この公式のポイント
- 2辺の中点を結ぶ線分は、残りの辺に平行で長さは半分
- 証明1:△AMN∼△ABC(相似比 1:2)
- 証明2:MN を2倍にのばして平行四辺形を作る
- 四角形の各辺の中点を結ぶと、いつも平行四辺形になる

うかるくん
中点を結んだ MN は、三角形のどの辺の半分になるの?
![合格先生]()
合格先生
中点を通らない残りの辺 BC の半分だ。しかも BC に平行。2つ同時に分かるのがこの定理だぞ。
中点連結定理とは
AB の中点 M と AC の中点 N を結ぶと、MN は BC に平行で、長さは BC の半分
中点連結定理
三角形 ABC で、辺 AB の中点を M、辺 AC の中点を N とすると、
MN∥BC,MN=21BC
「2辺の中点を連結した線分は、残りの辺に平行で、長さは半分」。平行と長さの2つのことが同時に分かる、とても使い道の多い定理です。
証明1:相似を使う
△AMN と △ABC で、
- AM:AB=1:2、AN:AC=1:2(M、N は中点)
- ∠A は共通
よって、2組の辺の比とその間の角がそれぞれ等しいので △AMN∼△ABC(相似比 1:2)。
- 対応する辺の比から MN:BC=1:2、つまり MN=21BC。
- 対応する角が等しいので ∠AMN=∠ABC。同位角が等しいので MN∥BC。
証明2:平行四辺形を作る
MN を2倍にのばした点 D をとると、△AMN≡△CDN から CD=AM=MB。四角形 MBCD は平行四辺形になる
MN を N の方へ同じ長さだけのばした点を D とします(MN=ND)。
- △AMN と △CDN で、AN=CN、MN=DN、∠ANM=∠CND(対頂角)なので、2辺とその間の角が等しく合同。よって CD=AM=MB、∠MAN=∠DCN。
- ∠MAN=∠DCN は錯角なので AB∥CD、つまり MB∥DC。
- 四角形 MBCD は、1組の向かい合う辺 MB と DC が平行で長さが等しいので平行四辺形。
平行四辺形なので MD∥BC、MD=BC。MN=21MD だから MN=21BC、MN∥BC です。
逆も成り立ちます:AB の中点 M を通って BC に平行な直線を引くと、AC の中点 N を通ります。
高校受験(中学3年)での使い方
中点連結定理は中学3年の「相似」で学びます。高校入試では、四角形の各辺の中点を結ぶ問題、台形の中点、三角形の重心の性質など、証明と計算の両方で出ます。
高校受験例題1(基本)
三角形 ABC で BC=14 cm です。AB、AC の中点をそれぞれ M、N とするとき、MN の長さを求めなさい。
解き方
中点連結定理より MN=21×14=7(cm)。
答え 7 cm
高校受験例題2(四角形の中点)
四角形 ABCD の各辺の中点を P、Q、R、S とすると、四角形 PQRS は平行四辺形になることを説明しなさい(P は AB、Q は BC、R は CD、S は DA の中点)。
解き方
対角線 AC を引きます。△ABC で中点連結定理より PQ∥AC、PQ=21AC。
△ACD でも SR∥AC、SR=21AC。
よって PQ∥SR、PQ=SR なので、1組の向かい合う辺が平行で等しく、PQRS は平行四辺形です。
答え (説明のとおり)
高校受験例題3(台形)
AD∥BC の台形 ABCD で、AD=6 cm、BC=14 cm です。AB の中点 M、DC の中点 N を結ぶとき、MN の長さを求めなさい。
解き方
対角線 AC と MN の交点を E とすると、△ABC で ME=21BC=7、△CDA で EN=21AD=3。
MN=7+3=10(cm)。(上底と下底の平均 26+14 と同じ)
答え 10 cm
大学受験では
ベクトルを使うと一瞬で証明できます。MN=AN−AM=21AC−21AB=21(AC−AB)=21BC。向きが同じで大きさが半分、ということがそのまま式に表れています。三角形の重心が中線を 2:1 に分けることの証明でも、中点連結定理が使われます。
よくある間違い
![腕でバツを作る合格先生]()
合格先生
AM:MB=1:2 のように中点でないときは使えない。平行線と線分の比を使おう。
- 中点でない点に使う:AM:MB=1:2 のようなときは、中点連結定理ではなく、平行線と線分の比を使う。
- どの辺の半分かを取りちがえる:MN は、中点を通らない残りの辺(BC)の半分。
練習問題
![ひらめいたサクラちゃん]()
サクラちゃん
中点が2つ見えたら、まず結んでみようっと
- 高校受験 三角形 ABC の3辺の長さが 8 cm、10 cm、12 cm です。3辺の中点を結んでできる三角形の周の長さを求めなさい。
答えと解説を見る
それぞれ元の辺の半分なので 4+5+6=15。答え 15 cm - 高校受験 対角線の長さが 10 cm と 16 cm の四角形があります。各辺の中点を結んでできる平行四辺形の周の長さを求めなさい。
答えと解説を見る
辺は対角線の半分(5 cm と 8 cm)が2本ずつ。2×(5+8)=26。答え 26 cm
関連する公式
よくある質問
中点連結定理とは?
三角形の2辺の中点を結ぶ線分は、残りの辺に平行で、長さはその半分になるという定理です。
中点連結定理はどう証明しますか?
△AMN と △ABC が2組の辺の比(1:2)とその間の角が等しいので相似になることから証明できます。MN をのばして平行四辺形を作る方法もあります。
中点連結定理は何年生で習いますか?
中学3年生の「相似な図形」で習います。
四角形の中点を結ぶとなぜ平行四辺形になるのですか?
対角線を1本引くと、中点連結定理により向かい合う2辺がどちらも対角線に平行で長さが半分になるからです。
台形の2つの脚の中点を結ぶ線分の長さは?
(上底+下底)÷2 です。対角線で2つの三角形に分け、中点連結定理を2回使うと分かります。
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出典・参考
- 文部科学省「中学校学習指導要領(平成29年告示)」数学 第3学年(相似な図形)
最終更新:2026年10月11日/作成:大学受験合格大作戦