二項定理|(a+b)ⁿ の展開と係数 nCr の証明(組合せで数える)・パスカルの三角形と例題【大学受験 数学Ⅱ】

二項定理|(a+b)ⁿ の展開と係数 nCr の証明(組合せで数える)・パスカルの三角形と例題【大学受験 数学Ⅱ】

合格大作戦 算数・数学公式辞典 › 数と式

大学受験

(a+b)n=∑r=0nnCr an−rbr(a+b)^n=\sum_{r=0}^{n}{}_n\mathrm{C}_r\,a^{n-r}b^r

一般項 nCr an−rbr{}_n\mathrm{C}_r\,a^{n-r}b^r(r+1r+1 番目の項)

この公式のポイント

  • (a+b)n(a+b)^n の an−rbra^{n-r}b^r の係数は nCr{}_n\mathrm{C}_r
  • 本質:nn 個の括弧のどこから bb を選ぶかの組合せの数
  • 係数はパスカルの三角形:nCr=n−1Cr−1+n−1Cr{}_n\mathrm{C}_r={}_{n-1}\mathrm{C}_{r-1}+{}_{n-1}\mathrm{C}_r
  • a=b=1a=b=1 を入れると二項係数の和は 2n2^n
うかるくん

うかるくん

展開した項の係数に、なんで nCr{}_n\mathrm{C}_r が出てくるの?

合格先生

合格先生

nn 個の括弧のうち、どの rr 個から bb を選ぶかの数だ。選び方の数がそのまま係数になるぞ。

二項定理

二項定理

(a+b)n=nC0an+nC1an−1b+nC2an−2b2+⋯+nCnbn=∑r=0nnCr an−rbr(a+b)^n={}_n\mathrm{C}_0a^n+{}_n\mathrm{C}_1a^{n-1}b+{}_n\mathrm{C}_2a^{n-2}b^2+\cdots+{}_n\mathrm{C}_nb^n=\sum_{r=0}^{n}{}_n\mathrm{C}_r\,a^{n-r}b^r

一般項(r+1r+1 番目の項)は nCr an−rbr{}_n\mathrm{C}_r\,a^{n-r}b^r。係数 nCr{}_n\mathrm{C}_r を二項係数といいます。

nn(a+b)n(a+b)^n の展開
22a2+2ab+b2a^2+2ab+b^2
33a3+3a2b+3ab2+b3a^3+3a^2b+3ab^2+b^3
44a4+4a3b+6a2b2+4ab3+b4a^4+4a^3b+6a^2b^2+4ab^3+b^4
55a5+5a4b+10a3b2+10a2b3+5ab4+b5a^5+5a^4b+10a^3b^2+10a^2b^3+5ab^4+b^5

係数を並べると パスカルの三角形(1/1 1/1 2 1/1 3 3 1/1 4 6 4 1/…)になります。

証明:どの括弧から b を選ぶかを数える(本質)

(a+b)n(a+b)^n は、(a+b)(a+b) を nn 個かけたものです。

(a+b)n=(a+b)(a+b)⋯(a+b)⏟n 個(a+b)^n=\underbrace{(a+b)(a+b)\cdots(a+b)}_{n\ \text{個}}

展開するとは、nn 個の括弧のそれぞれから aa か bb のどちらか1つを選んでかけ、その結果をすべて足すことです。

  • an−rbra^{n-r}b^r という項ができるのは、nn 個の括弧のうち rr 個から bb、残り n−rn-r 個から aa を選んだとき。
  • bb を選ぶ rr 個の括弧の選び方は、nn 個から rr 個を選ぶ組合せで nCr{}_n\mathrm{C}_r 通り。

だから an−rbra^{n-r}b^r の係数は nCr{}_n\mathrm{C}_r です。たとえば (a+b)3(a+b)^3 の a2ba^2b は、「bb を1つ目から選ぶ」「2つ目から」「3つ目から」の3通り(3C1=3{}_3\mathrm{C}_1=3)できるので係数が3になります。

1つ目の(a+b)2つ目の(a+b)3つ目の(a+b)①baa→ a²b②aba→ a²b③aab→ a²bb を選ぶ括弧の選び方 ₃C₁=3通り → 係数3
(a+b)3(a+b)^3 の展開で a2ba^2b になるのは、3つの括弧のどれか1つから bb を選ぶとき。選び方は 3C1=3{}_3\mathrm{C}_1=3 通り

パスカルの三角形になる理由

(a+b)n=(a+b)n−1(a+b)(a+b)^{n}=(a+b)^{n-1}(a+b) と考えると、an−rbra^{n-r}b^r は「(a+b)n−1(a+b)^{n-1} の an−rbr−1a^{n-r}b^{r-1} に bb をかける」か「an−1−rbra^{n-1-r}b^r に aa をかける」の2通りでできます。だから

nCr=n−1Cr−1+n−1Cr{}_n\mathrm{C}_r={}_{n-1}\mathrm{C}_{r-1}+{}_{n-1}\mathrm{C}_r

これが「上の2つを足すと下の数」というパスカルの三角形の規則です。

n=01n=111n=2121n=31331n=414641n=515101051n=61615201561(a+b)⁵4+6=10 つまり ₅C₂=₄C₁+₄C₂
パスカルの三角形。上の2つを足すと下の数になり(4+6=104+6=10)、n=5n=5 の段が (a+b)5(a+b)^5 の係数 1, 5, 10, 10, 5, 11,\ 5,\ 10,\ 10,\ 5,\ 1

二項係数の性質

二項定理に a=b=1a=b=1 を入れると、二項係数の和が分かります。

nC0+nC1+⋯+nCn=2n{}_n\mathrm{C}_0+{}_n\mathrm{C}_1+\cdots+{}_n\mathrm{C}_n=2^n

(nn 個のものから「いくつか選ぶ」選び方の総数は、1つずつ「選ぶ・選ばない」の 2n2^n 通り、とも説明できます。)a=1, b=−1a=1,\ b=-1 を入れると nC0−nC1+nC2−⋯=0{}_n\mathrm{C}_0-{}_n\mathrm{C}_1+{}_n\mathrm{C}_2-\cdots=0。

大学受験(数学Ⅱ)での使い方

大学受験

例題1(係数)

(2x−3)5(2x-3)^5 の展開式における x3x^3 の係数を求めなさい。

解き方

一般項は 5Cr(2x)5−r(−3)r{}_5\mathrm{C}_r(2x)^{5-r}(-3)^r。x3x^3 になるのは r=2r=2。

5C2⋅23⋅(−3)2=10⋅8⋅9=720{}_5\mathrm{C}_2\cdot2^3\cdot(-3)^2=10\cdot8\cdot9=720。

答え 720720

大学受験

例題2(定数項)

(x2+1x)6\left(x^2+\dfrac{1}{x}\right)^6 の展開式の定数項を求めなさい。

解き方

一般項は 6Cr(x2)6−r(1x)r=6Cr x12−3r{}_6\mathrm{C}_r(x^2)^{6-r}\left(\dfrac1x\right)^r={}_6\mathrm{C}_r\,x^{12-3r}。

12−3r=012-3r=0 より r=4r=4。6C4=15{}_6\mathrm{C}_4=15。

答え 1515

大学受験

例題3(余りの問題)

111011^{10} を 100100 で割った余りを求めなさい。

解き方

1110=(1+10)10=1+10C1⋅10+10C2⋅102+⋯11^{10}=(1+10)^{10}=1+{}_{10}\mathrm{C}_1\cdot10+{}_{10}\mathrm{C}_2\cdot10^2+\cdots。

3項目以降は 100100 の倍数なので、余りは 1+10⋅10=1011+10\cdot10=101 を100で割った余りの 11。

答え 11

よくある間違い

腕でバツを作る合格先生

合格先生

(2x)3(2x)^3 を 2x32x^3 としてはいけない。係数の2も3乗して 8x38x^3 だ。

  • 係数の中の数も累乗する:(2x)3=8x3(2x)^3=8x^3。2を3乗し忘れない。
  • 負の数の符号:(−3)r(-3)^r の符号は rr の偶奇で変わる。
  • 何番目の項か:nCr{}_n\mathrm{C}_r の項は r+1r+1 番目(rr は0から始まる)。

練習問題

ひらめいたサクラちゃん

サクラちゃん

パスカルの三角形を書けば、係数がすぐ分かるね。

  1. 大学受験 (x+2)4(x+2)^4 を展開しなさい。
    答えと解説を見るx4+4⋅2x3+6⋅4x2+4⋅8x+16=x4+8x3+24x2+32x+16x^4+4\cdot2x^3+6\cdot4x^2+4\cdot8x+16=x^4+8x^3+24x^2+32x+16
  2. 大学受験 (a+b)7(a+b)^7 の展開式の a3b4a^3b^4 の係数を求めなさい。
    答えと解説を見る7C4=35{}_7\mathrm{C}_4=35。答え 3535
  3. 大学受験 8C0+8C1+⋯+8C8{}_8\mathrm{C}_0+{}_8\mathrm{C}_1+\cdots+{}_8\mathrm{C}_8 を求めなさい。
    答えと解説を見る28=2562^8=256。答え 256256

関連する公式

よくある質問

二項定理とは?

(a+b)ⁿ を展開したときの各項の係数が組合せの数 nCr になるという定理で、(a+b)ⁿ=Σ nCr a^(n−r) b^r と表します。

二項定理はどう証明しますか?

(a+b)ⁿ は (a+b) を n 個かけたもので、a^(n−r)b^r の項は n 個の括弧のうち r 個から b を選ぶとできます。その選び方が nCr 通りなので、係数は nCr です。

二項係数の和は?

nC0+nC1+…+nCn=2ⁿ です。二項定理で a=b=1 とすると得られます。

二項定理は何年生で習いますか?

高校の数学Ⅱ「式と証明」で習います。

あわせて読みたい

出典・参考

  • 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)」数学Ⅱ(式と証明)

最終更新:2026年10月11日/作成:大学受験合格大作戦