漸近線とは?意味と求め方をグラフでわかりやすく【例題・問題つき】|合格大作戦 数学用語辞典

漸近線とは?意味と求め方をグラフでわかりやすく【例題・問題つき】|合格大作戦 数学用語辞典

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大学受験

漸近線とは

曲線がどこまでも伸びていくとき、限りなく近づいていく直線のことです。たとえば y=1xy=\dfrac1x のグラフは、xx 軸と yy 軸の2本に限りなく近づくので、この2本が漸近線です。

読み方:ぜんきんせん/英語:asymptote/習う学年:数学Ⅲ(分数関数・関数の極限)、数学C(双曲線)

うかるくん

うかるくん

漸近線って、グラフと絶対に交わらない線のことですよね?

合格先生

合格先生

そう覚えている人が多いけど、実は交わってもいいんだ。大事なのは、遠くへ行くほど近づくこと。途中で交わる例もあるよ。

この用語のポイント

  • 漸近線は、曲線が限りなく近づく直線(「漸」=だんだん)
  • たて x=ax=a・よこ y=by=b・ななめ y=ax+by=ax+b の3種類を全部調べる
  • 漸近線と曲線が途中で交わることもある

やさしく言うと

グラフがどこまでも伸びていくとき、ある直線にどんどん近づいていくことがあります。その直線が漸近線です。「漸」は「だんだん、しだいに」という意味で、「だんだん近づく線」という名前です。

  • 半分ずつ進む:壁まで 1m のところから、「残りの半分だけ進む」をくり返すと、残りは 0.5m、0.25m、0.125m…とどんどん小さくなります。でも、ぴったり 0 にはなりません。壁が漸近線のような役目をしています。
  • 冷めていくお茶:熱いお茶を部屋に置いておくと、温度は部屋の温度にどんどん近づいていきます。時間と温度のグラフをかくと、「部屋の温度」の水平な線に近づいていく形になります。
  • 1 人分のケーキ:1 個のケーキを xx 人で分けると、1 人分は 1x\dfrac1x 個。人数がふえるほど 0 に近づきますが、0 にはなりません。
xyO x=1 y=2 12 y = 1/(x−1) + 2
曲線は x=1 と y=2 に限りなく近づく。この2本が漸近線

まとめると、漸近線は曲線が遠くへ行くほど、限りなく近づいていく直線です。

漸近線がある例・ない例

○ 漸近線がある

  • 分数関数 y=kx−p+qy=\dfrac{k}{x-p}+q → x=px=p、y=qy=q
  • 反比例 y=6xy=\dfrac6x → xx 軸と yy 軸
  • 指数関数 y=2xy=2^x → y=0y=0(x→−∞x\to-\infty のとき)
  • 対数関数 y=log⁡2xy=\log_2x → x=0x=0(yy 軸)
  • 双曲線 x2a2−y2b2=1\dfrac{x^2}{a^2}-\dfrac{y^2}{b^2}=1 → y=±baxy=\pm\dfrac{b}{a}x
  • y=x+1xy=x+\dfrac1x → y=xy=x(ななめ)と x=0x=0

× 漸近線がない

  • 2 次関数 y=x2y=x^2(上へ広がり続け、どの直線にも近づかない)
  • 1 次関数 y=2x+1y=2x+1(グラフが直線そのもの)
  • y=sin⁡xy=\sin x(上下にゆれ続け、1 つの直線に近づかない)
  • y=x3y=x^3(どんどん急になる)
  • 円 x2+y2=1x^2+y^2=1(遠くへ伸びていかない)

漸近線が出てくるのは、分母に xx がある関数、指数関数・対数関数、双曲線が中心です。どこまでも伸びていかない曲線(円など)や、ぐんぐん曲がり続ける曲線(放物線など)には漸近線はありません。

図で見る

反比例 y=1xy=\dfrac1x で、曲線と xx 軸のすき間を見てみましょう。

xyO 110.520.2540.1258 y = 1/x 赤い線 = x 軸とのすき間 x を大きくすると 0 に近づく → x 軸(y=0)が漸近線
x が 1, 2, 4, 8 と大きくなると、すき間は 1, 0.5, 0.25, 0.125 と 0 に近づく

xx が 2 倍になるたびに、すき間 1x\dfrac1x は半分になります。x=1000x=1000 なら 0.001 です。このように、曲線と直線のすき間が限りなく 0 に近づくとき、その直線を漸近線といいます。同じように xx を 0 に近づけると曲線は上へどこまでも伸び、yy 軸に近づくので、yy 軸も漸近線です。

うかるくん

うかるくん

すき間が 0 に近づくなら、いつかはくっつくんじゃないですか?

合格先生

合格先生

1x\dfrac1x は、どんなに大きい xx でも 0 にはならないね。「いくらでも小さくできるけど、ちょうど 0 にはならない」というのが「限りなく近づく」の意味なんだ。これが極限の考え方だよ。

漸近線の3つの種類

種類形見つけ方例
たて(垂直)x=ax=ax→ax\to a で y→±∞y\to\pm\infty になる aa(分母が0になる所)y=1x−1+2y=\dfrac1{x-1}+2 の x=1x=1
よこ(水平)y=by=blim⁡x→±∞f(x)=b\displaystyle\lim_{x\to\pm\infty}f(x)=b同じく y=2y=2
ななめy=ax+by=ax+ba=lim⁡x→∞f(x)xa=\displaystyle\lim_{x\to\infty}\frac{f(x)}{x}、b=lim⁡x→∞{f(x)−ax}b=\displaystyle\lim_{x\to\infty}\{f(x)-ax\}y=x+1xy=x+\dfrac1x の y=xy=x
xy y=x y = x + 1/x
y=x+1/x は、x が大きくなると 1/x→0 なので y=x に近づく

ななめの漸近線は、y=x+1xy=x+\dfrac1x のように「直線の式+0 に近づく部分」に分けると見つけやすくなります。1x\dfrac1x が 0 に近づくので、残った y=xy=x が漸近線です。

x→∞x\to\infty と x→−∞x\to-\infty では、近づく直線がちがうこともあります。たとえば y=x2+1y=\sqrt{x^2+1} は、x→∞x\to\infty では y=xy=x に、x→−∞x\to-\infty では y=−xy=-x に近づきます。両方向を別々に調べましょう。

笑顔のうかるくん

うかるくん

漸近線は、縦・横・ななめの3種類があるんだね。

漸近線と曲線は交わってもよい

「漸近線は曲線と交わらない線」と思われがちですが、それは正しくありません。漸近線の条件は「遠くで限りなく近づく」ことだけで、途中のようすは問いません。

xy 原点で漸近線と交わる 0.5 y = x/(x² + 1) 漸近線 y=0 遠くへ行くほど y=0 に近づく
y=x/(x²+1) は、漸近線 y=0 と原点で交わる

y=xx2+1y=\dfrac{x}{x^2+1} は、x→±∞x\to\pm\infty で y→0y\to0 なので y=0y=0(xx 軸)が漸近線です。でも x=0x=0 のとき y=0y=0 なので、原点で漸近線と交わっています。分数関数 y=kx−p+qy=\dfrac{k}{x-p}+q の場合は、たまたま漸近線と交わらないだけです。

「ここが大事!」と説明する合格先生

合格先生

漸近線は「遠くで近づく線」。交わるかどうかは関係ないぞ!

テスト・入試ではこう出る

漸近線は、数学Ⅱの指数関数・対数関数のグラフで初めて出てきます(y=2xy=2^x の xx 軸など)。中心になるのは数学Ⅲの分数関数と、微分を使ったグラフの概形の問題です。数学Cでは双曲線の漸近線を学びます。グラフをかく問題では、漸近線を点線でかきこむことが求められます。

例題1(分数関数)

y=2x+1x−1y=\dfrac{2x+1}{x-1} のグラフの漸近線を求めなさい。

  1. 分子を分母で割った形にする:2x+1=2(x−1)+32x+1=2(x-1)+3 なので、y=2(x−1)+3x−1=2+3x−1y=\dfrac{2(x-1)+3}{x-1}=2+\dfrac{3}{x-1}。
  2. x→1x\to1 のとき、3x−1\dfrac{3}{x-1} の大きさは限りなく大きくなる → たての漸近線 x=1x=1。
  3. x→±∞x\to\pm\infty のとき、3x−1→0\dfrac{3}{x-1}\to0 なので y→2y\to2 → よこの漸近線 y=2y=2。

答え x=1x=1、y=2y=2(グラフは y=3xy=\dfrac3x を xx 軸方向に 1、yy 軸方向に 2 平行移動したもの)

例題2(ななめの漸近線)

y=x2+2x+3x+1y=\dfrac{x^2+2x+3}{x+1} のグラフの漸近線を求めなさい。

  1. 分子を分母で割る:x2+2x+3=(x+1)2+2x^2+2x+3=(x+1)^2+2 なので、y=x+1+2x+1y=x+1+\dfrac{2}{x+1}。
  2. 分母が 0 になる x=−1x=-1 に近づくと、2x+1\dfrac{2}{x+1} の大きさは限りなく大きくなる → たての漸近線 x=−1x=-1。
  3. x→±∞x\to\pm\infty のとき、y−(x+1)=2x+1→0y-(x+1)=\dfrac{2}{x+1}\to0 → ななめの漸近線 y=x+1y=x+1。

答え x=−1x=-1、y=x+1y=x+1(極限の式 a=lim⁡x→∞f(x)x=1a=\displaystyle\lim_{x\to\infty}\frac{f(x)}{x}=1、b=lim⁡x→∞{f(x)−x}=1b=\displaystyle\lim_{x\to\infty}\{f(x)-x\}=1 でも同じ結果になります)

分数関数は、まず分子を分母で割って「式+あまり/分母」の形にするのがコツです。あまりの部分が 0 に近づくので、残った式がよこ・ななめの漸近線になります。

まちがえやすい点

腕でバツを作る合格先生

合格先生

「漸近線は交わらない線」は×! 遠くで限りなく近づく線だよ。

  • 「漸近線とは交わらない」と思う:漸近線は「遠くで近づく」線で、途中で曲線と交わってもかまいません。たとえば y=xx2+1y=\dfrac{x}{x^2+1} は漸近線 y=0y=0 と原点で交わります。
  • 1 種類だけ調べて終える:たて・よこ・ななめを全部調べます。分母が 0 になる所は、たての漸近線の候補です。
  • 分母が 0 になる所を全部たての漸近線にする:y=x2−1x−1y=\dfrac{x^2-1}{x-1} は約分すると y=x+1y=x+1(x≠1x\ne1)で、x=1x=1 は漸近線ではありません(グラフに穴があくだけ)。
  • 片方の向きしか調べない:y=2xy=2^x の漸近線 y=0y=0 は x→−∞x\to-\infty のときだけです。y=x2+1y=\sqrt{x^2+1} のように、x→∞x\to\infty と x→−∞x\to-\infty で漸近線がちがう関数もあります。
  • ななめの漸近線で bb を求めない:a=lim⁡f(x)xa=\displaystyle\lim\frac{f(x)}{x} だけで終わらず、b=lim⁡{f(x)−ax}b=\displaystyle\lim\{f(x)-ax\} も計算します。bb が有限の値にならなければ、ななめの漸近線はありません。

ことばの由来

「漸」は「しだいに、だんだん」、「近」は「近づく」という意味の漢字です。「漸化式」の「漸」と同じ字です。英語では asymptote(アシンプトート)といい、ギリシャ語の「いっしょに落ちない(交わらない)」という意味のことばから来ているとされます。もとの意味は「交わらない線」ですが、今の数学の定義では、交わることも許されています。

ミニ問題

問題1 y=3x+2−1y=\dfrac{3}{x+2}-1 のグラフの漸近線を答えましょう。

答えと解き方を見る

x=−2x=-2 と y=−1y=-1 です。y=kx−p+qy=\dfrac{k}{x-p}+q の形の漸近線は x=px=p、y=qy=q です。x+2=x−(−2)x+2=x-(-2) なので p=−2p=-2、q=−1q=-1 です。分母が 0 になる x=−2x=-2 でたて、x→±∞x\to\pm\infty で 3x+2→0\dfrac{3}{x+2}\to0 なので y→−1y\to-1 でよこの漸近線になります。

問題2 y=2x+3y=2^x+3 のグラフの漸近線を答えましょう。

答えと解き方を見る

y=3y=3 です(x→−∞x\to-\infty のとき)。x→−∞x\to-\infty で 2x→02^x\to0 なので、yy は 3 に近づきます。y=2xy=2^x のグラフを上に 3 だけ平行移動したので、漸近線 y=0y=0 も上に 3 ずれて y=3y=3 になります。x→+∞x\to+\infty では yy はどこまでも大きくなるので、その方向には漸近線はありません。

問題3 y=x2+3xx+1y=\dfrac{x^2+3x}{x+1} のグラフの漸近線をすべて求めましょう。

答えと解き方を見る

x=−1x=-1 と y=x+2y=x+2 です。

  1. 分子を分母で割る:x2+3x=(x+1)(x+2)−2x^2+3x=(x+1)(x+2)-2 なので、y=x+2−2x+1y=x+2-\dfrac{2}{x+1}。
  2. x→−1x\to-1 で 2x+1\dfrac{2}{x+1} の大きさが限りなく大きくなるので、x=−1x=-1 がたての漸近線。
  3. x→±∞x\to\pm\infty で 2x+1→0\dfrac{2}{x+1}\to0 なので、yy と x+2x+2 の差が 0 に近づく。y=x+2y=x+2 がななめの漸近線。

分子の次数が分母より 1 大きい分数関数は、このように割り算をするとななめの漸近線が見つかります。

関連する公式・用語

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あわせて覚えたい用語

よくある質問

漸近線とはどういう意味ですか?

曲線がどこまでも伸びていくとき、限りなく近づいていく直線のことです。「漸」は「だんだん」という意味です。

漸近線とグラフは交わりますか?

交わることもあります。漸近線は遠くで限りなく近づく直線なので、途中で交わってもかまいません。

分数関数の漸近線はどう求めますか?

分子を分母で割り、y=k/(x−p)+q の形にします。このとき x=p と y=q が漸近線です。

ななめの漸近線はどうやって求めますか?

a=lim f(x)/x、b=lim {f(x)−ax}(x→∞またはx→−∞)を計算し、どちらも有限の値になれば、y=ax+bがななめの漸近線です。

分母が0になる所は必ず漸近線になりますか?

なりません。約分して分母の0が消える場合は、グラフに穴があくだけで漸近線にはなりません。

漸近線は何年生で習いますか?

数学Ⅱの指数関数・対数関数のグラフで出てきます。くわしくは数学Ⅲの分数関数や関数の極限、数学Cの双曲線で学びます。

出典・参考

  • 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 数学編」数学Ⅲ(極限)・数学C(平面上の曲線)

最終更新:2026年10月13日/作成:大学受験合格大作戦