古文の格助詞「の」「が」の用法5つと見分け方|同格の「の」の訳し方・主格・準体格・比喩・練習問題【大学受験】

古文の格助詞「の」「が」の用法5つと見分け方|同格の「の」の訳し方・主格・準体格・比喩・練習問題【大学受験】

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大学受験難関大

ひとことで言うと

格助詞「の」「が」には、主格(〜が)・連体修飾格(〜の)・同格(〜で)・準体格(〜のもの)・比喩(〜のように)の5つの用法があります。入試の山は同格で、「体言+の、…連体形」の連体形のあとに上の体言を補い、「〜で」と訳します。

このページのポイント

  • 「の」「が」は体言・連体形につく格助詞で、用法は5つ
  • 主格=〜が、連体修飾格=〜の(「わが」「君が」の「が」も〜の)
  • 同格=「体言+の、…連体形〈体言〉」で「〜で」と訳す
  • 準体格=〜のもの、比喩(連用修飾格)=〜のように(序詞の終わり)
  • 難関大は接続助詞「が」との識別、主格の「の・が」が従属節に多いこと

はじめて(やさしく)

古文の「の」と「が」は、名詞(体言)のあとについて、その名詞が文の中でどんな役目をしているかを表す格助詞(かくじょし)です。助詞の全体の地図は助詞の種類で見られます。

今のことばでは「花の色」の「の」と、「花が散る」の「が」は、別々の役目ですね。ところが古文では、「の」も「が」も、どちらの役目もするのです。たとえば古文の「花の散る」は、「花が散る」という意味になります。

うかるくん

うかるくん

「花の散る」が「花が散る」? 「の」なのに「が」って訳すの?

合格先生

合格先生

そう。古文の「の」は、下に何がくるかで訳し方が変わるんだ。下が名詞なら「〜の」、下が動作(動詞など)なら「〜が」と訳すことが多いよ。

サクラちゃん

サクラちゃん

じゃあ「わが衣手」の「が」は? 下は「衣手(そで)」という名詞だから……「私の袖」!

合格先生

合格先生

正解。「が」も「〜の」と訳すことがある。「の」と「が」は入れかわる、と覚えておこう。

同じ「の」でも、下を見ると働きがわかる花の色下に名詞「色」がくる→ 連体修飾格「〜の」(花の色)花の散る下に動詞「散る」がくる→ 主格「〜が」(花が散る)名詞につながれば「〜の」、動作につながれば「〜が」主格の「の」は、今のことばの「が」と訳す
「花の色」は下が名詞なので「〜の」、「花の散る」は下が動詞なので「〜が」と訳す

「しづ心なく花の散るらむ」は百人一首33番、紀友則の歌の下の句です。「落ち着いた心もなく、花が散っているのだろう」と、「の」を「が」と訳します(久方の)。

実は「の」「が」には、全部で5つの用法があります。大学受験ではこの5つを見分けて、正しく訳せるかがよく問われます。

「の」「が」の5つの用法と訳し方主格〜が月の出でたる夜月が出ている夜連体修飾格〜の秋の田・わが衣手秋の田・私の袖同格〜で白き鳥の、嘴と脚と赤き白い鳥で、嘴と脚の赤い(鳥)準体格〜のもの唐のはさらなり唐のなでしこは言うまでもない比喩〜のようにしだり尾の長々し夜しだり尾のように長い夜「が」にも同じ用法がある(比喩はほとんど「の」)
「の」「が」の5つの用法。主格・連体修飾格・同格・準体格・比喩(連用修飾格)

ここだけは覚えよう

  • 「の」「が」は格助詞。体言(名詞)や連体形につく
  • 用法は5つ:主格(〜が)・連体修飾格(〜の)・同格(〜で)・準体格(〜のもの)・比喩(〜のように)
ひらめいたうかるくん

うかるくん

「の」を見たら下をチェック! 名詞なら「〜の」、動詞なら「〜が」。百人一首が読みやすくなった!

わからないところは、受験掲示板「100点BBS」の〈古典文法のお勉強〉で質問できます。

しっかり(大学受験の基礎〜標準)

格助詞「の」「が」の5つの用法と訳し方(一覧)

格助詞「の」「が」は、体言と、体言と同じ働きをする連体形につきます(活用形)。5つの用法は次のとおりです。

用法訳し方見分けの目印例
主格〜が下の用言(動詞・形容詞など)の主語になる風の吹きしく(風が吹きしきる)
連体修飾格〜のすぐ下に体言がくる秋の田・わが衣手
同格〜で「の」の下の連体形のあとに、上の体言を補える白き鳥の、嘴と脚と赤き〈鳥〉
準体格〜のもの・〜のこと「の」のすぐあとに体言を補える唐のは(唐のなでしこは)
比喩(連用修飾格)〜のように「〜のように」と訳すと通る。和歌の序詞の終わりに多いしだり尾のながながし夜

比喩の用法は、下の用言を修飾するので「連用修飾格」とも呼ばれます。「例の」(いつものように)もこの仲間として説明されることが多い形です。教科書によっては、比喩を連用修飾格としてまとめず、「比喩」とだけ呼ぶものもあります。

格助詞「の」「が」の見分け方の手順

  1. 「の」「が」のすぐ下に体言があれば連体修飾格(〜の)。
  2. 下に連体形があり、そのあとに上の体言と同じ語を補えれば同格(〜で)。読点(、)で区切られていることが多い。
  3. 下の用言の主語になっていれば主格(〜が)。
  4. 「の」「が」のすぐあとに体言を補えれば準体格(〜のもの)。
  5. 「〜のように」と訳して意味が通れば比喩。
「の」「が」を見つけたらすぐ下に名詞がある?(花の色・わが衣手)はい連体修飾格〜のいいえ連体形の後に名詞を補える?(白き鳥の、…赤き〈鳥〉)はい同格〜でいいえ下の用言の主語になる?(花の散る・犬君が逃がす)はい主格〜がいいえ「の」の後に名詞を補える?(唐のは=唐のなでしこは)はい準体格〜のものいいえ「〜のように」で通じる?(序詞の終わり・「例の」)はい比喩〜のように和歌の序詞の終わりの「の」は、まず比喩を疑う
格助詞「の」「が」の用法を見分ける手順。まず下に何が続くかを見る

例文で確かめる(主格・連体修飾格)

白露に風の吹きしく秋の野はつらぬきとめぬ玉ぞ散りける

(百人一首37番・文屋朝康(白露に))

現代語訳白露に風がしきりに吹きつける秋の野は、糸で貫きとめていない玉が散り乱れていることだ。

ここがポイント「風の吹きしく」の「の」は、動詞「吹きしく」の主語を示す主格(〜が)。「秋の野」の「の」は、下に体言「野」がくる連体修飾格です。1首の中に2つの用法が並んでいます。

君がため春の野に出でて若菜つむわが衣手に雪は降りつつ

(百人一首15番・光孝天皇(君がため))

現代語訳あなたのために、春の野に出て若菜をつむ私の袖に、雪がしきりに降りかかっている。

ここがポイント「君がため」「わが衣手」の「が」は、どちらも下に体言(ため・衣手)がくる連体修飾格で、「〜の」と訳します。「が」を見てすぐ「〜が」と訳さないこと。

坊の傍らに、大きなる榎の木のありければ、人、「榎木の僧正」とぞ言ひける。

(徒然草・第四十五段)

現代語訳(良覚僧正の)僧坊のそばに大きな榎の木があったので、人々は「榎木の僧正」と呼んだ。

ここがポイント「榎の木のありければ」の「の」は、動詞「あり」の主語を示す主格。一方「坊の傍ら」「榎の木」の「の」は連体修飾格です。

同格の「の」は「〜で」と訳す

入試でいちばんねらわれるのが同格です。「体言+の、……連体形」の形で、連体形のあとに上の体言と同じ語が省略されています。訳は「〜で」(〜であって)。

白き鳥の、嘴と脚と赤き、鴫の大きさなる、水の上に遊びつつ魚を食ふ。

(伊勢物語・第九段(東下り))

現代語訳白い鳥で、くちばしと脚とが赤い、鴫くらいの大きさの鳥が、水の上で遊びながら魚を食べている。

ここがポイント「赤き」「大きさなる」はどちらも連体形で、あとに「鳥」が省略されています。「白き鳥」=「嘴と脚と赤き〈鳥〉」=「鴫の大きさなる〈鳥〉」と、同じものを言いかえているので同格。
同格の「の」は「〜で」と訳す白き鳥の、嘴と脚と赤き〈鳥〉、鴫の大きさなる〈鳥〉、みな同じ「鳥」のこと訳:白い鳥で、くちばしと脚とが赤い、鴫くらいの大きさの鳥が、水の上で遊ぶ(伊勢物語・第九段「東下り」)
同格の「の」。連体形のあとに、上と同じ「鳥」を補って読む
「ここが大事!」と説明する合格先生

合格先生

同格は「の」の下の連体形のあとに、上の名詞を補えるかで決まる! 補えたら「の」を「〜で」と訳そう。

いと清げなる僧の、黄なる地の袈裟着たるが来て、「法華経五の巻を、とく習へ」と言ふと見れど、

(更級日記(源氏物語を読みふける場面))

現代語訳たいそうこぎれいな僧で、黄色い地の袈裟を着ている僧が来て、「法華経の五の巻を早く習え」と言う夢を見たけれど、

ここがポイント「着たる」(連体形)のあとに「僧」を補えるので、「僧の」の「の」は同格。「着たるが」の「が」は、補った「〈僧〉が来て」の主格です。

いとやむごとなき際にはあらぬが、すぐれて時めきたまふありけり。

(源氏物語・桐壺(冒頭))

現代語訳それほど高い身分ではない方で、とりわけ帝のご寵愛を受けていらっしゃる方があった。

ここがポイント「あらぬ」(連体形)のあとに「人(方)」を補い、「時めきたまふ〈人〉」と同じ人を指すので、「が」は同格(〜で)と説明されるのがふつうです。主格や接続助詞(〜けれど)と考える説もあります。

もっと深く(難関大・上級者)

1. 準体格の「の」:あとに体言を補う

準体格は、「の」「が」のあとの体言が省かれ、「〜のもの」「〜のこと」の意味になる用法です。今のことばの「この本は兄のだ」(兄の本だ)と同じしくみです。

草の花はなでしこ。唐のはさらなり、大和のもいとめでたし。

(枕草子・「草の花は」の段)

現代語訳草の花はなでしこ(がよい)。唐のなでしこは言うまでもなく、日本のなでしこもたいそうすばらしい。

ここがポイント「唐の」「大和の」のあとに「なでしこ」を補うので準体格。補う語は直前の文から探します。

2. 比喩の「の」と和歌の序詞

比喩の「の」は、和歌の序詞(じょことば。ある語を引き出すための前置き)の終わりによく出ます。「〜の」までがたとえで、そのあとに言いたいことが続きます。

あしびきの山鳥の尾のしだり尾のながながし夜をひとりかも寝む

(百人一首3番・柿本人麻呂(あしびきの))

現代語訳山鳥の垂れさがった尾のように長い長い秋の夜を、私はひとりさびしく寝るのだろうか。

ここがポイント上の句全体が「ながながし」を引き出す序詞で、最後の「の」が比喩(〜のように)。「あしびきの」は「山」にかかる枕詞、「山鳥の」「尾の」は連体修飾格です。同じ「の」が1首に4つあり、用法がちがうのがねらわれます。
比喩の「の」=「〜のように」序詞(たとえの部分)あしびきの山鳥の尾のしだり尾ののようにながながし夜をひとりかも寝む言いたいこと山鳥の垂れさがった尾のように長い長い秋の夜を、ひとりさびしく寝るのだろうか
百人一首3番。序詞の終わりの「の」が比喩(〜のように)
百人一首3番 柿本人麻呂の絵札(あしびきの 比喩の「の」)
百人一首3番・柿本人麻呂の絵札。「しだり尾の」の「の」は「〜のように」と訳す比喩の用法です。画像:絵札「Hyakuninisshu 003」(パブリックドメイン、Wikimedia Commons)

瀬をはやみ岩にせかるる滝川のわれても末に逢はむとぞ思ふ

(百人一首77番・崇徳院(崇徳天皇)「瀬をはやみ」)

現代語訳川瀬の流れが速いので、岩にせきとめられる急流が二つに分かれてもまた一つになるように、(今は別れても)いつかはきっと逢おうと思う。

ここがポイント「滝川の」の「の」は比喩(〜のように)。「滝川のように」分かれてもまた合う、と恋の思いにたとえています。「逢はむとぞ思ふ」は係り結び(ぞ→連体形)。

比喩の「の」の下には、比況の助動詞「ごとし」が省かれていると考えるとわかりやすい、と説明されることがあります。「夢のごとし」の「の」は連体修飾格で、「ごとし」がつくと比喩になります。

3. 主格の「の」「が」は、従属節の中に多い

平安時代の文では、文全体の主語にはふつう助詞をつけず(「翁、竹を取る」のように)、主格の「の」「が」は連体修飾の部分や従属節(〜ば・〜に など)の中で使われることが多い、と説明されます。「榎の木のありければ」「花の散るらむ」も、文末が連体形や条件の形です。主語を補う問題では、助詞のない主語を探すことが大切です(主語の補い方)。

雀の子を犬君が逃がしつる。伏籠のうちに籠めたりつるものを。

(源氏物語・若紫)

現代語訳雀の子を犬君が逃がしてしまったの。伏籠の中に閉じこめておいたのに。

ここがポイント「犬君が」は主格の「が」。文末「つる」(完了「つ」の連体形)は連体形で言い終える形(連体止め)で、子どもの訴える気持ちが出ています。犬君は召し使いの少女の名で、身近な者に「が」がついています。
源氏物語 若紫の巻の絵。縁側の鳥かご、空へ逃げる小鳥、垣根の外からのぞく貴族(格助詞 が 主格の例文の場面)
源氏物語「若紫」。雀の子が逃げてしまった場面です(右上の空に小鳥、縁側に鳥かご)。少女(のちの紫の上)が「雀の子を犬君が逃がしつる」と訴えます。画像:「Wakamurasaki by Unknown Japanese artist.jpg」(1620年ごろ、作者不明、バーミングハム美術館蔵、パブリックドメイン、Wikimedia Commons)

4. 「の」と「が」のちがい

平安時代ごろの「の」と「が」は、意味は同じでもつく語の性質にちがいがあった、と説明されることがあります。「が」は「わが」「君が」「犬君が」のように、自分や身近な人、見下す相手につきやすく、「の」は敬う相手や遠い人、ふつうの名詞につきやすい、という見方です。ただし例外も多く、入試で問われるのは用法の見分けのほうです。

「の」と「が」、どうちがう?の敬う相手・遠い人ふつうの名詞例:帝の御前  月の都が自分・身近な人親しみ・見下す気持ち例:わが身・君が  犬君が「が」は平安時代の終わりごろから「〜けれど」の接続助詞にも広がった
「の」と「が」のちがい(説明の一つ)。「が」はのちに接続助詞にも広がる

5. 格助詞の「が」と接続助詞の「が」の識別

「が」は平安時代の終わりごろ(院政期)から、「〜けれど・〜ところ」の意味の接続助詞としても使われるようになった、と説明されます。どちらも連体形につくので、次のように見分けます。

  • 「が」の前の連体形のあとに体言を補える(「あらぬ〈人〉が」)→ 格助詞(同格・主格など)。
  • 体言を補えず、前後が逆接(〜けれど)や単純な接続(〜ところ)でつながる → 接続助詞。中世以降の文章に多い。

接続助詞の「が」「に」「を」は接続助詞「ど・ども・に・を・が」でくわしく扱います。

6. ほかの格助詞(を・に・へ・と・より・から・にて・して)

古文の格助詞は、「の・が」のほかに次のものがあります。ちがう所だけ押さえましょう。例はどれも自作です。

格助詞主な意味訳し方例(自作)
を対象・場所・起点〜を・〜を通って・〜から山を越ゆ
に時・場所・対象・原因・目的・受身や使役の相手〜に・〜によって・〜のために人に笑はる
へ方向〜へ・〜のほうへ京へ上る
と相手・引用・並列・結果・比喩〜と・〜として・〜のように友と行く
より起点・経由・手段・比較・即時〜から・〜を通って・〜で・〜より・〜するとすぐに門より入る
から起点・経由・原因〜から・〜を通って・〜によって道から行く
にて場所・手段・原因・資格〜で・〜によって・〜として舟にて渡る
して手段・使役の相手・共同〜で・〜に命じて・〜とともに人して言はす

とくに「より」の手段(徒歩より=徒歩で)と即時(〜するやいなや)、「して」の使役の相手(人して=人に命じて)は現代語とちがうのでねらわれます。「にて」は断定の助動詞「なり」の連用形「に」+接続助詞「て」の場合もあり、断定「なり・たり」で識別を扱っています。

サクラちゃん

サクラちゃん

「白き鳥の、」の「の」を「が」と訳したら、変な日本語になっちゃった……。

合格先生

合格先生

そこが同格の落とし穴。読点のあとの連体形に気づいたら、その下に「鳥」を補ってみよう。同じものの言いかえなら「〜で」だよ。

うかるくん

うかるくん

「白い鳥で、くちばしと脚の赤い鳥」。すっきり読めた!

よくあるまちがい

まちがい1:「が」をいつも「〜が」と訳す

「わが衣手」「君がため」の「が」は連体修飾格で「〜の」。下に体言があるかを先に見ます。

まちがい2:同格の「の」を主格(〜が)と訳す

「体言+の、……連体形、」の形なら同格を疑い、連体形のあとに上の体言を補えるか確かめます。補えれば「〜で」。

まちがい3:平安時代の文章の「が」を接続助詞(〜けれど)にする

接続助詞の「が」は院政期以降に広がったものと説明されます。源氏物語などでは、まず格助詞(同格・主格)で読めないかを考えます。

まちがい4:比喩の「の」を連体修飾格にする

序詞の終わりの「の」は「〜のように」。「しだり尾の長々し夜」を「しだり尾の夜」と読むと意味が通りません。

練習問題

やさしい

  1. 次の「の」を、「〜が」と訳すものと「〜の」と訳すものに分けなさい。(自作)
    ① 月の明かき夜 ② 月の光
    答えと解説を見る

    ① 下に形容詞「明かき」がくるので主格(月が明るい夜)。② 下に体言「光」がくるので連体修飾格(月の光)。

  2. 「わが身」の「が」の用法と訳し方を答えなさい。
    答えと解説を見る

    下に体言「身」がくるので連体修飾格。「私の身」と訳します。

ふつう

  1. 「若き女の、色白き、門のもとに立てり。」(自作)の「女の」の「の」の用法を答え、全体を訳しなさい。
    答えと解説を見る

    「色白き」(連体形)のあとに「女」を補えるので同格。「若い女で、色の白い女が、門のところに立っている」。

  2. 「この扇は人のなり。」(自作)の「の」の用法を答えなさい。
    答えと解説を見る

    「人の」のあとに「扇」を補える(人の扇である)ので準体格。「この扇は人のものだ」と訳します。

むずかしい

  1. 百人一首3番「あしびきの山鳥の尾のしだり尾のながながし夜をひとりかも寝む」の4つの「の」のうち、用法がほかとちがうものはどれか。その用法と訳し方も答えなさい。
    答えと解説を見る

    4つ目の「しだり尾の」の「の」。比喩(連用修飾格)で「〜のように」と訳します。上の句は「ながながし」を引き出す序詞です。ほかの3つは連体修飾格と説明するのがふつうです(「あしびきの」は枕詞の一部)。

  2. 「年ごろ親しかりし人の、都に住みける、たづね来たり。」(自作)の傍線部「人の」の「の」の用法を答え、そう判断した理由を説明しなさい。
    答えと解説を見る

    同格。「住みける」は過去「けり」の連体形で、あとに「人」を補える(都に住んでいた〈人〉が)からです。訳は「長年親しかった人で、都に住んでいた人が、訪ねて来た」。

関連ページ

百人一首の「の」の歌は、記事「百人一首 全百首」で現代語訳と品詞の説明を、序詞は記事「和歌の修辞」で読めます。

読みもの(合格大作戦の記事)

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よくある質問

格助詞「の」の用法はいくつありますか?

主格(〜が)・連体修飾格(〜の)・同格(〜で)・準体格(〜のもの)・比喩(〜のように、連用修飾格)の5つです。「が」にも同じ用法がありますが、比喩はほとんど「の」です。

同格の「の」の見分け方と訳し方は?

「体言+の、…連体形」の形で、連体形のあとに上の体言と同じ語を補えれば同格です。「の」を「〜で」と訳します。例:白き鳥の、嘴と脚と赤き=白い鳥で、くちばしと脚の赤い鳥。

「わが」の「が」は主格ですか?

「わが衣手」「わが身」のように下に体言がくる「が」は連体修飾格で、「私の」と訳します。

準体格の「の」とは何ですか?

「の」のあとの体言が省かれ、「〜のもの」「〜のこと」の意味になる用法です。枕草子の「唐のはさらなり」は「唐のなでしこは言うまでもない」の意味です。

格助詞の「が」と接続助詞の「が」はどう見分けますか?

「が」の前の連体形のあとに体言を補えれば格助詞、補えず「〜けれど」などとつながれば接続助詞です。接続助詞の「が」は院政期以降に広がったと説明されます。

あわせて読みたい

出典・参考

  • 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)」国語(言語文化・古典探究)
  • 例文の本文:伊勢物語(第九段)、更級日記、源氏物語(桐壺・若紫)、枕草子(「草の花は」の段)、徒然草(第四十五段)、百人一首(3・15・33・37・77番)。表記は読みやすいように一部改めています
  • 高校の古典文法の標準的な説明(格助詞「の」「が」の用法)にもとづいて作成。比喩を連用修飾格と呼ぶかどうか、「あらぬが」の「が」の扱い、「の」と「が」の待遇のちがい、接続助詞「が」の成立時期には説明の違いがあり、本文中に記した
  • 画像:「Wakamurasaki by Unknown Japanese artist.jpg」(源氏物語 若紫、1620年ごろ、作者不明、Birmingham Museum of Art 蔵、パブリックドメイン〈PD-US〉、Wikimedia Commons)
  • 画像:百人一首の絵札「Hyakuninisshu 003」(パブリックドメイン、Wikimedia Commons)

最終更新:2026年10月21日/作成:大学受験合格大作戦