等差数列の和の公式|S=n(a+l)/2 の意味・覚え方・証明と例題【中学受験〜大学受験】

等差数列の和の公式|S=n(a+l)/2 の意味・覚え方・証明と例題【中学受験〜大学受験】

合格大作戦 算数・数学公式辞典 › 数列・規則性

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Sn=n(a+l)2=n{2a+(n−1)d}2S_n=\frac{n(a+l)}{2}=\frac{n\{2a+(n-1)d\}}{2}

aa:初項 ll:末項 nn:項数 dd:公差

この公式のポイント

  • 等差数列の和は(初項+末項)×項数÷2
  • 同じ並びを逆にして足すと、どの組も「初項+末項」になるのが理由
  • 項数は(末項−初項)÷公差+1。「+1」を忘れない
  • 中学受験の規則性から大学受験の数列(数学B)まで使う、いちばん基本の公式
うかるくん

うかるくん

どうして(初項+末項)×項数÷2で和が出るの?

合格先生

合格先生

同じ並びを逆にして足すと、どの組も初項+末項になる。それが項数個で2回分だから÷2だ。

等差数列の和の公式

等差数列とは、となりどうしの差がいつも同じ数の並びのことです。たとえば 3, 7, 11, 15, 193,\ 7,\ 11,\ 15,\ 19 は、どこでも差が 44 なので等差数列です。この差を公差、最初の数を初項、最後の数を末項といいます。

等差数列をすべて足した答え(和)は、次の公式で求められます。

等差数列の和の公式

Sn=n(a+l)2S_n=\frac{n(a+l)}{2}

和=(初項+末項)×項数÷2

末項 ll が分からないときは、l=a+(n−1)dl=a+(n-1)d を入れた次の形を使います。

Sn=n{2a+(n−1)d}2S_n=\frac{n\{2a+(n-1)d\}}{2}
記号意味例 3,7,11,15,193,7,11,15,19 では
SnS_n初項から第 nn 項までの和(Sum の S)5555
aa初項(最初の数)33
ll末項(最後の数。last の l)1919
nn項数(数の個数)55
dd公差(となりどうしの差。difference の d)44

確かめてみましょう。3+7+11+15+19=553+7+11+15+19=55 で、公式でも 5×(3+19)2=55\dfrac{5\times(3+19)}{2}=55 となり、一致します。

なぜこの公式で求められるのか

考え方1:同じ並びを逆にして足す(図で分かる方法)

1+2+3+4+51+2+3+4+5 を、ブロックの階段で表します。同じ階段をもう1つ用意して、さかさまにしてくっつけると、ぴったり長方形になります。

12345横 6(=1+5)たて 5(個数)
青い階段(1+2+3+4+5)と、さかさまのオレンジの階段を合わせると、たて5×横6の長方形。求める和はその半分の 5×6÷2=155\times6\div2=15

長方形の横の長さは、どの段でも「初項+末項」(1+5=61+5=6)です。たての長さは項数(55)です。和は長方形の半分なので、(初項+末項)×項数÷2 になります。

考え方2:式で証明する

和 SS を、前から書いたものと後ろから書いたものを並べて足します。

S=a+(a+d)+(a+2d)+⋯+lS=l+(l−d)+(l−2d)+⋯+a\begin{aligned}S&=a+(a+d)+(a+2d)+\cdots+l\\ S&=l+(l-d)+(l-2d)+\cdots+a\end{aligned}

上下に並んだ2つの数を足すと、どの組も a+la+l になります(dd と −d-d が打ち消し合うからです)。組は nn 個あるので、

2S=n(a+l)⟹S=n(a+l)22S=n(a+l)\quad\Longrightarrow\quad S=\frac{n(a+l)}{2}

末項は「初項に公差を (n−1)(n-1) 回足した数」なので l=a+(n−1)dl=a+(n-1)d です。これを入れると、もう1つの形 Sn=n{2a+(n−1)d}2S_n=\dfrac{n\{2a+(n-1)d\}}{2} が出てきます。

ガウスと「1から100まで」の逸話

カール・フリードリヒ・ガウスの肖像(1840年)
カール・フリードリヒ・ガウス(1777〜1855)。C. A. イェンセン画、1840年(パブリックドメイン、ウィキメディア・コモンズ)

ドイツの数学者ガウスには、小学生のころ、先生が出した「1から100までの数をすべて足しなさい」という問題を、あっという間に解いたという有名な話があります。前と後ろから組にすると、1+100, 2+99, 3+98, …1+100,\ 2+99,\ 3+98,\ \dots のように、どの組も 101101 になります。

1011011011239899100…
前と後ろから組にすると、どの組も101。組は50組できる

組は 100÷2=50100\div2=50 組なので、答えは 101×50=5050101\times50=5050 です。これは上の「考え方2」とまったく同じ発想です。

この話はガウスの死後に書かれた伝記などで伝えられている逸話で、実際に出された問題の数字や細かな場面には諸説あります。

覚え方のコツ

  • 「台形の面積と同じ形」:台形の面積は(上底+下底)×高さ÷2。等差数列の和は(初項+末項)×項数÷2。上の図の階段は、ちょうど台形のような形をしています。
  • 「はじめ+おわり、かける個数、わる2」と声に出して覚える。
  • 個数(項数)の求め方もセットで:項数=(末項−初項)÷公差+1。最後の「+1」を忘れやすいので注意します(植木算と同じ考え方です)。

中学受験(算数)での使い方

中学受験の算数では「等差数列」という言葉をそのまま使い、「(はじめの数+おわりの数)×個数÷2」の形で使います。規則性の問題、数列の問題、植木算、ご石の並べ方などでよく出ます。

中学受験

例題1(基本)

3, 7, 11, 15, …, 993,\ 7,\ 11,\ 15,\ \dots,\ 99 と、4ずつ増える数の和を求めなさい。

解き方

まず個数を求めます。(99−3)÷4+1=24+1=25(99-3)\div4+1=24+1=25(個)。

和は (3+99)×25÷2=102×25÷2=1275(3+99)\times25\div2=102\times25\div2=1275。

答え 12751275

中学受験

例題2(標準)

1段目に1個、2段目に2個、3段目に3個…と、ご石を三角形に並べます。20段目まで並べると、ご石は全部で何個ですか。

解き方

使うご石は 1+2+3+⋯+201+2+3+\cdots+20 個です。はじめが1、おわりが20、個数が20なので、(1+20)×20÷2=210(1+20)\times20\div2=210(個)。

答え 210210 個

中学受験では、1から nn までの和 1+2+⋯+n=n×(n+1)÷21+2+\cdots+n=n\times(n+1)\div2 を覚えておくと計算が速くなります(三角数といいます)。

高校受験(数学)での使い方

中学校の教科書には「等差数列」という単元はありません。ただし高校入試では、規則性の問題として「並べたものの個数の合計」や「奇数の和」がよく出ます。公式を知っていると、答えの確かめにも使えます。

高校受験

例題3(規則性)

1+3+5+⋯+391+3+5+\cdots+39 を計算しなさい。また、1から始まる奇数を nn 個足した和を nn の式で表しなさい。

解き方

個数は (39−1)÷2+1=20(39-1)\div2+1=20(個)。和は (1+39)×20÷2=400(1+39)\times20\div2=400。

nn 個目の奇数は 2n−12n-1 なので、和は n{1+(2n−1)}2=n2\dfrac{n\{1+(2n-1)\}}{2}=n^2。実際、202=40020^2=400 で一致します。

答え 400400、n2n^2

大学受験(数学B 数列)での使い方

高校では数学B「数列」で、一般項 an=a+(n−1)da_n=a+(n-1)d と和の公式を正式に学びます。∑\sum 記号を使った ∑k=1nk=n(n+1)2\displaystyle\sum_{k=1}^{n}k=\frac{n(n+1)}{2} も、等差数列の和の公式そのものです。共通テストや個別試験では、和の最大・最小や、漸化式の基本として出ます。

大学受験

例題4(基本)

初項 55、公差 33 の等差数列 {an}\{a_n\} の一般項を求めなさい。また、初項から第 2020 項までの和を求めなさい。

解き方

an=5+(n−1)⋅3=3n+2a_n=5+(n-1)\cdot3=3n+2。

a20=62a_{20}=62 なので、S20=20(5+62)2=670S_{20}=\dfrac{20(5+62)}{2}=670。

答え an=3n+2a_n=3n+2、S20=670S_{20}=670

大学受験

例題5(標準)

2けたの自然数のうち、3で割ると1余る数の和を求めなさい。

解き方

あてはまる数は 10, 13, 16, …, 9710,\ 13,\ 16,\ \dots,\ 97 で、初項 1010、公差 33 の等差数列です。

項数は 97=10+(n−1)⋅397=10+(n-1)\cdot3 から n=30n=30。和は 30(10+97)2=1605\dfrac{30(10+97)}{2}=1605。

答え 16051605

大学受験

例題6(発展:和の最大)

初項 100100、公差 −3-3 の等差数列で、初項から第 nn 項までの和 SnS_n が最大になる nn と、そのときの和を求めなさい。

解き方

an=100−3(n−1)=103−3na_n=100-3(n-1)=103-3n。an>0a_n>0 となるのは n<34.3⋯n<34.3\cdots なので、a34=1a_{34}=1 までが正で、a35=−2a_{35}=-2 から負になります。

正の項を全部足したところで和が最大になるので n=34n=34。S34=34(100+1)2=1717S_{34}=\dfrac{34(100+1)}{2}=1717。

答え n=34n=34 のとき最大値 17171717

よくある間違い

腕でバツを作る合格先生

合格先生

項数の「+1」を忘れやすい。3から99まで4ずつなら、24個ではなく25個だぞ。

  • 項数の「+1」忘れ:33 から 9999 まで 44 ずつなら、(99−3)÷4=24(99-3)\div4=24 ではなく 24+1=2524+1=25 個です。
  • 一般項の (n−1)(n-1) を nn にしてしまう:第1項は公差を1回も足していないので、a+(n−1)da+(n-1)d です。
  • 公差がマイナスのとき:減っていく数列は公差が負の数です。末項から初項を引くと負になることにも注意します。

練習問題

○の札を持つうかるくん

うかるくん

階段を2つ合わせれば長方形だな。

  1. 中学受験 1+2+3+⋯+501+2+3+\cdots+50 を計算しなさい。
    答えと解説を見る(1+50)×50÷2=1275(1+50)\times50\div2=1275。答え 12751275
  2. 中学受験 2, 5, 8, …, 592,\ 5,\ 8,\ \dots,\ 59 の和を求めなさい。
    答えと解説を見る個数は (59−2)÷3+1=20(59-2)\div3+1=20。和は (2+59)×20÷2=610(2+59)\times20\div2=610。答え 610610
  3. 大学受験 等差数列 {an}\{a_n\} で、a3=11a_3=11、a8=26a_8=26 のとき、初項から第 1010 項までの和を求めなさい。
    答えと解説を見るa8−a3=5d=15a_8-a_3=5d=15 より d=3d=3。a1=11−2⋅3=5a_1=11-2\cdot3=5、a10=5+9⋅3=32a_{10}=5+9\cdot3=32。S10=10(5+32)2=185S_{10}=\dfrac{10(5+32)}{2}=185。答え 185185

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よくある質問

等差数列の和の公式は?

初項を a、末項を l、項数を n とすると、和は S=n(a+l)/2 です。(初項+末項)×項数÷2 と覚えます。公差を d とすると S=n{2a+(n−1)d}/2 とも表せます。

1から100までの和はいくつですか?

5050です。1と100、2と99…と前と後ろから組にすると、どの組も101で、50組あるので101×50=5050になります。

等差数列の項数はどうやって求めますか?

(末項−初項)÷公差+1 で求めます。たとえば3から99まで4ずつ増える数は、(99−3)÷4+1=25個です。

等差数列は何年生で習いますか?

中学校の教科書には単元としてはなく、高校の数学B「数列」で正式に学びます。中学受験の算数では、規則性や数列の問題で小学生のうちから使います。

等差数列の和の公式はなぜ成り立つのですか?

同じ数列を前から書いたものと後ろから書いたものを足すと、どの組も初項+末項になり、その組が項数の分だけあるからです。全体はその半分なので、(初項+末項)×項数÷2 になります。

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出典・参考

  • 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)」数学B(数列)
  • 肖像画:Christian Albrecht Jensen「Carl Friedrich Gauss」1840年(パブリックドメイン、Wikimedia Commons)

最終更新:2026年10月11日/作成:大学受験合格大作戦