等比数列とは?一般項と和の求め方をわかりやすく【例題・問題つき】|合格大作戦 数学用語辞典

等比数列とは?一般項と和の求め方をわかりやすく【例題・問題つき】|合格大作戦 数学用語辞典

合格大作戦 数学用語辞典 › 数と式

大学受験

等比数列とは

同じ数ずつかけていく数列です。となりどうしの比を公比といい、初項 aa、公比 rr の第 nn 項は an=arn−1a_n=ar^{n-1} です。

読み方:とうひすうれつ/英語:geometric sequence/習う学年:数学B(数列)

うかるくん

うかるくん

等差数列と等比数列、名前が似ていてごちゃごちゃになります…。

合格先生

合格先生

「差」はたし算・ひき算、「比」はかけ算・わり算と覚えよう。等比数列は同じ数をかけていく数列だよ。

この用語のポイント

  • 等比数列は同じ数ずつかける数列。その数が公比(後ろ÷前)
  • 第 nn 項は arn−1ar^{n-1}。公比をかけるのは n−1n-1 回
  • 和の公式は r≠1r\ne1 のときだけ。r=1r=1 なら nana

やさしく言うと

等比数列は、同じ数ずつかけていく数列です。「倍々」で増えたり、「半分、半分」で減ったりする量がこれです。

  • 紙を折る:紙を半分に折るたびに、重なりの枚数は 1, 2, 4, 8, … と 2 倍になります。
  • ねずみ算:江戸時代の算術書『塵劫記(じんこうき)』には、ねずみの数が月ごとに何倍にもふえていく「ねずみ算」の問題があります。今でも「ねずみ算式にふえる」という言い方が残っています。
  • ボールのはね返り:はね返るたびに高さが前の 0.6 倍になるボールなら、高さは 100, 60, 36, … と、一定の割合で小さくなります。公比が 1 より小さい等比数列です。
  • 利息のつく貯金:1 年ごとに 1% の利息がついて元金に加わるなら、残高は毎年 1.01 倍になります(複利)。

となりどうしの比(後ろ÷前)はいつも同じで、この数を公比といいます。

どこも ×2(公比 2) 3第1項×26第2項×212第3項×224第4項×248第5項 第 n 項 = 3 × 2 を (n−1) 回かけたもの = 3·2n−1
3, 6, 12, 24, 48 は初項3、公比2の等比数列

まとめると、等比数列は「前の項に、いつも同じ数をかけると次の項」という数列です。

等比数列の例

○ 等比数列

  • 3, 6, 12, 24, …(公比 2)
  • 81, 27, 9, 3, …(公比 13\dfrac13)
  • 1, −2, 4, −8, …(公比 −2。符号が交互に変わる)
  • 5, 5, 5, 5, …(公比 1。同じ数のくり返し)
  • 100, 60, 36, 21.6, …(公比 0.6)
  • 2, 2, 22, 4, ⋯\sqrt2,\ 2,\ 2\sqrt2,\ 4,\ \cdots(公比 2\sqrt2)

× 等比数列ではないもの

  • 2, 4, 6, 8, …(2ずつ増える。これは等差数列)
  • 1, 4, 9, 16, …(比が 4, 94\dfrac94, … と変わる)
  • 1, 2, 4, 7, 11, …(差が 1, 2, 3, … とふえる)
  • 1, 1, 2, 3, 5, 8, …(前の2つをたす数列)
  • 2, 6, 12, 20, …(比が 3, 2, 53\dfrac53 と変わる)

公比は「後ろの項 ÷ 前の項」で求めます。81, 27, 9 なら 27÷81=1327\div81=\dfrac13 で、3ではありません。等比数列かどうかは、となりどうしの比が全部同じかで確かめます。

何番目の数でも求められる(一般項)

初項 aa、公比 rr の等比数列の第 nn 項は

an=arn−1a_n=ar^{n-1}

第 nn 項までに公比をかける回数は n−1n-1 回です(等差数列で公差をたす回数と同じ考え方)。例:3, 6, 12, … の第6項は 3×25=963\times2^{5}=96 です。

また、3つの数 a, b, ca,\ b,\ c がこの順に等比数列になるとき、ba=cb\dfrac ba=\dfrac cb なので b2=acb^2=ac が成り立ちます。この bb を等比中項といいます。たとえば 4, 6, 9 は 62=36=4×96^2=36=4\times9 なので等比数列です。

図で見る:和の求め方と、減っていく等比数列

等比数列の和は、全体に公比をかけて、1つずらして引くと、まん中の項がごっそり消えて求められます。

S = 2S = 1248162481632 2S − S = 32 − 1 = 31 まん中の 2, 4, 8, 16 は上下で同じなので消える(緑の線) S = 31 (公式:1×(2⁵−1)÷(2−1)=31)
S と 2S を1つずらして引くと、はしの 2 つだけが残る

これを文字で行うと、和の公式になります。

Sn=a(rn−1)r−1(r≠1),Sn=na(r=1)S_n=\frac{a(r^n-1)}{r-1}\quad(r\ne1),\qquad S_n=na\quad(r=1)

例:1+2+4+⋯+29=210−12−1=10231+2+4+\cdots+2^9=\dfrac{2^{10}-1}{2-1}=1023。くわしい導き方は公式辞典「等比数列の和の公式」にあります。r<1r<1 のときは、分母・分子に −1-1 をかけた Sn=a(1−rn)1−rS_n=\dfrac{a(1-r^n)}{1-r} の形のほうが計算しやすくなります。

ひらめいたうかるくん

うかるくん

公比をかけて1つずらすと、ほとんどの項が打ち消し合うんだ!

公比が 0 と 1 の間なら、項はどんどん小さくなります。

100はじめ×0.6601回目×0.6362回目×0.621.63回目×0.612.964回目 はね返る高さ(cm)は毎回 0.6 倍
100 cm から落としたボールの高さは、公比 0.6 の等比数列
うかるくん

うかるくん

ボールはいつまでもはね続けるんですか? 高さを全部たすと、無限に大きくなりそうです。

合格先生

合格先生

実はたしても無限にはならないんだ。100+60+36+⋯100+60+36+\cdots は、項をふやすほど 1001−0.6=250\dfrac{100}{1-0.6}=250 に近づく。こうした無限等比級数は数学Ⅲで習うよ。

等差数列とのちがい

等比数列は、はじめはゆっくりでも、公比が 1 より大きければやがてどんな等差数列も追いこします。

n 100 50 12345678 等差 10, 20, 30, … 等比 1, 2, 4, 8, … 128 80
10ずつ増える数列(青)を、2倍ずつの数列(赤)が8番目で追いこす
等差数列等比数列
きまり同じ数をたす同じ数をかける
その数の名前公差 dd(後ろ−前)公比 rr(後ろ÷前)
第 nn 項a+(n−1)da+(n-1)darn−1ar^{n-1}
3つの数 a,b,ca,b,c2b=a+c2b=a+cb2=acb^2=ac
和n(a1+an)2\dfrac{n(a_1+a_n)}{2}a(rn−1)r−1\dfrac{a(r^n-1)}{r-1}

テスト・入試ではこう出る

等比数列は高校の数学B(数列)で習います。定期テストや大学入試では、2つの項から初項と公比を求める問題、和の計算、和が〇〇をこえる最小の nn(常用対数を使う)、漸化式 an+1=rana_{n+1}=ra_n や an+1=pan+qa_{n+1}=pa_n+q を解く問題(等比数列に直して解く)がよく出ます。

例題1(一般項)

公比が正の等比数列で、第3項が 12、第5項が 48 です。一般項 ana_n を求めなさい。

  1. 初項を aa、公比を rr とすると、a3=ar2=12a_3=ar^2=12、a5=ar4=48a_5=ar^4=48。
  2. 2つの式をわると:ar4ar2=r2=4812=4\dfrac{ar^4}{ar^2}=r^2=\dfrac{48}{12}=4。
  3. 公比は正なので r=2r=2。ar2=12ar^2=12 に入れて 4a=124a=12、a=3a=3。

答え an=3⋅2n−1a_n=3\cdot2^{n-1}(たしかめ:a3=12a_3=12、a5=48a_5=48)

公比の条件がなければ r=−2r=-2 もあり、an=3⋅(−2)n−1a_n=3\cdot(-2)^{n-1} も答えになります。

例題2(和)

等比数列 2, 6, 18, ⋯2,\ 6,\ 18,\ \cdots の初項から第6項までの和を求めなさい。

  1. 初項 a=2a=2、公比 r=6÷2=3r=6\div2=3。
  2. 和の公式(r≠1r\ne1):S6=2(36−1)3−1=2×7282=728S_6=\dfrac{2(3^6-1)}{3-1}=\dfrac{2\times728}{2}=728。

答え 728(たしかめ:2+6+18+54+162+486=7282+6+18+54+162+486=728)

「ここが大事!」と説明する合格先生

合格先生

2つの項が分かったら、わり算で aa を消す。等比数列ならではの解き方だ!

まちがえやすい点

腕でバツを作る合格先生

合格先生

第 nn 項は arnar^n じゃなくて arn−1ar^{n-1}!

  • 一般項の指数を nn にする:arnar^{n} は×、arn−1ar^{n-1} です。n=1n=1 を入れて初項 aa に戻るか確かめましょう。
  • 公比が1のときも和の公式を使う:r=1r=1 だと分母が0になります。そのときは同じ数を nn 回たすので Sn=naS_n=na です。文字の公比 rr の和では、r=1r=1 と r≠1r\ne1 で場合分けが必要です。
  • 公比を「前÷後ろ」で求める:81, 27, 9 の公比は 13\dfrac13 です。また、公比が負なら符号が交互に変わります。
  • 項数を数えまちがえる:1+3+⋯+371+3+\cdots+3^7 は、指数が 0 から 7 までなので 8 項です(ミニ問題3)。
  • r2=4r^2=4 から r=2r=2 だけにする:r=−2r=-2 もあります。条件(公比が正、など)があるかを確かめます(例題1)。

ミニ問題

問題1 等比数列 5, 15, 45, ⋯5,\ 15,\ 45,\ \cdots の第5項を求めましょう。

答えと解き方を見る

405 です。初項 5、公比 15÷5=315\div5=3 なので、a5=5×34=5×81=405a_5=5\times3^{4}=5\times81=405。公比をかけるのは 5−1=45-1=4 回です。

問題2 初項 1、公比 −2-2 の等比数列の第7項を求めましょう。

答えと解き方を見る

64 です。a7=1×(−2)6=64a_7=1\times(-2)^{6}=64。−2-2 を偶数回かけるのでプラスになります。数列は 1, −2, 4, −8, 16, −32, 641,\ -2,\ 4,\ -8,\ 16,\ -32,\ 64 です。

問題3 1+3+9+⋯+371+3+9+\cdots+3^7 を計算しましょう。

答えと解き方を見る

3280 です。初項 1、公比 3 で、303^0 から 373^7 までなので項数は 8。S8=38−13−1=65602=3280S_8=\dfrac{3^8-1}{3-1}=\dfrac{6560}{2}=3280。項数を 7 としてしまうまちがいに注意します。

関連する公式・用語

公式辞典で、くわしい証明と例題を見る

あわせて覚えたい用語

よくある質問

等比数列とは何ですか?

同じ数ずつかけていく数列です。そのかける数を公比といいます。

等比数列の一般項はどう表しますか?

初項a、公比rのとき、第n項は a×r の (n−1) 乗です。公比をかける回数が n−1 回だからです。

公比が1のとき、和はどうなりますか?

同じ数aを n 回たすので、和は na です。和の公式は分母が0になるので使えません。

公比が負の等比数列はありますか?

あります。1, −2, 4, −8, … は公比 −2 の等比数列で、符号が交互に変わります。

等比中項とは何ですか?

3つの数 a, b, c がこの順に等比数列になるときの、まん中の b のことです。b²=ac が成り立ちます。

等比数列は何年生で習いますか?

高校の数学B(数列)で習います。

出典・参考

  • 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 数学編」数学B(数列)

最終更新:2026年10月13日/作成:大学受験合格大作戦