この公式のポイント
- 和は r−1a(rn−1)(r=1)。r=1 なら na
- 証明は「r 倍してずらして引く」。まん中がすべて消える
- −1<r<1 なら無限に足しても 1−ra に近づく
- 公比2なら「次の数から1を引く」(1+2+4+…+512=1023)

うかるくん
等比数列の和の公式は、どうやって作ったものなの?
![合格先生]()
合格先生
S と rS を1つずらして並べ、引くんだ。まん中が全部消えて a と −arn だけ残るぞ。
等比数列の和の公式
等比数列は、となりどうしの比がいつも同じ数の並びです。たとえば 3, 6, 12, 24, … は、どこでも2倍なので等比数列です。この倍率を公比といいます。
等比数列の和の公式
Sn=1−ra(1−rn)=r−1a(rn−1)(r=1)a:初項、r:公比、n:項数。r=1 のときは Sn=na。一般項は an=arn−1。
証明:r 倍してずらして引く
和 S と、それを r 倍した rS を、1つずらして並べます。
SrS=a+ar+ar2+⋯+arn−1=a+ar+ar2+⋯+arn−1+arn
上から下を引くと、まん中がすべて消えて、
S−rS=a−arn⟹(1−r)S=a(1−rn)
S と rS を1つずらして並べると、ar から arn−1 までが上下でそろうので、引くと a と −arn だけが残る
r=1 なら両辺を 1−r で割って S=1−ra(1−rn)。等差数列の和が「逆に並べて足す」のに対し、等比数列の和は「r 倍してずらして引く」のが本質です。
無限等比級数:限りなく足すと?
半分、その半分、さらに半分…と足していくと、合計は1に限りなく近づく
−1<r<1 なら、n を大きくすると rn は0に近づくので、和は 1−ra に近づきます(数学Ⅲ)。
a+ar+ar2+⋯=1−ra(−1<r<1)
たとえば 21+41+81+⋯=1−1/21/2=1。0.999⋯=1 も、109+1009+⋯=1−1/109/10=1 と説明できます。
中学受験(算数)では
中学受験では「等比数列」という言葉はあまり使いませんが、倍々に増える数(1、2、4、8、…)の合計はよく出ます。公比2の場合は「次の数から1を引く」と覚えると便利です。
中学受験例題1(倍々の合計)
1円、2円、4円、8円、…と、毎日前の日の2倍のお金をもらいます。10日間で合計いくらもらえますか。
解き方
10日目は 29=512 円。1+2+4+⋯+512 は「次の数(1024)から1を引いた数」なので 1023 円。
(公式でも 2−11×(210−1)=1023)
答え 1023 円
「次の数から1を引く」理由も、上の「2倍してずらして引く」証明そのものです:2S−S=1024−1。
大学受験(数学B・Ⅲ)での使い方
等比数列は数学B「数列」で学びます。ローンや貯金の複利計算、漸化式 an+1=pan+q の解法、確率の漸化式などで必ず使います。数学Ⅲでは無限等比級数を学びます。
大学受験例題2(基本)
初項
3、公比
2 の等比数列の、初項から第
8 項までの和を求めなさい。
解き方
S8=2−13(28−1)=3×255=765。
答え 765
大学受験例題3(公比を求める)
等比数列で、第2項が
6、第5項が
162 のとき、初項と公比を求めなさい(公比は実数)。
解き方
ar=6、ar4=162。割ると r3=27、r=3。a=2。
答え 初項 2、公比 3
大学受験例題4(無限等比級数)
0.2˙7˙=0.272727⋯ を分数で表しなさい。
解き方
10027+1000027+⋯ は初項 10027、公比 1001 の無限等比級数。
和は 1−1/10027/100=9927=113。
答え 113
よくある間違い
![腕でバツを作る合格先生]()
合格先生
r=1 のときに公式を使うと、分母が0になる。そのときは na で求めよう。
- 指数を n−1 と n で取りちがえる:一般項は arn−1、和の公式の中は rn。
- r=1 のときに公式を使う:分母が0になる。r=1 なら na。
- 無限等比級数の条件:−1<r<1 でないと和は求まらない(発散する)。
練習問題
![指さして説明するサクラちゃん]()
サクラちゃん
公比2なら「次の数から1を引く」だよ。
- 中学受験 1+3+9+27+81 を計算しなさい。
答えと解説を見る
そのまま足しても 121。公式でも 3−135−1=2242=121。答え 121 - 大学受験 初項 1、公比 21 の等比数列の初項から第 6 項までの和を求めなさい。
答えと解説を見る
1−1/21−(1/2)6=2(1−641)=3263。答え 3263 - 大学受験 k=1∑n2k を求めなさい。
答えと解説を見る
初項 2、公比 2、項数 n。2−12(2n−1)=2n+1−2。答え 2n+1−2
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よくある質問
等比数列の和の公式は?
初項 a、公比 r(r≠1)、項数 n のとき、S=a(1−rⁿ)/(1−r)=a(rⁿ−1)/(r−1) です。r=1 のときは na です。
等比数列の和の公式はどう証明しますか?
和 S と、それを r 倍した rS を1つずらして並べて引くと、まん中の項がすべて消え、(1−r)S=a(1−rⁿ) が得られます。
無限等比級数の和は?
−1<r<1 のとき、a+ar+ar²+… は a/(1−r) に近づきます。
1+2+4+…+512 はいくつですか?
1023です。公比2の等比数列の和は「次の数(1024)から1を引いた数」になります。
等比数列は何年生で習いますか?
高校の数学B「数列」で習います。無限等比級数は数学Ⅲです。
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出典・参考
- 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)」数学B(数列)・数学Ⅲ(極限)
最終更新:2026年10月11日/作成:大学受験合格大作戦