この公式のポイント
- n 乗すると偏角が n 倍、大きさは rn
- 証明:かけ算は偏角の足し算(加法定理)+帰納法
- 累乗は極形式に直してから
- zn=1 の解は正 n 角形の頂点(n 個)

うかるくん
n 乗すると偏角が n 倍になるって、本当にそうなるの?
![合格先生]()
合格先生
極形式のかけ算は偏角の足し算だ。n 回かければ偏角は nθ になるぞ。
ド・モアブルの定理
複素数を極形式 r(cosθ+isinθ)(r は原点からの距離、θ は偏角)で表すと、累乗がとても簡単に計算できます。
ド・モアブルの定理
(cosθ+isinθ)n=cosnθ+isinnθ(n は整数)。つまり n 乗すると、偏角が n 倍(rn 倍の大きさ)になる。
z=cos30∘+isin30∘ をかけるたびに、単位円上を 30∘ ずつ回る
証明:かけ算は「偏角の足し算」
加法定理を使うと、2つの極形式の積は
(cosα+isinα)(cosβ+isinβ)=(cosαcosβ−sinαsinβ)+i(sinαcosβ+cosαsinβ)=cos(α+β)+isin(α+β)
かけ算は偏角どうしの足し算です。これをくり返せば、n 個かけると偏角は nθ。きちんと書くと数学的帰納法で、n=1 で成り立ち、n=k で成り立てば (cosθ+isinθ)k+1=(coskθ+isinkθ)(cosθ+isinθ)=cos(k+1)θ+isin(k+1)θ。
i=cos90∘+isin90∘ なので、i をかけると 90∘ 回転する(複素数のページ)のも、この定理の特別な場合です。
大学受験(数学C)での使い方
大学受験例題1(累乗)
(1+i)8 と
(1+3i)6 を計算しなさい。
解き方
1+i=2(cos45∘+isin45∘)。(1+i)8=(2)8(cos360∘+isin360∘)=16。
1+3i=2(cos60∘+isin60∘)。(1+3i)6=26(cos360∘+isin360∘)=64。
答え 16、64
大学受験例題2(1の3乗根)
方程式
z3=1 を解きなさい。
解き方
z=r(cosθ+isinθ) とおくと r3(cos3θ+isin3θ)=1。r=1、3θ=360∘×k。
θ=0∘, 120∘, 240∘ より z=1, 2−1+3i, 2−1−3i。
答え z=1, 2−1±3i
z3=1 の3つの解は、単位円上の正三角形の頂点
よくある間違い
![腕でバツを作る合格先生]()
合格先生
r の n 乗を忘れるな。{r(cosθ+isinθ)}n は rn 倍の大きさになる。
- r も n 乗するのを忘れる:{r(cosθ+isinθ)}n=rn(cosnθ+isinnθ)。
- zn=1 の解を1つしか書かない:偏角は 360∘ の整数倍だけずれてもよいので、解は n 個。
練習問題
![指さして説明するサクラちゃん]()
サクラちゃん
zn=1 の解は n 個あるよ。全部見つけようね
- 大学受験 (cos20∘+isin20∘)9 を計算しなさい。
答えと解説を見る
cos180∘+isin180∘=−1 - 大学受験 (3+i)6 を計算しなさい。
答えと解説を見る
3+i=2(cos30∘+isin30∘)。64(cos180∘+isin180∘)=−64 - 大学受験 z4=1 の解をすべて求めなさい。
答えと解説を見る
偏角 0∘,90∘,180∘,270∘。z=1, i, −1, −i
関連する公式
この公式が出てくる合格大作戦の記事
よくある質問
ド・モアブルの定理とは?
(cosθ+i sinθ)ⁿ=cos nθ+i sin nθ という定理で、複素数をn乗すると偏角がn倍になることを表します。
ド・モアブルの定理の証明は?
加法定理で積が偏角の和になることを示し、数学的帰納法でn乗の場合に広げます。
z³=1 の解は?
1, (−1+√3i)/2, (−1−√3i)/2 の3つで、複素数平面で単位円上の正三角形の頂点になります。
あわせて読みたい
出典・参考
- 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)」数学C(複素数平面)
最終更新:2026年10月11日/作成:大学受験合格大作戦