合格大作戦 数学用語辞典 › 関数
大学受験
単位円とは
原点を中心とする半径1の円です(式は x2+y2=1)。角 θ の動径と単位円の交点の座標が (cosθ, sinθ) になるので、三角比・三角関数の値を点の座標として読むときに使います。
読み方:たんいえん/英語:unit circle/習う学年:数学Ⅰ(図形と計量)、数学Ⅱ(三角関数)

うかるくん
三角比は直角三角形で習ったのに、なんで円が出てくるんですか?
![合格先生]()
合格先生
直角三角形だと 90∘ より大きい角が作れないよね。半径1の円の上の点の座標で決め直すと、どんな角でも sin・cos が考えられるんだ。
この用語のポイント
- 単位円 = 原点中心・半径1の円(x2+y2=1)
- 角 θ の点の座標が (cosθ, sinθ)。sin は高さ、cos は横の位置
- tanθ は動径の傾き。直線 x=1 との交点の高さ
やさしく言うと
単位円は、原点を中心とする、半径1の円です。「単位」は「基準になる1」という意味です。式で書くと x2+y2=1 です。
- 半径1の観覧車:中心から1のところを、ゴンドラがぐるっと回ります。ゴンドラの「横の位置」と「高さ」を、回った角度で表したものが cos と sin です。
- 時計の針の先:長さ1の針の先は、いつも単位円の上にあります。針がどの向きを向いても、先の点の横の位置と高さは、角度だけで決まります。
- 地図の方角:家から 1km はなれた場所が、東から何度の向きにあるかがわかれば、東へ何 km・北へ何 km かが計算できます。
x 軸の正の向きから、反時計回りに角 θ だけ回った線(動径)と単位円の交点を P とすると、P の座標が (cosθ, sinθ) になります。単位円は、sin・cos を「点の座標」として読むための道具です。
単位円の点 P の x 座標が cosθ、y 座標が sinθ![指さして説明するうかるくん]()
うかるくん
半径が1だから、座標がそのまま cos と sin になるんだ!
単位円の上にある点・ない点
○ 単位円の上の点
- (1, 0)(0∘ の点)
- (0, −1)(270∘ の点)
- (21, 23)(60∘ の点)
- (−22, 22)(135∘ の点)
- (0.6, 0.8)(0.36+0.64=1)
- (−0.8, −0.6)(第3象限の点)
× 単位円の上にない点
- (1, 1)(1+1=2 で、円の外)
- (21, 21)(41+41=21 で、円の内側)
- (2, 0)(中心からのきょりが2)
- (0.5, 0.8)(0.25+0.64=0.89 で、円の内側)
- 半径 r の円の点 (rcosθ, rsinθ)(r=1 なら単位円ではない)
点が単位円の上にあるかどうかは、x2+y2=1 になるかで確かめられます。原点からのきょりが1かどうか、ということです。
図で見る:有名な角の点
30∘・45∘・60∘ の点の座標は、三角定規の辺の比(1:3:2、1:1:2)から求められます。ほかの有名な角の点は、それらを x 軸・y 軸・原点について折り返した位置にあります。
30°・45°の倍数の点。第1象限の3点を覚えれば、ほかは折り返しで出る![サクラちゃん]()
サクラちゃん
150∘ の値を、毎回計算するのはたいへんです…
![合格先生]()
合格先生
単位円をかけば、150∘ の点は 30∘ の点を y 軸で折り返した位置だとすぐわかる。高さ(sin)は同じで、横(cos)だけ符号が変わるんだ。
三角比を広げるための円
数学Ⅰの三角比は、はじめは直角三角形で考えるので、0∘ と 90∘ の間の角しか考えられません。そこで、半径1の円の上の点の座標で sinθ・cosθ を決め直すと、90∘ より大きい角でも考えられるようになります。数学Ⅰでは 0∘≤θ≤180∘(上半分の円)、数学Ⅱの三角関数では、360∘ をこえる角や負の角(一般角)まで広げ、角を弧度法で表します。
象限によって、sin・cos・tan の符号が決まるsinθ は点の高さなので、x 軸より上(第1・第2象限)で正です。cosθ は横の位置なので、y 軸より右(第1・第4象限)で正です。tanθ=cosθsinθ は、2つの符号が同じ第1・第3象限で正になります。
tanθ は直線 x=1 の上で読む
tanθ は、動径 OP の傾きです。動径をのばして、直線 x=1 と交わる点を T とすると、T の y 座標が tanθ になります。
動径をのばして x=1 と交わる点の高さが tanθθ が 90∘ に近づくと、動径は直線 x=1 とどんどん上で交わり、tanθ は限りなく大きくなります。θ=90∘ では動径が x=1 と平行になって交わらないので、tan90∘ はありません(定義されません)。
単位円からわかる性質
公式を丸暗記しなくても、単位円をかいて「どこに折り返した点か」を見れば、符号と値がわかります。
テスト・入試ではこう出る
数学Ⅰでは、90∘ より大きい角の三角比の値を求める問題や、0∘≤θ≤180∘ の範囲で sinθ=21 のような方程式を解く問題が出ます。数学Ⅱでは、0≤θ<2π の範囲で三角関数の方程式・不等式を解く問題が定番で、単位円をかいて解を全部拾うことが大切です。共通テストや大学入試でも、単位円で考えるとミスが減ります。
例題1(数学Ⅰ:鈍角の三角比)
sin150∘、cos150∘、tan150∘ の値を求めなさい。
- 150∘ の点は、30∘ の点 (23, 21) を y 軸について折り返した (−23, 21)。
- sin150∘ は y 座標で 21、cos150∘ は x 座標で −23。
- tan150∘=21÷(−23)=−31。
答え sin150∘=21、cos150∘=−23、tan150∘=−31
例題2(数学Ⅱ:方程式)
0≤θ<2π のとき、方程式 sinθ=−23 を解きなさい。
- sinθ は単位円の点の y 座標なので、直線 y=−23 と単位円の交点を考える。
- 交点は2つで、x 軸より下にある。60∘ の点を原点について対称にした 240∘ と、x 軸について折り返した 300∘。
- 弧度法で表すと、34π と 35π。
答え θ=34π, 35π
sinθ=−√3/2 は、直線 y=−√3/2 と単位円の交点。解は2つ![ひらめいたサクラちゃん]()
サクラちゃん
方程式は、横線(sin)や縦線(cos)と円の交点をさがせばいいのね。解が2つあるのも見える!
まちがえやすい点
![腕でバツを作る合格先生]()
合格先生
座標は (cosθ, sinθ) の順! x 座標が cos、y 座標が sin だよ。
- sin と cos を逆にする:点の座標は (cosθ, sinθ) の順です。x 座標が cos、y 座標が sin。「sin は高さ」と覚えましょう。
- 半径が1でない円で、そのまま座標を読む:半径 r の円では、点は (rcosθ, rsinθ) です。座標がそのまま cos・sin になるのは、半径が1のときだけです。
- 解を1つしか拾わない:sinθ=21 の解は、0∘≤θ<360∘ で 30∘ と 150∘ の2つです。横線が円と2か所で交わることを、図で確かめましょう。
- 角を測る向きをまちがえる:角は x 軸の正の向きから反時計回りが正です。時計回りは負の角になります。
- tan90∘ を値があると思う:cos90∘=0 で、0 でわることになるので、tan90∘ は定義されません。
ことばの由来
単位円の「単位」は、長さをはかるときの基準の大きさのことです。半径をちょうど1(単位の長さ)にした円なので、単位円とよびます。英語でも unit circle(ユニット サークル)といい、unit は「1つ分」「単位」という意味です。
ミニ問題
問題1 単位円を使って、cos120∘ の値を求めましょう。
答えと解き方を見る
−21 です。120∘ の点は、60∘ の点 (21, 23) を y 軸について折り返した (−21, 23) です。cos は x 座標なので −21 です。
問題2 0∘≤θ≤180∘ のとき、cosθ=−22 を満たす θ を求めましょう。
答えと解き方を見る
θ=135∘ です。単位円で x 座標が −22 の点は、上半分(0∘≤θ≤180∘)には1つだけで、45∘ の点を y 軸で折り返した位置です。
問題3 θ は鈍角(90∘<θ<180∘)で、sinθ=53 です。cosθ と tanθ を求めましょう。
答えと解き方を見る
cosθ=−54、tanθ=−43 です。
- sin2θ+cos2θ=1 より、cos2θ=1−259=2516。
- 鈍角の点は第2象限にあり、x 座標は負なので cosθ=−54。
- tanθ=cosθsinθ=53÷(−54)=−43。
2乗して出した値の符号を、単位円の象限で決めるのがポイントです。
関連する公式・用語
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あわせて覚えたい用語
よくある質問
単位円とは簡単にいうと何ですか?
原点を中心とする半径1の円です。式は x²+y²=1 です。
単位円で sinθ と cosθ はどこを見ればわかりますか?
角θの動径と単位円の交点の y座標が sinθ、x座標が cosθ です。
単位円で tanθ はどう読みますか?
動径をのばして直線 x=1 と交わる点の y座標が tanθ です。tanθ は動径の傾きと同じです。
sin²θ+cos²θ=1 になるのはなぜですか?
点(cosθ, sinθ)が単位円 x²+y²=1 の上にあるからです。
sin・cos・tan の符号の覚え方は?
sinは上半分、cosは右半分で正です。tanは sin÷cos なので、第1象限と第3象限で正になります。
単位円は何年生で習いますか?
高校の数学Ⅰで90°より大きい角の三角比を考えるときに使い、数学Ⅱの三角関数で本格的に使います。
出典・参考
- 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 数学編」数学Ⅰ(図形と計量)、数学Ⅱ(三角関数)
最終更新:2026年10月13日/作成:大学受験合格大作戦