この記事の結論
- 政治・経済を2か月で仕上げるなら、講義の本で全体像 → 点の取り方の本 → 問題集 → 過去問・赤本の順に、1冊ずつ終わらせるのが近道です。元の記事の3冊(爽快講義・点数が面白いほどとれる本・スピードマスター)は、この順番の考え方として今も使えます。
- 今の大学入学共通テスト(共通テスト、旧センター試験)では、政治・経済は『公共,政治・経済』(100点・60分)で受けます。2025年1月の試験から、高校で全員が学ぶ「公共」と合わせた科目になりました。
この記事は、2012年12月に「2か月でセンター試験8割、MARCH・関関同立レベルを突破する政治・経済のお勧め参考書・問題集」として書いたものを、今の共通テストに合わせて書き直したものです。当時すすめた本と順番はそのまま残し、今の科目の形・2か月の計画・政経の覚え方を図で足しました。
政治・経済の参考書は誰向け?はじめての人・乗り換え組へ
この記事でおすすめするのは、次のような人です。
- はじめて政経を勉強する人(学校で政治・経済の授業を取っていない、または授業がまだ進んでいない人)
- 日本史・世界史などから、急に「政治・経済」に変更する人
- 共通テストで8割をめざし、私立大学のMARCH(明治・青山学院・立教・中央・法政)や関関同立(関西・関西学院・同志社・立命館)レベルの政経にも対応したい人
日本史や世界史は、何千年分の流れと人名・年号を覚える必要があります。政治・経済は、今の社会のしくみ(憲法・国会・選挙・お金の流れ・貿易など)を学ぶ科目なので、覚える量が比較的少なく、ニュースとつながりやすいのが特ちょうです。そのため、受験の直前に社会の科目を変える人がよく選びます。私が指導してきた受験生にも、秋に歴史から政経へ変えて間に合わせた人がいました。
大学群の呼び名について、くわしくは「関関同立とMARCH」もどうぞ。関関同立を目指す人は、受験生にたずねた「関関同立すべてに合格したらどこに進学しますか?」も参考になります。
共通テスト「公共,政治・経済」とは:2012年当時との違い
2012年当時のセンター試験の公民は、「現代社会」「倫理」「政治・経済」「倫理,政治・経済」から選ぶ形でした。センター試験は2020年1月で終わり、2021年1月から大学入学共通テストになりました。さらに2025年1月の共通テストからは、新しい学習指導要領(新課程)の科目で出題されています。
今の高校では、公共を全員が学び(必履修科目)、もっと深く学びたい人が政治・経済を選んで学びます。共通テストの『公共,政治・経済』は、この2つを合わせた範囲から出題されます。つまり、昔の「政治・経済」の勉強に、公共の内容(法やきまり、契約、政治への参加など)が少し加わったイメージです。
2027年(令和9年度)共通テストの地理歴史・公民
| 出題科目 | 政経とのかかわり | 試験時間(配点) |
|---|---|---|
| 『公共,政治・経済』 | 公共+政治・経済 | 60分(100点) |
| 『公共,倫理』 | 公共+倫理(政経は出ない) | 60分(100点) |
| 『地理総合/歴史総合/公共』 | 3つから2つを選び各50点。公共を選べば公共の部分が50点 | 60分(100点) |
| (参考)2科目を受ける場合 | 6科目から最大2科目 | 130分(うち解答120分)(200点) |
地理歴史・公民は、『地理総合,地理探究』『歴史総合,日本史探究』『歴史総合,世界史探究』『公共,倫理』『公共,政治・経済』『地理総合/歴史総合/公共』の6科目から最大2科目を選びます。受ける科目の数は出願のときに申し出ます。
2科目を受ける人は、組み合わせのきまりに気をつけましょう。『公共,倫理』と『公共,政治・経済』は、同じ「公共」をふくむので組み合わせられません。『地理総合/歴史総合/公共』と組み合わせるときは、後者では「地理総合と歴史総合」を選びます(同じ名前を重ねて選べないきまり)。
試験は1日目(2027年1月16日・土)の朝です。2科目受ける人は9:30〜11:40、1科目の人は10:40〜11:40。時間割の全体は「2027年 共通テストの時間割」、本番までの日数は「2027年 共通テストのカウントダウン」で確かめてください。
うかるくん
日本史が間に合いそうにないので、政経に変えたいです。でも、本当に変えていいのか不安で…。
合格先生
まず志望大学の募集要項を確かめること。国公立大学の中には、地理歴史・公民で使える科目を指定している所があるんだ。私立大学も、政治・経済で受けられる学部かどうかを見よう。全部の志望校で政経が使えると分かってから変えれば安心だよ。
うかるくん
先に募集要項ですね!併願校も全部チェックします。
政治・経済のおすすめ参考書・問題集(2か月で8割をめざす3冊)
2012年に紹介した本は、次の3冊です。この3冊を徹底的に理解しましょう。どれも「短い期間で、点数につながる所から覚える」ことを重視した本です。本の版は年によって変わるので、買う前に今の科目(『公共,政治・経済』・新課程)に対応した版かを確かめてください。
1冊目:はじめの導入解説書『畠山のスパッとわかる政治・経済爽快講義』
はじめの導入解説書としておすすめしたのが『畠山のスパッとわかる政治・経済爽快講義』(大学合格ドリームチーム選書)です。先生の講義を読む形の本で、政治と経済の全体の流れを話し言葉でつかめます。政経が初めての人は、細かい用語を覚えようとせず、まず最後まで読み切ることを目標にしましょう。
読むときのコツは、「なぜそのしくみがあるのか」に線を引くことです。たとえば「なぜ国会は二院制なのか」「なぜ日本銀行は金利を動かすのか」。理由が分かると、用語が自然に頭に残ります。
2冊目:共通テスト対策の中心『政治・経済の点数が面白いほどとれる本』
大学入試センター試験対策としておすすめしたのが『決定版 センター試験 政治・経済の点数が面白いほどとれる本』です。当時から「私大対策にもなります」と書いてきました。マーク式の試験で、どこが問われやすいかが分かる本です。今は共通テストに合わせた版が出ているかを確かめて選んでください(今の版を探す)。
1冊目で全体像をつかんでいるので、2冊目では「試験に出る形」で知識を整理します。1単元を読んだら、すぐに章末の問題やまとめで確かめる、のくり返しです。
3冊目:上記2冊を終わらせた後にやる『20日完成スピードマスター政治・経済問題集』
上記2冊を終わらせた後にやる問題集が『20日完成スピードマスター政治・経済問題集』です。短い問題が分野ごとに並んでいて、知識の抜けを見つけるのに向いています。まちがえた問題には印をつけ、2冊目の本の該当ページにもどって読み直しましょう。2012年当時は新課程用の版をすすめました。今の課程に合った版を選んでください。
時間の無い人は、このあと過去問・赤本へ
時間の無い人はこの後、「共通テスト(センター試験)の過去問題」や志望校の赤本を解いていきましょう。共通テストの過去問は、まず新課程の『公共,政治・経済』(2025年1月から)の本試験・追試験から。古いセンター試験の「政治・経済」の過去問も、政治・経済の部分の練習にはなります。過去問の使い方は「センター試験の過去問は共通テストに使える?」、無料で過去問を手に入れる方法は「大学の過去問を無料で手に入れる方法」にまとめています。
余力のある人・高2生は『政治・経済標準問題精講』も
時間に余力のある人や政経でしっかりと点数を取りたい人は、『政治・経済標準問題精講』もやっておきましょう。2か月短期習得をめざさない高校2年生などは、絶対にやっておきましょう。私立大学の難しい問題や、論述・正誤問題の細かい知識まで対応できる力がつきます。
| 順番 | 本(書名) | 役割 | 2か月の目安 |
|---|---|---|---|
| 1 | 畠山のスパッとわかる政治・経済爽快講義 | 講義で全体像をつかむ | 1〜2週目 |
| 2 | 政治・経済の点数が面白いほどとれる本 | マーク式の点の取り方 | 2〜4週目 |
| 3 | 20日完成スピードマスター政治・経済問題集 | 問題演習で抜けを見つける | 4〜6週目 |
| 4 | 共通テストの過去問・志望校の赤本 | 本番の形で仕上げる | 6〜8週目 |
| + | 政治・経済標準問題精講 | 私大の難問・高2生の土台 | 余力があれば |
本の版や中身は年によって変わります。書名は2012年当時に紹介したものです。買う前に、今の『公共,政治・経済』(新課程)に対応しているかを書店や出版社の案内で確かめてください。
政経を2か月で仕上げる計画:8週間カレンダー
2か月は約8週間です。3冊と過去問を、次のように割りふりましょう。大切なのは、1冊を終わらせてから次の本へ進むことです。何冊も同時に開くと、どれも中途半端になります。
- 1〜2週目:爽快講義を最後まで読む。分からない所があっても止まらず、印だけつけて先へ。
- 2〜4週目:点数が面白いほどとれる本で、出題の形に合わせて知識を整理。
- 4〜6週目:スピードマスターで問題演習。まちがえた所は本にもどる。
- 6〜8週目:共通テストの過去問を時間を計って解き、私立大学を受ける人は志望校の赤本へ。
- 8週間ずっと:まちがえた問題を「まちがいノート」にまとめ、寝る前に見直す。
2027年の共通テストは1月16日です。この記事を書き直した10月下旬からなら約3か月あるので、2か月コースに少し余裕をもたせて進められます。11月中旬から始めても2か月とれます。最後の1か月の総仕上げは「共通テストまでにやっておきたい10のこと」、教科ごとの仕上げ方は「センター試験対策仕上げ」を合わせて読んでください。

合格先生
短期で仕上げるときほど「本を増やさない」のが大事。不安になって新しい本を買うより、3冊のまちがえた所を2回、3回とやり直すほうが、確実に点が上がるよ。
政治・経済の勉強法:覚え方のコツ
政経は大きく「政治」と「経済」に分かれ、その土台に「公共」があります。今どの分野を勉強しているかを、地図のように意識すると覚えやすくなります。
政治分野:しくみを図にして覚える
政治分野は、日本国憲法と人権、国会・内閣・裁判所の三権分立、選挙と政党、国際政治(国際連合など)が中心です。三権分立は「衆議院は内閣不信任決議ができる」「内閣は衆議院の解散ができる」「裁判所は違憲審査ができる」のように、矢印でつないだ図を自分で書いて覚えましょう。文字だけで覚えるより、ずっと忘れにくくなります。
選挙権の年れいが18歳以上になったこと、成年年齢が18歳になったことなど、身近な制度の変化もよく話題になります。自分にかかわる話として読むと、知識が残りやすくなります。
経済分野:グラフで考える
経済分野でつまずきやすいのが、需要曲線と供給曲線のグラフです。でも、ルールは少ししかありません。
「買いたい人が増えると、需要曲線が右へ動き、価格が上がる」。この動きを自分で書けるようになれば、グラフの問題はぐっと解きやすくなります。財政(税金と国の支出)、金融(お金の貸し借りと日本銀行)、為替(円高・円安)も、「だれからだれへお金が動くか」を矢印で書くのがコツです。グラフや式の考え方は、数学の関数の考え方ともつながっています。数学の公式を確かめたい人は「算数・数学公式辞典」もどうぞ。
時事問題:ニュースを「教科書の言葉」で言いかえる
政経では、最近の出来事をもとにした問題も出ます。ニュースを見たら、「これは教科書のどの単元の話か」を考えるくせをつけましょう。たとえば物価の話なら「インフレーション」、選挙の話なら「選挙制度」の単元です。教科書の言葉で言いかえられれば、それは試験で使える知識になります。
サクラちゃん
経済のグラフがどうしても苦手です…。暗記だけで何とかなりませんか?
合格先生
グラフは覚えるより、自分で書くほうが早いんだ。紙に縦軸(価格)と横軸(数量)を書いて、右下がりの線と右上がりの線を引く。そこで「買いたい人が増えたら?」と線を動かしてみる。1日1回、5分でいい。1週間で手が覚えるよ。
サクラちゃん
書いて動かす、ですね!それなら英単語の合間にもできそう。
政経で共通テスト8割をとるには
元の記事では、この3冊は「センター試験で8割とるための必要参考書であるが、これだけで十分ではない」と書きました。今の共通テストも同じです。8割に届くかどうかは、次の3つで決まります。
- 用語を「説明」できる:用語名を覚えるだけでなく、「それは何のためのしくみか」を一言で言えるか。
- 資料を読める:共通テストでは、表やグラフ、会話文を読んで答える問題がふえました。数字の単位や、何と何をくらべている資料かを先に確かめます。
- 時間内に解き切る:60分で解き切る練習を、過去問で最低3回はしておきます。
8割を安定してとるための科目別の作戦は「共通テストで8割を安定させる科目別の作戦」にまとめています。2021年の共通テストでの得点調整の話(当時)は「共通テストで得点調整!」、2016年当時のセンター試験の社会の難しさを受験生にたずねた「センター試験難易度アンケート」も残しています。
私立大学(MARCH・関関同立)の政治・経済対策
元の題のとおり、この3冊はMARCH・関関同立レベルの私立大学の政経にも対応できる土台になります。そのうえで、私立大学を受ける人は次の点に気をつけましょう。
- 志望校の赤本を早めに見る:正誤問題が多いか、用語を書かせるか、論述があるかは大学・学部によって大きくちがいます。
- 細かい知識は標準問題精講で:私立大学では、教科書の脚注や資料集のレベルの知識が出ることがあります。余裕がある人は『政治・経済標準問題精講』で補いましょう。
- 指定校推薦や総合型選抜でも役に立つ:社会のしくみの知識は、面接や小論文でも使えます。推薦の話は「指定校推薦」へ。
関関同立の入試当日の情報は「関関同立解答速報」でも扱ってきました。
1年以上ある人へ:短期の参考書だけでは足りない
ここで紹介した参考書・問題集は効率を重視したものです。短期間でどうしても完成しなければならない人にはおすすめですが、1年以上勉強する時間がある人は、これだけでは足りません。高1・高2の人は、学校の教科書と資料集(図説)を土台にして、3冊と標準問題精講で厚みをつけ、ふだんからニュースを教科書の言葉で言いかえる練習をしましょう。
それでもどうしても短期で完成させたいという場合は、この参考書・問題集で頑張りましょう。1冊ずつ、終わらせてから次へ。それが2か月で間に合わせるいちばんの近道です。
ほかの社会の科目と迷っている人は、「地理の勉強法【基礎編】」「世界史の勉強法その2」も読んでみてください。理科の参考書は「化学のおすすめ参考書・問題集12冊」、英語の仕上げは「共通テスト英語の総仕上げ」にまとめています。東大・京大を目指す人の全体の作戦は「東大合格大作戦」「京大合格作戦の立て方」へ。
共通テスト直前の政経の総仕上げ
本番が近づいたら、新しい本に手を出さず、まちがいノートと過去問のやり直しをくり返しましょう。前日の過ごし方は「共通テスト前日にやっておきたいこと20」、心構えは「共通テストを受ける人へ。10のアドバイス」にまとめています。2027年の持ち物や注意は、12月に公表される「受験上の注意」で必ず確かめてください。

うかるくん
政経は「しくみ」が分かれば一気に楽になる科目なんだ!3冊を1冊ずつ終わらせて、最後は過去問で仕上げよう。
勉強の進め方で迷ったら「受験の質問・相談」で聞いてください。
よくある質問
政治・経済は2か月で間に合いますか?
講義の本→点の取り方の本→問題集→過去問の順に1冊ずつ終わらせれば、共通テストで8割をめざせます。ただし1年以上ある人は、この3冊だけでは足りません。
政治・経済の参考書は何から始めればいいですか?
講義形式の本で全体像をつかむことから始めます。この記事では『畠山のスパッとわかる政治・経済爽快講義』を最初の1冊にしています。
共通テストの政治・経済はどの科目ですか?
『公共,政治・経済』(60分・100点)です。2025年1月の試験から、公共と政治・経済を合わせた範囲で出題されています。
『公共,政治・経済』と『公共,倫理』は両方受けられますか?
受けられません。同じ公共をふくむため、2科目の組み合わせとして選べないきまりです。
日本史・世界史から政治・経済に変えても大丈夫ですか?
先に志望大学の募集要項で、政治・経済が使えるかを確かめてください。使えれば、覚える量が比較的少ない政経は短期間で伸ばしやすい科目です。
あわせて読みたい
出典・参考
- 大学入試センター「令和9年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト出題教科・科目の出題方法等」(出題科目・試験時間・配点・科目選択のきまり)
- 大学入試センター「令和9年度大学入学共通テスト実施要項」(試験日・時間割)
- 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)」(公共・政治・経済)
- 2012年当時の参考書と勉強の流れは、筆者の受験指導の経験にもとづくものです
最終更新:2026年10月21日/作成:大学受験合格大作戦












