この公式のポイント
- 左→右が展開(乗法公式)、右→左が因数分解
- 因数分解はまず共通因数、次に公式の形をさがす
- (a+b)2 は1辺 a+b の正方形の面積。2ab を忘れない
- 算数の計算の工夫(53×47 など)にも使える

うかるくん
因数分解をするとき、最初にどんな形を探せばいいの?
![合格先生]()
合格先生
まず共通因数だ。くくったあとで、乗法公式を右から左に読んだ形を探そう。
乗法公式と因数分解の公式
かっこのついた式をかけ算して広げることを展開、反対に、たし算・ひき算の式をかけ算の形にまとめることを因数分解といいます。よく使う展開の形を乗法公式といい、それを右から左へ読んだものが因数分解の公式です。
中学で使う4つの公式
(x+a)(x+b)(a+b)2(a−b)2(a+b)(a−b)=x2+(a+b)x+ab=a2+2ab+b2=a2−2ab+b2=a2−b2左→右が展開(乗法公式)、右→左が因数分解です。
なぜ成り立つのか(面積で見る)
1辺 a+b の正方形を4つに分けると、a2+ab+ab+b2
1辺が a+b の正方形の面積は (a+b)2。これを4つに分けると、a2、ab が2つ、b2 になるので (a+b)2=a2+2ab+b2 です。式では、分配法則で1つずつかけて確かめられます。
(a+b)(a−b)=a2−ab+ab−b2=a2−b2
1辺 a の正方形から1辺 b の正方形を除いた a2−b2 は、切って並べかえると、たて a−b・横 a+b の長方形になる
因数分解の手順
- 共通因数をくくり出す(2x2−8=2(x2−4))
- 2乗の差なら 和と差の積(x2−4=(x+2)(x−2))
- x2+□x+△ なら、たして □、かけて △ になる2つの数をさがす
- 最後に展開してもとにもどるか確かめる
中学受験(算数)では:計算の工夫
文字式の因数分解は中学で習いますが、同じしくみは算数の計算の工夫として使えます。
中学受験例題1(和と差の積)
53×47 をくふうして計算しなさい。
解き方
53=50+3、47=50−3 なので、(50+3)×(50−3)=50×50−3×3=2500−9=2491。
答え 2491
中学受験例題2(分配法則)
3.14×17+3.14×23 を計算しなさい。
解き方
3.14 でまとめて 3.14×(17+23)=3.14×40=125.6。(共通因数をくくり出すのと同じです)
答え 125.6
高校受験(中学3年)での使い方
乗法公式と因数分解は中学3年で学びます。高校入試では、因数分解そのもの、二次方程式、式の値、数の性質の証明で使います。
高校受験例題3(因数分解)
次の式を因数分解しなさい。(1)
x2−x−12 (2)
3x2−27解き方
(1) かけて −12、たして −1 になる2数は 3 と −4。(x+3)(x−4)。
(2) 共通因数3をくくり出して 3(x2−9)=3(x+3)(x−3)。
答え (1) (x+3)(x−4) (2) 3(x+3)(x−3)
高校受験例題4(式の値・計算の工夫)
1022 と
x=97 のときの
x2+6x+9 の値を求めなさい。
解き方
1022=(100+2)2=10000+400+4=10404。
x2+6x+9=(x+3)2=1002=10000。
答え 10404、10000
大学受験(数学Ⅰ・Ⅱ)での使い方
数学Ⅰではたすき掛けと3次の公式を加えます。
acx2+(ad+bc)x+bd=(ax+b)(cx+d)
a3+b3=(a+b)(a2−ab+b2),a3−b3=(a−b)(a2+ab+b2)
(a+b)3=a3+3a2b+3ab2+b3
大学受験例題5(たすき掛け)
2x2+5x+3 を因数分解しなさい。
解き方
2=2×1、3=3×1 として、2×1+1×3=5 になる組み合わせをさがすと (2x+3)(x+1)。
答え (2x+3)(x+1)
大学受験例題6(おきかえ)
x4−5x2+4 を因数分解しなさい。
解き方
x2=X とおくと X2−5X+4=(X−1)(X−4)。
もどして (x2−1)(x2−4)=(x+1)(x−1)(x+2)(x−2)。
答え (x+1)(x−1)(x+2)(x−2)
よくある間違い
![腕でバツを作る合格先生]()
合格先生
途中で止めるのは×。(x2−1)(x2−4) はまだ因数分解できるぞ。
- (a+b)2=a2+b2 としてしまう:まん中の 2ab を忘れない。
- 共通因数のくくり忘れ:2x2−8 を (2x+…) のようにしない。まず2でくくる。
- 途中で止める:(x2−1)(x2−4) はまだ因数分解できる。
- 符号の組み合わせ:かけて負になる2数は、一方が正・一方が負。
練習問題
![ひらめいたサクラちゃん]()
サクラちゃん
53×47 の計算にも使えるのね。
- 中学受験 98×102 をくふうして計算しなさい。
答えと解説を見る
(100−2)(100+2)=10000−4=9996。答え 9996 - 高校受験 x2+2x−15 を因数分解しなさい。
答えと解説を見る
かけて −15、たして 2 → 5 と −3。答え (x+5)(x−3) - 大学受験 a3−8 を因数分解しなさい。
答えと解説を見る
a3−23=(a−2)(a2+2a+4)。答え (a−2)(a2+2a+4)
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よくある質問
因数分解の公式は?
x²+(a+b)x+ab=(x+a)(x+b)、a²+2ab+b²=(a+b)²、a²−2ab+b²=(a−b)²、a²−b²=(a+b)(a−b) の4つが基本です。
展開と因数分解のちがいは?
かっこの式をかけて広げるのが展開、たし算・ひき算の式をかけ算の形にまとめるのが因数分解です。同じ公式を逆向きに使います。
因数分解のコツは?
まず共通因数をくくり出し、次に2乗の差や x²+□x+△ の形を探します。最後に展開して確かめます。
たすき掛けとは何ですか?
x² の係数が1でない2次式を (ax+b)(cx+d) の形に因数分解する方法で、高校の数学Ⅰで学びます。
乗法公式は何年生で習いますか?
中学3年生で習います。高校の数学Ⅰでたすき掛けや3次の公式を学びます。
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出典・参考
- 文部科学省「中学校学習指導要領(平成29年告示)」数学 第3学年(式の展開と因数分解)
- 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)」数学Ⅰ・数学Ⅱ
最終更新:2026年10月11日/作成:大学受験合格大作戦