三角関数とは?sin・cos・tanの意味とグラフをわかりやすく【例題・問題つき】|合格大作戦 数学用語辞典

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三角関数とは

角 θ\theta に対して、単位円の上の点の座標で決まる sin⁡θ\sin\theta(yy 座標)・cos⁡θ\cos\theta(xx 座標)・tan⁡θ\tan\theta(sin⁡θcos⁡θ\dfrac{\sin\theta}{\cos\theta}) をまとめた名前です。三角比をどんな角にも広げた関数で、グラフはくり返す波の形になります。

読み方:さんかくかんすう/英語:trigonometric function/習う学年:数学Ⅱ(三角関数)

うかるくん

うかるくん

三角比と三角関数って、何がちがうんですか?

合格先生

合格先生

三角比は直角三角形の辺の比で、角は 0∘0^\circ〜180∘180^\circ まで。三角関数は単位円の回転で決め直して、400∘400^\circ でも −30∘-30^\circ でも使えるようにしたものなんだ。

この用語のポイント

  • 単位円の点 P の yy 座標が sin⁡θ\sin\theta、xx 座標が cos⁡θ\cos\theta、tan⁡θ=sin⁡θcos⁡θ\tan\theta=\dfrac{\sin\theta}{\cos\theta}
  • グラフはくり返す波。sin⁡\sin・cos⁡\cos の周期は 2π2\pi、tan⁡\tan は π\pi
  • 角は一般角で、ふつう弧度法(180∘=π180^\circ=\pi)で表す

やさしく言うと

三角関数は、回転する点の「高さ」や「横の位置」を、回った角度で表す関数です。sin⁡θ\sin\theta(サイン)、cos⁡θ\cos\theta(コサイン)、tan⁡θ\tan\theta(タンジェント)の3つをまとめてよびます。

  • 観覧車:ゴンドラの高さは、回った角度によって上がったり下がったりをくり返します。この「高さの変わり方」が sin⁡\sin のグラフの形です。
  • 音や光の波:音は空気のふるえで、きれいな音さの音の波は、sin⁡\sin のグラフと同じ形をしています。
  • ばねにつるしたおもり:上下にゆれるおもりの位置も、時間とともに sin⁡\sin や cos⁡\cos の形で変わります。

どれも「ぐるぐる回る」「同じ動きをくり返す」ものです。三角関数は、くり返す動きを数学で表すための関数です。

θ P π/2π3π/22π 1−1 y = sinθ 回る点の「高さ」を、角 θ ごとにならべると 波 になる
単位円を回る点の高さをならべると、sinθ の波になる

正確には、単位円(原点が中心で半径1の円)の上で、xx 軸の正の向きから角 θ\theta だけ回った点を P とするとき、P の yy 座標を sin⁡θ\sin\theta、xx 座標を cos⁡θ\cos\theta、sin⁡θcos⁡θ\dfrac{\sin\theta}{\cos\theta} を tan⁡θ\tan\theta と決めます。

ひらめいたうかるくん

うかるくん

三角比を「回転」に広げたのが三角関数なんだ。だから何度でも、マイナスの角でもOK!

正しい式と、まちがった式

○ 正しい

  • sin⁡π6=12\sin\dfrac\pi6=\dfrac12(30∘30^\circ の点の高さ)
  • cos⁡π=−1\cos\pi=-1(180∘180^\circ の点は (−1, 0)(-1,\ 0))
  • sin⁡2θ+cos⁡2θ=1\sin^2\theta+\cos^2\theta=1(どんな θ\theta でも成り立つ)
  • sin⁡(θ+2π)=sin⁡θ\sin(\theta+2\pi)=\sin\theta(1周回ると同じ)
  • tan⁡π4=1\tan\dfrac\pi4=1
  • sin⁡(−θ)=−sin⁡θ\sin(-\theta)=-\sin\theta

× まちがい

  • sin⁡2θ=2sin⁡θ\sin2\theta=2\sin\theta(正しくは 2sin⁡θcos⁡θ2\sin\theta\cos\theta)
  • sin⁡(α+β)=sin⁡α+sin⁡β\sin(\alpha+\beta)=\sin\alpha+\sin\beta(加法定理を使う)
  • sin⁡θ=1.2\sin\theta=1.2 となる θ\theta がある(sin⁡\sin は −1-1 以上 1 以下)
  • tan⁡π2\tan\dfrac\pi2 の値は 0(値はない)
  • sin⁡2θ\sin^2\theta は sin⁡(θ2)\sin(\theta^2) のこと((sin⁡θ)2(\sin\theta)^2 のこと)

sin⁡2θ\sin^2\theta は (sin⁡θ)2(\sin\theta)^2 を短く書いたものです。sin⁡θ2\sin\theta^2 と書くと、θ2\theta^2 の sin と読まれてしまうので注意しましょう。

図で見る:グラフ

y=sin⁡θy=\sin\theta と y=cos⁡θy=\cos\theta のグラフは、どちらも −1-1 と 11 の間を行ったり来たりする、なめらかな波です。

π/2π3π/22π θ1−1O y = sinθ y = cosθ どちらも −1 から 1 の間で、2π ごとに同じ形をくり返す
sinθ(赤)と cosθ(青)。同じ形の波が π/2 だけずれている
サクラちゃん

サクラちゃん

sin と cos のグラフ、形がそっくりですね。

合格先生

合格先生

そのとおり! cos⁡θ=sin⁡(θ+π2)\cos\theta=\sin\left(\theta+\dfrac\pi2\right) だから、cos⁡\cos のグラフは sin⁡\sin のグラフを左へ π2\dfrac\pi2 ずらしたものなんだ。高さを見るか、横の位置を見るかのちがいだよ。

このように、同じ形がくり返されるまでの長さを周期といいます。sin⁡θ\sin\theta と cos⁡θ\cos\theta の周期は 2π2\pi(360∘360^\circ)です。

一般角と弧度法

三角比(数学Ⅰ)では 0∘0^\circ から 180∘180^\circ までの角を考えました。三角関数(数学Ⅱ)では、1周(360∘360^\circ)をこえる角や、時計回りに回った負の角も考えます。これを一般角といいます。

動径 O 390° = 30° + 360° 1周して、さらに 30° → 30° と同じ動径 sin390° = sin30° = 1/2
390° は1周して 30° 回った角。30° と同じ動径になる

また、三角関数では、角の大きさをふつう弧度法(ラジアン)で表します。180∘=π180^\circ=\pi、90∘=π290^\circ=\dfrac\pi2、30∘=π630^\circ=\dfrac\pi6 です。弧度法を使うと、角も長さと同じ「ただの数」になり、グラフの横軸にそのまま使えます。数学Ⅲの微分(sin⁡x\sin x の導関数が cos⁡x\cos x になる)も、弧度法だからきれいに成り立ちます。

3つの三角関数の性質

y=sin⁡θy=\sin\thetay=cos⁡θy=\cos\thetay=tan⁡θy=\tan\theta
意味単位円の点の yy 座標単位円の点の xx 座標動径の傾き
値の範囲−1≤y≤1-1\le y\le1−1≤y≤1-1\le y\le1すべての実数
周期2π2\pi2π2\piπ\pi
グラフの対称性原点について対称yy 軸について対称原点について対称

tan⁡θ\tan\theta は、cos⁡θ=0\cos\theta=0 になる θ=π2+nπ\theta=\dfrac\pi2+n\pi(nn は整数)では値がありません。グラフはその線に限りなく近づく形になり、この線を漸近線といいます。

−π/2Oπ/2π3π/2 y = tanθ 漸近線 θ = π/2 では値がない。π ごとに同じ形をくり返す
y=tanθ は π ごとにくり返し、θ=π/2 などに漸近線がある

加法定理と、そこから広がる公式

数学Ⅱでは、2つの角の和の三角関数を、それぞれの三角関数で表す加法定理を学びます。ここから、2倍角の公式・半角の公式・三角関数の合成などが導かれます。

公式式
加法定理(sin)sin⁡(α+β)=sin⁡αcos⁡β+cos⁡αsin⁡β\sin(\alpha+\beta)=\sin\alpha\cos\beta+\cos\alpha\sin\beta
加法定理(cos)cos⁡(α+β)=cos⁡αcos⁡β−sin⁡αsin⁡β\cos(\alpha+\beta)=\cos\alpha\cos\beta-\sin\alpha\sin\beta
2倍角sin⁡2α=2sin⁡αcos⁡α\sin2\alpha=2\sin\alpha\cos\alpha
合成asin⁡θ+bcos⁡θ=a2+b2sin⁡(θ+α)a\sin\theta+b\cos\theta=\sqrt{a^2+b^2}\sin(\theta+\alpha)

証明やくわしい使い方は、公式辞典の三角関数の加法定理や三角関数の合成を見てください。

テスト・入試ではこう出る

三角関数は高校の数学Ⅱで習います。定期テストや大学入試では、値を求める問題、グラフの周期・平行移動、方程式・不等式(範囲内の解を全部拾う)、加法定理と合成を使った最大・最小がよく出ます。共通テストでも毎年のように使われる大事な単元です。数学Ⅲでは、三角関数の極限・微分・積分も学びます。

例題1(グラフ)

関数 y=2sin⁡3θy=2\sin3\theta の周期と、最大値・最小値を求めなさい。

  1. sin⁡θ\sin\theta のグラフは −1≤sin⁡θ≤1-1\le\sin\theta\le1 の波で、周期 2π2\pi。
  2. sin⁡3θ\sin3\theta は θ\theta が3倍の速さで進むので、周期は 2π3\dfrac{2\pi}3。
  3. 前の 2 で、波の高さが2倍になり、−2≤y≤2-2\le y\le2。

答え 周期 23π\dfrac23\pi、最大値 2、最小値 −2-2

例題2(方程式)

0≤θ<2π0\le\theta<2\pi のとき、方程式 2cos⁡2θ−cos⁡θ−1=02\cos^2\theta-\cos\theta-1=0 を解きなさい。

  1. cos⁡θ=t\cos\theta=t とおくと、2t2−t−1=02t^2-t-1=0。因数分解して (2t+1)(t−1)=0(2t+1)(t-1)=0、t=−12, 1t=-\dfrac12,\ 1。
  2. −1≤t≤1-1\le t\le1 なので、どちらも使える。
  3. cos⁡θ=1\cos\theta=1 より θ=0\theta=0。
  4. cos⁡θ=−12\cos\theta=-\dfrac12 より、単位円で xx 座標が −12-\dfrac12 の点を見て θ=23π, 43π\theta=\dfrac23\pi,\ \dfrac43\pi。

答え θ=0, 23π, 43π\theta=0,\ \dfrac23\pi,\ \dfrac43\pi

指さして説明するサクラちゃん

サクラちゃん

cos⁡θ=t\cos\theta=t とおいたら、−1≤t≤1-1\le t\le1 の確認をわすれずにね!

まちがえやすい点

腕でバツを作る合格先生

合格先生

sin⁡(α+β)\sin(\alpha+\beta) は sin⁡α+sin⁡β\sin\alpha+\sin\beta ではない! 加法定理を使おう。

  • 度と弧度をまぜる:sin⁡30\sin30 と書くと、30 ラジアンの意味になります。度なら sin⁡30∘\sin30^\circ、弧度法なら sin⁡π6\sin\dfrac\pi6 と書き分けます。
  • 分配法則のように分ける:sin⁡(α+β)=sin⁡α+sin⁡β\sin(\alpha+\beta)=\sin\alpha+\sin\beta、sin⁡2θ=2sin⁡θ\sin2\theta=2\sin\theta は、どちらも×です。sin⁡\sin は「かっこの中にかける数」ではなく、関数です。
  • 解を拾いもれる:0≤θ<2π0\le\theta<2\pi で cos⁡θ=−12\cos\theta=-\dfrac12 の解は 23π\dfrac23\pi と 43π\dfrac43\pi の2つです。単位円をかいて、範囲の中の点を全部見ましょう。
  • 置きかえた文字の範囲を忘れる:sin⁡θ=t\sin\theta=t とおいたら、−1≤t≤1-1\le t\le1 です。この範囲の外に出た解は使えません。
  • 周期を逆にする:sin⁡2θ\sin2\theta の周期は 4π4\pi ではなく π\pi です。θ\theta の前の数が大きいほど、波は速くくり返し、周期は短くなります。

ことばの由来

三角関数は、もともと直角三角形の辺の比(三角比)から始まったので「三角」とよばれます。日本語では sin⁡\sin を正弦、cos⁡\cos を余弦、tan⁡\tan を正接ともいいます。

cosine(コサイン)は「complement(余角)の sine」という意味で、cos⁡θ=sin⁡(90∘−θ)\cos\theta=\sin(90^\circ-\theta) という関係を表しています。日本語の「余弦」の「余」も、この余角のことです。tangent(タンジェント)は「接する」という意味のラテン語から来た言葉で、tan⁡θ\tan\theta を単位円の接線 x=1x=1 の上で読めることと合っています。sine(サイン)は、ラテン語の sinus(「湾曲」「ふところ」)から来たとされ、インドやアラビアの数学を経て伝わる途中で今の言葉になったといわれています。

ミニ問題

問題1 sin⁡76π\sin\dfrac76\pi の値を求めましょう。

答えと解き方を見る

−12-\dfrac12 です。76π\dfrac76\pi は 210∘210^\circ で、単位円では 30∘30^\circ の点を原点について対称に移した点 (−32, −12)\left(-\dfrac{\sqrt3}2,\ -\dfrac12\right) です。sin⁡\sin は yy 座標なので −12-\dfrac12 です。

問題2 関数 y=3cos⁡θ2y=3\cos\dfrac\theta2 の周期と、値の範囲を答えましょう。

答えと解き方を見る

周期は 4π4\pi、値の範囲は −3≤y≤3-3\le y\le3 です。cos⁡kθ\cos k\theta の周期は 2πk\dfrac{2\pi}k なので、k=12k=\dfrac12 のとき 2π÷12=4π2\pi\div\dfrac12=4\pi。前の 3 は、波の高さ(振幅)を3倍にします。

問題3 加法定理を使って、sin⁡75∘\sin75^\circ の値を求めましょう。

答えと解き方を見る

6+24\dfrac{\sqrt6+\sqrt2}4 です。75∘=45∘+30∘75^\circ=45^\circ+30^\circ なので、sin⁡(45∘+30∘)=sin⁡45∘cos⁡30∘+cos⁡45∘sin⁡30∘=22⋅32+22⋅12=6+24\sin(45^\circ+30^\circ)=\sin45^\circ\cos30^\circ+\cos45^\circ\sin30^\circ=\dfrac{\sqrt2}2\cdot\dfrac{\sqrt3}2+\dfrac{\sqrt2}2\cdot\dfrac12=\dfrac{\sqrt6+\sqrt2}4。およそ 0.966 です。sin⁡45∘+sin⁡30∘\sin45^\circ+\sin30^\circ と分けるのはまちがいです。

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よくある質問

三角関数とは簡単にいうと何ですか?

回転する点の高さや横の位置を、回った角度で表す関数です。単位円の点のy座標がsinθ、x座標がcosθ、その比がtanθです。

三角比と三角関数のちがいは?

三角比は直角三角形の辺の比から始まり、数学Ⅰでは0°から180°までを考えます。三角関数は単位円で定め直し、一般角(どんな大きさの角)でも考えます。

sin・cos・tanの周期は?

sinθとcosθの周期は2π(360°)、tanθの周期はπ(180°)です。

sinθの値の範囲は?

−1以上1以下です。単位円の点のy座標なので、1をこえることはありません。cosθも同じです。

なぜ三角関数では弧度法を使うのですか?

角を長さと同じ「数」として扱えるので、グラフの横軸にそのまま使え、微分などの式もきれいになるからです。

三角関数は何年生で習いますか?

高校の数学Ⅱで習います。三角比は数学Ⅰ、三角関数の微分・積分は数学Ⅲで学びます。

出典・参考

  • 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 数学編」数学Ⅱ(三角関数)

最終更新:2026年10月13日/作成:大学受験合格大作戦