです。D/4=b′²-acで計算すると数が小さくなり楽です。符号はDと同じです。
実数解をもつ条件は D>0 ですか?
D≧0 です。重解も実数解なので、D=0 もふくめます。異なる2つの実数解をもつ条件が D>0 です。
放物線と直線が接する条件は?
2つの式から y を消してできる2次方程式が重解をもつこと、つまり判別式 D=0 です。
判別式は何年生で習いますか?
高校の数学Ⅰ(2次関数)で習います。D<0のときの虚数解は数学Ⅱで習います。
出典・参考
- 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 数学編」数学Ⅰ(2次関数)・数学Ⅱ(複素数と方程式)
最終更新:2026年10月13日/作成:大学受験合格大作戦


