この公式のポイント
- 分散は偏差の2乗の平均(偏差の和はいつも0だから2乗する)
- 計算は 2乗の平均 − 平均の2乗 が楽
- 標準偏差は分散のルート(元の単位にもどる)
- y=ax+b なら平均 axˉ+b、標準偏差 ∣a∣s

うかるくん
平均からのずれをそのまま平均したら、ちらばりにならないの?
![合格先生]()
合格先生
ならない。偏差の和はいつも0だ。だから2乗して平均する。それが分散だぞ。
平均・分散・標準偏差の公式
データの「真ん中」を表すのが平均値、「ちらばり」を表すのが分散と標準偏差です。データを x1, x2, ⋯, xn(n 個)とします。
データの分析の基本公式
xˉ=nx1+x2+⋯+xns2=n(x1−xˉ)2+⋯+(xn−xˉ)2=x2−(xˉ)2s=s2xˉ:平均値 s2:分散 s:標準偏差 x2:2乗の平均
データ 3, 5, 6, 7, 9。平均 6 からのずれ(偏差)は −3, −1, 0, +1, +3
偏差は足すと必ず0になる(平均の性質)ので、そのままではちらばりを表せません。そこで2乗して平均したのが分散です。図の例では 59+1+0+1+9=4。分散は単位も2乗になる(点²)ので、ルートをとって元の単位にもどしたのが標準偏差 s=2(点)です。
証明:分散=(2乗の平均)−(平均の2乗)
xˉ=m とおいて、分散の定義を展開します。
s2=n1k=1∑n(xk−m)2=n1k=1∑n(xk2−2mxk+m2)=n1∑xk2−2m⋅n1∑xk+m2=x2−2m⋅m+m2=x2−m2
図の例で確かめると、2乗の平均 59+25+36+49+81=40、平均の2乗 36、差は 4。定義どおりに計算した値と一致します。平均が整数でないときは、こちらの式のほうが計算が楽です。
データを変換したとき
y=ax+b と変換すると、平均は axˉ+b、分散は a2s2、標準偏差は ∣a∣s。b を足すのは全体をずらすだけでちらばりは変わらず、a 倍すると偏差も a 倍になるからです。
高校受験(中学数学)での使い方
中学では、平均値・中央値・最頻値(中1)、四分位範囲と箱ひげ図(中2)を学びます。
高校受験例題1(中央値と四分位数)
データ 1, 3, 4, 6, 7, 8, 10, 12 の中央値、第1四分位数、第3四分位数、四分位範囲を求めなさい。
解き方
8個なので中央値は4番目と5番目の平均 26+7=6.5。
前半 1, 3, 4, 6 の中央値 3.5 が第1四分位数、後半 7, 8, 10, 12 の中央値 9 が第3四分位数。四分位範囲は 9−3.5=5.5。
答え 中央値 6.5、Q1=3.5、Q3=9、四分位範囲 5.5
例題1のデータの箱ひげ図。箱の左右が Q1=3.5 と Q3=9、箱の中の線が中央値 6.5、ひげの両はしが最小値と最大値
大学受験(数学Ⅰ)での使い方
大学受験例題2(変換)
あるテストの得点
x の平均値は 60 点、標準偏差は 10 点でした。
y=2x+5 と変換した
y の平均値、分散、標準偏差を求めなさい。
解き方
平均値 2×60+5=125、標準偏差 2×10=20、分散 202=400。
答え 平均 125、分散 400、標準偏差 20
大学受験例題3(偏差値)
平均点 60 点、標準偏差 10 点のテストで 75 点をとりました。偏差値はいくつですか。偏差値は
50+10×sx−xˉ で求めます。
解き方
50+10×1075−60=65。偏差値は「平均から標準偏差何個分はなれているか」を、平均50・標準偏差10の物差しにかえた値です。
答え 65
よくある間違い
![腕でバツを作る合格先生]()
合格先生
y=ax+b と変換すると、分散は a 倍ではなく a2 倍だ。標準偏差が ∣a∣ 倍になる。
- 偏差を2乗せずに平均する:偏差の和はいつも0。
- 分散と標準偏差を取りちがえる:標準偏差は分散のルート。
- 変換で分散を a 倍にする:分散は a2 倍、標準偏差が ∣a∣ 倍。
練習問題
![「ここが大事!」と説明する合格先生]()
合格先生
標準偏差は分散のルートだ。単位を元にもどすためだぞ。
- 高校受験 データ 4, 8, 6, 2 の平均値を求めなさい。
答えと解説を見る
20div4=5。答え 5 - 大学受験 データ 4, 8, 6, 2 の分散を求めなさい。
答えと解説を見る
偏差 −1,3,1,−3。dfrac1+9+1+94=5。答え 5 - 大学受験 あるデータの平均値は 3、2乗の平均は 13 です。標準偏差を求めなさい。
答えと解説を見る
分散 13−32=4。答え 2
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よくある質問
分散の求め方は?
各データと平均の差(偏差)を2乗し、その平均をとります。2乗の平均から平均の2乗を引いても求められます。
標準偏差とは?
分散の正の平方根で、データのちらばりを元の単位で表した値です。
分散が「2乗の平均−平均の2乗」になるのはなぜ?
(x−m)² を展開して平均をとると、2乗の平均 −2m·m + m² = 2乗の平均 − m² になるからです。
偏差値の求め方は?
偏差値=50+10×(得点−平均点)÷標準偏差 です。
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出典・参考
- 文部科学省「中学校学習指導要領(平成29年告示)」数学(データの活用)
- 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)」数学Ⅰ(データの分析)
最終更新:2026年10月11日/作成:大学受験合格大作戦