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ウェアリングの問題
ひとことで言うと
「どんな自然数も、k乗数のいくつかの和で書ける?」。1770年に出され、1909年にヒルベルトが証明した。平方数4個・立方数9個・4乗数19個。
| 問題 | どんな自然数も、決まった個数のk乗数の和で書けるか |
|---|---|
| 出された年 | 1770年(ウェアリングが書物で述べた) |
| 解かれた年 | 1909年(すべてのkでg(k)が存在することを証明) |
| 解いた人 | ヒルベルト |
| 分かっている値 | g(2)=4、g(3)=9、g(4)=19、g(5)=37、g(6)=73 |
| 公式 | g(k)=2ᵏ+⌊(3/2)ᵏ⌋−2(ほとんどのkで正しいと証明されている) |
| 分野 | 数論(加法的整数論) |
| 特ちょう | 23と239だけが、立方数を9個必要とする |
このページのポイント
- ウェアリングの問題は「どんな自然数も、k乗数の和で、決まった個数以内で書けるか」。1770年に出され、1909年にヒルベルトが証明した
- 平方数は4個(ラグランジュ)、立方数は9個(9個必要なのは23と239だけ)、4乗数は19個(1986年)。公式 2ᵏ+⌊(3/2)ᵏ⌋−2 が成り立つ
- 受験では、余りで「書けない」ことを示す(平方数を8、立方数を9でわる)技術が役に立つ。大きい数だけなら必要な個数はもっと少なくなる(G(k))
ウェアリングの問題とは?(ひとことで)
ウェアリングの問題とは、「どんな自然数も、決まった個数の 乗数の和で書けるか」という問題です。1770年にイギリスの数学者エドワード・ウェアリングが書物に述べ、1909年にドイツのヒルベルトの業績と生涯が「書ける」と証明しました(ヒルベルト・ウェアリングの定理)。
ウェアリングは、平方数(2乗)なら4個、立方数(3乗)なら9個、4乗数なら19個で足りるだろうと書きました。このうち、平方数の4個は、同じ1770年にラグランジュの業績と生涯が証明しています(四平方定理)。立方数の9個は1909〜12年に、4乗数の19個は1986年になって、証明が完成しました。
問題の意味は、小学生でも分かります。たとえば、 は、平方数4個の和です。ところが、7は平方数3個の和では書けません。「数によって、必要な個数がちがう」ところが、おもしろいところです。整数の性質や自然数・整数の知識だけで、挑戦を始められます。ほかの素数の話題は、ゴールドバッハ予想(偶数は素数2つの和?)も読んでみてください。同じ「数をいくつかの数の和で書く」問題の仲間です。
うかるくん
ぼくの知っている平方数は、1、4、9、16、…ですよね。それを足すだけなら、1をたくさん足せばどんな数も作れませんか?
合格先生
鋭いね!1をたくさん足せば、たしかにどんな数も作れる。ただ、ウェアリングの問題で知りたいのは「個数の上限」なんだ。どんなに大きな数でも、この個数以内でかならず足りる、という上限が存在するのか。たとえば平方数なら、どんな大きな数も4個以内で足りる。これが、すごいところなんだよ。
ウェアリングの問題の意味をやさしく解説
乗数とは
乗数とは、整数を 回かけた数のことです。 なら平方数(1、4、9、16、25、…)、 なら立方数(1、8、27、64、125、…)、 なら4乗数(1、16、81、256、…)です。ここでは、0はふくめず、正の整数の 乗だけを使います。同じ数を何度使ってもかまいません。指数とはの復習になります。
「」とは何か
ウェアリングの問題では、つぎの数を調べます。
つまり、「 乗数 個以内で、どんな自然数でも表せる。でも、 個では表せない自然数が必ずある」という数です。ウェアリングは 、、 だろうと述べました。ヒルベルトの証明は、「すべての について、そのような という数が存在する」ことの証明です。個数が具体的にいくつかまでは分かりませんでした。
平方数の場合:4個で足りる
まず、平方数で、1から40までを調べてみます。
たとえば、次のようになります。
- 13=9+4(2個)
- 14=9+4+1(3個)
- 7=4+1+1+1(4個。3個では書けない)
- 15=9+4+1+1(4個)、23=9+9+4+1(4個)
グラフの赤い棒(4個必要な数)には、7、15、23、28、31、39、…があります。実は、「 の形の数」だけが、3個では書けないことが、ルジャンドルとガウスによって分かっています(3平方定理)。それ以外の数は、3個以内で書けます。
立方数の場合:9個必要な数がある
つぎに、立方数で調べます。立方数は 1、8、27、64、…と、増え方が速いので、小さい数を表すには、1がたくさん必要になります。
とくに目立つのが23です。23以下の立方数は、1と8だけですから、23 = 8×2 + 1×7 の9個が最小です。次に大きな「9個必要な数」が、239です。そして、9個が必要な数は、23と239の2つだけだと分かっています。これより大きい数は、8個以内で書けます。それ以外の大きな数は、さらに少ない個数で足ります。
4乗数の場合:19個必要な数
4乗数でも同じ現象が起こります。4乗数は 1、16、81、…で、79以下の4乗数は1と16だけです。 で、19個かかります。これより少なくはできません。 は、この79(や159、239など)が必要な個数を決めています。
なぜ「」は公式で書ける?
がいくつになるかの「最悪の数」は、あるパターンで作れます。( の整数部分)とおき、 という数を考えます。この数は より1小さいので、 個の と、 個の1で作るしかありません( を使うと大きすぎるため)。ですから、 乗数が 個必要になります。つまり です。この下限は、ほとんどすべての で等しいことが分かっています。
たとえば なら 、。 なら 、。 なら 、 です。 でも、この式は37、73となり、実際の値と一致します。
ウェアリングの問題の歴史と年表
平方数の和:バシェからラグランジュへ
「どんな自然数も4個以内の平方数の和」という予想は、ディオファントスの業績と生涯の『算術』のフランス語版(1621年)に注をつけたバシェが述べたと伝えられます。フェルマーの業績と生涯も、証明を得たと主張しましたが、書き残しませんでした。オイラーは何十年もこの問題に取り組み、大きな結果を出しましたが、完全な証明には届きませんでした。1770年、ラグランジュがついに証明を完成させます(四平方定理)。オイラーの結果を土台にした証明でした。
1770年:ウェアリングの提出
同じ1770年、ケンブリッジ大学の教授ウェアリングは、『代数的思索』という書物で、「平方数4個の次は、立方数9個、4乗数19個、…と、 乗数にも決まった個数があるだろう」と述べました。ウェアリング自身は、証明を示しませんでした。ここから、「ウェアリングの問題」が始まります。
1909年:ヒルベルトの証明
それから約140年、だれも一般の では証明できませんでした。1909年、ヒルベルトは、「すべての について、 が存在する」ことを証明しました。この証明は、ヒルベルトが見つけた特別な恒等式(式の変形)を使い、数学的帰納法のように を一つずつ大きくして進めるもの、といわれます。ただし、具体的な個数を求める方法は含まれていません。そのため、「 はいくつか」は、あとの数学者たちの仕事として残りました。
1909〜12年:立方数の9個
同じ1909年、ヴィーフェリヒが の証明を発表しました。のちにケンプナーが1912年に証明の穴を埋めて、完成させたと伝えられます。「23と239だけが9個を必要とし、ほかの数は8個以内」ということが、のちの研究で分かっています。
1920年代以降:円周法と
1920年代、ハーディの業績と生涯とリトルウッドは、円周法という新しい方法でウェアリングの問題に取り組みました。これは解析学(極限の考え方や積分)で整数の問題を解く方法です。彼らは、 とは別に、新しい量 を考えました。
は「すべての自然数が表せる個数」ですが、23のような小さな例外に引っぱられて大きくなります。これに対し は「じゅうぶん大きいすべての自然数」が表せる最少の個数です。小さい数の例外を無視すると、必要な個数はずっと少なくなります。(4平方定理)、(1939年、ダヴェンポート)が分かっていて、 は4以上7以下と分かっています(7以下は1943年のリンニクの結果)。立方数の和は、ほとんどの大きな数が4個で書けると考えられていますが、証明はまだありません。
1964年、1986年
は、1964年に陳景潤が証明しました。 は、1940年にピライが示しています。 は、1986年に、バラスブラマニアン、デシューイエ、ドレスの3人が、大型計算機も使って証明しました。
| 年 | できごと |
|---|---|
| 1621年ごろ | バシェが「4個以内の平方数の和」を予想したと伝えられる |
| 1770年 | ラグランジュが四平方定理を証明。同じ年、ウェアリングが立方数9個・4乗数19個を予想 |
| 1909年 | ヒルベルトが、すべてのkでg(k)が存在することを証明 |
| 1909〜12年 | ヴィーフェリヒ、ケンプナーがg(3)=9を証明 |
| 1920年ごろ | ハーディとリトルウッドが円周法を使い、G(k)の研究を始める |
| 1939年 | ダヴェンポートがG(4)=16を証明 |
| 1940年 | ピライがg(6)=73を証明 |
| 1964年 | 陳景潤がg(5)=37を証明 |
| 1986年 | バラスブラマニアンらがg(4)=19を証明 |
ウェアリングの問題はいつ・だれが解いた?
ウェアリングの問題は、1909年にヒルベルトが「すべての で が存在する」ことを証明して、大きな部分が解決しました。そのあと、個々の の値を決める研究が続きました。ここでは、今分かっていることを整理します。
1. の値が分かっているもの
- (ラグランジュ、1770年)
- (ヴィーフェリヒ、ケンプナー、1909〜12年)
- (バラスブラマニアン、デシューイエ、ドレス、1986年)
- (陳景潤、1964年)
- (ピライ、1940年)
でも、多くの値で公式 が正しいと確かめられています。1957年にマーラーが「この公式が成り立たない は、あるとしても有限個しかない」ことを示し、のちの計算で、大きな の範囲でも確かめられました。ただし、すべての で成り立つかどうかは、まだ完全には証明されていないと言われます(2026年時点で、私が確認できた範囲)。
2. もっと少なくていいのは?
は小さい数の例外に引っぱられて大きくなりますが、じゅうぶん大きい数だけなら、もっと少ない個数で足ります。、 が分かっていますが、 は4以上7以下というところまでしか決まっていません。多くの数学者が、「 だろう」と考えていますが、証明はありません。この意味で、ウェアリングの問題は、まだ終わっていないと言えます。
3. 3つの立方数の和(有名な未解決の仲間)
「 をみたす整数(負の数もふくむ)の組 があるか」という問題があります。9で割ると4か5余る数は、このような形に書けないことが、合同式(mod の計算)で簡単に分かります(立方数を9でわった余りは0、1、8のどれかだから)。それ以外の数は、ほとんどの数で解が見つかっていますが、見つけるのはとても大変です。2019年には、33(ブッカー)と42(ブッカーとサザーランド)に解が見つかり、話題になりました。きっちりした答えは、桁がとても大きい数の組です。ウェアリングの問題の仲間ですが、「どんな数でも書けるか」は、まだ分かっていません。

合格先生
「ある」ことの証明と、「いくつか」の証明は別。ヒルベルトは前者、あとの数学者は後者に挑んだんだ。入試でも「存在することを示せ」と「値を求めよ」は、ちがう問題だよ。
ウェアリングの問題はなぜ難しかったのか
1. 「足し算」と「 乗」は別の世界
乗は「かけ算」から生まれる数です。ところが、問題は、その 乗数を「足し算」で組み合わせることです。 乗数は、大きくなるほどまばらになります(100以下の平方数は10個、立方数は4個、4乗数は3個だけ)。まばらな数を足し合わせて、どんな数でも作れるのは、本当に不思議なことです。
2. 個数を絞るほど難しくなる
「どんな自然数も1をたくさん足せば作れる」ので、個数の上限が存在することを示すのが問題の核心です。ヒルベルトの証明のあと、 を正確に決めるために、いろいろな ごとに、個別の難しい議論が必要でした。 は、ヒルベルトの証明から77年後にようやく完成しました。
3. 例外の数をていねいに調べる必要がある
は、「最悪の数」で決まります。そのため、「小さい数の例外を全部調べる」のと、「大きい数についての一般論を証明する」のを、両方やらなければなりません。大きい数は円周法などの強力な方法で、小さい数は計算機で調べます。 の証明に大型計算機が必要だったのは、このためです。
4. 新しい道具が必要だった
ウェアリングの問題は、数学の新しい分野をいくつも育てました。ヒルベルトの恒等式、ハーディとラマヌジャンの業績と生涯の分割数の研究から生まれ、リトルウッドとともに育てた円周法、ヴィノグラードフの三角和の評価などです。これらの道具がそろうまで、解決は遠かったのです。
サクラちゃん
23と239だけが9個必要って、どうして239が出てくるんですか?
合格先生
239は、23と同じように「立方数がうまくはまらない運の悪い数」なんだ。計算機で調べると、どう組み合わせても9個より少なくならない。そして、239より大きい数には、もう9個必要な数はない、と分かっているんだよ。
よくある誤解:「個数が少ないほどきれい?」
「できるだけ少ない個数で表す」ことが目標のように見えますが、 は「すべての数」が少ない個数で書けるかという問題です。たとえば、 なのは23と239だけが例外だからで、ほとんどの数は4個、5個で書けます。「ほとんどの数は少なくていいが、ごく一部の数が個数を押し上げている」という構造が、問題を難しくしています。
受験・勉強とウェアリングの問題のつながり
中学受験:平方数・立方数と「あてはめ」
中学受験の算数では、平方数(1、4、9、16、25、36、49、64、81、100)や、立方数(1、8、27、64、125)を使う問題が出ます。「連続する奇数の和は平方数になる」(、)は、図でも説明される定番の性質です。また、素因数分解と約数の個数を使って「平方数になる数」を調べる問題も、毎年出ます。「平方数を足して20にする方法を全部書く」のようなあてはめ問題では、ウェアリングの問題の考え方(小さい数から順に試す)がそのまま役立ちます。
高校・大学受験:余りで「できない」ことを示す
受験でいちばん役立つのは、「余りを使って、表せないことを示す」技術です。たとえば、「7が平方数3個の和で書けない」ことは、つぎのように示せます。
- 整数の平方を8でわった余りは、0、1、4のどれか( が偶数のとき か 、奇数のとき )。
- 3つの平方数の和を8でわった余りは、(0、1、4) から3つ(重複可)を選んで足したもの。0、1、2、3、4、5、6 などになるが、7にはならない。
- 7を8でわった余りは7。だから、7は平方数3個の和にならない。
同じように、立方数を9でわった余りは0、1、8のどれかなので、3つの立方数の和を9でわった余りに、4と5は現れません。たとえば13や14(9でわって4と5余る数)は、整数の立方数3個の和では書けません。これは、合同式(mod の計算)の使い方を使う典型的な入試問題の型です。「 をみたす整数 は存在しない」なども、4でわった余りで示します(平方数を4でわった余りは0か1だから)。
「少なくとも〜個必要」を示す練習
ウェアリングの問題は、「最小の個数」を求める問題の練習になります。最小値の問題は、①その個数で書けることを示す(構成)、②それより少なくはできないことを示す(下からの評価)の2段階で答えます。23を立方数の和にする問題なら、① の9個で書ける、②使える立方数は1と8だけで、8を3個以上使うと24以上になるから、8は2個まで。残りを1で埋めるので、最小は9個。これは、入試の最小値・最大値の問題、最大公約数・最小公倍数の最小の考え方とも通じます。
数学の勉強の進め方は、数学の勉強法(解法の暗記→演習→過去問)も参考にしてください。分からない問題は、小さい数で実験して規則を見つけるのが近道です(数学オリンピックの問題(長方形に詰めた正方形)も、この考え方で解けます)。
ウェアリングの問題が数学・社会にあたえた影響
- 解析的整数論の発展:ハーディとリトルウッドの円周法は、ウェアリングの問題のために作られました。この方法は、ゴールドバッハ予想の研究(ヴィノグラードフの定理)にも使われ、素数の研究全体に広がりました。
- 代数の道具が広がった:ヒルベルトの恒等式は、数学の基本的な道具の一つになりました。
- 計算機の活用: の証明は、大型計算機を使ってはじめて完成しました。「小さい数を計算機で調べ、大きい数を理論で押さえる」という方法は、四色問題やケプラー予想の証明にも通じます。
- 四平方定理の応用:ラグランジュの四平方定理は、コンピューターグラフィックスで使われる四元数(ハミルトンの業績と生涯が発見)の理論とも関係しています。整数四元数のノルムが平方数4個の和になるからです。
- ほかの「何個で足りるか」問題:「多角数の和」(フェルマーの多角数定理:どの自然数も 個以内の 角数の和)や、「素数の和」(ゴールドバッハ)など、同じ型の問題が生まれました。カタラン予想(累乗どうしの差が1になるのは8と9だけ?)も、累乗数をめぐる仲間の問題です。
ガウスの業績と生涯は、3つの三角数の和(フェルマーが予想した結果)を証明し、日記に「ΕΥΡΗΚΑ! num=Δ+Δ+Δ」と書いたと伝えられます。累乗数や多角数をめぐる問題は、数学者たちを長く惹きつけてきました。
ウェアリングの問題に挑戦!練習問題
やさしい
- 7を平方数の和で表しなさい。最少で何個必要ですか。
答えと解説を見る
7=4+1+1+1 の4個。平方数は1、4、9、…で、9は大きすぎます。4を2個使うと8で大きすぎるので、4は1個まで。3個では書けません。 - 20を、できるだけ少ない個数の平方数の和で表しなさい。
答えと解説を見る
20=16+4 の2個です。(20は平方数ではないので、1個では書けません。)
ふつう
- 23を立方数(1、8、27、…)の和で表すには、最少で何個必要ですか。
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23以下の立方数は1と8だけ。8を2個使うと16で、残り7は1が7個。合計9個。8を3個使うと24で、はみ出します。8を1個以下にすると、1が15個以上必要で、もっと多くなります。 - 79を4乗数(1、16、81、…)の和で表すには、最少で何個必要ですか。
答えと解説を見る
79以下の4乗数は1と16だけ。16を4個(64)使い、残り15を1で埋めて、4+15=19個。16を5個にすると80で、はみ出します。
むずかしい
- 平方数を8でわった余りは0、1、4のどれかです。このことから、7は3個の平方数の和で書けないことを示しなさい。
答えと解説を見る
3つの平方数の和を8でわった余りは、(0, 1, 4) から3つ(同じものを選んでもよい)を選んで足し、8でわった余り。全部書き出すと 0, 1, 2, 3, 4, 5, 6 のどれかで、7にはなりません(たとえば 4+4+1=9 は余り1、4+4+4=12 は余り4)。7を8でわった余りは7なので、7は平方数3個の和で書けません。 - 立方数を9でわった余りは0、1、8のどれかです。このことから、13は整数の立方数3個の和で書けないことを示しなさい。
答えと解説を見る
3つの立方数の和を9でわった余りは、0、1、8から3つを選んで足したもの。0、1、2、3、6、7、8 のどれかにはなりますが、4と5にはなりません。13を9でわった余りは4なので、13は整数の立方数3個の和にはなりません。
ウェアリングの問題と関係する数学者・難問
- ラグランジュ:1770年に四平方定理(平方数4個で足りる)を証明しました。
- ヒルベルト:1909年、すべての でウェアリングの問題が「ある」と証明しました。
- ハーディ:リトルウッドと円周法を作り、 の研究を進めました。
- フェルマー:四平方定理や、多角数の和について、証明なしの主張を残しました。
- ゴールドバッハ予想・カタラン予想・素数定理・フェルマーの最終定理:数を累乗や素数の言葉で調べる、並び立つ難問です。
ほかの解かれた難問・決着した問題
- 三大作図問題とは(不可能・決められないと証明)
定規とコンパスだけで、円と同じ面積の正方形・体積2倍の立方体・角の三等分を作図できるか。どれも不可能と証明された - 平行線公準の問題とは(不可能・決められないと証明)
ほかの公理から平行線の公理を証明できるか。証明できず、成り立たない幾何学(非ユークリッド幾何学)もあると分かった - 素数は無限にあるかとは(解決)
素数がどこまでも続くことを、背理法で示した最も古い有名な証明の一つ - 5次方程式の解の公式とは(不可能・決められないと証明)
2次・3次・4次方程式のような、四則と累乗根だけの解の公式が5次方程式にもあるか。一般にはないと証明された - ケプラー予想とは(解決)
同じ大きさの球をいちばん密に詰める方法は、八百屋のみかんの積み方か。コンピューターで証明 - フェルマーの最終定理とは(解決)
n≧3 のとき xⁿ+yⁿ=zⁿ をみたす自然数はない。360年近く解けなかった - バーゼル問題とは(解決)
1+1/4+1/9+1/16+… はいくつか。答えは π²/6 - ケーニヒスベルクの橋の問題とは(解決)
7つの橋を1回ずつ渡って元にもどれるか。できないと示し、グラフ理論が生まれた - 円周率の超越性とは(解決)
π はどんな整数係数の方程式の解にもならない。これで円積問題が不可能と決まった - 素数定理とは(解決)
x 以下の素数はおよそ x/log x 個ある、という素数の散らばり方の法則
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よくある質問
ウェアリングの問題とは何ですか?
ウェアリングの問題とは、どんな自然数も、決まった個数のk乗数の和で表せるか、という問題です。1770年にウェアリングが述べ、1909年にヒルベルトが、すべてのkについて「表せる」と証明しました。
ウェアリングの問題はだれがいつ解きましたか?
1909年にドイツのヒルベルトが、すべてのkで個数の上限が存在することを証明しました。その後、個々のkについて、必要な個数を正確に決める研究が続き、4乗の場合は1986年に完成しました。
g(k) とは何ですか?
どんな自然数も、k乗数g(k)個以内の和で表せるという、最小のg(k)のことです。g(2)は4、g(3)は9、g(4)は19、g(5)は37、g(6)は73であることが証明されています。
四平方定理とは何ですか?
どんな自然数も、4個以内の平方数の和で表せるという定理です。1770年にラグランジュが証明しました。たとえば7は4+1+1+1で、3個では書けないので、4個は必要です。
23はなぜ立方数を9個も必要とするのですか?
23以下の立方数は1と8だけだからです。8を2個、1を7個使って合計9個。8を3個使うと24で大きすぎます。9個必要な数は23と239だけだと分かっています。
g(k) の公式はありますか?
g(k)は 2のk乗、足す、(3/2)のk乗の整数部分、引く2、で表されると予想され、ほとんどのkで成り立つことが証明されています。たとえばk=3なら 8+3−2=9 です。
G(k) とg(k) のちがいは?
g(k)はすべての自然数が表せる個数、G(k)はじゅうぶん大きいすべての自然数が表せる個数です。小さい数の例外を除くので、G(k)のほうが小さくなります。G(2)は4、G(4)は16と分かっています。
ウェアリングの問題は、すべて解決しましたか?
g(k)の存在は解決済みです。ただし、すべてのkでg(k)の公式が正しいか、G(3)がいくつか(4以上7以下まで)などは、まだ完全には決まっていません。
ウェアリングの問題は受験に出ますか?
問題そのものは出ませんが、平方数を8でわった余り、立方数を9でわった余りのように、余りで表せないことを示す問題は大学入試の定番です。最小の個数を求める問題の練習にもなります。
あわせて読みたい
出典・参考
- E. Waring, “Meditationes Algebraicae”(1770年)
- D. Hilbert, “Beweis für die Darstellbarkeit der ganzen Zahlen durch eine feste Anzahl n-ter Potenzen (Waringsches Problem)”, Mathematische Annalen 67 (1909)
- R. Balasubramanian, J.-M. Deshouillers, F. Dress, “Problème de Waring pour les bicarrés”, Comptes Rendus de l’Académie des Sciences, 1986年
- Wikipedia(英語)“Waring’s problem”
- MacTutor History of Mathematics, “Edward Waring”(University of St Andrews)
最終更新:2026年11月3日/作成:大学受験合格大作戦



