ハルちゃん
1から100までたすのって、ひとつずつたすしかないんですか?
合格先生
等差数列なら、逆の順に並べてたすと、どの組も101になるよ。101が100組で、その半分だから5050だ。
この用語のポイント
- 等差数列は同じ数ずつ増える(減る)数列。その差が公差
- 第 項は 。公差をたすのは 回
- 和は(初項+末項)×項数÷2
やさしく言うと
等差数列は、同じ数ずつ増えていく(または減っていく)数列です。身のまわりにもたくさんあります。
- 毎月の貯金:はじめに 1000 円あって、毎月 500 円ずつ貯金すると、残高は 1000, 1500, 2000, … と 500 円ずつふえます。
- 電車の時刻:7 時から 10 分おきに発車する電車の発車時刻は、7:00, 7:10, 7:20, … と 10 分ずつ進みます。
- カレンダー:カレンダーの縦の列の日付は、1, 8, 15, 22, 29 のように 7 ずつふえます。
となりどうしの差はいつも同じで、この差を公差といいます。「公」は「共通の」、「差」は「ひき算の答え」という意味です。
まとめると、等差数列は「前の数に、いつも同じ数をたすと次の数」という数列です。
等差数列の例
○ 等差数列
- 2, 5, 8, 11, …(公差 3)
- 10, 7, 4, 1, −2, …(公差 −3)
- 5, 5, 5, 5, …(公差 0)
- 1, 3, 5, 7, …(奇数。公差 2)
- 0.5, 1, 1.5, 2, …(公差 0.5)
- 7, 14, 21, 28, …(7の倍数。公差 7)
× 等差数列ではないもの
- 1, 2, 4, 8, …(差が 1, 2, 4 と変わる。これは等比数列)
- 1, 4, 9, 16, …(差が 3, 5, 7 と変わる)
- 1, 3, 6, 10, …(差が 2, 3, 4 と変わる)
- 2, 3, 5, 7, 11, …(素数。差がばらばら)
- 1, −1, 1, −1, …(差が −2, 2 と入れかわる)
公差は「後ろの項 − 前の項」で求めます。減っていく数列の公差はマイナスです。等差数列かどうかは、となりどうしの差が全部同じかで確かめます。
何番目の数でも求められる(一般項)
初項 、公差 の等差数列の第 項は
第 項までに公差をたす回数は、 回ではなく 回です。木を一列に植えるとき、木が 本なら間は か所ある(植木算)のと同じ考え方です。
例:2, 5, 8, … の第10項は です。

ハルちゃん
第1項から第10項までは、9回たせばいいんだね。木と木の間の数と同じだ!
和の求め方
等差数列の和は、逆の順に並べてたすと簡単に求められます。どの組も同じ数になるからです。数学者ガウスが子どものころ、この方法で 1 から 100 までの和をすぐに答えたという話が有名です(話のくわしい中身には、いろいろな言い伝えがあります)。
このしくみから、和の公式は次のようになります(項数 、初項 、末項 )。
ことばで言うと「(初項+末項)×項数÷2」。中学受験の算数でもよく使う形です。末項 の代わりに一般項を入れると、 とも書けます。
例: は10項なので、 です。公式の証明や練習問題は公式辞典「等差数列の和の公式」にあります。
ハルちゃん
項の数が奇数のときも、2でわっていいの? わり切れなくならない?
合格先生
大丈夫。たとえば は 3 項で、。逆の順に並べて 2 回分たしているから、全体はいつも 2 でわり切れるんだ。
図で見る:マッチ棒の問題
中学受験でよく出るのが、図形をならべていくときの本数・個数の問題です。ふえ方が一定なら、等差数列として考えられます。
「1 個目だけ 4 本、あとは 3 本ずつ」と見るのがポイントです。 個目の本数は 本になります。
| 等差数列 | 等比数列 | |
|---|---|---|
| きまり | 同じ数をたす | 同じ数をかける |
| その数の名前 | 公差 | 公比 |
| 第 項 | ||
| 3つの数 | ( は平均) |
3つの数 がこの順に等差数列なら、 なので 。まん中の は、 と の平均になります。この を等差中項といいます。
テスト・入試ではこう出る
高校では数学B(数列)で、「等差数列」という名前と公式を習います。中学受験の算数でも、「規則的に並んだ数」「□番目の数」「植木算」「図形の個数」として同じ考え方がよく出ます。高校の定期テストや大学入試では、2つの項から初項と公差を求める問題、和の最大値、はじめて負になる項などが定番です。
例題1(中学受験:マッチ棒)
マッチ棒で正方形を横に 1 列にならべます。正方形を 20 個つくるには、マッチ棒は何本いりますか。
- 本数は 4, 7, 10, … と 3 本ずつふえる(初項 4、公差 3 の等差数列)。
- 20 個のときは、3 本ふえるのが 回:。
- 別の考え方:はじめの 1 本に、「コの字」の 3 本を 20 回つけたす:。
答え 61 本
例題2(高校:一般項と和)
第3項が 11、第8項が 26 の等差数列について、一般項 と、初項から第20項までの和 を求めなさい。
- 、。
- ひき算すると 、。すると 。
- 一般項:。
- 第20項は 。和は 。
答え 、

合格先生
2つの項が分かれば、ひき算で公差が出る。間の数は「8−3=5」だよ!
まちがえやすい点

合格先生
第 項は じゃなくて !
- 一般項を にする:公差をたす回数は 回。 を入れて初項 に戻るか確かめましょう。
- 項数をまちがえる:第5項から第20項までは 項です(15項ではありません)。
- 公差の符号を逆にする:10, 7, 4, … の公差は 。「前−後ろ」で3としないように。
- 末項までの項数を出さずに和を求める: の項数は 99 ではなく 50 です。 を解くか、「(末項−初項)÷公差+1」で数えます。
- 「はじめて〇〇をこえる」で不等号を取りちがえる:ミニ問題3のように、 が整数であることに注意して、答えの項とその1つ前の項を両方たしかめます。
ミニ問題
問題1 等差数列 の第15項を求めましょう。
答えと解き方を見る
59 です。初項 3、公差 4 なので、。
問題2 を計算しましょう。
答えと解き方を見る
2500 です。1 から 99 までの奇数は 個。(初項+末項)×項数÷2 で、。奇数を1から順に 個たすと になる、という性質も分かります()。
問題3 初項 100、公差 の等差数列で、はじめて負の数になるのは第何項ですか。
答えと解き方を見る
第16項 です。 より 、だから 、。たしかめ:(まだ正)、(負)。
関連する公式・用語
公式辞典で、くわしい証明と例題を見る
あわせて覚えたい用語
よくある質問
等差数列とは何ですか?
同じ数ずつ増えていく、または減っていく数列です。となりどうしの差を公差といいます。
等差数列の一般項はどう表しますか?
初項a、公差dのとき、第n項は a+(n−1)d です。公差をたす回数が n−1 回だからです。
等差数列の和はどう求めますか?
(初項+末項)×項数÷2 で求めます。逆の順に並べてたすと、どの組も「初項+末項」になることから導けます。
公差が負になることはありますか?
あります。10, 7, 4, … のように減っていく数列の公差は −3 です。
項数はどう数えますか?
(末項−初項)÷公差+1 で求めます。第5項から第20項までなら 20−5+1=16項です。
等差数列は何年生で習いますか?
高校の数学B(数列)で習います。中学受験の算数でも、規則的に並んだ数や植木算として同じ考え方が出ます。
出典・参考
- 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 数学編」数学B(数列)
最終更新:2026年10月13日/作成:大学受験合格大作戦


