期待値の公式と求め方|値×確率の和が平均になる理由・線形性 E(X+Y)=E(X)+E(Y) の証明と例題【大学受験 数学A・B】

期待値の公式と求め方|値×確率の和が平均になる理由・線形性 E(X+Y)=E(X)+E(Y) の証明と例題【大学受験 数学A・B】

合格大作戦 算数・数学公式辞典 › 場合の数・確率

大学受験

E=∑k=1nxkpkE=\sum_{k=1}^{n}x_kp_k

値 xkx_k をとる確率が pkp_k(p1+⋯+pn=1p_1+\cdots+p_n=1)

この公式のポイント

  • 期待値は値×確率をすべて足したもの
  • たくさんくり返したときの1回あたりの平均
  • 線形性:E(X+Y)=E(X)+E(Y)E(X+Y)=E(X)+E(Y)(独立でなくてよい)
  • 得か損かは、期待値と参加費をくらべる
うかるくん

うかるくん

期待値って、賞金を全部足して種類の数で割ればいいの?

合格先生

合格先生

それはちがう。値に確率をかけて全部足すんだ。たくさんくり返したときの1回あたりの平均だぞ。

期待値の公式

くじやゲームで、1回あたり平均してどれくらいの値が得られるかを表すのが期待値です。

期待値

値 x1, x2, …, xnx_1,\ x_2,\ \dots,\ x_n をとる確率が p1, p2, …, pnp_1,\ p_2,\ \dots,\ p_n(合計1)のとき、

E=x1p1+x2p2+⋯+xnpn=∑k=1nxkpkE=x_1p_1+x_2p_2+\cdots+x_np_n=\sum_{k=1}^{n}x_kp_k

「値×その確率」をすべて足したもの。

賞金本数確率賞金×確率
1000円1本1100\dfrac{1}{100}1010
100円9本9100\dfrac{9}{100}99
0円90本90100\dfrac{90}{100}00
合計100本11期待値 1919 円

100本のくじを全部引くと賞金の合計は 1000+900=19001000+900=1900 円。1本あたりにすると 1919 円で、期待値と一致します。

1000円×1本100円×9本0円×90本合計 1900円÷ 100本= 19円(期待値と一致)
100本のくじを全部引くと、賞金の合計は 1000×1+100×9=19001000\times1+100\times9=1900 円。1本あたり 1919 円が期待値

なぜ「値×確率の和」が平均になるのか

同じ試行を NN 回(たくさん)くり返すと、値 xkx_k はおよそ NpkNp_k 回出ます。すべての合計はおよそ x1Np1+⋯+xnNpnx_1Np_1+\cdots+x_nNp_n。これを回数 NN で割ると、

x1Np1+⋯+xnNpnN=x1p1+⋯+xnpn\frac{x_1Np_1+\cdots+x_nNp_n}{N}=x_1p_1+\cdots+x_np_n

つまり期待値は「たくさんくり返したときの1回あたりの平均」です。ふつうの平均の計算で、「個数」の代わりに「確率(割合)」を使っているだけです。

期待値の性質(線形性)

2つの値 X, YX,\ Y について、

E(X+Y)=E(X)+E(Y),E(aX+b)=aE(X)+bE(X+Y)=E(X)+E(Y),\qquad E(aX+b)=aE(X)+b

これは XX と YY が独立でなくても成り立ちます。証明:X+YX+Y の期待値は、すべての結果について (x+y)×(x+y)\times(確率)を足したもの。足し算を分けると ∑x×\sum x\times(確率)+∑y×+\sum y\times(確率)=E(X)+E(Y)=E(X)+E(Y)。

たとえば、さいころを2回投げた目の和の期待値は、1回の期待値 1+2+⋯+66=72\dfrac{1+2+\cdots+6}{6}=\dfrac72 の2倍で 77。36通りを全部書かなくても求められます。

大学受験(数学A・B)での使い方

期待値は数学A(場合の数と確率)で、確率変数・分散とともに数学B(統計的な推測)でも学びます。ゲームが得か損か、どちらの方法が有利かを比べる問題が定番です。

大学受験

例題1(さいころ)

1個のさいころを投げて、出た目の数を得点とします。得点の期待値を求めなさい。

解き方

1⋅16+2⋅16+⋯+6⋅16=216=721\cdot\dfrac16+2\cdot\dfrac16+\cdots+6\cdot\dfrac16=\dfrac{21}{6}=\dfrac72。

答え 72\dfrac72(3.5点)

1/611/621/631/641/651/663.5つり合う点=期待値おもり=確率(どれも 1/6)
例題1:目 11〜66 に同じ重さ(確率 16\dfrac16)をのせると、真ん中の 3.53.5 でつり合う。期待値は「確率を重さとしたつり合いの点」
大学受験

例題2(どちらが得か)

参加費 200 円のゲームで、さいころを投げて6の目なら 1000 円、それ以外なら何ももらえません。このゲームに参加するのは得ですか。

解き方

もらえる金額の期待値は 1000×16=5003≒1671000\times\dfrac16=\dfrac{500}{3}\fallingdotseq167 円。参加費 200 円より小さいので、平均すると損。

答え 損(1回あたり約33円の損)

大学受験

例題3(線形性)

赤玉3個、白玉2個の袋から、もどしながら4回玉を取り出します。赤玉が出る回数の期待値を求めなさい。

解き方

1回ごとに「赤なら1、白なら0」とすると、1回の期待値は 35\dfrac35。4回の合計の期待値は線形性より 4×35=1254\times\dfrac35=\dfrac{12}{5}。

答え 125\dfrac{12}{5} 回

例題3は、回数 nn、確率 pp の二項分布の期待値 npnp の例です。

よくある間違い

腕でバツを作る合格先生

合格先生

期待値の額が、1回で必ずもらえると思うのは×だ。期待値はあくまで平均だぞ。

  • 値だけを平均する:賞金の種類の平均ではなく、確率をかけて足す。
  • 確率の合計が1になっていない:「はずれ(0円)」も含めて確かめる。
  • 期待値=必ずもらえる額と考える:期待値は平均であって、1回で必ず出る値ではない。

練習問題

ひらめいたうかるくん

うかるくん

参加費とくらべれば、得か損か分かるんだ!

  1. 大学受験 硬貨を2枚投げて、表の枚数を得点とするときの期待値を求めなさい。
    答えと解説を見る0枚 14\dfrac14、1枚 12\dfrac12、2枚 14\dfrac14。0+12+12=10+\dfrac12+\dfrac12=1。答え 11
  2. 大学受験 さいころを3回投げた目の和の期待値を求めなさい。
    答えと解説を見る1回の期待値 72\dfrac72 の3倍。答え 212\dfrac{21}{2}
  3. 大学受験 当たり確率 110\dfrac{1}{10} のくじを10回引く(もどす)とき、当たりの回数の期待値を求めなさい。
    答えと解説を見る10×110=110\times\dfrac{1}{10}=1。答え 11 回

関連する公式

この公式が出てくる合格大作戦の記事

よくある質問

期待値の公式は?

値 x₁, …, xₙ をとる確率が p₁, …, pₙ のとき、期待値は x₁p₁+x₂p₂+…+xₙpₙ です。

期待値とは何を表しますか?

同じ試行をたくさんくり返したときの、1回あたりの平均の値です。

期待値の線形性とは?

E(X+Y)=E(X)+E(Y)、E(aX+b)=aE(X)+b が成り立つことです。X と Y が独立でなくても成り立ちます。

さいころの目の期待値は?

(1+2+3+4+5+6)÷6=3.5 です。

期待値は何年生で習いますか?

平成30年告示の学習指導要領では、高校の数学A「場合の数と確率」で習い、数学Bの「統計的な推測」で確率変数の期待値として発展します。

あわせて読みたい

出典・参考

  • 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)」数学A(場合の数と確率)・数学B(統計的な推測)

最終更新:2026年10月11日/作成:大学受験合格大作戦