この記事の結論
- 共通テストの世界史で8割以上をねらうコツは、①教科書・②詳説世界史ノート・③10分間テストの「3冊のバイブル」に知識を集め、全範囲が終わっていなくても過去問を早めに解き始めることです。
- 今の共通テストの科目名は『歴史総合,世界史探究』(60分・100点)。2008年当時のセンター試験「世界史B」とちがい、歴史総合(近現代)の内容も範囲に入ります。
この記事は「世界史の勉強法【基礎編】」の続きです。基礎編を読んでいない人は、先にそちらから読んでください。
2008年7月に書いた元の記事は、当時の大学入試センター試験(センター試験)の世界史で高得点を取るための勉強法でした。センター試験は2020年1月が最後で、2021年1月からは大学入学共通テスト(共通テスト)に変わり、2025年1月からは新しい教育課程(新課程)の試験になっています。2026年10月に、元の記事の考え方はそのまま残し、今の共通テストに合わせて書き直しました。
世界史 勉強法の軸:3冊のバイブル
世界史勉強法の軸となるのは、次の3冊のバイブルです。
この3冊は、無事に合格を果たすまで使い込んでいきましょう。2008年当時から、私はこの3冊をすすめてきました。今は新課程の「世界史探究」に合わせた版も出ています。買うときは、自分の学校の教科書に合った版(世界史探究用)かどうかを必ず確かめてください。
3冊の役わり
| バイブル | 役わり | 使い方 |
|---|---|---|
| ①教科書 | 流れを読む | 太字だけでなく、前後の文章(なぜ起きたか・どうなったか)を読む |
| ②ノート | 流れを整理する | 教科書を読んだら、すぐに空らんをうめる。地図・表もここで覚える |
| ③10分間テスト | 覚えたか確かめる | 1回10分。まちがえた所に印をつけ、1週間後にもう一度 |
大事なのは、参考書や問題集を何冊も増やさないことです。過去問や問題集で知らなかったことが出てきたら、新しいノートを作るのではなく、①②③に書き込む。こうすると、直前期に見直すものが3冊だけになり、知識がばらばらになりません。ノートの書き方のコツは「東大合格生のノートはかならず美しい」でも紹介しています。
共通テスト 世界史の科目:歴史総合,世界史探究
元の記事を書いた2008年当時、高校の世界史は「世界史A」「世界史B」の2つで、センター試験も世界史A・世界史Bがありました。国公立大学を目ざす人の多くは、範囲の広い世界史Bで受けていました。
今の高校では、2022年度に入学した生徒から新しい学習指導要領(高等学校学習指導要領、平成30年告示)が始まり、歴史の科目が変わりました。
- 歴史総合(必修):日本と世界の近現代の歴史をいっしょに学ぶ科目。「近代化」「大衆化」「グローバル化」の3つの流れで学びます。
- 世界史探究(選択):古代から現代までの世界の歴史を、地域どうしのつながりから深く学ぶ科目。昔の世界史Bにあたります。
共通テストの地理歴史・公民は、『地理総合,地理探究』『歴史総合,日本史探究』『歴史総合,世界史探究』『地理総合/歴史総合/公共』『公共,倫理』『公共,政治・経済』の6科目から、最大2科目を選びます。1科目は60分・100点です。2027年(令和9年度)の共通テストは1月16日(土)・17日(日)で、地理歴史・公民は1日目の最初の試験です。2科目を受ける人は9:30〜11:40、1科目の人は10:40〜11:40です(大学入試センターの実施要項)。くわしい時間割は「2027年 共通テストの時間割」、本番までの日数は「共通テストのカウントダウン【2027年】」で確かめてください。
うかるくん
科目名に「歴史総合」が入っているってことは、世界史探究だけ勉強していても足りないんですか?
合格先生
そのとおり。『歴史総合,世界史探究』は、歴史総合と世界史探究の両方が出題範囲だ。歴史総合は日本と世界の近現代をいっしょに学ぶから、日本の明治維新や戦後の歴史も世界の動きと結びつけて覚えておこう。
うかるくん
高1の歴史総合のノート、捨てなくてよかった…。バイブルといっしょに見直します!
世界史 共通テスト 8割:夏までに全範囲を終える
世界史に力を入れていない学校や理系中心の学校では、高校3年生の9月、10月になっても世界史の全範囲を修了していないということもあります。
しかしながら共通テスト(元の記事ではセンター試験)で80%以上をねらっていくには、なるべく夏までに全範囲の学習を終わらせることが望ましいです。秋からは過去問と演習で点数を上げる時期にしたいからです。
私が指導してきた京大志望の生徒の中にも、通っている高校の世界史の進度が毎年遅く、困っている受験生がいました。それでも、これから述べる裏技で、みなセンター試験で高得点をたたき出してきました。
学校の進度が遅いときは「先回り」する
学校の授業を待っていると、近現代を習うのが冬になってしまうことがあります。そんなときは、講義形式の参考書で自分で先に進むのが近道です。くわしくは下の「実況中継」の章で紹介します。授業は「2回目の復習」と考えればいいのです。
世界史 過去問の裏技:全範囲が終わる前に10年分
【世界史 裏技その1】
世界史学習の全範囲が終わっていなくても、とりあえず過去問10年分を解きなさい。
この際、得点は関係ありません。
知らないことや分からないことがあれば、すべて①②③で調べ、特に①②には出題された箇所が分かるようにチェックを入れていきましょう。
なぜ全範囲の前に過去問なのか
- 出るところが分かる:教科書のどこに印が集まるかを見ると、よく出るテーマが目で分かります。
- 形式に慣れる:時間内に何問をどのくらいの速さで解くのかが体で分かります。
- 覚え方が変わる:「試験でこう聞かれる」と知ってから覚えると、記憶に残りやすくなります。
センター試験のころは、年代並べ替え問題などで、同じような選択肢がくり返し使われていました。だから過去問をやりこむことはとても重要でした。共通テストになってからは、地図・グラフ・史料(昔の文章)・会話文を読み取らせる問題が多くなりました。それでも、問われている知識の土台は教科書なので、過去問で出た所を教科書に書き込む方法は今も使えます。
センター試験の過去問は今も使える?
使えます。ただし使い方を分けましょう。
| 過去問 | 向いている使い方 | 注意 |
|---|---|---|
| 共通テスト(2021年〜) | 本番と同じ形式の練習。時間を計って解く | 2025年からは新課程の科目 |
| 新課程の試作問題(大学入試センター) | 歴史総合をふくむ新しい形を知る | 大学入試センターの公式サイトで公開 |
| センター試験(〜2020年) | 知識の確認・年代の整理。1問ずつ調べる | 形式は今とちがう。点数は気にしない |
過去問の選び方と進め方は「センター試験過去問題(共通テストに使えるか)」に、科目ごとの仕上げ方は「センター試験対策仕上げ」にまとめています。
過去問題集は赤本・黒本など
共通テストの過去問題集には、赤本や黒本などがあります。2008年当時に比べたときは、どちらも掲載年数・解説の詳しさは同じくらいでした(版・価格は年ごとに変わるので、書店で中を見てください)。
表紙の好みで選んでもオッケーですが、ほかの科目と同じシリーズの問題集を選ぶと、解説の読み方に慣れていて使いやすいでしょう。
共通テスト 世界史 年代並べ替え問題の解き方
世界史の年代並べ替え問題は、年号を全部覚えている人だけが解ける問題ではありません。「原因→結果」のつながりで並べれば、年号があいまいでも正解できることが多いのです。
図5の例では、「Ⅰ ナポレオンが皇帝になる(1804年)」「Ⅱ フランス革命が始まる(1789年)」「Ⅲ ウィーン会議が開かれる(1814〜15年)」を並べます。革命が起きて(Ⅱ)、その混乱の中からナポレオンが皇帝になり(Ⅰ)、ナポレオンが敗れたあとにヨーロッパの秩序を話し合う会議が開かれた(Ⅲ)。つながりが分かれば、Ⅱ→Ⅰ→Ⅲとすぐに決まります。
並べ替えに強くなる3つの習慣
- 「なぜ」「その結果」をセットで覚える:教科書を読むとき、出来事の前後の文に線を引きます。
- 世紀(100年単位)でざっくり置く:細かい年号より先に、「何世紀の前半か後半か」を言えるようにします。
- ヨコ(同じ時代のほかの地域)を見る:たとえばフランス革命のころ、中国は清の時代でした。ちがう地域を同じ時代でつなぐと、記憶のフックが増えます。
世界史 年表と地域:大きな流れをつかむ
世界史が苦手な人の多くは、「地域ごとの話」と「時代ごとの話」が頭の中でまざっています。そこで、地域を横の帯、時代を左から右に並べた年表を頭に入れておくと、どの話が「どこの・いつの」話かがすぐに分かるようになります。
図6の年号は、どれも教科書に必ず出てくる、世界史の「目印」になる出来事です。
| 年 | 出来事 | 地域 |
|---|---|---|
| 前221年 | 秦の始皇帝が中国を統一 | 東アジア |
| 476年 | 西ローマ帝国が滅びる | ヨーロッパ |
| 622年 | ムハンマドがメッカからメディナへ移る(ヒジュラ) | 西アジア |
| 1492年 | コロンブスがアメリカ大陸近くの島に到達 | ヨーロッパ・アメリカ |
| 1526年 | バーブルがムガル帝国を建てる | 南アジア |
| 1789年 | フランス革命が始まる | ヨーロッパ |
| 1840年 | アヘン戦争が始まる | 東アジア・イギリス |
| 1914年 | 第一次世界大戦が始まる | 世界 |
| 1945年 | 第二次世界大戦が終わる | 世界 |
近代になるほど、地域どうしのつながり(貿易・戦争・植民地)が強くなり、歴史総合の範囲に入っていきます。東南アジアのように教科書のあちこちに分かれて出てくる地域は、「東南アジア史~世界史の勉強法番外編」のように、地域ごとに1枚の年表にまとめ直すと覚えやすくなります。世界史の人物から話を広げるのもおすすめです。たとえばアメリカのウィルソン大統領は、第一次世界大戦のあとの国際連盟の提唱で教科書に出てきますが、「母の日を制定した大統領」として覚えると忘れません。

合格先生
年号を1つずつ覚える前に、「どこの・いつの話か」を年表の上に置くクセをつけよう。並べ替え問題も、資料の問題も、ここが土台だ。
世界史 参考書:実況中継で先に進む
どうしても最後まで学習が修了していないのに過去問題を解くのはいやだ、という人は、実況中継シリーズで学習するとよいでしょう。
今は新課程に合わせた『世界史探究授業の実況中継』(青木裕司)が出ています(2008年当時は『世界史B講義の実況中継』)。文字も大きく、とても読みやすい構成になっています。重要な箇所を講義の形で解説してくれるので、流れが理解しやすい参考書です。学校の授業が遅れている人が、自分で先に進むのにぴったりです。
ただし、実況中継だけでは細かい知識まで全部はカバーできないので、やはり①②③のバイブルに書き込んでいきましょう。実況中継は「読んで分かる」本、バイブルは「覚えて点にする」本、と役わりを分けて考えます。
基礎が完成したら総合問題集で演習
基礎が完成したら、共通テストの形式の総合問題集で演習していきましょう。2008年当時はマーク式総合問題集 世界史をすすめていました。今は「共通テスト 総合問題集 世界史探究」などの名前で探すと見つかります。
もちろん、この問題集で得た知識も①②③のバイブルに落とし込んでいきましょう。最後に見直すのは、あくまで3冊のバイブルです。
サクラちゃん
参考書を3冊も4冊も使ったら、どれに何が書いてあったか分からなくなりそうです…。
合格先生
だからこそ「書き込む先は①②③だけ」と決めておくんだ。実況中継で分かったこと、問題集でまちがえたことを、ノートの横や教科書の余白に書き足す。そうすれば、直前に開くのは3冊だけになる。
サクラちゃん
本はたくさん使っても、まとめる場所は1つ。それなら迷わずにすみます!
共通テスト 世界史の直前期:バイブルの総点検
12月から本番までは、新しい参考書には手を出さず、3冊のバイブルに入れた印を見直す総点検の時期です。
- 印が多い所から:過去問で何度も出た所(印がたくさんついた所)を最優先で見直します。
- 10分間テストのまちがい:印をつけた問題だけを、もう一度解きます。
- 地図と資料:共通テストは地図・グラフ・史料の問題が多いので、ノートの地図のページを見直します。
- 時間配分:60分で解き切る練習を、本番と同じ時間帯(1日目の朝)で何回かしておきます。
最後の1か月の過ごし方は「共通テストまでにやっておきたい10のこと」、前日の準備は「共通テスト前日にやっておきたいこと20」、心構えは「共通テストを受ける人へ10のアドバイス」にまとめています。

サクラちゃん
全範囲が終わる前から過去問、知らないことは全部バイブルへ。見直すのは3冊だけだから、直前でもあわてないね!
世界史 2次試験・私大の対策とのつながり
共通テストの勉強は、2次試験や私立大学の世界史の土台にもなります。たとえば東京大学(東大)の2次試験では、文科の地理歴史で日本史探究・世界史探究・地理探究から2科目を選び、大きな論述問題が出ます。論述の対策は、共通テストで身につけた「流れ」の理解の上に積み上げます。東大の配点と戦略は「東大合格の戦略の立て方」、過去問集は「東京大学過去問題集」、京都大学(京大)の学部別の配点は「京都大学の学部別 配点一覧」を見てください。私大・2次試験の世界史の勉強法は「世界史の勉強法(私大・2次個別試験編)」に続きます。
地理歴史で地理も選ぶ人は「地理の勉強法【基礎編】」もどうぞ。センター試験の世界史では、2011年に出題ミスが話題になったこともありました(「センター試験(世界史B)で出題ミス」)。世界史を楽しく覚えるヒントは「海外旅行を10倍楽しむ勉強法」にも書いています。勉強の進め方で迷ったら「受験の質問・相談」で聞いてください。
よくある質問
共通テストの世界史の科目名は何ですか?
2025年からの新課程では『歴史総合,世界史探究』です。歴史総合と世界史探究の両方が出題範囲で、試験時間は60分、配点は100点です。
世界史の勉強で使う参考書は何がいいですか?
軸になるのは、学校の教科書・詳説世界史ノート・10分間テストの3冊です。講義形式の実況中継や総合問題集で得た知識も、この3冊に書き込んでまとめます。
世界史の全範囲が終わっていなくても過去問を解いていいですか?
解いてかまいません。点数は気にせず、知らないことを教科書とノートで調べて、出題された所に印をつけると、よく出るテーマが分かります。
センター試験の世界史の過去問は共通テストの対策に使えますか?
知識の確認や年代の整理には使えます。形式は今とちがうので、本番形式の練習は共通テストの過去問や大学入試センターの試作問題で行います。
世界史の年代並べ替え問題のコツは何ですか?
年号を全部覚えるより、出来事の原因と結果のつながりで並べることです。世紀単位で年表に置くくせをつけると、あいまいな年号でも順番が決まります。
あわせて読みたい
出典・参考
- 大学入試センター「令和9年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト実施要項」・「出題教科・科目の出題方法等」(日程・時間割・地理歴史・公民の科目と配点)
- 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)」(歴史総合・世界史探究)
- 年代並べ替えの例・年表の図は大学受験合格大作戦が作成(年号は教科書に載る一般的な年)
最終更新:2026年10月21日/作成:大学受験合格大作戦












