大阪府の橋下知事が力を入れている『進学指導特色校事業』。
この進学指導特色校事業とは大阪府の旧9学区のトップ校
- 北野高校
- 茨木高校
- 大手前高校
- 四条畷高校
- 高津高校
- 天王寺高校
- 生野高校
- 三国ヶ丘高校
- 岸和田高校
に豊中高校を加えた10校を『進学指導特色校』と位置づけ、国内の難関大学への進学者数を目指すエリート校構想である。
2011年度からは進学指導の専門学科を新設し、難関大学への合格者数を増やすのが目的だ。
ここでいう難関大学は難関国立大学と難関私立大学に分けられます
難関国立大学は
- 東京大学
- 京都大学
- 大阪大学
- 神戸大学
難関私立大学は
- 早稲田大学
- 慶應義塾大学
である。
大阪の府立高校からこの難関国立大学と難関私立大学への合格者数を6割増やすことが目的だ。
このように自治体が、知事が強い指導力を持って教育の戦略を推進することは大変頼もしい。
大阪府に住んでいる人はうれしい限りですね。
大阪府の公立高校の人気、倍率は間違いなく上がっていくでしょう。今まで兵庫の私立高校に流れていた優秀な生徒も大阪の公立高校に流れてきます。
デメリットとしては大阪、兵庫を初めとする関西の私立高校の需要が低下することか。
橋下知事のこの動きは大いに応援したいと思っています。頑張れ橋下知事!!
●文理学科の2014年度実績予想
天王寺と大手前にあった難関理数科(定員160名)を無くし、文理学科を新たに10校(定員1600名)作ったからと言って、10校全ての大学進学実績が全体的に均等にアップする訳などないと思います。 6割アップが目標のようですがせいぜい1割アップが限度だと思います。
これまで難関私学に流れていた優秀層の内、何%かは公立文理学科(特に北野文理学科へ)に進学するかも知れませんが、今までなら北野普通科を受験できなかった大手前理数科・普通科トップ層や茨木普通科上位層、高津・四條畷普通科上位層…総合計50名前後が北野文理学科に流れるだけのように思います。
そして北野高校全体の主な実績は、東大及び国公立大医学科合計27名前後、京大78名前後、阪大70名前後、神戸大34名前後…これらの大学だけでも合計210名前後の実績になると予想しています。 元々東大や早慶志向が少ないのが大阪府立高校の伝統ですから、「京大・阪大・神戸大」の合格総数がどれだけ伸びるか?にかかっていると思います。
過去3年間、北野と並ぶレベルを誇っていた天王寺(文理学科)もそれまでより30名前後の優秀層が流入し、進学実績を1割~1.5割近く伸ばすと予想しています。北野だけが突出し、二番手に天王寺という図式でしょうか。
北野と天王寺が実績アップした分逆に、三国丘は現状の実績より1割前後、大手前は1割~2割前後、茨木、高津、四條畷は1.5割~2.5割前後実績を落すのではないか?と(最悪の場合)見ています。優秀層を他校文理学科に取られてしまうような気がします。 10校全体の底上げを狙っても、上位校だけに集中する結果になりそうです。
生野、豊中、岸和田は文理学科ができても今までとあまり変わらないのでは?と思っています。10校トータルで見た場合、文理学科1600名の効果はせいぜい5%~10%程度ではないか?と私は予想しています。
文理学科の成果が数%で終ったとして、それを成功と見るのか?失敗と見るのか? 橋下市長にすれば母校の北野が大躍進すれば、それだけでも成果を出せたと(内心では)思うでしょうが、その他天王寺以外の8校にしたらとても納得できないのではないでしょうか?市長が代われば文理学科の在り方や定員がまた見直される可能性大だと思います。
6割アップを実現するためには兵庫県の灘や奈良県の東大寺に大阪から流出している生徒を奪還しなければなりません。
灘や東大寺は中高一貫校ですので中学入試で優秀な生徒を囲い込んでいます。それに対向するためには大阪の府立高校も中高一貫を導入する必要があります。灘や東大寺は男子校ですので大阪に府立の進学中高一貫校(共学)を作るだけで流れてくる層もいるのですよ。(男子校より共学という層がいる。但し進学校でなければならない)
文理学科を10校1600人増やすより、灘や東大寺に対向できる進学中高一貫校をまず一校つくることが重要。それが北野高校でもいいですよ。将来的に東大の理Ⅲや京医を目指す生徒が第一志望にするような中高一貫府立校にならなければなりませんので教育内容はもちろんですが入試もそういった生徒を選別できるものにしなければなりません。
京都の洛北や西京も中高一貫を導入し、ある程度の結果(京大合格実績等)を出していますが入試方法と教育内容がミスマッチです。入試方法を変えるだけでまだまだ京大合格者数を増加させることができるのですが、公立故の限界もあるのでしょう。(話すと長くなりますのであえて詳細は述べませんが)
話がそれてきたのでもとにもどします。
大阪の文理学科の成果が1割であったとしてもそれはすごいこと(成功)だと私は思います。超難関大学への進学者数が1割増加化するということはすごいことですよ。
ただ6割という目標を掲げて1割で終わってしまうと政治的にはいろいろ糾弾されるかもしれませんね。
いつも鋭い返信コメント有難うございます。
「中学入試で優秀な生徒を囲い込む私立中高一貫校から、優秀層を公立に奪還しなければならない」のは正論だと思います。
大阪府立の中高一貫共学校ができれば、確かに画期的です。
北野、天王寺、大手前、三国丘、茨木の進学実績上位5校を中高一貫校にすれば、文理学科設置の目標とした6割アップに近づく可能性は大ですね。
大阪府の教育委員会には、そういう柔軟且つ大胆な発想ができる人はあまりいないのでしょう。概ね賛成なのですが、中学受験には間に合わなかった高校受験組を救済する為にも、定員80名位は設けてほしいと思いました。
つまり、現状320名か360名の(文理学科のある)府立高校5校に関して、中学募集時には240名~280名定員で、高校募集時に80名にするのです。そして高津、四條畷、生野、岸和田、豊中の各高校は普通科を無くし、全てを文理学科として前期で一括募集にする。個人的にはそうなればいいように思いました。
※文理学科の成果の件ですが、1割アップでも確かに数字的には立派な成果なのですが、北野と天王寺だけが極端に突出し、他の8校は(予想で)現状維持かダウンになってしまい、10校平均すると1割アップという結果になったとしたら、北野と天王寺以外の8校にとっては成果となりえないのでは?と思っています。
優秀層が(従来進学していた)8校から北野と天王寺の2校にばかり集中して流れるという結果になると、「10校全体の底上げ」という目標に対しての成果にはならないだろうなと思った次第です。そういう私の予想通りにはならず、10校全体が全体的に満遍なく(有り得ないか)進学実績を1割でも高めることができたなら、凄い成果だと言えるでしょう。
>中学受験には間に合わなかった高校受験組を救済する為にも、定員80名位は設けてほしいと思いました。
おっしゃるとおりです。中高一貫校を作っても高校から入学するラインも残しておくべきでしょう。灘・東大寺・洛南・西大和にしても中高一貫校ながら高校からの入学が可能です。
洛南に関してはすでに男女共学が始まっていますし、西大和も高校から女子の入学があります。
やはり私立の中高一貫校は先を見据えて先手を打っています。
灘や東大寺に対抗するためには強力な一校を作ることが不可欠です。既存の北野や天王寺が突出するのが嫌なら新たに新設するしかありません。
大阪府立大学と大阪市立大学が合併するようですので「大学附属のスーパー中高一貫校」を設立するのも一手ですね。
10校満遍なく実績をあげようとしていては灘・東大寺には勝てません。