数列の極限と無限等比級数の公式|rⁿ→0 の証明・和 a/(1−r)・0.999…=1 の理由と例題【数学Ⅲ・大学受験】

数列の極限と無限等比級数の公式|rⁿ→0 の証明・和 a/(1−r)・0.999…=1 の理由と例題【数学Ⅲ・大学受験】

合格大作戦 算数・数学公式辞典 › 数列・規則性

大学受験

a+ar+ar2+⋯=a1−r(∣r∣<1)a+ar+ar^2+\cdots=\frac{a}{1-r}\quad(|r|<1)

∣r∣<1|r|<1 のとき lim⁡n→∞rn=0\displaystyle\lim_{n\to\infty}r^n=0

この公式のポイント

  • ∣r∣<1|r|<1 なら rn→0r^n\to0、r>1r>1 なら ∞\infty、r≤−1r\le-1 は振動
  • 無限等比級数の和は a1−r\dfrac{a}{1-r}(∣r∣<1|r|<1 のときだけ)
  • 0.999⋯=10.999\cdots=1(無限等比級数)
  • ∞∞\dfrac{\infty}{\infty}・∞−∞\infty-\infty は変形してから
うかるくん

うかるくん

0.999⋯=10.999\cdots=1 って本当なの?ほんの少し足りない気がするよ。

合格先生

合格先生

無限等比級数で考えるんだ。∣r∣<1|r|<1 なら和は a1−r\dfrac{a}{1-r} で、ちょうど1になるぞ。

数列の極限と無限等比級数の公式

nn をかぎりなく大きくしたとき、数列 ana_n がある値 α\alpha にかぎりなく近づくことを lim⁡n→∞an=α\displaystyle\lim_{n\to\infty}a_n=\alpha と書き、ana_n は α\alpha に収束するといいます。収束しないときは発散(∞\infty、−∞-\infty、振動)です。

等比数列の極限と無限等比級数

lim⁡n→∞rn={∞(r>1)1(r=1)0(∣r∣<1)振動(極限なし)(r≤−1)\lim_{n\to\infty}r^n=\begin{cases}\infty&(r>1)\\1&(r=1)\\0&(|r|<1)\\\text{振動(極限なし)}&(r\le-1)\end{cases}

無限等比級数:∣r∣<1|r|<1 のとき

a+ar+ar2+⋯=a1−ra+ar+ar^2+\cdots=\frac{a}{1-r}
10● r=1.3(∞へ)● r=1(1のまま)● r=0.6(0へ)● r=−0.6(0へ)n
rnr^n のふるまい。∣r∣<1|r|<1 なら0に近づき、r>1r>1 なら限りなく大きくなる

証明

① 0<r<1 なら rⁿ → 0

1r=1+h\dfrac1r=1+h(h>0h>0)とおくと、二項定理より (1+h)n=1+nh+⋯≥1+nh(1+h)^n=1+nh+\cdots\ge1+nh。よって

0<rn=1(1+h)n≤11+nh ⟶ 0(n→∞)0<r^n=\frac{1}{(1+h)^n}\le\frac{1}{1+nh}\ \longrightarrow\ 0\quad(n\to\infty)

はさみうちの原理で rn→0r^n\to0。−1<r<0-1<r<0 でも ∣rn∣=∣r∣n→0|r^n|=|r|^n\to0 です。

② 無限等比級数の和

第 nn 項までの和は等比数列の和の公式から Sn=a(1−rn)1−rS_n=\dfrac{a(1-r^n)}{1-r}。∣r∣<1|r|<1 なら ①より rn→0r^n\to0 なので、

lim⁡n→∞Sn=a(1−0)1−r=a1−r\lim_{n\to\infty}S_n=\frac{a(1-0)}{1-r}=\frac{a}{1-r}
1/21/41/81/161/2+1/4+1/8+…=1半分ずつ足していくと正方形全体(面積1)をうめつくす
12+14+18+⋯=1/21−1/2=1\dfrac12+\dfrac14+\dfrac18+\cdots=\dfrac{1/2}{1-1/2}=1 を図で見ると

③ 0.999… = 1

0.999⋯=0.9+0.09+0.009+⋯0.999\cdots=0.9+0.09+0.009+\cdots は、初項 0.90.9、公比 0.10.1 の無限等比級数なので、0.91−0.1=1\dfrac{0.9}{1-0.1}=1。「1にかぎりなく近いが1より小さい」のではなく、ちょうど1です。

大学受験(数学Ⅲ)での使い方

大学受験

例題1(分数式)

lim⁡n→∞2n2+1n2−3n\displaystyle\lim_{n\to\infty}\frac{2n^2+1}{n^2-3n} を求めなさい。

解き方

分母の最高次 n2n^2 で分子・分母を割ると 2+1n21−3n→21=2\dfrac{2+\frac{1}{n^2}}{1-\frac3n}\to\dfrac{2}{1}=2。

答え 22

大学受験

例題2(√の差)

lim⁡n→∞(n2+n−n)\displaystyle\lim_{n\to\infty}\left(\sqrt{n^2+n}-n\right) を求めなさい。

解き方

∞−∞\infty-\infty の形なので、分子の有理化をします。

(n2+n)−n2n2+n+n=nn2+n+n=11+1n+1→12\dfrac{(n^2+n)-n^2}{\sqrt{n^2+n}+n}=\dfrac{n}{\sqrt{n^2+n}+n}=\dfrac{1}{\sqrt{1+\frac1n}+1}\to\dfrac12。

答え 12\dfrac12

大学受験

例題3(漸化式の極限)

a1=0a_1=0、an+1=12an+1a_{n+1}=\dfrac12a_n+1 で定まる数列の極限を求めなさい。

解き方

α=12α+1\alpha=\dfrac12\alpha+1 をみたす α=2\alpha=2 を引くと an+1−2=12(an−2)a_{n+1}-2=\dfrac12(a_n-2)。

an−2=(0−2)(12)n−1→0a_n-2=(0-2)\left(\dfrac12\right)^{n-1}\to0 なので、an→2a_n\to2。

答え 22

よくある間違い

腕でバツを作る合格先生

合格先生

∞−∞=0\infty-\infty=0 とするのは×だ。不定形だから、式を変形してから考えよう。

  • ∞−∞=0\infty-\infty=0、∞∞=1\dfrac{\infty}{\infty}=1 とする:どちらも「不定形」。式を変形してから考える。
  • ∣r∣≥1|r|\ge1 で a1−r\dfrac{a}{1-r} を使う:無限等比級数が収束するのは ∣r∣<1|r|<1(または a=0a=0)のときだけ。
  • r=−1r=-1 の rnr^n を0や1とする:−1, 1, −1, ⋯-1,\ 1,\ -1,\ \cdots と振動して極限はない。

練習問題

指さして説明するサクラちゃん

サクラちゃん

まず ∣r∣<1|r|<1 かどうかを確かめよう!

  1. 大学受験 lim⁡n→∞3n−2n3n+2n\displaystyle\lim_{n\to\infty}\frac{3^n-2^n}{3^n+2^n} を求めなさい。
    答えと解説を見る分子・分母を 3n3^n で割る。1−(2/3)n1+(2/3)n→1\dfrac{1-(2/3)^n}{1+(2/3)^n}\to1。答え 11
  2. 大学受験 無限等比級数 4+2+1+12+⋯4+2+1+\dfrac12+\cdots の和を求めなさい。
    答えと解説を見る41−12=8\dfrac{4}{1-\frac12}=8。答え 88
  3. 大学受験 循環小数 0.3˙6˙=0.363636⋯0.\dot{3}\dot{6}=0.363636\cdots を分数で表しなさい。
    答えと解説を見る初項 0.360.36、公比 0.010.01。0.360.99=411\dfrac{0.36}{0.99}=\dfrac{4}{11}

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よくある質問

rのn乗の極限は?

|r|<1のとき0、r=1のとき1、r>1のとき∞、r≦−1のときは振動して極限はありません。

無限等比級数の和の公式は?

|r|<1のとき a+ar+ar²+… = a/(1−r) です。

0.999…はなぜ1なのですか?

0.9+0.09+0.009+… は初項0.9、公比0.1の無限等比級数で、和は 0.9/(1−0.1)=1 だからです。

無限等比級数が収束する条件は?

公比rが −1<r<1 のとき(または初項が0のとき)です。

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出典・参考

  • 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)」数学Ⅲ(極限)

最終更新:2026年10月11日/作成:大学受験合格大作戦