確率の基本の公式と余事象|1−P(A)の証明・「少なくとも」の解き方・和事象・反復試行の例題【高校受験〜大学受験】

確率の基本の公式と余事象|1−P(A)の証明・「少なくとも」の解き方・和事象・反復試行の例題【高校受験〜大学受験】

合格大作戦 算数・数学公式辞典 › 場合の数・確率

高校受験大学受験

P(A‾)=1−P(A)P(\overline{A})=1-P(A)

P(A)=A が起こる場合の数すべての場合の数P(A)=\dfrac{\text{A が起こる場合の数}}{\text{すべての場合の数}}

この公式のポイント

  • 確率=A が起こる場合の数 ÷ すべての場合の数(同様に確からしいとき)
  • 区別のつかないものも区別して数える(和7は 636\frac{6}{36})
  • 「少なくとも」は余事象:1−P(1回も起こらない)1-P(\text{1回も起こらない})
  • 和事象は重なりを引く:P(A)+P(B)−P(A∩B)P(A)+P(B)-P(A\cap B)
うかるくん

うかるくん

「少なくとも1回」の確率って、どう数えればいいの?

合格先生

合格先生

余事象を使おう。1から「1回も起こらない確率」を引けば、すぐに出るぞ。

確率の基本の公式

確率の定義(同様に確からしいとき)

P(A)=A が起こる場合の数起こりうるすべての場合の数P(A)=\frac{\text{A が起こる場合の数}}{\text{起こりうるすべての場合の数}}

0≤P(A)≤10\le P(A)\le1。必ず起こることの確率は1、決して起こらないことの確率は0。

公式内容
余事象P(A‾)=1−P(A)P(\overline{A})=1-P(A)(A が起こらない確率)
和事象(排反)A と B が同時に起こらないとき P(A∪B)=P(A)+P(B)P(A\cup B)=P(A)+P(B)
和事象(一般)P(A∪B)=P(A)+P(B)−P(A∩B)P(A\cup B)=P(A)+P(B)-P(A\cap B)
独立な試行P(A かつ B)=P(A)×P(B)P(A\text{ かつ }B)=P(A)\times P(B)
反復試行nn 回中 rr 回起こる確率 nCrpr(1−p)n−r{}_n\mathrm{C}_rp^r(1-p)^{n-r}

「同様に確からしい」が大前提

112345672234567833456789445678910556789101166789101112
2つのさいころの目の出方は 6×6=36 通りで、どれも同じくらい起こりやすい

確率の公式が使えるのは、それぞれの場合が同じくらい起こりやすい(同様に確からしい)ときです。2つのさいころの和は2〜12の11通りですが、この11通りは同様に確からしくありません(和7は6通り、和2は1通り)。だから「和が7の確率は 111\dfrac{1}{11}」は間違いで、正しくは 636=16\dfrac{6}{36}=\dfrac16。区別のつかないものも区別して数えるのがコツです。

余事象の公式の証明と使い方

全体の場合の数を NN、A が起こる場合の数を aa とすると、A が起こらない場合の数は N−aN-a。よって

P(A‾)=N−aN=1−aN=1−P(A)P(\overline A)=\frac{N-a}{N}=1-\frac aN=1-P(A)

「少なくとも1回」「〜でない」という問題は、直接数えると場合分けが多くなります。反対の「1回も起こらない」を数えて1から引くと、ずっと簡単です。

和事象の公式の証明

A と B の場合の数を足すと、両方に入っている部分(A∩BA\cap B)を2回数えてしまいます。だから1回分を引きます:n(A∪B)=n(A)+n(B)−n(A∩B)n(A\cup B)=n(A)+n(B)-n(A\cap B)。全体の数で割ると確率の公式になります。

高校受験(中学2年)での使い方

確率は中学2年で学びます。高校入試では、さいころ2つ、カード、くじ引き、玉の取り出しが定番で、表や樹形図で全部を書き出すのが確実です。

高校受験

例題1(さいころ2つ)

2つのさいころを同時に投げるとき、出る目の和が 7 になる確率を求めなさい。

解き方

全部で 3636 通り。和が7は (1,6),(2,5),(3,4),(4,3),(5,2),(6,1)(1,6),(2,5),(3,4),(4,3),(5,2),(6,1) の 66 通り。

636=16\dfrac{6}{36}=\dfrac16。

答え 16\dfrac16

高校受験

例題2(余事象)

2つのさいころを投げるとき、少なくとも一方が 6 の目になる確率を求めなさい。

解き方

どちらも6でないのは 5×5=255\times5=25 通り。

1−2536=11361-\dfrac{25}{36}=\dfrac{11}{36}。

答え 1136\dfrac{11}{36}

11○22○33○44○55○66○○○○○○横:1つ目 たて:2つ目少なくとも一方が6:11通りどちらも6でない5×5=25通り1−25/36=11/36
例題2:少なくとも一方が6(橙)を直接数えるより、どちらも6でない 5×5=255\times5=25 通り(青)を数えて 3636 から引くほうが速い

大学受験(数学A)での使い方

大学受験

例題3(反復試行)

1個のさいころを4回投げるとき、1の目がちょうど2回出る確率を求めなさい。

解き方

4C2(16)2(56)2=6⋅136⋅2536=25216{}_4\mathrm{C}_2\left(\dfrac16\right)^2\left(\dfrac56\right)^2=6\cdot\dfrac{1}{36}\cdot\dfrac{25}{36}=\dfrac{25}{216}。

答え 25216\dfrac{25}{216}

大学受験

例題4(余事象)

1個のさいころを nn 回投げるとき、少なくとも1回1の目が出る確率が 12\dfrac12 をこえる最小の nn を求めなさい。

解き方

1回も1が出ない確率は (56)n\left(\dfrac56\right)^n。1−(56)n>121-\left(\dfrac56\right)^n>\dfrac12、つまり (56)n<12\left(\dfrac56\right)^n<\dfrac12。

n=3n=3:125216≒0.579\dfrac{125}{216}\fallingdotseq0.579、n=4n=4:6251296≒0.482\dfrac{625}{1296}\fallingdotseq0.482。

答え n=4n=4

よくある間違い

腕でバツを作る合格先生

合格先生

区別のつかないさいころを、そのまま数えるのは×だ。区別して数えないと、同様に確からしくならないぞ。

  • 同様に確からしくない場合を数える:区別のつかないさいころ・玉も、区別して数える。
  • 「少なくとも」を直接足して重複させる:余事象を使う。
  • 独立でないのにかける:取り出した玉をもどさないときは、2回目の確率が変わる(条件付き確率)。

練習問題

○の札を持つうかるくん

うかるくん

区別して数えれば、和7は 636\frac{6}{36} だね!

  1. 高校受験 赤玉3個、白玉2個の袋から同時に2個取り出すとき、2個とも赤玉である確率を求めなさい。
    答えと解説を見る全部 5C2=10{}_5\mathrm{C}_2=10 通り、赤2個は 3C2=3{}_3\mathrm{C}_2=3 通り。答え 310\dfrac{3}{10}
  2. 高校受験 硬貨を3枚投げるとき、少なくとも1枚表が出る確率を求めなさい。
    答えと解説を見る全部裏は 18\dfrac18。1−18=781-\dfrac18=\dfrac78。答え 78\dfrac78
  3. 大学受験 1から100までの整数から1つ選ぶとき、2の倍数または3の倍数である確率を求めなさい。
    答えと解説を見る2の倍数50、3の倍数33、6の倍数16。50+33−16=6750+33-16=67。答え 67100\dfrac{67}{100}

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よくある質問

確率の基本の公式は?

A が起こる確率は、A が起こる場合の数をすべての場合の数で割ったものです。ただし、それぞれの場合が同様に確からしいことが条件です。

余事象とは?

A が起こらないという事象のことで、その確率は 1−P(A) です。「少なくとも1回」の問題で使うと計算が簡単になります。

なぜさいころ2つの和が7の確率は1/11ではないのですか?

和の2〜12の11通りは同じくらい起こりやすくないからです。目の出方36通りで数えると、和7は6通りなので1/6です。

反復試行の確率の公式は?

1回で起こる確率が p の試行を n 回くり返すとき、ちょうど r 回起こる確率は nCr pʳ(1−p)ⁿ⁻ʳ です。

確率は何年生で習いますか?

中学2年で確率の基本、高校の数学Aで余事象・反復試行・条件付き確率などを学びます。

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出典・参考

  • 文部科学省「中学校学習指導要領(平成29年告示)」数学 第2学年(確率)
  • 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)」数学A(場合の数と確率)

最終更新:2026年10月11日/作成:大学受験合格大作戦