三角比とは?sin・cos・tanをわかりやすく【例題・問題つき】|合格大作戦 数学用語辞典

三角比とは?sin・cos・tanをわかりやすく【例題・問題つき】|合格大作戦 数学用語辞典

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大学受験

三角比とは

直角三角形の角 θ\theta と、辺の長さの比を結びつけたものです。sin⁡θ=対辺斜辺\sin\theta=\dfrac{\text{対辺}}{\text{斜辺}}、cos⁡θ=隣辺斜辺\cos\theta=\dfrac{\text{隣辺}}{\text{斜辺}}、tan⁡θ=対辺隣辺\tan\theta=\dfrac{\text{対辺}}{\text{隣辺}} の3つがあります。

読み方:さんかくひ/英語:trigonometric ratio/習う学年:数学Ⅰ(図形と計量)

うかるくん

うかるくん

sin と cos、どっちがどっちか、すぐ分からなくなるんです…

合格先生

合格先生

半径1の円で考えると楽だよ。cos が xx 座標(横)、sin が yy 座標(たて)。直角三角形なら、sin は「対辺÷斜辺」だね。

この用語のポイント

  • sin⁡θ=対辺斜辺\sin\theta=\dfrac{\text{対辺}}{\text{斜辺}}、cos⁡θ=隣辺斜辺\cos\theta=\dfrac{\text{隣辺}}{\text{斜辺}}、tan⁡θ=対辺隣辺\tan\theta=\dfrac{\text{対辺}}{\text{隣辺}}
  • 相似なので、三角形の大きさに関係なく角だけで比が決まる
  • 円を使って 0°〜180° に広げる。鈍角では cos・tan が負

やさしく言うと

三角比は、直角三角形の「角の大きさ」と「辺の長さの比」を結びつけるものです。角が決まれば辺の比が決まり、辺の比が決まれば角が決まります。

  • 坂道の標識:道路の「10%」という坂の標識は、横に 100m 進むと 10m 上がるという意味です。これは「高さ÷横」で、三角比の tan⁡\tan と同じ考えです。
  • 木の高さを測る:木から何 m かはなれて、てっぺんを見上げる角度を測れば、のぼらなくても木の高さを計算できます(下の例題)。
  • すべり台やスロープ:角度が大きいほど、同じ長さでも高く上がります。どれだけ高くなるかを表すのが sin⁡\sin です。

直角三角形で、注目する角 θ\theta(シータ)の向かいの辺を対辺、いちばん長い辺(直角の向かい)を斜辺、残りの θ\theta のとなりの辺を隣辺(底辺)とよぶと、3つの三角比は次のように決まります。

θ ACB 斜辺 対辺 隣辺 sinθ = 対辺/斜辺 cosθ = 隣辺/斜辺 tanθ = 対辺/隣辺
角θから見た対辺・斜辺・隣辺と、sin・cos・tan

sin⁡\sin(サイン)は正弦、cos⁡\cos(コサイン)は余弦、tan⁡\tan(タンジェント)は正接ともいいます。tan⁡θ\tan\theta は「横に1進むと何上がるか」なので、坂の傾きそのものです。まとめると、三角比は「角度」を「長さの比」に置きかえる道具です。

なぜ角だけで比が決まるの?

理由は相似です。直角と θ\theta が同じなら、2つの直角三角形は相似になります。相似な図形は辺の比が同じなので、三角形の大きさに関係なく、比は角だけで決まります。

30°12√3 30°242√3 sin30° = 1/2 = 2/4 大きさがちがっても、角が同じなら辺の比は同じ
30°の直角三角形は、大きさがちがっても対辺÷斜辺=1/2
ひらめいたうかるくん

うかるくん

相似だから、三角形の大きさが変わっても比は同じなんだ!

θ\theta30∘30^\circ45∘45^\circ60∘60^\circ
sin⁡θ\sin\theta12\dfrac1212\dfrac{1}{\sqrt2}32\dfrac{\sqrt3}{2}
cos⁡θ\cos\theta32\dfrac{\sqrt3}{2}12\dfrac{1}{\sqrt2}12\dfrac12
tan⁡θ\tan\theta13\dfrac{1}{\sqrt3}113\sqrt3

この値は、三角定規の形(辺の比が 1:2:31:2:\sqrt3 と 1:1:21:1:\sqrt2 の直角三角形)から求められます。

三角比の例

○ 正しい

  • sin⁡30∘=12\sin30^\circ=\dfrac12
  • cos⁡60∘=12\cos60^\circ=\dfrac12
  • tan⁡45∘=1\tan45^\circ=1
  • sin⁡120∘=32\sin120^\circ=\dfrac{\sqrt3}{2}
  • cos⁡180∘=−1\cos180^\circ=-1(半径1の円の左はし)
  • sin⁡90∘=1\sin90^\circ=1、cos⁡90∘=0\cos90^\circ=0

× まちがい・定義されない

  • sin⁡30∘=32\sin30^\circ=\dfrac{\sqrt3}{2}(対辺と隣辺の取りちがえ)
  • cos⁡120∘=12\cos120^\circ=\dfrac12(鈍角の cos は負。正しくは −12-\dfrac12)
  • tan⁡90∘\tan90^\circ(値は定義されない)
  • sin⁡θ=1.2\sin\theta=1.2(sin は −1-1 以上 1 以下)
  • sin⁡2θ=2sin⁡θ\sin2\theta=2\sin\theta(角を2倍しても値は2倍にならない)

90°より大きい角(円で考える)

直角三角形の中の角は 90° 未満なので、それ以上の角には使えません。そこで数学Ⅰでは、原点を中心とする半径 rr の円を使って 0∘≤θ≤180∘0^\circ\le\theta\le180^\circ に広げます。xx 軸の正の向きから θ\theta 回った円の上の点を P(x, y)\mathrm{P}(x,\ y) とするとき、

sin⁡θ=yr,cos⁡θ=xr,tan⁡θ=yx\sin\theta=\frac{y}{r},\quad \cos\theta=\frac{x}{r},\quad \tan\theta=\frac{y}{x}

と決めます。半径1の円なら、sin⁡θ\sin\theta は点Pの yy 座標、cos⁡θ\cos\theta は xx 座標そのものです。

xyO 1−1 120° P(−1/2, √3/2) √3/2 −1/2 sin120° = Pのy座標 = √3/2cos120° = Pのx座標 = −1/2
半径1の円で見る120°。sin120°=√3/2、cos120°=−1/2
サクラちゃん

サクラちゃん

三角形がないのに、どうして sin120° が考えられるんですか?

合格先生

合格先生

90° より小さい角では、円の点の座標が直角三角形の比とぴったり同じになるよね。だから「座標で決める」という新しい決め方にしても、今までの値は変わらない。そのまま 120° にも広げられるんだ。

三角比どうしの関係

半径1の円の点 P(cos⁡θ, sin⁡θ)(\cos\theta,\ \sin\theta) に三平方の定理を使うと、次の関係が出てきます。

関係式
三平方の定理からsin⁡2θ+cos⁡2θ=1\sin^2\theta+\cos^2\theta=1
tan は sin÷costan⁡θ=sin⁡θcos⁡θ\tan\theta=\dfrac{\sin\theta}{\cos\theta}
上の2つから1+tan⁡2θ=1cos⁡2θ1+\tan^2\theta=\dfrac{1}{\cos^2\theta}
180∘−θ180^\circ-\theta の角sin⁡(180∘−θ)=sin⁡θ\sin(180^\circ-\theta)=\sin\theta、cos⁡(180∘−θ)=−cos⁡θ\cos(180^\circ-\theta)=-\cos\theta
90∘−θ90^\circ-\theta の角sin⁡(90∘−θ)=cos⁡θ\sin(90^\circ-\theta)=\cos\theta、cos⁡(90∘−θ)=sin⁡θ\cos(90^\circ-\theta)=\sin\theta

1つの値がわかれば、ほかの2つが求められます。さらに数学Ⅱでは、角を180°より大きい角や負の角にも広げて三角関数として学びます。公式は公式辞典の三角比・三角関数の基本へ。

テスト・入試ではこう出る

三角比は高校の数学Ⅰ(図形と計量)で習います。よく出るのは、直角三角形の辺から三角比を求める問題、見上げる角から高さを求める問題、1つの値から残りの値を求める問題、sin⁡θ=12\sin\theta=\dfrac12 などをみたす角を求める問題です。さらに正弦定理・余弦定理や三角形の面積 12absin⁡C\dfrac12ab\sin C につながり、大学入試の図形問題の土台になります。

例題1(木の高さ)

木の根もとから 10m はなれた地点 A から、木のてっぺんを見上げる角が 30∘30^\circ でした。木の高さを求めなさい(目の高さは考えない)。

  1. A、木の根もと C、木のてっぺん B で、C が直角の直角三角形ができる。
  2. 角 A から見て、木の高さ BC は対辺、AC =10=10 m は隣辺なので、tan を使う:tan⁡30∘=BC10\tan30^\circ=\dfrac{\mathrm{BC}}{10}
  3. BC=10tan⁡30∘=10×13=1033\mathrm{BC}=10\tan30^\circ=10\times\dfrac{1}{\sqrt3}=\dfrac{10\sqrt3}{3}
  4. 3≒1.732\sqrt3\fallingdotseq1.732 より、10×1.7323≒5.77\dfrac{10\times1.732}{3}\fallingdotseq5.77

答え 1033\dfrac{10\sqrt3}{3} m(約 5.8 m)(実際には、目の高さの分をたします)

30° AB 10m(隣辺) 高さ h(対辺) tan30° = h ÷ 10 h = 10 × tan30° = 10/√3 ≒ 5.8m
見上げる角と、はなれた長さがわかれば、tan で高さが出る

例題2(相互関係)

θ\theta が鈍角で sin⁡θ=35\sin\theta=\dfrac35 のとき、cos⁡θ\cos\theta と tan⁡θ\tan\theta の値を求めなさい。

  1. sin⁡2θ+cos⁡2θ=1\sin^2\theta+\cos^2\theta=1 より、cos⁡2θ=1−(35)2=1−925=1625\cos^2\theta=1-\left(\dfrac35\right)^2=1-\dfrac{9}{25}=\dfrac{16}{25}。
  2. θ\theta は鈍角なので cos⁡θ<0\cos\theta<0。よって cos⁡θ=−45\cos\theta=-\dfrac45。
  3. tan⁡θ=sin⁡θcos⁡θ=35÷(−45)=−34\tan\theta=\dfrac{\sin\theta}{\cos\theta}=\dfrac35\div\left(-\dfrac45\right)=-\dfrac34。

答え cos⁡θ=−45\cos\theta=-\dfrac45、tan⁡θ=−34\tan\theta=-\dfrac34

まちがえやすい点

腕でバツを作る合格先生

合格先生

対辺・隣辺は注目する角から見て決まる! 角が変わると入れかわるよ。

  • どの角から見るかを取りちがえる:対辺・隣辺は、注目する角 θ\theta から見て決まります。角が変わると、対辺と隣辺が入れかわります。
  • 鈍角の符号:90∘<θ<180∘90^\circ<\theta<180^\circ では点Pが左側にあるので、cos⁡θ\cos\theta と tan⁡θ\tan\theta は負になります(sin⁡θ\sin\theta は正のまま)。
  • sin⁡θ=12\sin\theta=\dfrac12 の答えを1つにする:0∘≤θ≤180∘0^\circ\le\theta\le180^\circ では 30° と 150° の 2 つです。円の図をかいて確かめましょう。
  • sin⁡2θ\sin^2\theta を sin⁡θ2\sin\theta^2 と思う:sin⁡2θ\sin^2\theta は (sin⁡θ)2(\sin\theta)^2 のことで、角を2乗するのではありません。
  • tan⁡90∘\tan90^\circ に値をつける:θ=90∘\theta=90^\circ では x=0x=0 で割れないので、tan⁡90∘\tan90^\circ は定義されません。

ことばの由来

sin は英語の sine(サイン)の略です。cos(コサイン)は「余角の sin」という意味で、cos⁡θ=sin⁡(90∘−θ)\cos\theta=\sin(90^\circ-\theta) という関係を表しています。日本語の「余弦」の「余」も、この余角(90∘−θ90^\circ-\theta)の「余」です。tan(タンジェント)は「接線」という意味で、半径1の円に引いた接線の長さとして表せることから来ています。日本語では「正接」といいます。

ミニ問題

問題1 ∠C=90∘\angle\mathrm C=90^\circ、BC=3\mathrm{BC}=3、CA=4\mathrm{CA}=4、AB=5\mathrm{AB}=5 の直角三角形 ABC で、sin⁡A\sin A、cos⁡A\cos A、tan⁡A\tan A を求めましょう。

答えと解き方を見る

角 A から見ると、対辺は BC =3=3、隣辺は CA =4=4、斜辺は AB =5=5 です。
sin⁡A=35\sin A=\dfrac35、cos⁡A=45\cos A=\dfrac45、tan⁡A=34\tan A=\dfrac34 です。角 B から見ると対辺と隣辺が入れかわり、sin⁡B=45\sin B=\dfrac45 になります。

問題2 sin⁡150∘\sin150^\circ と cos⁡135∘\cos135^\circ の値を求めましょう。

答えと解き方を見る

sin⁡(180∘−θ)=sin⁡θ\sin(180^\circ-\theta)=\sin\theta、cos⁡(180∘−θ)=−cos⁡θ\cos(180^\circ-\theta)=-\cos\theta を使います。
sin⁡150∘=sin⁡30∘=\sin150^\circ=\sin30^\circ= 12\dfrac12、cos⁡135∘=−cos⁡45∘=\cos135^\circ=-\cos45^\circ= −12-\dfrac{1}{\sqrt2}(−22-\dfrac{\sqrt2}{2} でも同じ)です。半径1の円で、150° の点は左上にあり、yy 座標は正、xx 座標は負になります。

問題3 0∘≤θ≤180∘0^\circ\le\theta\le180^\circ のとき、sin⁡θ=12\sin\theta=\dfrac12 をみたす θ\theta をすべて求めましょう。

答えと解き方を見る

θ=30∘, 150∘\theta=30^\circ,\ 150^\circ です。半径1の円で、yy 座標が 12\dfrac12 になる点は、右側(30°)と左側(150°)の 2 か所あります。1 つだけ答えるのは、よくあるまちがいです。

大喜びするサクラちゃん

サクラちゃん

角から見て対辺・隣辺を決める。鈍角は円で考える。これで三角比はばっちり!

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よくある質問

三角比とは簡単にいうと何ですか?

直角三角形の角と、辺の長さの比を結びつけたものです。sin、cos、tan の3つがあります。

sin・cos・tan の意味は?

sinθ は対辺÷斜辺、cosθ は隣辺÷斜辺、tanθ は対辺÷隣辺です。半径1の円では、sinθ が点の y座標、cosθ が x座標になります。

三角比と三角関数のちがいは?

三角比は数学Ⅰで習い、角は0°から180°までです。三角関数は数学Ⅱで習い、角をそれ以外の大きさや負の角にも広げて、関数として考えます。

鈍角の三角比はどうなりますか?

90°より大きく180°より小さい角では、sinは正、cosとtanは負になります。sin(180°−θ)=sinθ、cos(180°−θ)=−cosθ を使って求めます。

sin²θ+cos²θ=1 はなぜ成り立ちますか?

半径1の円の上の点の座標が (cosθ, sinθ) なので、三平方の定理から x²+y²=1 となるからです。

三角比は何年生で習いますか?

高校の数学Ⅰ(図形と計量)で習います。

出典・参考

  • 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 数学編」数学Ⅰ(図形と計量)

最終更新:2026年10月13日/作成:大学受験合格大作戦