この記事の結論
- 東大の過去問集は大きく3種類です。年度別で全科目入りの「赤本」(教学社)、年度別で解説がくわしいと言われる「青本」、科目別に約25年分を集めた「東大の〇〇25カ年」(教学社)です。
- 使い方の基本は、高2の終わりに1年分をのぞき、高3の春〜夏は25カ年で科目別に、秋は青本で答案をみがき、直前は新しい年度を本番どおりの時間で通して解くことです。
東京大学(東大)の2次試験は、全科目が記述式(英語の一部はマークシート)の、とても「くせ」のある試験です。教科書や参考書だけでは、この形に慣れることはできません。そこでいちばん役に立つのが過去問(過去の入試問題)です。
この記事は、2008年に「東京大学過去問題集」として、当時の過去問集をリストにした記事でした。2026年10月に、今ある過去問集の種類・選び方・使い方を足して書き直しました。東大の入試の全体像(科類・配点・日程)は「東大合格大作戦」にまとめています。
東大 過去問 赤本・青本・25カ年の違い
東大の過去問集は、本屋さんの大学入試のコーナーに並んでいます。種類が多くて迷いますが、図1のように「年度別」か「科目別」かで分けると、すっきり整理できます。
赤本(教学社):まず全体を見る1冊
赤い表紙でおなじみの、教学社の「大学赤本シリーズ」です。東大は「東京大学(文科)」と「東京大学(理科)」の2冊に分かれています。1年分の全科目が1つにまとまっているので、「東大の試験1回分はどれくらいの量か」をつかむのに向いています。年度ごとの出題の傾向(どんな分野がよく出るか)の分析ものっています。
青本:答案の書き方を学ぶ1冊
青い表紙の、通称「青本」と呼ばれるシリーズです。「東京大学〈文科〉前期日程」「東京大学〈理科〉前期日程」があり、受験生のあいだでは「青本」と呼ばれます。解説がくわしいと言われ、「どこまで書けば点になるか」「どう書けば読みやすい答案になるか」を学ぶのに向いています。赤本と青本は、同じ年度の問題でも解答例や解説がちがうことがあるので、両方を見比べると勉強になります。
25カ年(教学社):苦手科目を集中して解く1冊
教学社の「難関校過去問シリーズ」で、1つの科目だけを約25年分集めた本です。たとえば「東大の英語25カ年」「東大の英語リスニング20カ年」「東大の文系数学25カ年」「東大の理系数学25カ年」「東大の現代文25カ年」「東大の古典25カ年」などがあります。分野ごとに並んでいるので、「東大の英作文だけ」「確率の問題だけ」のように、苦手なところを集中して練習できます。
同じように科目別に約25年分を集めた本に、「東大入試詳解」シリーズもあります。どれを選ぶかは、本屋さんで解説を何ページか読んで、自分が読みやすいと感じる方で決めてかまいません。
2008年当時の東大の過去問集リスト(元の記事)
元の記事では、2008年当時の東大の過去問集を、次のようにリストにしていました。
- 2009年受験用東京大学過去問題集(理系)
- 2009年受験用東京大学過去問題集(文系)
- 東大の現代文25カ年
- 東大の化学25カ年
- 東大の英語25カ年
- 東大の地理25カ年
- 東大の日本史25カ年
- 東大の古典25カ年
- 東大の物理25カ年
- 東大の世界史25カ年
当時は「25ヵ年」と書いていましたが、今の書名は「25カ年」です。本は毎年のように新しい年度の問題が足されて新しい版になるので、買うときはいちばん新しい版を選びましょう。古い版は収録されている年度が古く、今の出題範囲とずれていることがあります。

合格先生
過去問集は「年度別」と「科目別」の2つの型があるんだ。年度別は本番の練習、科目別は苦手つぶし。この使い分けを覚えておけば、どの本を買えばいいか迷わないよ。
東大 過去問 いつから解く?
「過去問は基礎ができてから」と考えて、高3の秋まで手をつけない人がいます。でも東大の場合、それではおそすぎます。目安は図2のとおりです。
高2の3月:1年分を「のぞく」
解けなくてかまいません。赤本で1年分の問題を、時間を計らずに読んでみましょう。「東大はこういう問題を出すのか」とゴールを知ることが目的です。ゴールが分かると、ふだんの参考書の勉強に「東大ではここが出る」という目的ができます。
高3の春〜夏休み:25カ年で科目別に
得意科目から25カ年を始め、夏休みは苦手科目を集中して解きます。分野ごとに並んでいるので、学校や参考書で勉強した分野の東大の問題を、その日のうちに解くのがおすすめです。
9〜12月:青本で答案をみがく
秋は「解ける」から「点になる答案が書ける」へ進む時期です。青本の解説と自分の答案を見比べ、書きぬけている説明や、読みにくい所を直します。
1〜2月:新しい年度を本番どおりに
共通テストの後は、残しておいた新しい年度を、本番と同じ時間割(図4)で通して解きます。東大は共通テストの成績で第1段階選抜(いわゆる足切り)があるので、12〜1月は共通テストの対策もおこたらないようにしましょう。令和9(2027)年度の選抜要項では、第1段階選抜は文科各類で募集人員の約2.5倍、理科一類で約2.3倍、理科二類で約3.0倍、理科三類で約2.8倍に達したときに行うとされています。
うかるくん
過去問って、解けば解くほどいいんですか? 25年分を全部やらないとダメ?
合格先生
量より「1回分をどれだけしゃぶりつくすか」が大事だよ。25年分を流して解くより、10年分を解き直しまでした方が力になる。
うかるくん
じゃあ、何年分くらいが目安ですか?
合格先生
人によってちがうけれど、得意科目は少なめ、苦手科目は多めでいい。全科目をそろえて同じ年数にする必要はないんだ。最新の数年分だけは、直前の本番リハーサル用に残しておこう。
東大 過去問の使い方|1回分を4つの手順で
過去問は、解いて丸つけをして終わりにすると、もったいない使い方になります。図3の4つの手順で、1回分を使い切りましょう。
- 時間を計って解く:本番と同じ時間で解きます。とちゅうで解答を見ないこと。
- 採点して部分点も見る:東大は記述式なので、答えが合っているかだけでなく、とちゅうの考え方がどこまで書けているかも見ます。数学なら「答えまで行けなかったが、方針は合っていた」は大事な情報です。
- 解答を見てもう一度書く:解説を読んで分かったつもりにならず、何も見ないで答案を書き直します。
- 反省をノートに1行:「確率の場合分けでもれた」「英作文で時制をまちがえた」のように、次に気をつけることを1行だけ書きます。ノートは直前に見返す「自分だけの弱点集」になります。
そして2週間ほどたったら、同じ問題をもう一度解きます。2回目に解けたら、その問題の力は本物です。数学の答案の書き方や部分点の考え方は、京大の記事ですが「京大数学の解き方・時間配分・答案の書き方」も参考になります。数学で使う公式は「算数・数学公式辞典」、言葉の意味は「数学用語辞典」で確かめられます。
東大 過去問 科目別の使い方のコツ
同じ過去問でも、科目によって「見るところ」が少しずつちがいます。25カ年で科目別に解くときのコツをまとめます。
英語:時間配分を決めてから解く
東大の英語は、要約・文法・英作文・聞き取り・長い読解など、いろいろな形の問題が120分につめこまれています。1問ずつはそれほどむずかしくなくても、全部を時間内に終えるのがむずかしい試験です。過去問を何回か解いて、「どの問題に何分かけるか」「どの順番で解くか」を自分で決めておきましょう。聞き取りは、音声のついた過去問集で、本番と同じ放送回数で、とちゅうで止めずに聞き取る練習をします。
数学:完答できなくても方針を書く
数学は、全問を最後まで解き切れる受験生はほとんどいません。過去問では「どの問題を最後まで解き、どの問題は方針と途中まで書くか」を選ぶ練習をします。解けなかった問題も、「最初の一歩は何だったか」を解説で確かめておくと、本番の部分点につながります。
国語:字数と解答らんに合わせて書く
東大の国語は、決められた字数や解答らんの大きさの中で、要点をまとめて書く問題が中心です。過去問を解くときは、実際の解答らんと同じくらいの大きさのわくを作って書くと、本番で書きすぎたり、足りなかったりするのを防げます。古文・漢文は、文法や句形の知識があるかどうかで点が大きく変わります。
地歴・理科:2科目の時間の分け方を決める
地理歴史(文科)と理科(理科)は、どちらも2科目を150分で解きます。1科目に時間をかけすぎて、もう1科目が終わらないのがいちばんの失敗です。過去問で「1科目75分ずつ」などの目安を決め、時計を見ながら解く練習をしましょう。
東大 二次試験の時間割と配点|過去問はこの時間で
過去問を本番どおりに解くには、時間割を知っておく必要があります。図4は、令和9(2027)年度の東京大学入学者選抜要項にある時間割を、帯の長さで表したものです。文科は国語と地歴が150分、理科は数学と理科が150分と、それぞれの中心の科目に長い時間があてられています。外国語(英語)は120分で、そのうちに聞き取り試験(30分程度)がふくまれます。
試験は文科・理科とも2日間で、理科三類だけは3日目に面接があります。くわしい時刻は「東京大学 前期日程の時間割」の記事にもまとめています。
配点は図5のとおりです。共通テストは1000点満点を110点に換算し、2次試験の440点と合わせて550点満点で判定されます。合否を大きく決めるのは2次試験なので、過去問にかける時間が大事になります。文科は数学が80点と少なめですが、ほかの3科目が120点ずつなので、どれか1つでも大きくくずれると取り返すのがたいへんです。理科は国語が80点ですが、0点に近いと合格はきびしくなります。配点が少ない科目も、過去問で「最低限ここまでは取る」という目標を決めておくと安心です。

サクラちゃん
英語は120分の中にリスニングが入っているんですね! 過去問を解くときも、リスニングの音声をふくめて120分で通してみます!
東大 過去問と新課程|古い年度の問題を解くときの注意
2025年度入試から、大学入試は新しい学習指導要領(新課程)で行われています。今の東大の2次試験では、数学の出題範囲が次のように決まっています(令和9年度 選抜要項)。
- 文科:数学Ⅰ・Ⅱ・Aは全範囲、数学Bは「数列」「統計的な推測」、数学Cは「ベクトル」
- 理科:数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Aは全範囲、数学Bは「数列」「統計的な推測」、数学Cは「ベクトル」「平面上の曲線と複素数平面」
地理歴史も「日本史探究」「世界史探究」「地理探究」から2科目、という新しい科目名になりました。25カ年のような古い年度までのっている本では、今の範囲にない問題や、今とは形がちがう問題がまじることがあります。そういう問題は飛ばしてかまいません。迷ったら、その年の東京大学入学者選抜要項で範囲を確かめましょう。
図6のように、古い年度は科目別の演習、まん中の年度は答案づくり、最新の数年分は本番リハーサルと使い道を分けると、限られた過去問をむだなく使えます。
東大の「出題の意図」も読んでみよう
東大は、自分の大学のウェブサイトで2次試験の問題の「出題の意図」を公表しています(東京大学「第2次学力試験入学試験問題等の2次利用について」に、ウェブサイトで出題の意図と解答を公表していると書かれています)。出題の意図には、その問題で東大が受験生のどんな力を見たいのかが書かれています。
過去問を解いたあとに出題の意図を読むと、「この英作文は、むずかしい単語よりも、筋の通った文が書けるかを見ているんだな」というように、勉強の方向が分かります。なお、過去問集の解答例や配点は、それぞれの出版社が作ったもので、東大が発表したものではありません。
東大 過去問と京大の過去問|くらべて分かること
東大と京大(京都大学)は、どちらも2次試験が記述式という点で似ています。ただし図7のように、試験の形には大きなちがいもあります。東大の英語には聞き取り試験がありますが、京大の英語は和訳と英作文が中心でリスニングはありません(京大の英語は「京大英語のおすすめ参考書」、リスニングの話は「京大の英語のリスニング」)。京大は配点が学部ごとにちがうので、「京都大学の学部別 配点一覧」で確かめます。
京大にも同じように赤本・青本・「京大の〇〇25カ年」があり、使い方は東大と同じです。京大の数学の過去問の進め方は「京大理系数学のおすすめ参考書と勉強法」と「京大数学の参考書ロードマップ」で、段階ごとにくわしく説明しています。東大と京大の色のちがいは「東大は淡青、京大は濃青(スクールカラー)」、旧帝大の順番は「旧帝大の順番」でどうぞ。
サクラちゃん
文科三類を考えています。過去問の前に、どんな参考書をやればいいですか?
合格先生
文三を目指す人への相談の答えを「東大文Ⅲ志望の方へのアドバイス」に、英語と数学の参考書は「東大文Ⅲ対策・英語と数学のお勧め参考書」にまとめているよ。英単語は、東大でもむずかしい単語より基本の単語を確実にが大事だ。
サクラちゃん
参考書で基礎を固めて、高2の3月に赤本をのぞいてみます!
文科三類(文三)を目指す人は「東大文Ⅲ志望の方へのアドバイス」と「東大文Ⅲ対策・英語と数学のお勧め参考書と勉強法」を、英単語は「東大の英単語」と「東大英単」を読んでみてください。やる気が出ないときは、漫画『ドラゴン桜』(三田紀房)を受験に生かす「ドラゴン桜を徹底的に活用してみる」もどうぞ。
国語の過去問で古文・漢文に苦戦したら「国語まとめ」と「古文文法辞典(2次試験の古文)」、数学全体は「数学まとめ」が便利です。勉強の進め方で迷ったら「受験の質問・相談」からご相談ください。
よくある質問
東大の過去問集はどれを買えばいいですか?
年度別で全科目入りの赤本(教学社)か青本を1冊と、苦手科目の「東大の〇〇25カ年」(教学社)をそろえるのが基本です。解説の読みやすさで選んでかまいません。
東大の過去問はいつから始めればいいですか?
高2の3月ごろに1年分を読んで形を知り、高3の春から科目別に解き始めるのが目安です。直前期は新しい年度を本番どおりの時間で解きます。
東大の過去問は何年分やればいいですか?
決まった数はありません。得意科目は少なめ、苦手科目は25カ年で多めに解き、最新の数年分は直前のリハーサル用に残しておくとよいでしょう。
東大の2次試験の配点と試験時間は?
令和9年度は共通テスト110点+2次440点=550点満点です。2次は文科が国語・地歴150分、数学100分、外国語120分。理科が数学・理科150分、国語100分、外国語120分です。
赤本と青本はどちらがいいですか?
どちらも年度別の過去問集です。青本は解説がくわしいと言われます。本屋さんで解説を読みくらべ、自分が読みやすい方を選びましょう。
あわせて読みたい
出典・参考
- 東京大学「令和9(2027)年度 東京大学入学者選抜要項」(時間割・出題教科・科目・配点・第1段階選抜)
- 東京大学「東京大学第2次学力試験入学試験問題等の2次利用について」(令和6年7月1日改定)
- 書名:教学社(大学赤本シリーズ・難関校過去問シリーズ)ほかの各書
最終更新:2026年10月21日/作成:大学受験合格大作戦









