古文文法辞典 › 助詞
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ひとことで言うと
古文の助詞は、活用しない付属語で、ことば同士の関係や気持ちを表します。格助詞・接続助詞・副助詞・係助詞・終助詞・間投助詞の6種類があり、何につくかと文の中のどこにあるかで見分けます。
このページのポイント
- 助詞は活用しない付属語(活用するのは助動詞)
- 種類は格・接続・副・係・終・間投の6つ
- 見分けは位置 → 上の語 → 文末 → 意味の順
- 「の」は下に述語が続けば主格(〜が)
- 難関大は「なむ・に・が・を・や」の識別
はじめて(やさしく)
助詞は、ことばのあとについて、ことば同士の関係や話し手の気持ちを表す品詞です。現代語の「が・を・に・へ・と」「さえ」「だけ」「ね・よ」などと同じなかまで、古文にもたくさんの助詞があります。
助詞には、大事な特ちょうが2つあります。1つめは、活用しない(形が変わらない)こと。2つめは、ひとりでは使えない(必ずほかのことばのあとにつく)ことです。ひとりで使えないことばを付属語といい、付属語のうち活用するものが助動詞、活用しないものが助詞です(品詞の全体は品詞の種類へ)。
たとえるなら、助詞はブロックをつなぐ「ジョイント」です。「烏」「寝どころ」「行く」というブロックだけでは意味がばらばらですが、「の」「へ」「とて」というジョイントがあると、「烏が寝床の方へ行くと思って」という一つの場面になります。
うかるくん
古文の「の」って、現代語の「の」と同じ意味じゃないの?
合格先生
いいところに気づいたね。古文の「の」は、現代語と同じ「〜の」のほかに、「〜が」と訳すことがとても多いんだ。
サクラちゃん
えっ、「の」が「が」になるの?
合格先生
「蛍の多く飛びちがひたる」は「蛍がたくさん飛びかっている」。下に「飛ぶ」のような動作や様子が続くときは「が」と訳す。これを主格の「の」というよ。
この「の」は、高校受験の古文でもよく問われます。「次の『の』と同じ使い方のものを選びなさい」「『の』を現代語に直しなさい」という問題です。見分け方はかんたんで、「の」を「が」に置きかえて意味が通るかを確かめます。「雀の子」を「雀が子」にすると変ですが、「蛍の飛ぶ」を「蛍が飛ぶ」にすると自然です。くわしくは格助詞「の」「が」のページで、5つの使い方を説明しています。
もう1つ、中学生でも知っておきたい助詞が、係助詞の「ぞ・なむ・や・か・こそ」です。文の中にこれがあると、文の終わりの形が変わります(係り結び)。主語を表す「が」「は」が古文では書かれないことも多いので、主語の補い方もあわせて読むと、古文がぐっと読みやすくなります。

うかるくん
「の」を見たら「が」に置きかえてみる。それだけで、古文の文の「だれが」が見えてくるんだね!
わからない所があれば、受験掲示板「100点BBS」の古典文法のお勉強で質問できます。高校受験の古文の相談は高校受験掲示板でもどうぞ。
しっかり(大学受験の基礎〜標準)
古文の助詞の種類は6つ(一覧)
学校で習う古典文法では、助詞をはたらきと何につくか(接続)によって、次の6種類に分けます。助動詞が「意味」と「接続」で整理されるのと同じく、助詞も「どんな語につき、文の中で何をしているか」で種類が決まります。
| 種類 | 主な語 | 何につくか | はたらき |
|---|---|---|---|
| 格助詞 | の・が・を・に・へ・と・より・から・にて・して | 主に体言(名詞)・連体形 | 下の語に対する関係(主語・目的・場所・手段など)を示す |
| 接続助詞 | ば・とも・ど・ども・が・に・を・て・して・で・つつ・ながら・ものの・ものを | 活用語 | 前の文と後ろの文をつなぐ(順接・逆接・単純な接続) |
| 副助詞 | だに・すら・さへ・のみ・ばかり・まで・など・し・しも | いろいろな語 | 「〜さえ・〜だけ・〜まで」などの意味を添える |
| 係助詞 | ぞ・なむ・や(やは)・か(かは)・こそ・は・も | いろいろな語 | 強調・疑問・反語を表し、文末と呼応する(係り結び) |
| 終助詞 | ばや・なむ・もがな・がな・てしが・な・そ・かな・かし | 文の終わり | 願望・禁止・詠嘆・念押しなど、話し手の気持ちを表す |
| 間投助詞 | や・よ・を | 文節の切れ目・文末 | 呼びかけ・詠嘆、語調を整える |
主な助詞の意味と訳し方の一覧
入試でよく問われる助詞を、意味と訳し方でまとめます。くわしい用法は、各種類のページで例文とともに説明しています。
| 助詞 | 種類 | 主な意味 | 訳し方の例 |
|---|---|---|---|
| の・が | 格助詞 | 主格・連体修飾格・同格・準体格・比喩 | 〜が/〜の/〜で/〜のもの/〜のように |
| を | 格助詞 | 対象・経過する場所・起点 | 〜を |
| にて | 格助詞 | 場所・手段・原因 | 〜で |
| ば | 接続助詞 | 未然形+ば=仮定、已然形+ば=確定 | もし〜ならば/〜ので・〜と |
| ど・ども | 接続助詞 | 逆接の確定 | 〜けれども |
| とも | 接続助詞 | 逆接の仮定 | たとえ〜ても |
| で | 接続助詞 | 打消の接続 | 〜ないで |
| つつ | 接続助詞 | 反復・継続・同時 | 〜しては/〜し続けて/〜ながら |
| だに | 副助詞 | 類推・最小限の希望 | 〜さえ/せめて〜だけでも |
| さへ | 副助詞 | 添加 | 〜までも |
| ばや | 終助詞 | 自分の願望 | 〜したい |
| なむ(未然形+) | 終助詞 | 他者への願望 | 〜してほしい |
| な〜そ | 終助詞(副詞+終助詞) | 禁止 | 〜しないでくれ |
| かな | 終助詞 | 詠嘆 | 〜だなあ |
| や・よ | 間投助詞 | 呼びかけ・詠嘆 | 〜よ |
「な〜そ」の「な」は副詞、「そ」が終助詞と説明されるのがふつうです。「ばや」の接続、「を」「に」「が」を格助詞と接続助詞のどちらにするかなど、文法書によって説明が分かれるところもあります(くわしくはもっと深く)。
助詞の種類の見分け方
- 位置を見る:文の終わりにあれば、まず終助詞(または間投助詞)を考える。
- 上の語を見る:活用語(動詞・形容詞・助動詞)について、下へ文が続いていれば接続助詞。体言(名詞)について、下の語との関係を示していれば格助詞。
- 文末を見る:文末が連体形・已然形で結ばれていれば係助詞(係り結び)。「は・も」も係助詞です。
- 意味を見る:「〜さえ・〜だけ・〜まで」などの意味を添えているだけなら副助詞。
- どれでもなく、呼びかけ・詠嘆・調子を整えるだけなら間投助詞。取り除いても文の意味が変わらないのが目印です。

合格先生
助詞の種類は、「どこにあるか」と「上に何がついているか」でほぼ決まる。上の語の活用形を確かめるくせをつけよう!(活用形)
例文で確かめる
しのぶれど色に出でにけりわが恋はものや思ふと人の問ふまで
(百人一首40番・平兼盛(しのぶれど))
現代語訳人に知られないようにこらえていたけれど、顔色に出てしまったことだ、私の恋は。「もの思いをしているのか」と人がたずねるほどに。

今は昔、竹取の翁といふものありけり。野山にまじりて竹を取りつつ、よろづのことに使ひけり。
(竹取物語・冒頭)
現代語訳今ではもう昔のことだが、竹取の翁という者がいた。野や山に分け入って竹を取っては、いろいろなことに使っていた。
夏は夜。月のころはさらなり、闇もなほ、蛍の多く飛びちがひたる。
(枕草子・第一段(春はあけぼの))
現代語訳夏は夜(がよい)。月のころは言うまでもない、闇夜もやはり、蛍がたくさん飛びかっている(のがよい)。
雀の子を犬君が逃がしつる。
(源氏物語・若紫)
現代語訳雀の子を、犬君(召し使いの女の子)が逃がしてしまったの。
もっと深く(難関大・上級者)
1. 同じ形でも種類がちがう:「なむ・に・が・を・や」の識別
助詞の問題でいちばんねらわれるのは、同じ形の語の識別です。ここで要点をまとめます。専用ページは 「に」の識別・「なむ」の識別・「し」の識別 などです。
- なむ:①体言・連用形などについて文末が連体形になる→係助詞(強意)。②未然形について文末にある→終助詞(〜してほしい)。③連用形について「な+む」→完了「ぬ」の未然形+推量「む」(きっと〜だろう)。④ナ変動詞の未然形「死な・往な」+「む」。くわしくは終助詞・助動詞「む」・「つ・ぬ」へ。
- に:体言について場所・時・相手などを示せば格助詞、連体形について「〜ところ・〜ので・〜のに」と下へ続けば接続助詞、連用形について下に「き・けり・たり」などが続けば完了「ぬ」の連用形、体言・連体形について下に「あり(はべり・おはす)」が続けば断定「なり」の連用形です(断定「なり・たり」)。
- が・を:体言(または体言のかわりの連体形)について下の語との関係を示せば格助詞、連体形について「〜のに・〜ので・〜と」と前後の文をつなげば接続助詞。「を」には詠嘆の間投助詞もあります(接続助詞・間投助詞)。
- や:文中にあって文末が連体形なら係助詞、文末にあれば終助詞、呼びかけ・詠嘆や語調を整えるだけで結びがなければ間投助詞。百人一首97番「来ぬ人を……焼くや藻塩の」の「や」は間投助詞です。
- し:取り除いても意味が通れば強意の副助詞(「名にし負はば」百人一首25番など)、連用形について下に体言が続けば過去「き」の連体形、サ変動詞「す」の連用形のこともあります(副助詞・「き・けり」)。
2. 「連体形+が・に・を」は格助詞か接続助詞か(説の違い)
「〜するが」「〜するに」「〜するを」の形は、入試でもっとも迷うところです。連体形の下に「こと・もの・人」などの体言を補って「〜することが」「〜するのに」と読めれば格助詞(連体形が体言の代わりをしている=準体法)、補わずに「〜のに・〜ので・〜と」と前後をつなぐなら接続助詞、と説明されることが多いです。ただ、中古の文章ではこの境目がはっきりしない例も多く、どちらにも読めると注をつける本もあります。入試では「文脈に合う訳」を選ぶことが大切です。
3. 分類のしかたにも流派がある
- 学校の古典文法は、ふつう格助詞・接続助詞・副助詞・係助詞・終助詞・間投助詞の6種類に分けます。
- 文法書によっては、間投助詞を終助詞に含めて5種類とするもの、「AとB」の「と」や「や」を並立助詞として別に立てるもの、「の」の「〜のもの」の用法を準体助詞として分けるものもあります。
- 「は・も」は係助詞に入れるのがふつうですが、文末の形を変えないため、副助詞と近いとする考え方もあります。
- 「し」を副助詞とするか、間投助詞とするかも本によって違います。入試問題は標準的な6分類で答えればまず困りません。
4. 助詞が重なる形・省かれる形
古文では助詞がいくつも重なることがあります。「にぞ」「となむ」「をば」「にも」のように、格助詞のあとに係助詞・副助詞がつくのがふつうの順番です。「をば」は格助詞「を」に係助詞「は」がつき、濁った形と説明されます。また、「とぞ」「となむ」の下では「言ふ」「聞く」などがよく省略されます(結びの省略、係り結び)。
反対に、現代語なら必ず入る「が」「を」が古文では書かれないことが多いのも特ちょうです。「翁、竹を取る」の「翁」のあとには「が」がありません。助詞がない所に「が」「を」「は」を補って読むことが、主語をとらえる第一歩です(主語の補い方)。
サクラちゃん
「に」が格助詞にも接続助詞にも助動詞にもなるなんて、ややこしい……。
合格先生
だから上の語の活用形と下に続く語を見るんだ。体言の下なら格助詞、連体形の下で文が続けば接続助詞、連用形の下で「けり」が続けば助動詞「ぬ」。手順にすれば迷わないよ。
うかるくん
品詞分解の問題も、その順番でやればいいんだね!
よくあるまちがい
まちがい1:古文の「の」をいつも「の」と訳す
下に動作・様子が続く「の」は主格で、「が」と訳します。「蛍の飛びちがひたる」は「蛍が飛びかっている」。
まちがい2:「に」「なむ」をいつも助詞だと思う
連用形についた「に」「な」は、完了の助動詞「ぬ」のことがあります。「出でにけり」の「に」は助動詞です。上の語の活用形を必ず確かめましょう。
まちがい3:「や」を見たら係助詞と決める
文末の「や」は終助詞、「百敷や」「焼くや」の「や」は間投助詞です。結び(文末の連体形)があるかどうかで見分けます(間投助詞「や・を」)。
まちがい4:助詞と助動詞を混同する
どちらも付属語ですが、活用するのが助動詞、活用しないのが助詞です。「けり」「ぬ」は活用するので助動詞、「ぞ」「を」は活用しないので助詞です(助動詞一覧)。
練習問題
やさしい
- 「月の出でたる夜」(自作)の「の」を現代語に直しなさい。また、その用法の名前を答えなさい。
答えと解説を見る
「が」(月が出ている夜)。下に動作「出づ」が続くので主格の「の」です。
- 次の助詞のうち、係助詞をすべて選びなさい。
ア ぞ イ を ウ こそ エ つつ オ か答えと解説を見る
ア・ウ・オ。「を」は格助詞(または接続助詞・間投助詞)、「つつ」は接続助詞です。
ふつう
- 「野山にまじりて竹を取りつつ、よろづのことに使ひけり。」(竹取物語)から助詞をすべてぬき出し、種類を答えなさい。
答えと解説を見る
「に」(格助詞)・「て」(接続助詞)・「を」(格助詞)・「つつ」(接続助詞)・「の」(格助詞)・「に」(格助詞)。「けり」は助動詞なので助詞ではありません。
- 百人一首40番「ものや思ふと人の問ふまで」の「や」「の」「まで」の種類と意味を答えなさい。
答えと解説を見る
「や」は係助詞(疑問。結びは連体形「思ふ」)、「の」は格助詞(主格。「人が」)、「まで」は副助詞(程度。「〜ほどに」)。
むずかしい
- 次の「に」を文法的に説明しなさい。(自作)
① 京に着きぬ。 ② 花散りにけり。 ③ 雨降るに、人来たり。答えと解説を見る
① 体言「京」について場所を示す格助詞。② 連用形「散り」について下に「けり」が続く、完了の助動詞「ぬ」の連用形。③ 連体形「降る」について下へ文をつなぐ接続助詞(〜ところ・〜と)。
- 百人一首97番「焼くや藻塩の」の「や」と、40番「ものや思ふと」の「や」は、種類がどう違いますか。理由とともに答えなさい。
答えと解説を見る
97番の「や」は間投助詞(語調を整え、詠嘆をこめる)。下に結びがなく、取り除いても意味が変わりません。40番の「や」は疑問の係助詞で、結びは連体形「思ふ」です。
関連ページ
- 係り結び:係助詞「ぞ・なむ・や・か・こそ」と結び
- 格助詞「の」「が」:主格・同格など5つの用法
- 接続助詞「ど・ども・に・を・が」:逆接と単純接続
- 副助詞「だに・すら・さへ・のみ・し」:類推・添加・限定
- 終助詞「ばや・なむ・もがな・な・そ」:願望・禁止・詠嘆
- 品詞の種類:助詞と助動詞のちがい
- 古文文法辞典の目次
このほか、接続助詞「ば」・間投助詞「や・を」・「もぞ・もこそ」も助詞のページです。百人一首の歌で助詞を確かめるなら、百人一首 全百首の各首のページ(品詞の説明つき)が役に立ちます。
読みもの(合格大作戦の記事)
- 百人一首 全百首
全首の現代語訳・品詞・修辞 - 枕草子「春はあけぼの」
冒頭の段を品詞から読む - 古文の助動詞一覧
接続・意味・活用をまとめて見る地図 - 和歌の修辞
枕詞・序詞・掛詞・縁語・本歌取り - 古文単語の覚え方
入試に出る古文単語を、意味のつながりで覚える - 国語のまとめ
現代文・古文・漢文の入口
受験掲示板「100点BBS」で質問・相談しよう
- 古典文法のお勉強(スレ)(文法のわからない所を質問・答え合わせ)
- 高校受験掲示板(高校受験の国語・古文の相談)
- 古典の勉強方法(スレ)(古典の勉強の進め方)
- 共通テスト掲示板(共通テストの国語(古文)の対策)
- 国語の勉強掲示板(古文・漢文・現代文の勉強の相談)
よくある質問
古文の助詞は何種類ありますか?
学校の古典文法では、格助詞・接続助詞・副助詞・係助詞・終助詞・間投助詞の6種類に分けるのがふつうです。
助詞と助動詞の違いは何ですか?
どちらもひとりでは使えない付属語ですが、活用しないのが助詞、活用するのが助動詞です。
古文の「の」を「が」と訳すのはどんなときですか?
「の」の下に動作や様子を表す述語が続くときです。これを主格の「の」といい、「蛍の飛ぶ」は「蛍が飛ぶ」と訳します。
係助詞と副助詞の違いは?
係助詞(ぞ・なむ・や・か・こそ・は・も)は文末と呼応し、ぞ・なむ・や・か・こその場合は文末の形が変わります。副助詞(だに・すら・さへ・のみ など)は意味を添えるだけで、文末の形は変えません。
高校受験の古文で出る助詞は?
主格の「の」(「が」と訳す)と、係り結びをつくる係助詞「ぞ・なむ・や・か・こそ」がよく出ます。
あわせて読みたい
出典・参考
- 文部科学省「中学校学習指導要領(平成29年告示)」国語、「高等学校学習指導要領(平成30年告示)」国語(言語文化・古典探究)
- 例文の本文:竹取物語(冒頭)、枕草子(第一段)、源氏物語(若紫)、百人一首(40番。ほかに25・97番に言及)。表記は読みやすいように一部改めています
- 高校の古典文法の標準的な説明(助詞の6分類)にもとづいて作成。並立助詞・準体助詞を立てる分類、間投助詞を終助詞に含める分類、「連体形+が・に・を」の扱いなどは文法書によって説明が異なります
- 画像:百人一首の絵札「Hyakuninisshu 040」(パブリックドメイン、Wikimedia Commons)
最終更新:2026年10月21日/作成:大学受験合格大作戦



