極限とは?意味とlimの読み方・求め方をわかりやすく【例題・問題つき】|合格大作戦 数学用語辞典

極限とは?意味とlimの読み方・求め方をわかりやすく【例題・問題つき】|合格大作戦 数学用語辞典

合格大作戦 数学用語辞典 › 微分・積分

大学受験

極限とは

限りなく近づけていったときに、行き着く先の値のことです。nn を限りなく大きくすると ana_n が α\alpha に限りなく近づくとき、lim⁡n→∞an=α\displaystyle\lim_{n\to\infty}a_n=\alpha と書き、α\alpha を極限値といいます。

読み方:きょくげん/英語:limit/習う学年:数学Ⅲ(極限)。数学Ⅱの微分係数でも極限値を使う

うかるくん

うかるくん

lim⁡x→2\displaystyle\lim_{x\to2} って、x=2x=2 を代入すればいいんですよね?

合格先生

合格先生

代入できるときもあるけど、意味は2に近づけること。x=2x=2 で分母が0になる式でも、近づく先なら求められるんだ。

この用語のポイント

  • 極限 = 限りなく近づけたときの行き着く先。lim⁡\lim で書く
  • x→ax\to a は近づくだけで、x=ax=a にはならない
  • 右側極限と左側極限が一致したときだけ極限値がある

やさしく言うと

極限は「どこまでも近づけていったら、行き着く先はどこか」を表す考え方です。ちょうどその値になるかどうかではなく、近づいていく先を見ます。身近な例で考えてみましょう。

  • 残りの半分ずつ進む:かべまで 1 m の所から、毎回「残りの半分」だけ進むと、位置は 12\dfrac12、34\dfrac34、78\dfrac78、… m。かべにはいつまでも着きませんが、近づく先は 1 m です。
  • 0.9、0.99、0.999、…:9 をふやしていくと、1 との差は 0.1、0.01、0.001、…と限りなく小さくなります。近づく先は 1 です。
  • 正多角形と円:円に内側からぴったり入る正多角形の辺の数を、6、12、24、…とふやしていくと、形はどんどん円に近づきます。まわりの長さも円周に近づいていきます。

式の例も見てみましょう。y=x2−4x−2y=\dfrac{x^2-4}{x-2} は、x=2x=2 では分母が0になって計算できません。でも xx を2に近づけると、yy は4に限りなく近づきます。これを lim⁡x→2x2−4x−2=4\displaystyle\lim_{x\to2}\frac{x^2-4}{x-2}=4 と書きます。

xyO 24 x→2 のとき y→4 x=2 ちょうどでは 式の値がない(穴) y = (x²−4)/(x−2)
x=2 には穴があいているが、近づく先(極限)は4

まとめると、極限は「その値になれなくても、近づく先なら決められる」という考え方です。

書き方と読み方

書き方読み方・意味
lim⁡n→∞an=α\displaystyle\lim_{n\to\infty}a_n=\alphann を限りなく大きくすると、ana_n は α\alpha に限りなく近づく(数列の極限)
lim⁡x→af(x)=α\displaystyle\lim_{x\to a}f(x)=\alphaxx を aa に限りなく近づけると、f(x)f(x) は α\alpha に限りなく近づく(関数の極限)
x→a+0x\to a+0、x→a−0x\to a-0右から近づける(右側極限)、左から近づける(左側極限)

lim⁡\lim は英語の limit(限界)の略で、「リミット」と読みます。α\alpha を極限値といいます。∞\infty は「無限大」と読み、「限りなく大きくなる」ようすを表す記号です。数ではありません。

極限値がある例・ない例

○ 極限値がある

  • lim⁡n→∞1n=0\displaystyle\lim_{n\to\infty}\frac1n=0(0 に近づく)
  • lim⁡x→2x2−4x−2=lim⁡x→2(x+2)=4\displaystyle\lim_{x\to2}\frac{x^2-4}{x-2}=\lim_{x\to2}(x+2)=4(約分すると分かる)
  • lim⁡x→0sin⁡xx=1\displaystyle\lim_{x\to0}\frac{\sin x}{x}=1(数学Ⅲで大事な極限)
  • 0.9, 0.99, 0.999, ⋯0.9,\ 0.99,\ 0.999,\ \cdots の極限は 1
  • lim⁡n→∞(12)n=0\displaystyle\lim_{n\to\infty}\left(\frac12\right)^n=0(半分ずつ小さくなる)

× 極限値がない

  • (−1)n(-1)^n(11 と −1-1 をくり返す。振動)
  • ∣x∣x\dfrac{|x|}{x} の x→0x\to0(右からは 11、左からは −1-1)
  • n2n^2 の n→∞n\to\infty(どこまでも大きくなる。∞\infty に発散)
  • 1x\dfrac1x の x→0x\to0(右からは +∞+\infty、左からは −∞-\infty)
  • sin⁡n\sin n の n→∞n\to\infty(−1-1 と 11 の間をゆれ続ける)

極限値があるとき「収束する」、ないとき「発散する」といいます(くわしくは収束と発散)。

図で見る

まず、数列の極限です。1, 12, 13, 14, ⋯1,\ \dfrac12,\ \dfrac13,\ \dfrac14,\ \cdots は、いつまでも0にはなりませんが、0に限りなく近づくので、lim⁡n→∞1n=0\displaystyle\lim_{n\to\infty}\frac1n=0 です。

1 0 123410 n(何番目) 11/21/3 n番目の数 = 1/n 0 に限りなく近づく (でも 0 にはならない)
1/n は 0 に限りなく近づく。極限は 0

「残りの半分ずつ進む」たとえも、図にするとよく分かります。進んだ位置は 1−(12)n1-\left(\dfrac12\right)^n と表せて、n→∞n\to\infty のとき 1 に近づきます。

毎回、残りの半分だけ進む 1/23/4 0 1かべ かべにはいつまでも着かないが、 近づく先(極限)は 1
位置は 1/2, 3/4, 7/8, … と、限りなく 1 に近づく
うかるくん

うかるくん

いつまでも 1 に着かないのに、「極限は 1」って言っていいんですか?

合格先生

合格先生

極限は「着くかどうか」ではなく「どこに近づくか」を表すんだ。1 との差は、いくらでも小さくできる。だから近づく先は 1、と決められるんだよ。

反対に、極限値がない例も見てみましょう。y=∣x∣xy=\dfrac{|x|}{x} は、x>0x>0 では 1、x<0x<0 では −1-1 です。右から 0 に近づくと 1、左から近づくと −1-1 で、近づく先が 1 つに決まりません。

xy 右から → 1 左から → −1 1−1 近づく先が一致しない → 極限値はない
右側極限 1 と左側極限 −1 が一致しないので、極限値はない

極限の求め方のコツ

形くふう例
そのまま代入できる代入するlim⁡x→3(x2+1)=10\displaystyle\lim_{x\to3}(x^2+1)=10
00\dfrac00因数分解して約分lim⁡x→1x2−1x−1=lim⁡x→1(x+1)=2\displaystyle\lim_{x\to1}\frac{x^2-1}{x-1}=\lim_{x\to1}(x+1)=2
∞∞\dfrac{\infty}{\infty}分母の最高次で割るlim⁡n→∞2n2+1n2+3=2\displaystyle\lim_{n\to\infty}\frac{2n^2+1}{n^2+3}=2
∞−∞\infty-\infty(ルートの差)分子を有理化lim⁡n→∞(n+1−n)=0\displaystyle\lim_{n\to\infty}(\sqrt{n+1}-\sqrt n)=0

ポイントは、不定形(00\dfrac00、∞∞\dfrac{\infty}{\infty}、∞−∞\infty-\infty など)を、式の変形で不定形でない形に直すことです。

ひらめいたサクラちゃん

サクラちゃん

0/0 なら約分、∞/∞ なら最高次で割る。形を見て道具を選ぶのね!

微分とのつながり

極限は、数学Ⅱの微分でも使います。x=ax=a での微分係数は

f′(a)=lim⁡h→0f(a+h)−f(a)hf'(a)=\lim_{h\to0}\frac{f(a+h)-f(a)}{h}

と、極限で定義されます。h=0h=0 を代入すると 00\dfrac00 になってしまいますが、hh を 0 に近づけることで、接線の傾きが求められます。極限は、微分・積分の土台になる考え方です。

テスト・入試ではこう出る

極限は数学Ⅲで本格的に習います。不定形の極限の計算、無限等比級数、sin⁡xx\dfrac{\sin x}{x} を使う極限、そして「極限値をもつように定数を決める」問題がよく出ます。

例題1(∞/∞ の形)

lim⁡n→∞3n2−nn2+2\displaystyle\lim_{n\to\infty}\frac{3n^2-n}{n^2+2} を求めなさい。

  1. n→∞n\to\infty で分子も分母も ∞\infty になる(∞∞\dfrac{\infty}{\infty} の不定形)。
  2. 分母の最高次 n2n^2 で、分子・分母を割る:3n2−nn2+2=3−1n1+2n2\dfrac{3n^2-n}{n^2+2}=\dfrac{3-\frac1n}{1+\frac2{n^2}}
  3. 1n→0\dfrac1n\to0、2n2→0\dfrac2{n^2}\to0 なので、3−01+0=3\dfrac{3-0}{1+0}=3。

答え 3

例題2(定数を決める)

lim⁡x→1x2+ax+bx−1=3\displaystyle\lim_{x\to1}\frac{x^2+ax+b}{x-1}=3 が成り立つように、定数 a, ba,\ b の値を求めなさい。

  1. x→1x\to1 で分母 x−1→0x-1\to0。それでも極限値 3 があるので、分子も 0 に近づく必要がある:1+a+b=01+a+b=0、つまり b=−a−1b=-a-1。
  2. 分子は x2+ax−a−1=(x−1)(x+a+1)x^2+ax-a-1=(x-1)(x+a+1) と因数分解できる。
  3. 約分して lim⁡x→1(x+a+1)=a+2\displaystyle\lim_{x\to1}(x+a+1)=a+2。これが 3 なので a=1a=1。
  4. b=−1−1=−2b=-1-1=-2。(たしかめ:x2+x−2x−1=(x−1)(x+2)x−1=x+2→3\dfrac{x^2+x-2}{x-1}=\dfrac{(x-1)(x+2)}{x-1}=x+2\to3)

答え a=1, b=−2a=1,\ b=-2

まちがえやすい点

腕でバツを作る合格先生

合格先生

x→ax\to a は「近づく」で「等しい」ではない! ∞−∞=0\infty-\infty=0 も×だよ。

  • x→ax\to a を「x=ax=a を代入する」と思う:xx は aa に近づくだけで、aa にはなりません。だから x2−4x−2\dfrac{x^2-4}{x-2} のように、x=ax=a で計算できない式でも極限は求められます(先に約分します)。
  • ∞\infty を数のように計算する:∞−∞\infty-\infty や ∞∞\dfrac{\infty}{\infty}、00\dfrac00 は答えが決まらない形(不定形)です。「∞−∞=0\infty-\infty=0」「∞∞=1\dfrac{\infty}{\infty}=1」とはできません(ミニ問題3では 12\dfrac12 になります)。
  • 右と左を確かめない:右側極限と左側極限が一致したときだけ極限値があります。∣x∣x\dfrac{|x|}{x} の x→0x\to0 は一致しないので、極限値はありません。
  • 極限値と、その点での値を同じと思う:x2−4x−2\dfrac{x^2-4}{x-2} は、x→2x\to2 の極限値は 4 ですが、x=2x=2 での値はありません。極限値と関数の値が一致するのは、その点で連続なときです。

ことばの由来

「極」は「きわみ・はて」、「限」は「かぎり」という意味の漢字で、極限は「近づいていった、そのはて」を表します。英語の limit は「限界・境目」という意味で、記号 lim はその頭の 3 文字です。

ミニ問題

問題1 lim⁡x→3x2−9x−3\displaystyle\lim_{x\to3}\frac{x^2-9}{x-3} を求めましょう。

答えと解き方を見る

6 です。x=3x=3 をそのまま入れると 00\dfrac00 なので、先に因数分解して約分します。(x−3)(x+3)x−3=x+3\dfrac{(x-3)(x+3)}{x-3}=x+3 で、x→3x\to3 のとき 3+3=63+3=6。

問題2 lim⁡n→∞2n+1n−3\displaystyle\lim_{n\to\infty}\frac{2n+1}{n-3} を求めましょう。

答えと解き方を見る

2 です。分子・分母を nn で割ると 2+1n1−3n\dfrac{2+\frac1n}{1-\frac3n}。n→∞n\to\infty で 2+01−0=2\dfrac{2+0}{1-0}=2。分子と分母の次数が同じなら、極限は最高次の係数の比になります。

問題3 lim⁡n→∞(n2+n−n)\displaystyle\lim_{n\to\infty}\left(\sqrt{n^2+n}-n\right) を求めましょう。

答えと解き方を見る

12\dfrac12 です。そのままだと ∞−∞\infty-\infty の不定形なので、分子の有理化をします。

n2+n−n=(n2+n)−n2n2+n+n=nn2+n+n=11+1n+1\sqrt{n^2+n}-n=\frac{(n^2+n)-n^2}{\sqrt{n^2+n}+n}=\frac{n}{\sqrt{n^2+n}+n}=\frac{1}{\sqrt{1+\frac1n}+1}

n→∞n\to\infty で 11+1=12\dfrac1{1+1}=\dfrac12。「∞−∞=0\infty-\infty=0」とすると、まちがいになります。

関連する公式・用語

公式辞典で、くわしい証明と例題を見る

あわせて覚えたい用語

よくある質問

極限とは簡単にいうと何ですか?

限りなく近づけていったときに行き着く先の値です。ちょうどその値になるかどうかではなく、近づく先を考えます。

lim は何と読みますか?

リミットと読みます。英語の limit(限界)の略です。

不定形とは何ですか?

∞−∞、∞/∞、0/0 のように、そのままでは答えが決まらない形です。約分や式の変形をしてから極限を求めます。

極限値がないのはどんなときですか?

値が1つに近づかないときです。たとえば (−1)ⁿ のようにゆれ続けるときや、右から近づけたときと左から近づけたときで近づく先がちがうときです。

0.999…は1と等しいのですか?

はい。0.9、0.99、0.999…の極限が1なので、9が限りなく続く0.999…は1と等しいと考えます。

極限は何年生で習いますか?

本格的には高校の数学Ⅲ(極限)で習います。数学Ⅱの微分でも、微分係数の定義に極限を使います。

出典・参考

  • 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 数学編」数学Ⅲ(極限)・数学Ⅱ(微分・積分の考え)

最終更新:2026年10月13日/作成:大学受験合格大作戦