この公式のポイント
- 和 S から公比をかけた rS を引く
- 1つずらして書くと、たての項の係数の差が一定
- 残るのは等比数列の和と、はみ出た最後の項
- ∑k⋅2k−1=(n−1)2n+1

うかるくん
k⋅2k−1 の和は、どの公式も使えないよ。
![合格先生]()
合格先生
S から rS を1つずらして引くんだ。係数の差が1になって、等比数列の和だけが残るぞ。
等差×等比の数列の和の公式
1⋅1+2⋅2+3⋅22+4⋅23+⋯ のように、等差数列(1,2,3,…)と等比数列(1,2,22,…)をかけた数列の和は、そのままでは 等比数列の和 の公式も Σの公式 も使えません。和 S から rS を引くと、等比数列の和にもちこめます。
等差×等比の和(S−rS をとる)
r=1 のとき
S=k=1∑nkrk−1=(1−r)21−(n+1)rn+nrn+1とくに r=2 なら
k=1∑nk⋅2k−1=(n−1)⋅2n+1公式を覚えるより、S−rS をとる手順を身につけるのが大事です。
2S を1つ右にずらして並べ、たてに引くと、等比数列の和が出てくる
証明(S−rS をとる)
S=1+2r+3r2+⋯+nrn−1 の両辺に r をかけ、1つ右にずらして書きます。
SrS=1+2r+3r2+⋯+nrn−1=1+r+2r2+⋯+(n−1)rn−1+nrn
上から下を引くと、たてにならんだ項はどれも係数の差が1なので、
(1−r)S=n 個1+r+r2+⋯+rn−1−nrn=1−r1−rn−nrn
両辺を 1−r でわって通分すると
S=(1−r)21−rn−nrn(1−r)=(1−r)21−(n+1)rn+nrn+1
r=2 なら S−2S=(2n−1)−n⋅2n より −S=−(n−1)2n−1、つまり S=(n−1)2n+1 です。
ポイント:r をかけるのは、等比の部分の公比です。ずらすと「等差の部分」が差をとって一定(公差)になり、等比数列だけが残ります。ak=(ak+b)rk−1 のような一般の等差×等比でも、同じ手順で計算できます。
別の証明:階段に並べかえる
1·1+2·2+3·4+4·8 を階段に並べると、横の行はどれも等比数列の和
k⋅2k−1 は「2k−1 が k 個」です。上の図のように階段に並べ、横に足すと、j 行目は 2j−1+2j+⋯+2n−1=2n−2j−1。これを j=1 から n まで足すと
S=n⋅2n−(1+2+⋯+2n−1)=n⋅2n−(2n−1)=(n−1)2n+1
同じ答えになりました。たてと横で足す順番を変えるだけの、図で見える証明です。
大学受験(数学B)での使い方
大学受験例題1(いちばん基本の形)
Sn=∑k=1nk⋅2k−1 を求めなさい。
解き方
S=1+2⋅2+3⋅22+⋯+n⋅2n−1、2S=1⋅2+2⋅22+⋯+(n−1)2n−1+n⋅2n。
引くと −S=(1+2+⋯+2n−1)−n⋅2n=2n−1−n⋅2n。よって S=(n−1)2n+1。確かめ:n=3 で 1+4+12=17、2⋅8+1=17。
答え Sn=(n−1)⋅2n+1
大学受験例題2(等差が 2k−1)
Sn=∑k=1n(2k−1)⋅3k−1 を求めなさい。
解き方
S=1+3⋅3+5⋅32+⋯+(2n−1)3n−1、3S=1⋅3+3⋅32+⋯+(2n−1)3n。
引くと、係数の差は公差の 2 なので −2S=1+2(3+32+⋯+3n−1)−(2n−1)3n。
3+⋯+3n−1=23n−3 なので −2S=1+3n−3−(2n−1)3n=−2−(2n−2)3n。よって S=(n−1)3n+1。確かめ:n=2 で 1+9=10、1⋅9+1=10。
答え Sn=(n−1)⋅3n+1
大学受験例題3(公比が分数)
Sn=∑k=1n2kk を求めなさい。
解き方
S=21+222+⋯+2nn、21S=221+⋯+2nn−1+2n+1n。
引くと 21S=(21+221+⋯+2n1)−2n+1n=1−2n1−2n+1n。
2倍して S=2−2n2−2nn=2−2nn+2。確かめ:n=2 で 21+42=1、2−44=1。(数学Ⅲでは n→∞ で S→2。)
答え Sn=2−2nn+2
よくある間違い
![腕でバツを作る合格先生]()
合格先生
ずらすと rS の最後の項 nrn がはみ出す。引くときに −nrn を書き忘れないこと。
- 最後の項を忘れる:ずらすと rS の最後の項 nrn がはみ出します。引くときに−nrn を忘れないこと。
- 等比数列の項数をまちがえる:例題2のように先頭の項だけ係数がちがうことがあります。どこからどこまでが等比数列か、項数は何個かを確かめます。
- r=1 でもこの式を使う:1−r=0 でわれません。r=1 なら ∑k=2n(n+1)(ただの等差数列の和)です。
練習問題
![「ここが大事!」と説明する合格先生]()
合格先生
公式より、S−rS の手順を身につけよう。
- 大学受験 ∑k=15k⋅2k−1 の値は?
答えと解説を見る
(5−1)⋅25+1=129。確かめ:1+4+12+32+80=129 - 大学受験 Sn=∑k=1nk⋅3k を求めなさい。
答えと解説を見る
S−3S=(3+32+⋯+3n)−n⋅3n+1=23n+1−3−n⋅3n+1。これが −2S なので、−2 でわって Sn=4(2n−1)3n+1+3(n=2 で 3+18=21) - 大学受験 Sn=∑k=1n(3k−2)⋅2k−1 を求めなさい。
答えと解説を見る
S−2S=1+3(2+22+⋯+2n−1)−(3n−2)2n=1+3(2n−2)−(3n−2)2n。整理して Sn=(3n−5)⋅2n+5(n=3 で 1+8+28=37)
関連する公式
よくある質問
等差×等比の数列の和はどうやって求めますか?
和 S に等比の部分の公比 r をかけた rS を、1つずらして書いて S−rS をとります。すると等比数列の和が残るので計算できます。
Σk·2^(k−1) の答えは?
(n−1)·2^n+1 です。たとえば n=3 なら 1+4+12=17 で、2·8+1=17 になります。
なぜ S−rS をとるとうまくいくのですか?
1つずらすと、たてにならぶ項の等差部分の差が公差で一定になり、等比数列の和に変わるからです。
公比が1のときはどうしますか?
r=1 なら S−rS=0 になって使えません。ただの等差数列の和として計算します。
あわせて読みたい
出典・参考
- 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)」数学B(数列)
最終更新:2026年10月11日/作成:大学受験合格大作戦