
この記事の結論
- 京大(京都大学)の数学は、1つの段に1冊ずつ、教科書・学校の問題集→青チャート→1対1対応の演習→京大の過去問→京大型の演習の順に仕上げるのが王道です
- 理想は「網羅系の参考書(青チャート)を完璧にして、京大の過去問・予想問題で徹底演習」。間に橋渡しの1冊をはさむと、京大の問題に無理なく届きます
- 勝負を分けるのは冊数ではなく、数学の要素をすべて押さえたうえで、京大型の演習をどれだけ積めるかです

この記事は、2014年3月に書いた「京大合格までのお勧め参考書(数学)」(2015年6月17日更新)を、2026年10月に書き直したものです。当時のおすすめの流れはそのまま残し、今の教育課程(2025年入試から)に合わせて説明を足しました。
学年ごとの勉強法や参考書をくわしく知りたい人は「京大受験(理系・数学)おすすめ参考書・勉強法」もあわせて読んでください。この記事は、段階ごとに「この1冊」を決めて進むロードマップに絞っています。
京大 数学 参考書 ロードマップ(図解)
京大の数学の参考書選びで、いちばん多い失敗は「本を増やしすぎること」です。評判のよい問題集を次々に買い、どれも半分で止まってしまう。これでは何冊やっても力になりません。
そこで、合格までの道のりを5つの段(段階0〜4)に分け、1つの段には1冊だけを置きます。その1冊を仕上げてから、次の段へ上がります。
| 段階 | 役割 | この1冊 | 仕上がりの目安 |
|---|---|---|---|
| 段階0 土台 | 授業の内容を身につける | 教科書+学校の問題集(4STEPなど) | 基本問題が何も見ずに解ける |
| 段階1 網羅 | 入試に出る解法をひととおり集める | 青チャート(チャート式 基礎からの数学) | 例題の方針がすぐ言える |
| 段階2 橋渡し | 解法を入試の問題で使いこなす | 1対1対応の演習(または下の2冊から1冊) | 解答を見ずに書ききれる |
| 段階3 京大の過去問 | 京大の出題の形に慣れる | 京大の理系数学○カ年(文系は京大の文系数学○カ年) | 完答できる大問が毎回1〜2題 |
| 段階4 京大型の演習 | 本番と同じ形で得点力を上げる | 京大型の模試の過去問・京大の予想問題 | 時間内に問題を選んで点を取れる |
「○カ年」の数字は、版によって変わります(元の記事を書いた当時は「京大の理系数学25カ年」でした)。買うときは、いちばん新しい版を選びましょう。
うかるくん
青チャートって分厚いし、もっと京大っぽい難しい問題集からやったほうが早くないですか?
合格先生
それがいちばんの遠回りなんだ。京大の問題は、見たことのある解法を2つ3つ組み合わせるものが多い。部品がそろっていないうちに難しい本を解いても、答えを読んで終わってしまうぞ。
うかるくん
じゃあ、まずは部品を全部そろえる段階が青チャートなんですね。
合格先生
そのとおり。1段に1冊。仕上げてから上へ、だ。
段階0:教科書と学校の問題集(京大 数学 基礎)
いちばん下の段は、市販の参考書ではなく教科書と学校の問題集です。4STEP・4TRIAL・学校のプリントなど、学校で配られる問題集をきちんとこなすことが、すべての土台になります。
- 授業で習った単元は、その週のうちに学校の問題集で復習する。
- 教科書の例題は、答えを見ずに最初から最後まで書けるようにする。
- 定期テストを「段階0の確認テスト」と考え、まちがえた問題は必ず解き直す。
段階0は、ほかの段と並行してずっと続けます。高3になっても、学校の授業で新しい単元(数学Ⅲなど)を習ったら、まず段階0から始めます。公式の意味や証明があやふやなら、「算数・数学公式辞典」と「数学用語辞典」で確かめましょう。
段階1:青チャート(京大 数学 網羅系 参考書)
段階1の1冊は、網羅系の参考書の代表、青チャート(チャート式 基礎からの数学)です。元の記事でも「網羅系の参考書を一通り完璧にする」ことを、京大合格までの1つ目の柱にしていました。
今の青チャートは3冊
2014年の元の記事では「新課程 Ⅰ+A・Ⅱ+B・Ⅲ」の3冊を挙げていました。今の教育課程(2022年度に高校へ入学した学年から。大学入試では2025年入試から)では、分冊は数学Ⅰ+A・数学Ⅱ+B・数学Ⅲ+Cです。理系は3冊、文系はおもにⅠ+AとⅡ+Bに、数学Cのベクトルが加わります。出題範囲は年度ごとに京都大学の入学者選抜要項で確かめてください。
いちばん大きな変化は、ベクトルと複素数平面(複素平面・ガウス平面)が数学Cに入ったことです。浪人生が古い版を使い続けるときは、今の教科書の目次と見比べて、抜けている単元がないか確かめましょう。くわしくは「浪人生へアドバイス。新課程版の青チャートに買い替えるかどうか」と「新課程では「複素平面」」に書いています。
青チャートの仕上げ方
- 例題だけを先に一周する。練習問題・章末問題は二周目から。
- まちがえた例題には印をつけ、印がなくなるまで解き直す。
- 例題の問題文だけを見て、「何を使って、どう解くか」を口で言えるか確かめる(解き方の方針が言えれば合格)。
青チャートと次の1対1対応の演習を「いつまでに終わらせるか」は、「青チャートと1対1対応の演習はいつまでに終わらせる?」にまとめています。
段階2:橋渡しの1冊(京大 数学 問題集 おすすめ)
元の記事では、こう書いていました。「網羅系の参考書と京大の過去問、この二つで仕上げるのが理想だが、なかなかそうはいかない」。青チャートの例題と京大の過去問の間には、大きな段差があります。そこで、間に橋渡しの1冊をはさみます。
元の記事で挙げた候補は、次の3冊です。3冊ともやる必要はありません。1冊だけ選んで仕上げてください。
| 書名 | こんな人に | ひとこと |
|---|---|---|
| 1対1対応の演習 | 解説を読み込んで、解法を整理したい人 | 分野ごとの分冊。青チャートの次の1冊として定番 |
| やさしい理系数学 | 少ない問題を、じっくり考えたい人 | 題名に「やさしい」とあるが、決してやさしくない |
| 理系数学の良問プラチカ | 標準〜やや難の問題を、数多く解きたい人 | 入試問題から選んだ良問を、たくさん演習できる |
迷ったら、1対1対応の演習を選んでください。青チャートで集めた解法を、入試の標準問題でどう使うかを、くわしい解説で確かめられます。文系の人も、範囲の分冊を選べば使えます。

合格先生
橋渡しは1冊だけ!「1対1が終わったら、やさ理もプラチカも」と欲ばるより、京大の過去問に早く入ったほうが得点は伸びるぞ。
段階3:京大の過去問(京大 数学 過去問 何年分)
段階3の1冊は、京大の数学の過去問を何十年分も集めた京大の理系数学○カ年です(文系は京大の文系数学○カ年)。元の記事でも、青チャートと並ぶもう1つの柱にしていました。
京大の数学は、文系が120分・大問5題・150点、理系が150分・大問6題・200点(どちらも素点)で、すべて記述式です。点数は学部ごとに換算され、数学の配点は文学部の100点から理学部などの300点まで、学部で違います(学部別の配点)。答えだけでなく、説明の筋道も採点されます。どの分野がよく出るかは、「京大文系数学の出題分析」「京大理系数学の出題分析」で、1999年度からの大問を一覧にしています。
過去問の使い方
- 最初は1題ずつ、時間を決めずに考える。30分考えて手が止まったら、解答を読む。
- 解答を読んだら、何も見ずに答案を書き直す。説明の書き方まで、まねして身につける。
- 同じ分野の問題をまとめて解くと、京大がくり返し聞いてくる「型」が見えてくる。
- 直近の数年分は、段階4で本番と同じ時間で解くためにとっておくのも一つの方法。
過去問を解いて「青チャートのあの例題の考え方だ」と気づけたら、段階1〜2がうまくいった証拠です。気づけない問題が多いときは、遠慮なく段階2に戻りましょう。
段階4:京大型の演習(京大 数学 予想問題・模試)
最後の段は、京大型の模試の過去問と、京大の予想問題です。元の記事の言葉では、「あとはひたすら解くのみ」の段階です。
- 大手予備校の京大型模試(京大型の記述模試)の過去問題
- 大手予備校などが出している京大の予想問題集
ここでは、本番と同じ時間で、1回分をまとめて解きます。大切なのは、問題を見て「完答をねらう問題」と「部分点をとりにいく問題」を選ぶ力です。京大の数学は、全部を完答しなくても合格点に届きます。時間内に取れる点を取りきる練習を、くり返し積みましょう。
京大の理系学部では数学の配点が大きく、数学の出来が合否に直結します。学部ごとの配点は「京大の学部別の配点」、数学がなぜそれほど大事かは「京大受験生が思っている以上に数学は重要」を読んでください。
段階ごとの時期の目安(京大 数学 いつから)
時期はあくまで目安です。大事なのは「いつまでに」より「次の段へ進む合図が出たか」です。合図が出ないうちに上の段へ進むと、結局戻ることになります。
浪人生は、春から夏にかけて段階1〜2を一気に固め直し、秋から段階3〜4に入る流れがおすすめです。高2の人の進め方は「京大数学2次試験対策&高2の数学勉強法」、数学全体の勉強法は「京大受験数学の勉強法」にまとめています。
サクラちゃん
高3の秋なのに、まだ段階2の途中です……。もう京大の過去問は間に合いませんか?
合格先生
間に合わないことはない。橋渡しの1冊は、よく出る分野だけに絞って仕上げ、すぐ京大の過去問に入ろう。出題分析の表で、出題率の高い分野から順に解くといい。
サクラちゃん
全部やろうとせずに、京大がよく出す分野から攻めるんですね。
合格先生
そう。基礎がしっかりしていれば、秋からの京大型の演習で一気に伸びる人は多いぞ。
京大 数学 参考書選びでよくある失敗
失敗1:同じ段の本を何冊も買う
青チャートの途中で別の網羅系の参考書に乗りかえたり、橋渡しの本を3冊とも始めたりするパターンです。同じ段の本は、中身の多くが重なっています。1冊を何回もくり返したほうが、解法はずっと深く身につきます。
失敗2:下の段を飛ばして上の段へ行く
「京大を受けるのだから」と、青チャートを飛ばしていきなり過去問を解く人がいます。部品がそろっていないと、解答を読んでも「なぜその方法を思いつくのか」がわかりません。上の段で手が止まったら、恥ずかしがらずに下の段へ戻りましょう。
失敗3:解きっぱなしにする
京大の数学は記述式です。頭の中で解けた気になっても、答案に書けなければ点になりません。段階2から先は、答案を最後まで書くことを習慣にしましょう。書いた答案を解答と見比べ、足りない説明を赤で書き足すと、記述の力が伸びます。
まとめ:数学の要素をすべて押さえ、京大型の演習を積む
元の記事のしめくくりの言葉は、今もそのまま通用します。「数学の要素をすべて押さえたうえで、京大型の演習をどれだけつめるかが勝負」。
- 段階0:教科書と学校の問題集を、ずっと並行してやりこむ
- 段階1:青チャートで、入試に出る解法をすべて集める
- 段階2:1対1対応の演習など、橋渡しの1冊を仕上げる
- 段階3:京大の数学の過去問集で、京大の形に慣れる
- 段階4:京大型の模試の過去問と予想問題を、本番の時間で解く
数学のほかの記事は「数学まとめ」から探せます。英語の参考書のロードマップは「京大合格までのお勧め参考書(英語)」へ。勉強の進め方で迷ったら、「受験の質問・相談」から気軽に聞いてください。
PR(この枠は広告です)
京大志望は「京大入試徹底解剖」がもらえる
Z会の資料請求は無料。第一志望を京大にすると特典つき
Z会の資料を無料で請求する ›Z会の公式サイト(高校生向けコース)が開きます。特典とプランの選び方は「Z会の資料請求でもらえる入試徹底解剖と3プランの選び方」にまとめています
よくある質問
京大の数学は何の参考書から始めればいいですか?
教科書と学校の問題集で基本を固めてから、網羅系の参考書の青チャートで入試に出る解法をひととおり身につけるのがおすすめです。
青チャートの次は何をやればいいですか?
1対1対応の演習など、橋渡しの問題集を1冊だけ選んで仕上げます。やさしい理系数学や理系数学の良問プラチカも候補ですが、3冊ともやる必要はありません。
京大の数学の過去問は何を使えばいいですか?
京大の数学を何十年分も集めた過去問集(京大の理系数学○カ年、京大の文系数学○カ年)が便利です。新しい版を選びましょう。
京大の数学の試験時間と配点は?
文系は120分・大問5題・150点、理系は150分・大問6題・200点(素点)で、すべて記述式です。点数は学部ごとに換算され、数学の配点は学部で違います。
古い版の青チャートでも京大対策はできますか?
できますが、今の教育課程ではベクトルと複素数平面が数学Cに入っています。今の教科書の目次と見比べて、抜けている単元を補いましょう。
あわせて読みたい
- 京大受験(理系・数学)おすすめ参考書・勉強法
- 青チャートと1対1対応の演習はいつまでに終わらせる?
- 京大理系数学の出題分析
- 京大文系数学の出題分析
- 京大受験生が思っている以上に数学は重要
- 浪人生へアドバイス。新課程版の青チャートに買い替えるかどうか
- 京大合格までのお勧め参考書(英語)
出典・参考
- 京大数学の試験時間・大問数・配点:京都大学の入学者選抜要項・配点の公表資料(合格大作戦の出題分析記事でまとめたもの)
- 教育課程:文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)」(2022年度入学生から)
- 参考書の選び方・進め方は、京大受験指導の経験にもとづく筆者の考えです
最終更新:2026年10月21日/作成:大学受験合格大作戦
この記事に関係する数学者(業績と生涯)
- 岡潔の業績と生涯
多変数複素関数論の難問を一人で解いた。随筆『春宵十話』 - 小平邦彦の業績と生涯
日本人で初めてフィールズ賞(1954年)。複素多様体の研究












