恒等式の解き方|係数がすべて等しくなる理由の証明・係数比較法と数値代入法・部分分数分解と例題【数学Ⅱ・大学受験】

恒等式の解き方|係数がすべて等しくなる理由の証明・係数比較法と数値代入法・部分分数分解と例題【数学Ⅱ・大学受験】

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大学受験

ax2+bx+c=a′x2+b′x+c′ (恒等式)  ⟺  a=a′, b=b′, c=c′ax^2+bx+c=a'x^2+b'x+c'\ (\text{恒等式})\iff a=a',\ b=b',\ c=c'

係数比較法・数値代入法

この公式のポイント

  • 恒等式はすべての xx で成り立つ等式
  • 両辺の同じ次数の係数が等しい
  • nn 次式は n+1n+1 個の値で一致すれば恒等式
  • 数値代入法は最後に確かめ
うかるくん

うかるくん

恒等式と方程式って、同じ等式なのにどこがちがうの?

合格先生

合格先生

恒等式は、すべての xx で成り立つ等式だ。だから両辺の同じ次数の係数が等しくなるぞ。

恒等式とは

xx にどんな値を入れても成り立つ等式を、xx についての恒等式といいます。例:(x+1)2=x2+2x+1(x+1)^2=x^2+2x+1。方程式(特定の xx でだけ成り立つ)とのちがいに注意します。

恒等式の性質と、係数の決め方

ax2+bx+c=a′x2+b′x+c′ax^2+bx+c=a'x^2+b'x+c' が xx についての恒等式   ⟺  \iff a=a′, b=b′, c=c′a=a',\ b=b',\ c=c'

  • 係数比較法:両辺を展開して、同じ次数の係数を等しいとおく
  • 数値代入法:計算しやすい xx の値を代入して式を作る(最後に恒等式になっているか確かめる)

証明:係数がすべて等しくなる理由

両辺を引いて px2+qx+r=0px^2+qx+r=0(p=a−a′p=a-a' など)がすべての xx で成り立つとします。

  • x=0x=0 を代入して r=0r=0。
  • 残りは px2+qx=x(px+q)=0px^2+qx=x(px+q)=0。x≠0x\ne0 のすべての xx で px+q=0px+q=0 なので、x=1, 2x=1,\ 2 を入れて p+q=0, 2p+q=0p+q=0,\ 2p+q=0。よって p=0, q=0p=0,\ q=0。

つまり係数はすべて0で、a=a′, b=b′, c=c′a=a',\ b=b',\ c=c'。一般に、0でない nn 次式は0になる xx が最大 nn 個しかないので、n+1n+1 個以上の xx で等しい nn 次以下の式は、恒等式です。

2次式は3点で決まる3つの x で等しい→ すべての x で等しい(数値代入法の根拠)
異なる3点を通る2次関数のグラフは1つだけ。だから2次式は3つの値で一致すれば恒等的に等しい

大学受験(数学Ⅱ)での使い方

大学受験

例題1(数値代入法)

x2+3x+1=a(x−1)2+b(x−1)+cx^2+3x+1=a(x-1)^2+b(x-1)+c が xx についての恒等式となるように、a, b, ca,\ b,\ c を定めなさい。

解き方

x=1x=1 を代入して c=5c=5。x2x^2 の係数を比べて a=1a=1。x=0x=0 を代入して 1=a−b+c=6−b1=a-b+c=6-b、b=5b=5。

確かめ:(x−1)2+5(x−1)+5=x2−2x+1+5x−5+5=x2+3x+1(x-1)^2+5(x-1)+5=x^2-2x+1+5x-5+5=x^2+3x+1。

答え a=1, b=5, c=5a=1,\ b=5,\ c=5

大学受験

例題2(部分分数分解)

1x(x+1)=ax+bx+1\dfrac{1}{x(x+1)}=\dfrac{a}{x}+\dfrac{b}{x+1} が恒等式となる a, ba,\ b を求め、11⋅2+12⋅3+⋯+1n(n+1)\dfrac{1}{1\cdot2}+\dfrac{1}{2\cdot3}+\cdots+\dfrac{1}{n(n+1)} を求めなさい。

解き方

分母を払うと 1=a(x+1)+bx1=a(x+1)+bx。x=0x=0 で a=1a=1、x=−1x=-1 で b=−1b=-1。

和は (1−12)+(12−13)+⋯+(1n−1n+1)=1−1n+1=nn+1\left(1-\dfrac12\right)+\left(\dfrac12-\dfrac13\right)+\cdots+\left(\dfrac1n-\dfrac1{n+1}\right)=1-\dfrac1{n+1}=\dfrac{n}{n+1}。

答え a=1, b=−1a=1,\ b=-1、和は nn+1\dfrac{n}{n+1}

1−½½−⅓⅓−¼…1/n−1/(n+1)となりが消える残るのは 1 − 1/(n+1)=n/(n+1)
部分分数に分けて足すと、となりどうしが打ち消し合う

よくある間違い

腕でバツを作る合格先生

合格先生

数値代入法で確かめをしないのは×だ。代入した値だけで成り立つのかもしれないぞ。

  • 数値代入法で確かめをしない:代入した値でしか成り立たない可能性がある(必要条件)。最後に恒等式か確かめる。
  • 方程式と混同する:恒等式は「すべての xx」で成り立つ。

練習問題

体で丸を作る合格先生

合格先生

係数をくらべれば、すっきり解けるぞ。

  1. 大学受験 2x2−x+3=a(x+1)2+b(x+1)+c2x^2-x+3=a(x+1)^2+b(x+1)+c が恒等式になる a, b, ca,\ b,\ c を求めなさい。
    答えと解説を見るx=−1x=-1 で c=6c=6、a=2a=2、x=0x=0 で 3=2+b+63=2+b+6、b=−5b=-5
  2. 大学受験 2(x−1)(x+1)=ax−1+bx+1\dfrac{2}{(x-1)(x+1)}=\dfrac{a}{x-1}+\dfrac{b}{x+1} となる a, ba,\ b を求めなさい。
    答えと解説を見る2=a(x+1)+b(x−1)2=a(x+1)+b(x-1)。x=1x=1 で a=1a=1、x=−1x=-1 で b=−1b=-1
  3. 大学受験 11⋅2+12⋅3+⋯+19⋅10\dfrac{1}{1\cdot2}+\dfrac{1}{2\cdot3}+\cdots+\dfrac{1}{9\cdot10} を求めなさい。
    答えと解説を見る1−110=9101-\dfrac1{10}=\dfrac{9}{10}

関連する公式

よくある質問

恒等式とは?

xにどんな値を代入しても成り立つ等式です。特定のxでだけ成り立つ方程式とはちがいます。

恒等式の係数の求め方は?

両辺を展開して同じ次数の係数を比べる係数比較法か、計算しやすい値を代入する数値代入法を使います。

数値代入法で確かめが必要なのはなぜ?

代入した値でしか成り立たないことがあるので、求めた係数ですべてのxで成り立つかを確かめる必要があるからです。

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出典・参考

  • 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)」数学Ⅱ(式と証明)

最終更新:2026年10月11日/作成:大学受験合格大作戦