この記事の結論

  • 地理の基礎は「講義の参考書で全体像 → 理解 → 演習 → 一問一答(並行) → 過去問」の順に進めるのが近道。地理は日本史・世界史より覚える量が少なく、地図・統計・グラフを読む力で点が取れる科目です。
  • 2025年からの大学入学共通テスト(共通テスト、旧センター試験)では、地理は『地理総合,地理探究』(100点・60分)か、『地理総合/歴史総合/公共』の「地理総合」の部分(50点)で受けます。

この記事は、2008年に「センター試験レベルまでの地理の勉強法」として書いたものを、今の共通テストに合わせて書き直したものです。当時の参考書の流れ(①〜⑤)は残し、今の科目の形・地図や統計の読み方・学年別の計画を図で足しました。

地理の勉強法の基本:覚える量より「読み取る力」

地理は、日本史や世界史にくらべて総勉強時間が少なくてすむ科目です。年号や人名を大量に覚える必要がなく、気候・地形・農業・工業・人口などの「しくみ」を理解すれば、知らない国や地域の問題にも答えられます。

そのため、理系の受験生や、共通テストだけで社会が必要な受験生に人気があります。私が指導してきた受験生にも、理系で「社会は地理」という人が多くいました。

いちばん大切なのは、学校の授業です。地理は授業で先生が見せてくれる地図・写真・グラフが、そのまま入試の資料になります。授業で地理をとっている人は、授業を大切にし、教科書と地図帳をいつも手元に置きましょう。

大学入試センターの問題作成方針でも、地理は「地域を様々なスケールから捉える問題」や「資料を基に検証したりする問題」を出すとしています(令和9年度の問題作成方針)。つまり、用語を覚えるだけでなく、資料を読んで考える練習が欠かせません。

共通テスト 地理の科目:地理総合・地理探究とは

2008年当時、高校の地理は「地理A」「地理B」で、センター試験も「地理A」「地理B」の2つでした。センター試験は2020年1月で終わり、2021年1月から大学入学共通テストになりました。さらに2025年1月の共通テストからは、新しい学習指導要領(新課程)の科目で出題されています。

地理の科目はこう変わった 2008年当時(センター試験) 高校の地理A・地理B センター地理A/地理B (2020年1月で終了) 今(2025年〜の共通テスト) 地理総合 全員が学ぶ 地理探究 選んで学ぶ 『地理総合,地理探究』 100点・60分 『地理総合/歴史総合/公共』 地理総合の部分は50点
図1 地理の科目の変化(2008年当時と今)

今の高校では、地理総合を全員が学び(必履修科目)、もっと深く学びたい人が地理探究を選びます。地理総合では、地図や地理情報システム(GIS)の使い方、国際理解と国際協力、防災など持続可能な地域づくりを学びます。地理探究では、気候・農業・工業などの系統地理と、世界の地域ごとの地誌を深く学びます。

2027年(令和9年度)共通テストの地理歴史・公民

出題科目地理の範囲試験時間(配点)
『地理総合,地理探究』地理総合+地理探究60分(100点)
『地理総合/歴史総合/公共』3つから2つを選んで解答(各50点)。地理総合を選べば地理の部分は50点60分(100点)
(参考)2科目を受ける場合6科目から最大2科目130分(うち解答120分)(200点)

地理歴史・公民の6科目(『地理総合,地理探究』『歴史総合,日本史探究』『歴史総合,世界史探究』『公共,倫理』『公共,政治・経済』『地理総合/歴史総合/公共』)から、最大2科目を選びます。受ける科目の数は出願のときに申し出ます。

共通テストで地理を受ける2つの形 形1 しっかり地理 地理総合,地理探究 1科目まるごと地理 100点・60分 形2 3つから2つ選ぶ 地理総合歴史総合公共 選んだ2つが各50点 (例:色つきの2つを解く) 合計100点・60分 2科目受ける人が形1と形2を組み合わせるとき 地理総合,地理探究 + 歴史総合公共 の2つだけ選べる。 地理総合は重ねて選べない
図2 共通テストで地理を受ける2つの形と、2科目の組み合わせのきまり

2科目受ける人が『地理総合,地理探究』と『地理総合/歴史総合/公共』を組み合わせるときは、後者では「歴史総合と公共」しか選べません。同じ名前(地理総合)を重ねて選ぶことはできないきまりです。また『公共,倫理』と『公共,政治・経済』の組み合わせも選べません。

試験は1日目(2027年1月16日・土)の朝です。2科目受ける人は9:30〜11:40、1科目の人は10:40〜11:40。時間割の全体は「2027年 共通テストの時間割」、本番までの日数は「2027年 共通テストのカウントダウン」で確かめてください。

うかるくん

うかるくん

理系なので社会は1科目です。『地理総合,地理探究』と『地理総合/歴史総合/公共』、どっちを受ければいいんですか?

合格先生

合格先生

まず志望大学の募集要項を見ること。大学によって、使える科目を指定している場合があるんだ。指定がなく地理が好きなら、地理だけで100点の『地理総合,地理探究』が戦いやすい。指定がある大学に合わせるのが先だよ。

うかるくん

うかるくん

先に募集要項ですね!国公立と私立の併願校も全部確かめます。

地理 勉強法の5ステップ(基礎編)

2008年に書いた勉強の流れは、今もそのまま使えます。科目名だけ今の形に読みかえて、次の5ステップで進めましょう。

地理の勉強は5ステップ(共通テスト対策) 1講義で全体像実況中継など2理解を深める教科書・図説3演習を積む共通テスト型4一問一答ずっと並行5過去問本試・追試 どのステップでも「地図帳」と「統計」をいつも横に開いておく
図3 地理の勉強の5ステップ

ステップ1:講義形式の参考書で全体像をつかむ

理系で他の科目から地理に乗り換える人や、学校の授業の進み方が遅い人は、まず講義形式の参考書で一通りの学習を終わらせましょう。2008年当時は、『瀬川センター地理B実況中継』①②をすすめました。先生の授業をそのまま文字にした本なので、地理が初めての人でも読み進められます。今は新課程(地理総合・地理探究)に合わせた本を選んでください(同じシリーズを探す)。

ステップ2:教科書・図説で理解を深める

当時は『きめる!センター地理B』で理解を深めるようにすすめました。きめる!シリーズは比較的やさしい本ですが、地理の巻はほかの巻より難しかったので、実況中継で復習しながら進めるのがコツでした。今は「きめる! 共通テスト 地理」のような新課程向けの本と、学校の教科書・地図帳・図説(資料集)を組み合わせましょう。

ステップ3:共通テスト型の問題で演習を積む

当時は『きめる!センター地理B 演習編』をすすめました。今は共通テストの形に合わせた問題集で、資料(地図・写真・グラフ・統計表)を読んで答える練習をします。まちがえた問題は、どの資料のどこを読みちがえたかをメモしておきましょう。

ステップ4:一問一答はすべてに並行して

一問一答式の問題集を1冊用意し、ステップ1〜3と並行して徹底的にやりこみましょう(地理の一問一答を探す)。何冊も買うより、1冊を何回もくり返すほうが力になります。

ステップ5:過去問で仕上げる

2008年当時は「センター試験の過去問題を10年分、余力があれば19年分と追試験も」と書きました。今は次の順がおすすめです(共通テストの過去問題集を探す)。

  1. 新課程の共通テスト(2025年1月から)の『地理総合,地理探究』本試験・追試験
  2. 大学入試センターが2022年11月に公表した新課程の試作問題(地理にかかわるもの)
  3. それ以前の共通テスト・センター試験の地理B(形はちがっても、地図・統計の読み方の練習になる)

古い過去問の使い方は「センター試験の過去問は共通テストに使える?」、教科ごとの仕上げ方は「センター試験対策仕上げ」にまとめています。

地理の勉強法【基礎編】まとめ(2008年当時の形)

2008年に書いたまとめを、そのまま残します(当時はセンター試験の地理B)。

  1. 実況中継で一通りの学習を終わらせる
  2. きめる!センター地理Bで理解を深める
  3. きめる!センター地理B演習編で演習を積む
  4. すべてに並行して一問一答を極める
  5. センター試験過去問題集10年分を極める

当時は「この①〜⑤を極めればセンター試験で90%以上を狙えます」と書きました。共通テストは資料を読む問題がふえましたが、「1冊ずつ極める」という考え方は今も同じです。

ステップ2008年当時(センター地理B)今(共通テスト)の選び方
1 講義瀬川センター地理B実況中継①②新課程(地理総合・地理探究)に対応した講義形式の本
2 理解きめる!センター地理B新課程向けの解説本+教科書・地図帳・図説
3 演習きめる!センター地理B演習編共通テスト型の問題集
4 暗記一問一答式の問題集新課程対応の一問一答を1冊
5 過去問センター試験の過去問10年分(+追試験)新課程の本試験・追試験→試作問題→古い過去問

本の版や中身は年によって変わります。買う前に「地理総合」「地理探究」の新課程に対応しているかを確かめてください。

地理の地図の読み方:地形図と等高線

地理の点数を大きく左右するのが地形図です。地形図の問題は、覚えることより読み方のルールを知っているかで決まります。

等高線で「尾根」と「谷」を見分ける(模式図) 尾根(山の背) 120m110m100m 等高線が低い方へ張り出す → 尾根(雨水が分かれる) 谷 120m110m100m 等高線が高い方へ食い込む → 谷(川が流れる) 上が高い所。2万5千分の1地形図では主曲線は10mごと、太い計曲線は50mごと
図4 等高線で尾根と谷を見分ける(模式図)
  • 等高線の間かく:2万5千分の1の地形図では細い主曲線が10mごと、太い計曲線が50mごと。5万分の1では主曲線が20mごと、計曲線が100mごとです。
  • 間かくがせまい所は急な坂、広い所はゆるやかな坂です。
  • 尾根と谷:等高線が低い方へ張り出していれば尾根、高い方へ食い込んでいれば谷です。川は谷を流れます。
  • 地図記号:田・畑・果樹園・工場・郵便局などの記号は、土地の使われ方を読む手がかりになります。

地図記号は、クイズで覚えると忘れにくくなります。「工場の地図記号はどっち?」「警察署の地図記号はどっち?」「郵便局の地図記号はどっち?」で、にている記号との見分け方を確かめてみてください。

地理の気候の覚え方:ケッペンの気候区分

系統地理のなかで、最初の山場が気候です。世界の気候は、ドイツの気候学者ケッペンが考えたケッペンの気候区分(A熱帯・B乾燥帯・C温帯・D亜寒帯(冷帯)・E寒帯)で学びます。

ケッペンの気候区分は「上から順に」確かめる 1. 降水が少ない(蒸発より少ない)?はいB乾燥帯いいえ2. 最暖月の平均気温 10℃未満?はいE寒帯いいえ3. 最寒月の平均気温 18℃以上?はいA熱帯いいえ4. 最寒月 −3℃以上 18℃未満?はいC温帯いいえ5. 最寒月 −3℃未満・最暖月 10℃以上?はいD亜寒帯(冷帯) BとEで先に「木が育たない気候」を外してから、A・C・Dを気温で分ける
図5 ケッペンの気候区分の見分け方(上から順に確かめる)

コツは、上から順に確かめることです。まず雨が少ない乾燥帯(B)と、夏でも寒い寒帯(E)を外し、残りを「いちばん寒い月の気温」でA・C・Dに分けます。雨温図(気温の折れ線グラフと降水量の棒グラフ)を見たら、最寒月と最暖月の気温をまず読みましょう。

気候が分かると、そこで育つ作物(農業)、人々のくらし、川の水量まで、ほかの分野がつながって見えてきます。地理が「覚える科目」ではなく「つなげる科目」と言われるのはこのためです。

「ここが大事!」と説明する合格先生

合格先生

地理は「なぜ?」を言える人が強い。「この国は米が多い」で終わらず、「雨が多くて暑いから米作りに向いている」まで言えれば、初めて見る資料の問題にも答えられるよ。

地理の統計の読み方:数字を丸暗記しない

共通テストの地理では、国別の生産量や貿易、人口などの統計の表やグラフがよく出ます。統計の数字は毎年変わるので、数字そのものを丸暗記するより、読み方の型を身につけましょう。

統計の表は3ステップで読む 1単位を見る総量?1人あたり?%?トン?2目立つ数字いちばん大きい・小さい所を探す3理由とつなぐ気候・人口・産業から説明 数字を丸暗記するより「なぜその数字になるか」を言えるように
図6 統計の表を読む3ステップ
  • 単位を見る:「総量」と「1人あたり」では、上位の国の顔ぶれがまったく変わります。人口の多い国は総量が大きくなりやすいからです。
  • 目立つ数字から:表の中でいちばん大きい数字・小さい数字に注目すると、どの国(地域)かを当てやすくなります。
  • 理由とつなぐ:「なぜその国が多いのか」を、気候・地形・人口・産業・歴史の知識で説明できるか確かめます。

長さの単位(メートル)がどのように決められたかを知ると、地図の縮尺の理解にも役立ちます。気になる人は「メートルは何の単位?」もどうぞ。

地理の勉強はいつから?学年別の計画

地理は短い期間で伸ばしやすい科目ですが、地図や統計を読む力は少しずつしか身につきません。学年ごとの目安は次のとおりです。

地理の学年別の計画(共通テストまで) 高1地理総合の授業地図・GIS・防災の基本高2地理探究の授業系統地理(気候・農業など)高34〜8月講義本+一問一答全範囲をひととおり高39〜12月演習・過去問本試・追試・試作問題1月共通テスト本番1日目(土)の朝
図7 地理の学年別の計画(共通テストまで)
  • 高1:地理総合の授業を大切に。地図帳を引くくせをつける。
  • 高2:地理探究を選んだ人は、系統地理(気候・農業・工業・人口など)を授業で固める。
  • 高3の4〜8月:講義形式の本と一問一答で全範囲をひととおり。乗り換え組はここで一気に追いつく。
  • 高3の9〜12月:共通テスト型の演習と過去問。まちがえた資料の読み方をノートにまとめる。
  • 1月:本番。地理歴史・公民は1日目の朝なので、朝型の生活に早めに切りかえる。
サクラちゃん

サクラちゃん

高3の夏から理系で地理に乗り換えるのは、もうおそいですか?

合格先生

合格先生

おそくないよ。地理は総勉強時間が少なくてすむ科目だから、夏に講義の本で全体像をつかみ、秋から演習と過去問に入れば間に合う人は多い。ただし一問一答と地図帳は毎日少しずつ。まとめてやるより、毎日10分のほうが効くんだ。

サクラちゃん

サクラちゃん

毎日10分なら、数学や理科の合間にもできそう!

地理を楽しく覚える:クイズで知識をふやす

地理は、ふだんの生活やニュースとつながっている科目です。合格大作戦には、地理の知識をクイズで楽しく確かめられる記事があります。

世界史も選ぶ人は、地域と時代をつなげて覚えると地理の地誌にも役立ちます。「世界史の勉強法」「世界史の勉強法その2」もあわせて読んでください。2016年当時のセンター試験の社会の難しさを受験生にたずねた「センター試験難易度アンケート」も残しています。

2次試験・私立大学の地理を受ける人へ

この記事は共通テストレベルまでの基礎編です。国公立大学の2次試験や私立大学で地理を使う人は、基礎編の5ステップを終えたうえで、志望校の過去問で出題の形(論述があるか、字数、地図の作図があるかなど)を早めに確かめましょう。論述では「理由を言える」力がそのまま点になります。

東大の2次試験の地理歴史(文科)は120点で、試験時間は2科目で150分です。東大の入試の全体は「東大合格大作戦」、京大を目指す人の作戦の立て方は「京大合格作戦の立て方」へ。

共通テスト直前の地理の総仕上げ

本番が近づいたら、新しい本に手を出さず、一問一答と過去問のまちがい直しをくり返しましょう。最後の1か月の進め方は「共通テストまでにやっておきたい10のこと」、前日の過ごし方は「共通テスト前日にやっておきたいこと20」、心構えは「共通テストを受ける人へ。10のアドバイス」にまとめています。

指さして説明するサクラちゃん

サクラちゃん

地図帳を開いて、一問一答を1冊やりこむ。それだけで地理はぐっと身近になるね!分からないことは質問コーナーで聞いてみよう。

勉強の進め方で迷ったら「受験の質問・相談」で聞いてください。

共通テストの地理の手ごたえや勉強法の情報交換は、受験掲示板「100点BBS」の「共通テスト掲示板」へ。

よくある質問

地理の勉強は何から始めればいいですか?

講義形式の参考書で全体像をつかむことから始めます。並行して一問一答を1冊やりこみ、最後に共通テストの過去問で仕上げます。

共通テストの地理はどの科目ですか?

『地理総合,地理探究』(60分・100点)と、『地理総合/歴史総合/公共』の地理総合の部分(3つから2つを選び各50点)があります(2027年度の出題方法)。

『地理総合,地理探究』と『地理総合/歴史総合/公共』は両方受けられますか?

2科目受ける場合は組み合わせられますが、『地理総合/歴史総合/公共』で選べるのは歴史総合と公共の組み合わせだけです。

地理は暗記科目ですか?

覚えることもありますが、地図・統計・グラフを読んで理由を考える力が大切な科目です。日本史・世界史より総勉強時間は少なくてすみます。

理系で高3から地理を始めても間に合いますか?

夏に講義の参考書で全体像をつかみ、秋から演習と過去問に入れば、共通テストに間に合う人は多いです。

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出典・参考

最終更新:2026年10月21日/作成:大学受験合格大作戦

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