数学の難問・未解決問題の一覧 › 数論
解決中学受験大学受験
素数定理
ひとことで言うと
「x以下の素数はおよそ x÷log x 個」。ガウスの予想から約100年、1896年に証明された、素数のちらばり方の法則。
| 問題 | x以下の素数の個数 π(x) は、x が大きいときどのくらいか |
|---|---|
| 答え | π(x) は x÷log x に近い(比の極限が 1) |
| 予想した人 | ガウス(1792〜93年ごろ)・ルジャンドル(1798年) |
| 証明された年 | 1896年 |
| 証明した人 | アダマール、ド・ラ・ヴァレー・プーサン(別々に) |
| その後 | 1949年にエルデシュとセルバーグが初等的な証明、1980年にニューマンが短い証明 |
| 分野 | 数論(解析的整数論) |
| 特ちょう | 素数の並びはでたらめでも、個数だけは決まった式にしたがう |
このページのポイント
- 素数定理は「x以下の素数の個数は、およそ x÷log x 個」。言いかえると、x のあたりでは約 log x 個に1個が素数
- ガウスとルジャンドルが1790年代に予想し、1896年にアダマールとド・ラ・ヴァレー・プーサンがゼータ関数を使って証明した
- 誤差までくわしく調べる問題はリーマン予想につながる。暗号の素数探しにも役立ち、対数・極限・積分の学習にも通じる
素数定理とは?(ひとことで)
素数定理とは、「 以下の素数の個数は、およそ 個である」という定理です。素数が「どのくらいの割合で出てくるか」を教えてくれる法則で、1896年に、フランスのアダマールの業績と生涯とベルギーのド・ラ・ヴァレー・プーサンが、それぞれ別々に証明しました。
この予想は、さらに100年さかのぼる1790年代に、ガウスの業績と生涯とルジャンドルの業績と生涯が、素数の表をながめて立てました。ガウスは15〜16歳だった1792〜93年ごろから考えていたと、のちに語っています。「素数はでたらめに並んでいるのに、その数だけを数えると、きれいな式にしたがう」――これが素数定理のおもしろさです。
ここでの は、ネイピア数 を底とする自然対数(高校の数学Ⅲで習います)です。たとえば なら、 ですから、1000以下の素数は 個と見積もれます。実際は168個ですから、だいたい合っています。指数法則と対数の公式や対数とはが出発点です。
うかるくん
素数って、ばらばらに出てくるのに、個数だけは決まった式で分かるんですか?
合格先生
そうなんだ。「1つ1つの位置は分からないけれど、全体の量は分かる」んだよ。天気予報で、明日の雨は分からなくても、1年に降る雨の量はだいたい決まっているのと似ているね。
素数定理の意味をやさしく解説
素数の個数を数える関数
数学では、「 以下の素数の個数」を と書きます。円周率の とは関係ありません(素数=prime の頭文字にあたるギリシャ文字として使われています)。たとえば 10以下の素数は 2、3、5、7 の4個なので 、100以下は25個で 、1000以下は168個で です。素数は無限にあるか(ユークリッドの証明)で見たとおり、素数は無限にあるので、 は とともにどこまでも増えていきます。問題は、どのくらいの速さで増えるかです。
見積もりの式
下の表は、実際の素数の個数と、 をくらべたものです。右はしの「比」は、実際の個数 ÷ 見積もりです。
表を見ると、10までは比が1より小さいのに、100では1.15、1000では1.16と、見積もりより実際のほうがやや多いことが分かります。ところが が大きくなるにつれて、比は1.16、1.13、1.10、1.08、…と下がっていき、10億では1.054になります。素数定理は、この比が、 を限りなく大きくすると1に近づくと言っているのです。数式では、
と書きます。「 と は、 が大きいところで、ほとんど同じ大きさ」という意味です(このことを「漸近的に等しい」といい、 と書きます)。極限とはの考え方が使われています。
「何個に1個が素数か」と読みかえる
素数定理は、「 のあたりの整数のうち、素数は約 個に1個」と言いかえられます。1000のあたりでは約6.9個に1個、100万のあたりでは約13.8個に1個です。桁がふえるごとに、素数はまばらになりますが、ゆっくりです。 は、 が1000倍になっても、約6.9しか増えません。
もっと正確な見積もり:対数積分
は覚えやすい式ですが、実はそれほど正確ではありません。もっとよい見積もりが、対数積分とよばれる です(積分の公式で習う定積分です)。ガウスは、この形を最初に考えたと伝えられます。下のグラフでは、 のほうが階段にずっと近いことが分かります。
たとえば (10億)では、実際の個数は50,847,534個。 は約48,254,942個で、約260万個ずれます。いっぽう とのずれは、たった1,701個です(数学の公式と用語の一覧でも、対数を学ぶ入口が見つかります)。
ふだんの感覚で言うと
素数定理は、「くじ引き」にたとえられます。 のあたりの数それぞれが、「確率 で当たり(素数)」のくじだと考えるのです。1つ1つの結果は予測できませんが、たくさんひくと、当たりの総数はほぼ決まります。実際の素数は、さいころのような偶然ではなく、きちんとした規則で決まっています。それでも、全体は「くじ引き」と同じ形になる――これが、リーマン予想までつながる、素数の「ふしぎな秩序」です。
素数定理の歴史と年表
1790年代:ガウスとルジャンドルの予想
ガウスは、素数の表をながめて、「 付近で素数が現れる割合は に近い」ことに気づいたと、のちの1849年にエンケに宛てた手紙で語っています。気づいたのは1792年か93年、ガウスが15〜16歳のころです。ただし、ガウスはこれを論文として発表せず、証明も示しませんでした。
いっぽうルジャンドルは、1798年の著書『数の理論についての試論』で、 が の形で近似されるという推測を述べ、1808年の改訂版では という具体的な式を書きました。この「」は、ルジャンドルが表から求めた数で、のちに( が無限に大きいところでは)正確には「」であるべきことが分かりました。ふたりとも、証明はできなかったが、予想は的中していたのです。
1848〜50年:チェビシェフが道をひらく
ロシアの数学者チェビシェフは、1848年と1850年の論文で、大きな一歩を踏み出しました。「もし比 の極限があるなら、それは1に等しい」ことを示し、さらに比が約0.92から1.11のあいだに入ることを証明しました。極限があるとまでは示せませんでしたが、素数の個数が の「定数倍」ではさめることが分かったのです。同時に、「 と のあいだには、 ならかならず素数がある」というベルトランの仮説を証明しました(1850年)。
1859年:リーマンの論文
1859年、リーマンの業績と生涯は、数論についての唯一の論文『与えられた数より小さい素数の個数について』を書きました。ここでリーマンは、ゼータ関数 を複素数 まで広げ、その「零点」の位置が、素数の分布の細かい波打ちを決めていることを示しました。証明は完全ではなかったものの、この考え方が、素数定理の証明の決め手になります。リーマンが論文の中で述べた予想が、リーマン予想です。
1896年:ついに証明
1896年、アダマールとド・ラ・ヴァレー・プーサンは、それぞれ独立に、「ゼータ関数 は、実部が1の直線の上に零点をもたない」ことを証明し、そこから素数定理を導きました。予想から約100年後のことです。チェビシェフがはさみうちまでできていた比を、1にしぼりこんだのです。ふたりは同じ年に証明を発表しました。ド・ラ・ヴァレー・プーサンは1899年に、誤差についても、よりくわしい結果を出しました。
1949年:「初等的」な証明
アダマールたちの証明は、複素数の関数を使う、少し高度なものでした。「素数を数える問題なのだから、複素数を使わなくても証明できるはずだ」と考える数学者も多く、実際、1949年にエルデシュの業績と生涯とセルバーグが、複素数を使わない「初等的な証明」を発表しました。ただし、「初等的」とは「簡単」という意味ではなく、証明はむしろたいへん込み入っています。この発見をめぐって、ふたりのあいだで先取権(だれが先に見つけたか)についての論争があったと伝えられます。セルバーグは、この仕事などで1950年にフィールズ賞を受けました。
1980年には、ニューマンが、複素関数の基本定理(コーシーの積分定理)だけを使う、短い証明を発表しました。教科書では、いまはこの証明が使われることが多いです。
| 年 | できごと |
|---|---|
| 1792〜93年ごろ | ガウスが素数の表を見て、素数の現れる割合は に近いと気づく(のちの手紙による) |
| 1798年 | ルジャンドルが、著書の中で の近似式の形を推測 |
| 1808年 | ルジャンドルが、 という具体的な式を書く |
| 1848年 | チェビシェフが、「比の極限があれば1に等しい」ことを示す |
| 1850年 | チェビシェフが、比が約0.92と1.11のあいだにあること、ベルトランの仮説を証明 |
| 1859年 | リーマンが、ゼータ関数と素数の個数の関係を論文に書く |
| 1896年 | アダマールとド・ラ・ヴァレー・プーサンが、素数定理を証明 |
| 1899年 | ド・ラ・ヴァレー・プーサンが、誤差の評価を改良 |
| 1949年 | エルデシュとセルバーグが、複素数を使わない初等的な証明を発表 |
| 1980年 | ニューマンが、短い証明を発表 |
素数定理はいつ・だれが解いた?
素数定理は、1896年に、アダマールとド・ラ・ヴァレー・プーサンが、別々に証明しました。解決ずみの問題です。ここでは、証明の「ざっくりした考え方」と、その後の進展を紹介します。
証明の考え方(ざっくり)
- 素数をゼータ関数にむすびつける:オイラーが見つけた式 は、足し算(左)と素数の積(右)を結びます。左の足し算は、素因数分解の一意性があるから、右の積と等しくなります。
- 素数の個数をゼータ関数で表す:リーマンやフォン・マンゴルトは、素数の個数に近い量が、ゼータ関数の「零点」と関係した式で書けることを示しました。
- 実部が1の線に零点がないことを示す:アダマールとプーサンは、この点を証明しました。零点がもしそこにあったら、式にじゃまな波が入りこみ、 以外の大きさになってしまうからです。
- 素数定理がしたがう:ほかの部分はおさえられるので、結局、個数は にもっとも近くなります。
つまり、「素数の分布を知るには、ゼータ関数の零点の位置を知ればよい」ということです。零点の位置をもっと正確に分かれば、誤差もさらに正確に分かります。
誤差についての今
素数定理は「ほぼ 」と言っているだけで、誤差の大きさについては、さらに細かい問題があります。ド・ラ・ヴァレー・プーサンの結果(1899年)では、誤差は より少し小さい程度と分かっていますが、リーマン予想が正しければ、誤差はおおよそ 程度におさえられると分かっています(フォン・コッホ、1901年)。つまり、リーマン予想は「素数定理の誤差をいちばんせまく押さえられるか」という問いと同じ意味をもっています。この意味で、素数定理は終点ではなく、リーマン予想への入口でもあります。
おもしろい事実:Li(x) は、いつも π(x) より大きい?
が小さいうちは、 は より、いつも少し大きくなります。実際に調べられた範囲( ぐらいまで)では、ずっとそうです。そのため、「Li(x) は、いつも π(x) より大きい」と思われていました。ところが1914年、リトルウッドが、この大小が、無限に何度も入れかわることを証明しました。最初に逆転する場所は、 のあたりだろうと推測されていて、いまも見つかっていません。「どんなに大きな数まで確かめても、証明にはならない」好例です。ゴールドバッハ予想でも同じことが言えます。

合格先生
素数定理は「 が大きいほど、見積もりが正しくなる」という約束。小さい では、ずれがあるのが当然なんだ。「 1」と書くときの矢印の意味を、しっかり確かめておこう。
素数定理はなぜ難しかったのか
1. 素数の並びは、でたらめに見える
素数を小さい順に並べても、規則的な式は見つかりません。2、3、5、7、11、13、17、19、23、29、31、37、…。差は 1、2、2、4、2、4、2、4、6、2、6、…。この不規則さの中から、「個数だけは規則的」という法則を見つけ、証明するのは、とても難しいことでした。数え上げの方法だけでは、チェビシェフのように「ある範囲にはさむ」ところまでしか行けませんでした。
2. 実数だけでは足りなかった
チェビシェフまでは、実数の世界の道具で素数を調べていました。ところが、素数定理を証明するには、複素数(虚数・複素数)の世界でゼータ関数を調べる必要がありました。「整数の問題を解くために、複素数の関数を使う」という発想は、リーマンが1859年に示すまで、だれも思いつかなかったことです。そのため、リーマンの論文から証明まで、さらに37年かかりました。
3. 「零点がない」ことを示すのが難しい
決め手となる「実部が1の直線上に零点がない」を示すのは、アダマールの業績ほどの数学者にとっても大仕事でした。ここで使われた技は、三角関数の不等式を使って「もし零点があれば、矛盾が出る」と示すものでした(プーサンとアダマールの証明の中心です)。
4. 「初等的」な証明がなかなか見つからなかった
複素数を使わない証明は、1949年までなかったので、その間、「複素数を使わなければ、素数定理は証明できないのでは」とすら言われました。ハーディが、そのような初等的な証明が見つかれば、数論の基本的な理論をもう一度作り直す必要が出るだろう、と述べたことが知られています(といわれます)。エルデシュとセルバーグが証明を見つけたとき、数学者たちは大きく驚きました。
サクラちゃん
整数の問題なのに、複素数が出てくるんですか?
合格先生
そうなんだ。数学は、一見関係のない分野が、とつぜんつながることがある。素数と複素数が結びついたことで、「素数の問題は、実は関数の問題だった」と分かった。それが解析的整数論のはじまりなんだよ。
よくある誤解:素数定理は「素数の公式」?
「素数定理があれば、 番目の素数が分かる」と思う人がいますが、それはまちがいです。素数定理が教えてくれるのは、個数のおおよその大きさだけで、「何番目の素数がいくつか」や「ある数が素数か」は教えてくれません。ただし、素数定理から、「 番目の素数はおよそ 」という見積もりは出てきます( なら約6908。実際は7919です)。
受験・勉強と素数定理のつながり
中学受験:素数は「だんだんまばらになる」
中学受験で習う素数の表を見ると、1〜10に4個、11〜20に4個、21〜30に2個、…と、少しずつ減っていきます。100までに25個(4分の1)、1000までに168個(約6分の1)、1万までに1229個(約8分の1)です。これは、素数定理の「約 個に1個」という性質のひとつの現れです。素因数分解と約数の個数と合わせて、100までの素数25個はぜひ覚えましょう。
高校・大学受験:対数と極限の練習になる
素数定理そのものは入試には出ませんが、その中に出てくる道具は、入試のど真ん中です。
- 対数: の値を見積もる(、 など)。常用対数とけた数・最高位の数は国公立大2次の頻出問題です。自然対数と常用対数の関係 を覚えておくと、素数定理の見積もりが速くなります。
- 極限: のように、比の極限を考える。数列の極限・無限等比級数や収束と発散の考え方です。
- 積分: は定積分。定積分と面積で、曲線の下の面積として考えられます。
- 数列の和と積分の大小:積分による不等式の評価(和と積分の大小)は、素数定理の証明の下ごしらえにも使われる技術です。
「素数の個数を見積もる」ような問題に出会ったら、まず小さい で表を作ることです。そして、近似式と実際の値をくらべる。これは、数学の勉強法(解法の暗記→演習→過去問)の「実験する」習慣そのものです。
数学オリンピックと大学以降
数学オリンピックでは、素数定理そのものは使えませんが、チェビシェフの結果( から のあいだに素数がある)や、素数の個数の簡単な評価が使われることがあります。大学では、解析的整数論の授業で、この定理を学びます(数学オリンピックの問題(長方形に詰めた正方形)も参考にどうぞ)。
素数定理が数学・社会にあたえた影響
- 解析的整数論の誕生:整数の問題を、複素関数で調べるという新しい分野が、素数定理を中心にひらけました。ディリクレの業績と生涯の算術級数定理から、リーマン、アダマール、プーサンへと続く道です。
- リーマン予想の動機:素数定理の証明に使われたゼータ関数の零点の話は、そのままリーマン予想につながります。リーマン予想は、素数定理の誤差を最小にする問題でもあります。
- 暗号(RSA暗号):インターネットの暗号は、大きな素数を2つ見つけてかけ合わせることに頼っています。素数定理があるから、たとえば2の1024乗ぐらいの数のなかから素数を探すと、 なので、約710個に1個(奇数だけ調べれば約355個に1個)の割合で見つかる、と見積もれます。「探せばすぐ見つかる」と分かるおかげで、安全な暗号を毎回つくれるのです。
- 確率的な見方:素数を「確率 で出てくる数」と見る考え方(クラメールのモデル)は、双子素数やゴールドバッハ予想の予測にも使われます。双子素数予想やゴールドバッハ予想で、予想される個数を見積もるのに使えます。
- コンピューターの検算: の正確な値は、10の20乗をはるかに超える大きさまで計算されています。素数定理の見積もりと比べることで、プログラムが正しいかの検査もできます。
ガウスの時代には、素数の表を手で作っていました。いまはパソコンで何十億もの素数を一瞬で調べられます。それでも「なぜ なのか」を理解するには、オイラーの業績と生涯の積の式からリーマンの複素関数まで、200年以上の数学が必要でした。
素数定理に挑戦!練習問題
やさしい
- 100以下の素数は25個です。 で見積もると、およそ何個になりますか( とします)。
答えと解説を見る
21.7個。実際の25個より少し少なめですが、だいたい合っています。 - 1000のあたりでは、素数はおよそ何個に1個の割合で出てきますか( とします)。
答えと解説を見る
約7個に1個(6.9個に1個)。実際、1000以下の素数は168個で、約6個に1個です。
ふつう
- 100万以下の素数の個数を、 で見積もりなさい( とします)。
答えと解説を見る
72,400個。実際は78,498個です。 - 上の問題で、実際の個数78,498個と見積もりのちがいは、実際の何%でしょうか(約72,400個として、小数第1位を四捨五入)。
答えと解説を見る
個の差。 なので、約8%。10億まで行くと、約5%まで小さくなります。
むずかしい
- 10億()のあたりでは、素数はおよそ何個に1個の割合で現れますか( とします)。また、10億から連続する100個の整数には、素数がおよそ何個ふくまれますか。
答えと解説を見る
約20.7個に1個。100個の整数なら、 約4.8個です。 - 素数定理から、「 番目の素数はおよそ 」という見積もりが出ます。 のとき、この見積もりはいくつですか( とします)。実際の1000番目の素数は7919です。
答えと解説を見る
約6900。実際の7919より少し小さい値です。見積もりが少し小さくなるのは、 が実際の個数より小さめだったことと同じ理由です。
素数定理と関係する数学者・難問
- ガウスの素数研究:10代で素数定理を予想し、 に気づいたと伝えられます。
- ルジャンドルの業績:1798年に素数の個数の近似式を推測しました。
- リーマンの業績:ゼータ関数の零点と素数の関係を示し、証明の道をひらきました。
- アダマールの業績:1896年、ド・ラ・ヴァレー・プーサンとともに素数定理を証明しました。
- エルデシュの業績:1949年、セルバーグと別々に初等的な証明を見つけました。
- 素数は無限にあるか・リーマン予想・ゴールドバッハ予想・双子素数予想:素数の分布をめぐる、並び立つ難問です。
ほかの解かれた難問・決着した問題
- 三大作図問題とは(不可能・決められないと証明)
定規とコンパスだけで、円と同じ面積の正方形・体積2倍の立方体・角の三等分を作図できるか。どれも不可能と証明された - 平行線公準の問題とは(不可能・決められないと証明)
ほかの公理から平行線の公理を証明できるか。証明できず、成り立たない幾何学(非ユークリッド幾何学)もあると分かった - 素数は無限にあるかとは(解決)
素数がどこまでも続くことを、背理法で示した最も古い有名な証明の一つ - 5次方程式の解の公式とは(不可能・決められないと証明)
2次・3次・4次方程式のような、四則と累乗根だけの解の公式が5次方程式にもあるか。一般にはないと証明された - ケプラー予想とは(解決)
同じ大きさの球をいちばん密に詰める方法は、八百屋のみかんの積み方か。コンピューターで証明 - フェルマーの最終定理とは(解決)
n≧3 のとき xⁿ+yⁿ=zⁿ をみたす自然数はない。360年近く解けなかった - バーゼル問題とは(解決)
1+1/4+1/9+1/16+… はいくつか。答えは π²/6 - ケーニヒスベルクの橋の問題とは(解決)
7つの橋を1回ずつ渡って元にもどれるか。できないと示し、グラフ理論が生まれた - 円周率の超越性とは(解決)
π はどんな整数係数の方程式の解にもならない。これで円積問題が不可能と決まった - ウェアリングの問題とは(解決)
どの自然数も、決まった個数の k 乗数の和で書けるか(3乗なら9個)
← 前の時代:ウェアリングの問題とは(解決) | 次の時代:カタラン予想とは(解決) →
数学の難問・未解決問題の一覧(いつ・だれが解いたか) | 有名な数学者一覧
読みもの(合格大作戦の数学の記事)
- 唯一の偶数の素数「2」の話
素数から学ぶ逆転合格の考え方 - 2027は素数?双子素数と西暦の入試問題
2027=45²+2 - 常用対数とけた数の問題の解き方
国公立大学2次の頻出問題 - 算数・数学の公式一覧(公式辞典)
公式・証明・例題を1つずつ - 数学用語辞典(用語の意味を1語1ページ)
素数・漸近線など200語 - 数学の勉強法(解法の暗記→演習→過去問)
青・黄・赤チャートの使い分け - 算数・数学 公式と用語の一覧(学年別・分野別)
公式辞典と用語辞典の入口
よくある質問
素数定理とは何ですか?
素数定理とは、x以下の素数の個数がおよそ x÷log x 個になるという定理です。xが大きくなるほど、実際の個数と x÷log x の比が1に近づきます。1896年にアダマールとド・ラ・ヴァレー・プーサンが証明しました。
素数定理はだれが考えたのですか?
ガウスが1792〜93年ごろ、15〜16歳のときに素数の表から気づいたと、のちの手紙で語っています。ルジャンドルも1798年に近い推測を発表しました。ふたりとも証明はできませんでした。
素数定理はだれがいつ証明しましたか?
1896年に、フランスのアダマールとベルギーのド・ラ・ヴァレー・プーサンが、それぞれ別々に証明しました。ゼータ関数の零点が実部1の直線上にないことを示すのが決め手でした。
x÷log x のlogは何ですか?
ネイピア数 e を底とする自然対数です。たとえば log 1000 は約6.9です。常用対数との関係は、自然対数が常用対数の約2.3026倍になります。
素数定理を使うと、素数がどのくらいの割合で出てくると分かりますか?
xのあたりでは、約 log x 個に1個が素数です。1000付近なら約7個に1個、100万付近なら約14個に1個です。桁がふえるとまばらになりますが、ゆっくりです。
素数定理は、n番目の素数を教えてくれますか?
いいえ。個数のおおよその大きさが分かるだけです。n番目の素数はおよそ n×log n という見積もりが出ますが、正確な値までは分かりません。
リーマン予想と素数定理のちがいは?
素数定理は「おおよその個数」を教え、すでに証明されています。リーマン予想は「その誤差がどれだけ小さいか」を決める予想で、未解決です。予想が正しければ、誤差がほぼ√x×log x の大きさにおさまると分かります。
素数定理は暗号にどう役立つのですか?
RSA暗号などは大きな素数を使います。素数定理のおかげで、2の1024乗付近では約710個に1個が素数と分かり、ランダムに探せば現実的な時間で見つかると見積もれます。
素数定理は受験に出ますか?
定理そのものは出ませんが、対数、極限、積分、不等式の評価といった、素数定理の中で使われる道具は大学入試の中心です。中学受験でも、素数が大きいほどまばらになることを表で体験できます。
あわせて読みたい
出典・参考
- J. Hadamard, “Sur la distribution des zéros de la fonction ζ(s) et ses conséquences arithmétiques”, Bulletin de la Société Mathématique de France, 1896年
- C. J. de la Vallée Poussin, “Recherches analytiques sur la théorie des nombres premiers”, Annales de la Société Scientifique de Bruxelles, 1896年
- B. Riemann, “Über die Anzahl der Primzahlen unter einer gegebenen Grösse”, 1859年
- D. J. Newman, “Simple analytic proof of the prime number theorem”, The American Mathematical Monthly, 1980年
- MacTutor History of Mathematics, “Pafnuty Lvovich Chebyshev”(University of St Andrews)
- Wikipedia(英語)“Prime number theorem”
最終更新:2026年11月3日/作成:大学受験合格大作戦



