素因数分解と約数の個数の解き方と公式|(指数+1)をかける理由・約数が奇数個は平方数・すだれ算の例題【中学受験〜高校受験】

素因数分解と約数の個数の解き方と公式|(指数+1)をかける理由・約数が奇数個は平方数・すだれ算の例題【中学受験〜高校受験】

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中学受験高校受験

N=apbq ⇒ 約数の個数=(p+1)(q+1)N=a^p b^q \ \Rightarrow\ \text{約数の個数}=(p+1)(q+1)

a,ba, b はちがう素数。素因数が3つ以上でも同じようにかける

この公式のポイント

  • まずすだれ算で素数まで分ける
  • 約数の個数=(指数+1)の積
  • 約数が奇数個 ⇔ 平方数
  • 平方数は指数がすべて偶数
うかるくん

うかるくん

72=2³×3² なら、約数の個数は 3×2=6 個じゃないの?

合格先生

合格先生

2を「1個も使わない」えらび方もある。だから指数に1をたして、(3+1)×(2+1)=12個だ。

素因数分解と約数の個数の公式

1とその数自身のほかに約数がない数(2, 3, 5, 7, 11, 13, …)を素数といいます(1は素数ではありません)。整数を素数だけのかけ算で表すことを素因数分解といい、約数の個数・平方数・最大公約数など、整数の問題の出発点になります。

素因数分解と約数の個数

N=ap×bq×crN=a^p\times b^q\times c^r(a,b,ca, b, c はちがう素数)のとき

約数の個数 = (p+1)×(q+1)×(r+1)(p+1)\times(q+1)\times(r+1)

  • 例:72=23×3272=2^3\times3^2 → 約数は (3+1)×(2+1)=12(3+1)\times(2+1)=12 個
  • 約数の和 = (1+a+⋯+ap)×(1+b+⋯+bq)×⋯(1+a+\cdots+a^p)\times(1+b+\cdots+b^q)\times\cdots
  • 約数が奇数個 ⇔ 平方数(約数がちょうど3個 ⇔ 素数の2乗)
272236218393 小さい素数から順に割っていく (2 → 3 → 5 → 7 → …) 赤い数(左と最後)をかけると 72=2×2×2×3×3  =2³×3²
すだれ算(はしご算):小さい素数で割れるだけ割っていく

なぜ(指数+1)をかけるのか

72=2×2×2×3×3 の約数は、この5つの素数の中からいくつかを取り出してかけた数です。たとえば 2×3=6、2×2×3×3=36 などです。どの約数も「2を何個使うか」と「3を何個使うか」で1つに決まります。

  • 2の使い方:0個・1個・2個・3個 → 1, 2, 4, 8 の 4通り(3+1)
  • 3の使い方:0個・1個・2個 → 1, 3, 9 の 3通り(2+1)

「0個使う」もあるので、それぞれ指数より1多くなります。この2つのえらび方を組み合わせると 4×3=12 通りで、下の表の12マスが72の約数のすべてです。表のマスの数を全部たすと、約数の和 (1+2+4+8)×(1+3+9)=15×13=195 にもなります。

× 139113922618441236882472 2の部分4通り 3の部分 3通り 約数の個数 = (3+1)×(2+1)=4×3=12個 2を0〜3個、3を0〜2個えらぶ組み合わせ
72 の約数は、たて4通り×横3通りの表のマスにもれなく、重なりなく並ぶ

約数が奇数個になるのは平方数だけ

約数は「かけてその数になる2つ」でペアにできます(1と36、2と18、…)。ペアの相手が自分自身になるのは 6×6 のように同じ数を2回かけたときだけです。だから約数の個数が奇数になるのは平方数だけです。公式で見ても、平方数は指数がすべて偶数なので (偶数+1) の積は奇数になります。

123469121836 6×6(相手が自分) ペア4組+ひとり1つ=9個(奇数個) 約数が奇数個になるのは、平方数(同じ数を2回かけた数)だけ
36 の約数のペア。相手が自分になる 6 があるので、約数は9個(奇数個)

中学受験(算数)での使い方

中学受験

例題1(約数の個数)

72 の約数は全部で何個ありますか。

解き方

すだれ算で 72=2×2×2×3×3=23×3272=2\times2\times2\times3\times3=2^3\times3^2。

約数の個数は (3+1)×(2+1)=12(個)。書き出して確かめると 1, 2, 3, 4, 6, 8, 9, 12, 18, 24, 36, 72 の12個。

答え 1212 個

中学受験

例題2(約数が3個の数)

約数がちょうど3個ある2けたの整数を、すべて答えなさい。

解き方

約数の個数が3=(2+1) なので、ある素数を2回かけた数(素数の2乗)です。

22=42^2=4、32=93^2=9 は1けた、52=255^2=25、72=497^2=49 は2けた、112=12111^2=121 は3けた。

答え 2525 と 4949

中学受験

例題3(約数が6個の最小の数)

約数がちょうど6個ある整数のうち、いちばん小さい数を求めなさい。

解き方

6=(5+1) または 6=(2+1)×(1+1)。

1つの素数の5乗なら最小は 25=322^5=32。a2×ba^2\times b の形なら、小さい素数を大きい指数にあてて 22×3=122^2\times3=12。

小さいほうは 12。確かめ:12 の約数は 1, 2, 3, 4, 6, 12 の6個。

答え 1212

高校受験(中学数学)での使い方

中学1年で素数と素因数分解を習います。高校入試では「ある数をかけて(割って)平方数にする」問題がよく出ます。平方数は、素因数分解したときの指数がすべて偶数です。

高校受験

例題4(かけて平方数にする)

180 にできるだけ小さい自然数 nn をかけて、ある自然数の2乗にしたい。nn を求めなさい。

解き方

180=22×32×5180=2^2\times3^2\times5。5 の指数だけが奇数なので、5 をかければ 22×32×52=900=3022^2\times3^2\times5^2=900=30^2。

答え n=5n=5

よくある間違い

腕でバツを作る合格先生

合格先生

72=8×9 で止めてはいけない。素数になるまで分けてから、約数の個数の公式を使おう。

  • (指数+1)ではなく指数をそのままかける:72=2³×3² の約数を 3×2=6個とするのは×。「0個使う」(1のこと)を忘れている。
  • 素数でない数で分解を止める:72=8×9 のままでは公式が使えない。2³×3² のように素数まで分ける。
  • 1を素数に入れる:1は素数ではない。いちばん小さい素数は2。

練習問題

○の札を持つうかるくん

うかるくん

すだれ算で、小さい素数から順に割ろう!

  1. 中学受験 360 の約数は全部で何個ありますか。
    答えと解説を見る360=23×32×5360=2^3\times3^2\times5。(3+1)×(2+1)×(1+1)=24。答え 2424 個
  2. 中学受験 1から50までの整数のうち、約数の個数が奇数である数は何個ありますか。
    答えと解説を見る約数が奇数個なのは平方数。1, 4, 9, 16, 25, 36, 49 の7個。答え 77 個
  3. 高校受験 252 をできるだけ小さい自然数で割って、ある自然数の2乗にしたい。どんな数で割ればよいですか。
    答えと解説を見る252=22×32×7252=2^2\times3^2\times7。7 で割ると 36=6236=6^2。答え 77

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よくある質問

素因数分解とは何ですか?

整数を素数だけのかけ算で表すことです。たとえば 72=2×2×2×3×3=2³×3² です。

約数の個数はどう求めますか?

素因数分解して、それぞれの素数の指数に1をたし、それらをかけ合わせます。72=2³×3² なら (3+1)×(2+1)=12個です。

なぜ指数に1をたすのですか?

その素数を「1個も使わない」えらび方もあるからです。2³ なら 2 を 0個・1個・2個・3個 使う4通りです。

約数の個数が奇数になるのはどんな数ですか?

平方数(同じ整数を2回かけた数)だけです。約数をペアにしたとき、相手が自分になる数が1つだけあるからです。

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出典・参考

  • 文部科学省「中学校学習指導要領(平成29年告示)」数学 第1学年(素因数分解)

最終更新:2026年10月11日/作成:大学受験合格大作戦