ヴィエトは何をした人?業績・生涯・名言|解と係数の関係・記号代数・ヴィエトの公式

ヴィエトは何をした人?業績・生涯・名言|解と係数の関係・記号代数・ヴィエトの公式

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ヴィエトViète

ひとことで言うと

文字で一般の数を表す記号代数を広めた「代数の父」。解と係数の関係(ヴィエトの定理)と円周率の無限の積で知られるフランスの数学者・法律家。

名前フランソワ・ヴィエト(François Viète、ヴィエタ・ビエトとも)
生没年1540年〜1603年12月13日(63歳)
国フランス(フォントネー=ル=コント生まれ、パリで没)
分野代数・三角法・幾何学・暗号
主な業績『解析法入門』(記号代数)、解と係数の関係、円周率の無限の積、45次方程式の解、アポロニウスの問題、スペインの暗号解読
名前がつくものヴィエトの定理(解と係数の関係)・ヴィエトの公式・ヴィエトの置換・月のクレーター「ヴィエタ」
よばれ方代数の父

このページのポイント

  • 未知数と既知の数を文字で表す記号代数を広め、「代数の父」とよばれる。現在のx・aの使い分けは、のちのデカルトが広めた
  • 日本の高校数学の解と係数の関係(α+β=−b/a、αβ=c/a)は、ヴィエトの定理ともよばれる。大学入試の対称式の計算で頻出
  • 円周率を無限の積で表す式(1593年)は、無限に続く式でπを表した最初の例とされる。スペインの暗号を解読したことでも有名

ヴィエトは何をした人?(業績をひとことで)

フランソワ・ヴィエト(ヴィエタ、ビエトとも。1540〜1603年)は、フランスの数学者であり法律家です。それまで「ある数」を言葉や具体的な数で書いていた方程式を、文字を使って一般の形で書く方法(記号代数)を広め、「代数の父」とよばれます。高校の数学で必ず習う「解と係数の関係」は、日本ではヴィエトの定理とよばれることもあります。また、円周率を無限の積で表した式(ヴィエトの公式)を、1593年に世界で初めて発見した人としても知られます。

本業は国王につかえる法律家・政治家で、数学は「ひまを見つけて楽しむもの」だったといわれます。さらに、スペイン王国の暗号を解読したことでも有名で、数学の力が戦争や外交にも使われた例として、よく語られます。受験生にとってのヴィエトは、解と係数の関係(2次・3次方程式)の名前と結びつく人です。解と係数の関係とはや、二次方程式の解の公式とあわせて読んでください。

うかるくん

うかるくん

x とか a とか、文字を使う方程式って、昔からあったんじゃないんですか?

合格先生

合格先生

実は昔は、全部言葉と具体的な数で書いていたんだ。「3x+5」という式を、「ある数の3倍に5を足したもの」と書くようにね。ヴィエトは、「どんな数でもあてはまる」一般の式を、文字で書くことを始めた。だから今、a x²+b x+c=0のような式で、いろいろな方程式をまとめて扱えるんだよ。

ヴィエトを描いた19世紀の素描
19世紀のフランスの版画家メリヨンが描いたヴィエトの素描(1861年)。ヴィエト本人の肖像画をもとにした作品とされます画像:Charles Méryon(1861年)/Wikimedia Commons(パブリックドメイン)

ヴィエトの生涯と年表

法律家として歩みはじめる

ヴィエトは1540年、フランス西部のフォントネー=ル=コントで生まれました。大学で法律を学び、1560年に法学の学位をとって、約4年のあいだ弁護士として働きました。1564年には、ある貴族の家の家庭教師になり、その家族とともにラ・ロシェルに移り、1570年にパリに落ち着きました。

国王につかえる役人として

1573年に、ヴィエトは国王シャルル9世によって、ブルターニュ地方の政府(レンヌ)の仕事に任命され、1580年まで務めました。1580年3月には、国王アンリ3世の相談役としてパリに移ります。1584年に宮廷から追放され、およそ5年間、ボーヴォワール=シュル=メールで暮らしました。この時期に、数学のもっとも大切な仕事の多くを、書きあげたといわれます。1589年にアンリ3世のもとに戻り、その後はアンリ4世に仕えました。1602年12月14日にアンリ4世から退けられ、翌1603年12月13日にパリで亡くなりました。

暗号解読で、国王を助けた

当時フランスは、スペインと戦争状態にありました。ヴィエトは、スペインの暗号の手紙を解読しました。解読された手紙のひとつは、1589年10月28日付の、スペイン王フェリペ2世あての手紙でした。ヴィエトは、1590年3月15日に、アンリ4世へその全文の解読結果を送りました。暗号がやぶられていることに気づいたフェリペ2世は、「フランスが黒魔術をスペインに使っている」とローマ教皇に苦情を言ったと伝えられています。

年できごと
1540年フランス西部のフォントネー=ル=コントに生まれる
1560年法学の学位をとり、弁護士になる
1571年三角法の本『数学の規準(Canon Mathematicus)』の出版がはじまる
1573年国王シャルル9世によりブルターニュ地方(レンヌ)の仕事に任命される
1580年アンリ3世の相談役となり、パリに移る
1584〜89年ごろ宮廷を追放され、ボーヴォワール=シュル=メールで数学に打ちこむ
1589〜90年スペインの暗号を解読し、アンリ4世に伝える
1591年『解析法入門(In artem analyticam isagoge)』を出版。記号代数の始まり
1593年円周率を無限の積で表す「ヴィエトの公式」を発表。ローメンの45次方程式の問題が出される
1595年45次方程式を三角関数の関係を使って解く
1600年ごろアポロニウスの問題(3つの円に接する円)の解答を発表したとされる
1603年12月13日、パリで亡くなる(63歳)

ヴィエトの主な業績をやさしく解説

業績1 文字で数を表す――記号代数のはじまり

1591年の『解析法入門』は、ヴィエトの代表作です。この本でヴィエトは、方程式の中の数を、文字で表す方法を、はじめて系統的に示しました。

  • 未知数(求めたい数)は、母音の文字(A・E・I・O・U)で表す。
  • 既知の数(分かっている数)は、子音の文字(B・C・D…)で表す。
文字のわけ方のちがいヴィエト(1591年)デカルト(1637年)未知数A E I O U(母音の文字)既知の数=B C D…未知数x y z(アルファベット後ろ)既知の数=a b c…文字で一般の数を表す発想はヴィエトが先今の x と a の使い分けはデカルト方式
ヴィエトの文字の使い方(未知数は母音、既知の数は子音)と、現在のデカルト方式(未知数はx・y・z、既知の数はa・b・c)

これは、ディオファントスの略号と算術が「未知数に略号を使った」のを、さらに進めたものです。ヴィエトのおかげで、「どんな数にもあてはまる一般の公式」を書くことが、できるようになりました。たとえば、2次方程式は、ふつうの数で1問ずつ解くのではなく、「aとbとcを使った形」にまとめて、解の公式を導けるようになるのです。ヴィエトは、数そのものを扱う計算と、文字(種類)を扱う計算を区別して、後者を「種の計算(ロギスティカ・スペキオーサ)」とよんだと伝えられます。

なお、現在の「未知数はxやy、既知の数はaやb」という使い分けは、のちのデカルトの座標幾何学と文字の使い方が広めたものです。「係数」という言葉も、ヴィエトの作った用語だとされます(項・係数・次数とは)。

業績2 解と係数の関係(ヴィエトの定理)

2次方程式 ax2+bx+c=0ax^2+bx+c=0 の2つの解を α\alpha・β\beta とすると、次の関係が成りたちます。

α+β=−ba,αβ=ca\alpha+\beta=-\frac{b}{a},\qquad \alpha\beta=\frac{c}{a}

これが解と係数の関係です。ヴィエトは、方程式の解(とくに正の解)と、係数のあいだに関係があることを知っていた、と説明されます。ただし、現在の形で一般に書かれたのは、のちの時代になってからです(デカルトやニュートンらの研究が重なっています)。

解と係数の関係(y=x²−5x+6)236解の和 2+3=5=−(−5) 解の積 2×3=6x²+bx+c=0 の解 α,β:α+β=−b、αβ=c
y=x²−5x+6 のグラフ。x軸との交点(解)は2と3で、和は5(=−(−5))、積は6(=定数項)

この関係の便利なところは、解の公式を使わなくても、解の和と積が分かることです。たとえば x2−5x+6=0x^2-5x+6=0 なら、和は5、積は6だと、すぐに分かります。2つの解は、足して5、かけて6になる数――つまり2と3です。解と係数の関係を使った対称式の計算(α2+β2\alpha^2+\beta^2 など)は、大学入試の定番です(解と係数の関係の使い方と例題)。

この関係は、3次方程式・4次方程式にも拡張できます。たとえば3次方程式 x3−6x2+11x−6=0x^3-6x^2+11x-6=0 の3つの解を α,β,γ\alpha,\beta,\gamma とすると、和は6、2つずつの積の和は11、3つの積は6です。

3次方程式の解と係数の関係x=1x=2x=3(x−1)(x−2)(x−3) = x³ −6x² +11x −6和 1+2+3=6 ← x²の係数−6積の和 2+3+6=11 ← xの係数積 1×2×3=6 ← 定数項−6解を知らなくても、係数から和・積が分かる
3次方程式 x³−6x²+11x−6=0 の解は1・2・3。和6、2つずつの積の和11、積6が係数と対応する

実際、この方程式は (x−1)(x−2)(x−3)=0(x-1)(x-2)(x-3)=0 と因数分解でき、解は1・2・3です。因数分解と係数の関係は、剰余の定理・因数定理と、恒等式の意味と解き方の考え方と深くつながっています。

業績3 円周率の無限の積(ヴィエトの公式)

1593年、ヴィエトは円周率 π\pi について、驚くような式を発表しました。

2π=22⋅2+22⋅2+2+22⋯\frac{2}{\pi}=\frac{\sqrt2}{2}\cdot\frac{\sqrt{2+\sqrt2}}{2}\cdot\frac{\sqrt{2+\sqrt{2+\sqrt2}}}{2}\cdots

右辺は、ルート(平方根)をどんどん重ねた数を、永遠にかけ続けるという形です。これは、π\pi を無限に続く式で表した、知られている中で最初の式とされます。ヴィエトは、円に内接する正方形から出発して、辺の数を2倍・4倍…とふやしていったときの面積の比から、この式を導きました。

ヴィエトの公式(辺を2倍ずつふやす)正4→8→16角形…公式を k 個まで使うとk=1≒ 2.8284k=2≒ 3.0615k=3≒ 3.1214k=4≒ 3.1365k=5≒ 3.1403k=6≒ 3.1413π=3.14159…1593年、世界初の「無限に続く式」でπを表した
円に内接する正方形から正八角形、正十六角形へと辺を2倍ずつふやす。公式を使うほど π に近づく

図の表のとおり、式の項を1つずつふやすと、近似値は 2.8284 → 3.0615 → 3.1214 → 3.1366 → 3.1403 → 3.1413 …と、π=3.14159…にだんだん近づいていきます。ヴィエトは、この多角形の方法で辺の数が393216(=6×2の16乗)の正多角形を使い、円周率を小数第9〜10位まで求めた、と数学史の資料にあります(MacTutor は小数第10位まで、ほかに第9位までとする資料もあり、桁数の書き方が少しちがいます)。この円周率の計算は、アルキメデスの円周率の計算(正96角形)の方法の発展でもあります。中学受験でよく使う3.14の計算は、3.14の計算のくふうで練習できます。円周率そのものの意味は円周率とはで確かめられます。

のちにウォリスの無限の積と円周率が1655年に別の無限の積の式を発見し、ライプニッツの円周率の級数が1670年代に別の級数を見つけました。無限に続く式で円周率を表す、という考え方の最初のページを開いたのが、ヴィエトです。

業績4 45次方程式と三角関数

1593年、オランダの数学者アドリアン・ファン・ローメンが、「世界中の数学者への挑戦状」として、45次方程式を出題しました。この方程式を解くことは、ふつうの方法では、とうてい不可能に見えました。伝えられるところでは、オランダの外交官がこの問題をフランス国王アンリ4世に見せ、「フランスにはこの問題を解ける数学者がいない」と言ったそうです。国王に呼ばれたヴィエトは、すぐに答えの1つを見つけたといわれます(細かい点は、伝説の部分もあるとされます)。

ヴィエトは、この方程式が、「sin 45θ」を「sin θ」で表す三角関数の式と同じ形をしていることに気づきました。数学史の資料によれば、1595年には、この考えで方程式を解いています。さらにヴィエトは、3次方程式でも、三角関数の3倍角の公式を使って、解を求める方法を示したと伝えられます。

cos⁡3θ=4cos⁡3θ−3cos⁡θ\cos 3\theta=4\cos^3\theta-3\cos\theta
3次方程式を三角関数で解くcos20°≒0.94−0.77−0.17y=1/2y=4x³−3xcos3θ=4cos³θ−3cosθ を利用
3次関数 y=4x³−3x のグラフと、y=1/2 の横線の3つの交点。x座標は cos20°・cos140°・cos260° にあたる

たとえば方程式 4x3−3x=124x^3-3x=\dfrac12 の解は、x=cos⁡θx=\cos\theta とおくと cos⁡3θ=12\cos3\theta=\dfrac12 になるので、3θ=60°, 420°, 780°3\theta=60°,\ 420°,\ 780°、つまり θ=20°, 140°, 260°\theta=20°,\ 140°,\ 260° です。3つの解は cos⁡20°≒0.94\cos20°\fallingdotseq0.94、cos⁡140°≒−0.77\cos140°\fallingdotseq-0.77、cos⁡260°≒−0.17\cos260°\fallingdotseq-0.17。この3つを足すと0(x2x^2 の項がないので、解と係数の関係とも合っています)。三角関数の公式は三角関数の加法定理、ド・モアブルの定理と関連しています。三角関数とはもあわせて確かめましょう。

業績5 アポロニウスの問題を解いた

45次方程式の問題を解いたヴィエトは、お返しにローメンへ、1つの問題を出しました。それが、「3つの円に接する円を作図せよ」という、古代ギリシャのアポロニウスの円錐曲線とアポロニウスの問題です。ローメンは双曲線を使って解答し、1596年に発表しました。ヴィエトは、定規とコンパスだけでかく方法を見つけ、1600年ごろ『ガリアのアポロニウス』という本で発表したと伝えられています。古代ギリシャで失われた問題を、近代のヨーロッパがよみがえらせた例といえます。

業績6 三角法の研究と、方程式の解き方

ヴィエトは、三角法(平面三角形・球面三角形)の数表と公式をまとめた『数学の規準』を、1571年から出版しはじめました。この本には、角度をいろいろな形で表したときの三角比の公式がのっています。三角比のもとはプトレマイオス(トレミー)の弦の表とトレミーの定理にさかのぼり、ヴィエトはそれを近代的な形にまとめました。三角比の基本は三角比・三角関数の基本で確かめられます。

またヴィエトは、方程式を、変数を置きかえることで簡単な形に直す方法も考えました。たとえば3次方程式を、適当な変数変換で2次方程式に直して解く方法は「ヴィエトの置換」とよばれます。カルダノの3次方程式の解の公式のあとを受けて、3次方程式の理論を整理した、と説明されます。

ヴィエトの名前がつく公式・定理・用語

  • ヴィエトの定理(解と係数の関係):方程式の解の和・積が、係数で表せる。→ 解と係数の関係の使い方・解と係数の関係とは
  • ヴィエトの公式:2π\dfrac{2}{\pi} を、ルートを重ねた数の無限の積で表す式。
  • ヴィエトの置換:3次方程式を、変数を置きかえて解く方法。
  • 『解析法入門』:文字で数を表す、記号代数の本。
  • 係数(coefficient):ヴィエトが作ったとされる用語。→ 項・係数・次数
  • 月のクレーター「ヴィエタ(Vieta)」。

解と係数の関係は、高校数学IIの「複素数と方程式」の中心的な公式です。2次方程式の解の公式は二次方程式の解の公式、複素数の解は複素数と2次方程式、解の判別は判別式とはで確かめられます。

「ここが大事!」と説明する合格先生

合格先生

「2つの解の和と積」が出てきたら、まず解と係数の関係を使えないか考えよう。解を実際に求めなくても、α²+β²や1/α+1/βが出せるよ。

ヴィエトの逸話と名言

「解けない問題はない」

『解析法入門』の最後には、ヴィエトの自信にみちた言葉が書かれているとされます。ラテン語の「Nullum non problema solvere」で、日本語にすると「解けない問題はない」という意味です。文字を使った代数の方法を使えば、どんな問題でも解けるという、ヴィエトの確信を示す言葉として知られます。

解けない問題はない(Nullum non problema solvere)

ヴィエト(『解析法入門』(1591年)の結びの言葉として伝えられる。日本語訳は意味を取ったもの)

「ひまなときの楽しみとして数学を」

ヴィエトは、自分のことを「職業としての数学者ではない」と考え、ひまな時間に数学を楽しんだ、と伝えられています。法律家であり政治家であり、同時に歴史に残る数学者でもあった、ということです。数学の本は、自分のお金で、ごく少ない部数を出版し、友人に配ったと説明されることもあります。

3日間机にむかった、という話

ヴィエトについて、「何日も食事もとらず、机にむかい続けた」という話が伝えられています。ある問題に熱中して、3日間、ほとんど机からはなれなかった、といった話です。出どころはよく分かりませんが、どこまで本当かは、確かめられていません。それでも、ヴィエトがどれほど数学に没頭した人だったかを、よく表している話です。

スペインを「悪魔の力」でうろたえさせた?

先ほどの暗号解読の話は、とくに有名です。フェリペ2世は、暗号が解読されていることを信じられず、悪魔の力がフランスに味方していると考え、教皇に苦情を言ったと伝えられます。数学が、魔法のように見えたという話です。ただし、解読の方法の詳細は、ヴィエトは書き残していないとされます。

サクラちゃん

サクラちゃん

暗号を解く数学者なんて、かっこいいです!数学って、そういうことにも使えるんですね。

合格先生

合格先生

そうだね。暗号は文字の出てくる回数や、並び方の「規則」を数学的に調べることで解ける場合が多いんだ。今のインターネットの安全も、素数や整数の計算に支えられた暗号でできている。ヴィエトの時代から、数学は「ひみつを守り、ひみつを破る」道具だったんだね。

受験・勉強とヴィエトのつながり

中学受験:文字の前の「□」の算数

中学受験の算数では、文字のかわりに「□」や「○」を使って、未知の数を表します。これは、ヴィエトの「文字で未知数を表す」発想の先取りとも言えます。1次方程式の解き方や、に近い考え方は、ここで始まります(文字式の意味は文字式とは)。規則性と文字式(n番目の図形)では、n を使って一般の形で書く練習ができます。

高校受験:二次方程式と文字式

高校受験では、二次方程式(二次方程式とは)が中心です。解の公式(二次方程式の解の公式)や、因数分解で解く方法が出ます。「x2+bx+c=0x^2+bx+c=0 の解が2と3のとき、b と c の値を求めなさい」という問題は、解と係数の関係そのものです。

大学受験:解と係数の関係・3次方程式・対称式

大学受験では、解と係数の関係が頻出です。

  • 対称式の値:α²+β²=(α+β)²−2αβ、1/α+1/β=(α+β)/αβ などを使って、解を求めずに計算する。
  • 2つの解の条件:「解の1つが他の2倍」「解の差が1」などから、係数を決める。
  • 3次方程式の解と係数の関係:α+β+γ、αβ+βγ+γα、αβγ の3つの式。
  • 複素数の解:虚数解は共役なペアで現れることを使う(複素数と2次方程式)。
  • 三角関数と方程式:3倍角の公式を使って、3次方程式を解く。

京都大学・東京大学の入試でも、整数や方程式の解の問題でよく使われます。出題の傾向は京大理系数学の出題分析(方程式・整数問題の出方)や京大文系数学の出題分析で確かめられます。

勉強法として:まず「文字で一般化」する

ヴィエトの教えは、「具体的な数で考えたことを、文字で一般化する」ことです。「n=1のとき、n=2のとき…」と調べて、規則を見つけたら、n を使って式で書く。この流れは、数学の問題の多くで使えます。勉強の進め方は数学の勉強法(解法の暗記→演習→過去問)にまとめています。ギリシャ文字(α・β・θ)の読み方はギリシャ文字の読み方一覧(θ・Σ・π・λ)で確かめられます。

ヴィエトがその後の数学にあたえた影響

数学の本の文字式に、a・b・c や x・y・z が当たり前に出てくるのは、ヴィエトとデカルトのおかげです。ヴィエトが「代数の父」とよばれる理由は、ここにあります。

ヴィエトに挑戦!練習問題

やさしい

  1. 2次方程式 x²−7x+12=0 の2つの解の和と積を、解と係数の関係を使って求めなさい。また、実際に解きなさい。
    答えと解説を見る解と係数の関係より、和=−(−7)=7、積=12。因数分解すると (x−3)(x−4)=0 なので、解は x=3, 4(3+4=7、3×4=12 で一致)。
  2. 2次方程式 2x²−6x+3=0 の2つの解の和と積を求めなさい。
    答えと解説を見る解と係数の関係より、和=−(−6)/2=3、積=3/2=3/2。(解の公式を使う必要はありません)

ふつう

  1. 2次方程式 x²−5x+k=0 の1つの解が、もう1つの解の4倍であるとき、定数 k の値と2つの解を求めなさい。
    答えと解説を見る2つの解を α、4α とおく。和:α+4α=5 より α=1。積:α×4α=4α²=k より k=4。解は 1 と 4。(x²−5x+4=(x−1)(x−4) で確かめられます)
  2. 2次方程式 x²−3x−1=0 の2つの解を α、β とするとき、α²+β² と 1/α+1/β の値を求めなさい。
    答えと解説を見るα+β=3、αβ=−1。α²+β²=(α+β)²−2αβ=9+2=11。1/α+1/β=(α+β)/(αβ)=3/(−1)=−3。

むずかしい

  1. 3次方程式 x³−6x²+11x−6=0 の3つの解を α、β、γ とするとき、α²+β²+γ² の値を求めなさい。また、実際に3つの解を求めなさい。
    答えと解説を見る解と係数の関係より、α+β+γ=6、αβ+βγ+γα=11。α²+β²+γ²=(α+β+γ)²−2(αβ+βγ+γα)=36−22=14。実際には (x−1)(x−2)(x−3)=0 で、解は 1, 2, 3。確かめると 1+4+9=14 で一致。
  2. ヴィエトの公式 2/π=(√2/2)・(√(2+√2)/2)・… を、最初の2項まで使って、π の近似値を小数第2位まで求めなさい。(√2≒1.4142、√(2+√2)≒1.8478)
    答えと解説を見る2/π≒(1.4142/2)×(1.8478/2)=0.7071×0.9239≒0.6533。π≒2÷0.6533≒3.06。(項をふやすほど 3.1214、3.1366…と π=3.14159… に近づきます)

ヴィエトと関係する数学者

数学の公式を1つずつ学ぶなら算数・数学の公式一覧(公式辞典)、記号の読み方は数学でよく使う記号の意味一覧(∞・Σ・∫)もどうぞ。

16〜17世紀の数学者

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読みもの(合格大作戦の数学の記事)

よくある質問

ヴィエトは何をした人ですか?

ヴィエトは、16世紀のフランスの数学者・法律家です。方程式の数を文字で一般的に表す記号代数を広めたことから「代数の父」とよばれます。解と係数の関係、円周率の無限の積、スペインの暗号解読でも知られます。

ヴィエトの生没年はいつですか?

ヴィエトは1540年にフランスのフォントネー=ル=コントで生まれ、1603年12月13日にパリで亡くなりました。63歳でした。本業は国王につかえる法律家・政治家で、数学は余暇の楽しみだったと伝えられます。

解と係数の関係とは何ですか?ヴィエトと関係がありますか?

2次方程式 ax²+bx+c=0 の2つの解α・βについて、α+β=−b/a、αβ=c/a が成りたつという関係です。日本ではヴィエトの定理ともよばれます。解を求めなくても、解の和と積が分かります。

ヴィエトの公式とは何ですか?

円周率πを、ルートを重ねた数の無限の積で表す式です。2/π=(√2/2)×(√(2+√2)/2)×(√(2+√(2+√2))/2)×… と書きます。1593年に発表され、無限に続く式でπを表した最初の例とされます。

なぜヴィエトは「代数の父」とよばれるのですか?

未知数を母音、既知の数を子音の文字で表し、どんな数にもあてはまる一般の式を書く方法を、1591年の『解析法入門』で示したからです。ほかにディオファントスやフワーリズミーも代数の父とよばれることがあります。

ヴィエトは暗号を解読したのですか?

解読したと伝えられています。1589年のスペイン王フェリペ2世あての手紙の暗号を解読し、1590年にアンリ4世へ伝えました。フェリペ2世は「フランスが黒魔術を使っている」と教皇に苦情を言ったとされます。

ヴィエトとデカルトの文字の使い方のちがいは何ですか?

ヴィエトは未知数を母音のA・E・I、既知の数を子音のB・C・Dで表しました。デカルトはのちに、未知数をx・y・z、既知の数をa・b・cで表す方法を広め、これが今の標準になっています。

ヴィエトは受験に関係がありますか?

関係があります。高校数学IIの解と係数の関係は、大学入試の対称式や方程式の問題で頻出です。3倍角の公式を使った3次方程式の解き方や、中学受験の文字式の考え方にもつながります。

ファン・ローメンの問題とは何ですか?

1593年にオランダの数学者ファン・ローメンが、世界中の数学者にあてて出した45次方程式の問題です。ヴィエトは、三角関数の関係を使って1595年に解きました。ヴィエトはお返しにアポロニウスの問題を出したと伝えられます。

ヴィエトはアポロニウスの問題とどんな関係がありますか?

3つの円に接する円を作図するアポロニウスの問題は、古代ギリシャの失われた本にあったと伝えられます。ヴィエトはこの問題を出し、定規とコンパスで解く方法を考え、1600年ごろに発表したとされます。

あわせて読みたい

出典・参考

  • MacTutor History of Mathematics「François Viète」(セント・アンドルーズ大学)
  • 日本語版ウィキペディア「フランソワ・ビエト」
  • F. Viète, “In artem analyticam isagoge”(1591年)
  • 図版:Charles Méryon「François Viète」(1861年、素描)、Wikimedia Commons(パブリックドメイン)

最終更新:2026年11月2日/作成:大学受験合格大作戦