合格大作戦 数学用語辞典 › 微分・積分
大学受験
収束と発散とは
数列 が一定の値に限りなく近づくことを収束、収束しないことを発散といいます。発散には、正の無限大に発散・負の無限大に発散・振動の3つがあります。
うかるくん
は と の間からはみ出さないから、収束ですよね?
合格先生
おしい! 収束は1つの値に近づくこと。 と を行ったり来たりするのは振動で、発散の仲間なんだ。
この用語のポイント
- 収束 = 一定の値に近づく。発散 = 収束しない
- 発散は ・・振動 の3つ
- が収束するのは 。無限等比級数は
やさしく言うと
数をどこまでも並べていくとき、ある1つの値に落ち着いていくことを収束、落ち着かないことを発散といいます。たとえで考えてみましょう。
- 熱いお茶が冷める:入れたてのお茶は、時間がたつと部屋の温度に近づいていきます。温度が1つの値に落ち着くので「収束」のイメージです。
- 雪だるまを転がす:転がすたびにどんどん大きくなり、どこまでも大きくなるのは「正の無限大に発散」のイメージです。
- ふりこ(ブランコ):止まらずに右・左と行ったり来たりをくり返すのは「振動」のイメージです。1つの場所に落ち着かないので、これも発散の仲間です。
まとめると、1つの値に近づけば収束、そうでなければすべて発散です。落ち着かない仕方には、「どこまでも大きく(小さく)なる」と「ゆれ続ける(振動)」があります。
収束・発散の分け方
| 分類 | 意味 | 書き方・例 |
|---|---|---|
| 収束 | 一定の値 に限りなく近づく | |
| 正の無限大に発散 | 限りなく大きくなる | |
| 負の無限大に発散 | 限りなく小さくなる(負で絶対値が大きく) | |
| 振動 | 上のどれでもない |
高校の教科書では、収束しないものをまとめて発散とよび、振動も発散の一種です。本によっては「発散」と「振動」を分けて書くこともあるので、このページでは「振動も発散にふくめる」意味で使います。
収束する例・発散する例
○ 収束する
- 無限等比級数
- (ずっと同じ値でも収束)
× 発散する
- (正の無限大に発散)
- (負の無限大に発散)
- (振動)
- (振動しながら大きくなる)
- (調和級数。 に発散)
- (1, 0, −1, 0 をくり返す振動)

うかるくん
みたいにずっと同じ値でも、ちゃんと「1 に収束」なんだね!
等比数列 rⁿ の収束・発散
入試でいちばんよく使うのが、等比数列 の極限です。 の値で4つに分かれます。
なら と 0 に近づき、 なら と大きくなります。 は符号が入れかわりますが、絶対値が小さくなるので 0 に収束します。

うかるくん
r の大きさが1より小さいと、r の n 乗は0に近づくんだ。
図で見る:無限級数の収束・発散
数列の項を限りなくたしたもの(無限級数)にも、収束と発散があります。正方形を半分ずつぬっていくと、 が 1 に収束することがわかります。
一方、(調和級数)は、項が 0 に近づくのに、和は限りなく大きくなります。最初の何項かをたした部分和をグラフにすると、ちがいが見えます。
うかるくん
赤のグラフ、12項で 3 くらいだし、どこかで止まりそうに見えますけど…
合格先生
は より大きい。 から の4つの和も より大きい。こうして「 より大きいかたまり」がいくらでも作れるから、和はどこまでも大きくなるんだ。
テスト・入試ではこう出る
収束と発散は、高校の数学Ⅲ「極限」で習います。大学入試では、分数の形の数列の極限、 をふくむ極限( の値で場合分け)、無限等比級数の和と収束条件、関数の極限などがよく出ます。収束するかどうかを先に判定してから値を求めるのが基本です。
例題1(分数の形の極限)
を求めなさい。
- 分母の最も大きい項 で、分子と分母を割る:
- のとき、、。
- よって 。
答え 2 に収束する
例題2(無限等比級数)
無限等比級数 の収束・発散を調べ、収束するときは和を求めなさい。
- 初項 3、公比 の無限等比級数である。
- なので収束する。
- 和は 。
答え 収束し、和は 6
まちがえやすい点

合格先生
項が0に近づいても、和は発散することがある! がその例だよ。
- 「項が0に近づけば、和も収束する」と思う: ですが、 は限りなく大きくなります(発散)。項が0に近づくのは、和が収束するための必要条件にすぎません。逆に、項が0に近づかなければ、和は必ず発散します。
- 振動を収束と思う: は と の間に収まっていますが、1つの値に近づかないので発散です。
- 「∞ に収束」と書く:限りなく大きくなるときは「正の無限大に発散」です。 は値ではないので「収束」とはいいません。
- や初項0を忘れる: は のとき 1 に収束します( だけではない)。無限等比級数は、 のほかに初項が 0 のときも収束します(和は 0)。
- を 1 とする: は分子も分母も大きくなりますが、極限は 2 です。最も大きい項で割ってから考えます。
ことばの意味
「収束」は「一つに収まり、束ねられる」、「発散」は「外へ散らばる」という意味のことばです。英語では収束を convergence(一点に集まる)、発散を divergence(分かれて広がる)といいます。日常でも「事態が収束する」のように、落ち着くことを表すのに使われます。
ミニ問題
問題1 次の数列は、収束・正の無限大に発散・振動のどれですか。(ア) (イ) (ウ)
答えと解き方を見る
(ア)0 に収束、(イ)振動(発散)、(ウ)3 に収束です。(イ)は と、プラスとマイナスを行き来しながら絶対値が大きくなります。正の無限大にも負の無限大にも決まらないので、振動です。
問題2 数列 が収束するような の値の範囲を求めましょう。
答えと解き方を見る
です。公比にあたる が なら は収束します。 の各辺に 1 をたして 。()のときは 1 に収束するので、等号を入れ忘れないようにします。
問題3 (9 がどこまでも続く)は、1 と等しいことを、無限等比級数を使って説明しましょう。
答えと解き方を見る
は、初項 、公比 の無限等比級数です。
- 公比 は をみたすので、収束する。
- 和は 。
よって です。「限りなく 1 に近いが 1 ではない」と考えがちですが、和は極限の値なので、ちょうど 1 です。
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よくある質問
収束と発散のちがいは?
収束は数列が一定の値に限りなく近づくこと、発散は収束しないことです。
振動は発散ですか?
高校の教科書では、振動は発散の一種です。1と−1をくり返す (−1)ⁿ のように、1つの値に近づかないものを振動といいます。
rⁿ が収束する条件は?
−1<r≦1 のときです。−1<r<1 なら0に、r=1 なら1に収束します。
無限等比級数が収束する条件は?
公比 r が −1<r<1 をみたすとき(または初項が0のとき)です。和は 初項÷(1−公比) になります。
項が0に近づけば、無限級数は収束しますか?
収束するとは限りません。1+1/2+1/3+… は、項が0に近づきますが発散します。
0.999… は1と等しいですか?
等しいです。0.9+0.09+0.009+… は初項0.9、公比0.1の無限等比級数で、和は 0.9÷(1−0.1)=1 です。
出典・参考
- 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 数学編」数学Ⅲ(極限:数列の極限、無限級数)
最終更新:2026年10月13日/作成:大学受験合格大作戦


