モンティ・ホール問題をわかりやすく|変えると確率2/3になる理由を数え上げ・条件付き確率・ベイズの定理で証明(カード版)

この記事の結論

  • 答え:Aのままなら1/3、Bに変えると2/3。選び直したほうが当たる確率は2倍
  • 理由:司会者は×のカードを知っていて、必ず×をめくる。この「情報」が、選ばなかった側に確率を集める
  • ただし司会者が知らずに偶然×をめくった場合は、AもBも1/2になる。条件で答えが変わるのがポイント

以下は、有名なモンティ・ホール問題をカードの問題にしたものです。まずは自分で考えてみてください。記事の後半で、答えを数え上げ・条件付き確率・ベイズの定理の3つの方法で証明します。

確率は変わる!?モンティ・ホール問題

確率は変わる!?モンティ・ホール問題

ABCの3枚のカードがあります。裏面に〇が描かれたカードが1枚、残りの2枚のカードには×が描かれています。

ここで〇のカードを当てるゲームをします。

 

あなたはAのカードを選びました。(この時点であなたが〇を引き当てる確率は1/3です)

ここで私がCのカードをひっくり返してしまい、裏面が×であることがわかってしまいました。

 

今なら、あなたはカードを選びなおすことができます。Aのカードを選んだままでもいいですし、Bのカードに変更してもいいです。

さて、あなたはどうしますか? この時点での

Aのカードの裏面に〇が描かれている確率

Bのカードの裏面に〇が描かれている確率

をそれぞれ考えてみましょう!

解答・解説

Aのカードの裏面に〇が描かれている確率は1/3のまま

Bのカードの裏面に〇が描かれている確率は2/3になる

当初、ABCのカードの裏面に〇が描かれている確率はそれぞれ1/3でした。Cのカードの裏面が×であることが分かったので、裏面に〇が描かれているのはAかBのカードになります。

Cのカードの可能性が消えた今、Aのカード、Bのカードの裏面に〇が描かれている確率はそれぞれ1/2に変化したと考えていいのでしょうか?

もし1/2のままなら、Aのカードから変更する必要はありませんが、Aのカードの確率が1/3のままでBのカードの確率が2/3になっているのであればカードの選択をBに変更することで確率は2倍になります。

カード3枚で考えるとわかりにくいですが、カード10枚、100枚、1000枚で考えるとわかりやすいかもしれません。

仮にカードが1000枚あり、1枚だけ〇が描かれたカードを当てるゲームをするとします。

あなたはAのカードを選びました。この段階であなたが〇を引き当てる確率は1/1000です。

残りの999枚のカードの中に〇が入っている確率は999/1000です。

 

ここで私が999枚のカードのうち998をひっくり返しすべて×だったとしましょう。

残りのカードはあなたが選んだAのカードか、私が残した1枚のカードの2択です。

さあ、あなたならどっちのカードを選びますか?

(有名なモンティ・ホール問題をカードの問題にしてみました。)

答え:Bに変えると確率は2/3

答えは、Aのカードの裏が○の確率は1/3のまま、Bのカードは2/3です。Bに変えたほうが当たる確率は2倍になります。カードを1000枚にした場合も、答えは同じ考え方で、Aは1/1000のまま、残した1枚は999/1000。迷わず選び直すべきです。

ここからは、なぜそうなるのかを3つの方法で確かめます。

証明1:すべての場合を数え上げる

あなたはAを選んでいます。○の場所はA・B・Cのどれも1/3ずつ。司会者(私)は○の場所を知っていて、あなたが選んでいない×のカードをめくります。○がAのときは、BとCのどちらも×なので、1/2ずつの確率でどちらかをめくります。

あなたはA 1/31/31/3 ○はA ○はB ○はC 1/21/2 1 1 Bをめくる → 1/6 Cをめくる → 1/6 Cをめくる → 1/3 Bをめくる → 1/3 CがめくられたときA:B = 1/6:1/3 = 1:2
モンティ・ホール問題の樹形図(あなたはA)
○の場所 司会者がめくる その確率 Aのまま Bに変える
A B 1/6 当たり (Cがめくられない)
A C 1/6 当たり はずれ
B C 1/3 はずれ 当たり
C B 1/3 はずれ (Cがめくられない)

問題ではCがめくられたので、表のうち「Cをめくる」の2行だけを見ます。○がAの場合は1/6、○がBの場合は1/3。比べると 1/6:1/3 = 1:2 なので、Aが○の確率は1/3、Bが○の確率は2/3です。

証明2:条件付き確率(ベイズの定理)

「Cがめくられた」という条件のもとで、Aが○である確率を求めます。

P(Cをめくる) = 1/3×1/2 + 1/3×1 + 1/3×0 = 1/2

P(Aが○ | Cをめくった) = P(Aが○ かつ Cをめくる) ÷ P(Cをめくる)
= (1/3×1/2) ÷ 1/2 = 1/3

P(Bが○ | Cをめくった) = (1/3×1) ÷ 1/2 = 2/3

これがベイズの定理を使った計算です。新しい情報(Cがめくられた)を手に入れたとき、確率がどう更新されるかを正確に計算できます。高校では数学Aの条件付き確率で学ぶ考え方です。

証明3:枚数を増やすと直感でわかる

カードの枚数 最初に選んだ1枚 司会者が残した1枚
3枚 1/3 2/3
10枚 1/10 9/10
100枚 1/100 99/100
1000枚 1/1000 999/1000

1000枚から1枚を選んだとき、それが○である確率は1/1000。○は、ほぼ確実に残りの999枚の中にあります。司会者は○の場所を知ったうえで、999枚のうち998枚の×をめくり、1枚だけを残します。つまり残された1枚は、「残り999枚の代表」です。こう考えると、選び直したほうがよいことが直感的にわかります。

要注意:司会者が「知らずに」めくった場合は1/2

同じ「Cをめくったら×だった」でも、司会者が○の場所を知らずに、BかCを1/2ずつの確率で偶然めくった場合は、答えが変わります。

○の場所 Cをめくって×が出る確率
A 1/3×1/2 = 1/6
B 1/3×1/2 = 1/6
C 0(めくると○が出てしまう)

AとBが 1/6:1/6 = 1:1 なので、どちらも1/2です。この場合は選び直しても確率は変わりません。モンティ・ホール問題で2/3になるのは、司会者が答えを知っていて、必ず×をめくるというルールがあるからなのです。

1万回やってみた(プログラムで実験)

作戦 当たった回数 当たった割合 理論値
最初のまま 3284 32.8% 1/3(約33.3%)
選び直す 6716 67.2% 2/3(約66.7%)

乱数を使って1万回くり返すと、選び直す作戦のほうがおよそ2倍当たり、理論どおりの結果になりました(乱数の種を固定したプログラムで計算)。

そっくりな「3囚人問題」

モンティ・ホール問題と数学的に同じ構造の問題に、3囚人問題があります。アメリカの数学ライター、マーティン・ガードナーが1959年に雑誌のコラムで紹介しました。

A・B・Cの3人の囚人のうち、1人だけが恩赦される。Aは看守に「BとCのうち、恩赦されない1人を教えて」と頼み、看守は「Bは恩赦されない」と答えた。Aが恩赦される確率は?

看守は答えを知っていて、必ず恩赦されない人の名前を言います。モンティ・ホール問題と同じように計算すると、Aは1/3のまま、Cが2/3になります。

モンティ・ホール問題の名前と歴史

  • 名前は、アメリカのテレビ番組「Let's Make a Deal」の司会者モンティ・ホールから。番組では3つの扉のうち1つの奥に車(当たり)、2つの奥にヤギ(はずれ)がある、という形で語られます。
  • 1975年、統計学者のスティーブ・セルビンが専門誌への投書でこの問題を紹介しました。
  • 1990年、アメリカの雑誌のコラムでマリリン・ボス・サバントが「選び直すべき」と答えたところ、多くの読者から反論の手紙が届き、大きな論争になりました。正しかったのは彼女のほうです。

受験に生かすポイント

  • 確率の問題では、「誰が何を知っていて、どんなルールで行動したか」を正確に読み取る。
  • 迷ったら、樹形図や表ですべての場合を書き出す。
  • 「残った2つだから1/2」という直感はまちがえやすい。条件付き確率の式で確かめる。

よくある質問

モンティ・ホール問題の答えは?

選び直したほうがよく、当たる確率は最初のままなら1/3、選び直すと2/3です。

なぜ1/2ではないのですか?

司会者は○の場所を知っていて、必ず×をめくるからです。最初に選んだカードが当たりの確率1/3は変わらず、残りの2/3が選ばなかったもう1枚に集まります。

司会者が知らずにめくった場合はどうなりますか?

偶然×が出た場合は、最初に選んだカードも残りのカードも当たる確率は1/2ずつになります。

モンティ・ホール問題は高校数学のどこで習いますか?

数学Aの「場合の数と確率」の条件付き確率で考えることができます。

3囚人問題とは何ですか?

3人の囚人のうち1人だけが恩赦される状況で、看守の情報によって確率がどう変わるかを考える問題です。モンティ・ホール問題と数学的に同じ構造をしています。

モンティ・ホール問題の名前の由来は?

アメリカのテレビ番組「Let's Make a Deal」の司会者モンティ・ホールの名前からつけられました。

あわせて読みたい

出典・参考

  • 確率の計算と1万回の実験は、当サイトのプログラムで計算しています
  • Steve Selvin, letters to the editor, The American Statistician (1975)
  • Martin Gardner, "Mathematical Games", Scientific American (1959)(3囚人問題)

最終更新:2026年10月8日/作成:大学受験合格大作戦

この記事に出てくる公式(算数・数学公式辞典)

意味・証明・覚え方・例題は算数・数学公式辞典の公式一覧で。

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