古文文法辞典 › 助詞
大学受験難関大
ひとことで言うと
接続助詞は文と文をつなぐ助詞。已然形+ど・どもは逆接確定「〜けれども」、終止形+ともは逆接仮定「たとえ〜ても」、連体形+に・を・がは単純接続「〜と」・逆接「〜のに」・順接「〜ので」を表します。
このページのポイント
- ど・ども=逆接確定(已然形につく)「〜けれども・〜のに」
- とも=逆接仮定(終止形につく)「たとえ〜ても」
- に・を・がは連体形につき、単純接続→逆接→順接の順に当てはめる
- で=打消接続(未然形)、つつ=反復・継続、ながら=同時・逆接
- 難関大は格助詞との境目(同格の「が」)と「に」の識別
はじめて(やさしく)
文と文を「〜けれど」「〜ので」「〜と」のようにつなぐ助詞を、接続助詞(せつぞくじょし)といいます。現代語の「雨が降るけれど出かける」「雨が降るので家にいる」の「けれど」「ので」と同じ役目です。助詞の全体の地図は 助詞の種類 で見られます。
古文の接続助詞は、1字で文の流れを決めます。「雨降れば」は「雨が降るので」、「雨降れど」は「雨が降るけれど」(例は自作)。
うかるくん
「ど」って、たった1字でしょ? 読みとばしちゃいそう。
合格先生
そこが落とし穴。「ど・ども」は逆接「〜けれど」。読みとばすと話の向きを取りちがえるよ。
サクラちゃん
じゃあ「に」や「を」は? 「京に行く」の「に」とはちがうの?
合格先生
いい質問だね。「に・を・が」は、場所や相手を表す格助詞のこともあれば、文と文をつなぐ接続助詞のこともある。見分けのコツはあとで教えるよ。
接続助詞がつなぐ流れは、大きく3つに分けられます。
- 順接(じゅんせつ):前が原因・理由で、後がその結果。「〜ので」「〜から」。
- 逆接(ぎゃくせつ):前と後が反対の向き。「〜けれど」「〜のに」「たとえ〜ても」。
- 単純接続:前のことに続けて後のことが起こるだけ。「〜と」「〜ところ」「〜て」。
ここだけは覚えよう
- 「ど・ども」は逆接(〜けれど・〜のに)。上は已然形(しのぶれど・言へども)
- 「とも」は逆接の仮定(たとえ〜ても)。上は終止形
- 「に・を・が」は上が連体形。単純接続(〜と)・逆接(〜のに)・順接(〜ので)を文脈で選ぶ
- 「で」は打消(〜ないで)。上は未然形

わからないところは、受験掲示板「100点BBS」の古典文法のお勉強で質問できます。
しっかり(大学受験の基礎〜標準)
接続助詞の一覧(接続・意味・訳し方)
接続助詞は、上にくる語の活用形(接続)が語ごとに決まっています。接続がわかると、意味もしぼれます。活用形そのものは 活用形 で確かめましょう。
| 接続助詞 | 接続(上の形) | 意味 | 訳し方 |
|---|---|---|---|
| ば | 未然形/已然形 | 順接仮定/順接確定 | もし〜ならば/〜ので・〜と・〜といつも |
| とも | 終止形(形容詞型・ず は連用形) | 逆接仮定 | たとえ〜ても |
| ど・ども | 已然形 | 逆接確定(恒常) | 〜けれども・〜のに(〜てもいつも) |
| に・を | 連体形 | 単純接続・逆接・順接 | 〜と・〜ところ/〜のに/〜ので |
| が | 連体形 | 単純接続・逆接 | 〜と・〜ところ/〜けれども |
| て | 連用形 | 単純接続(ほか) | 〜て |
| して | 連用形(形容詞・形容動詞・ず など) | 単純接続 | 〜て・〜で |
| で | 未然形 | 打消接続 | 〜ないで・〜ずに |
| つつ | 連用形 | 反復・継続・同時 | 〜ては・〜し続けて・〜ながら |
| ながら | 連用形・体言など | 同時・逆接・状態の継続 | 〜ながら・〜けれども・〜のままで |
| ものの・ものを・ものから・ものゆゑ | 連体形 | 逆接確定(順接もある) | 〜けれども・〜のに(〜ので) |
「ば」は、未然形につくか已然形につくかで意味がまったく変わる大事な語なので、専用のページ 接続助詞「ば」 でくわしく扱います。「で」は打消の助動詞「ず」と関係が深い語です。
「ど・ども」=逆接の確定条件
「ど・ども」は已然形につき、「〜けれども・〜のに」と訳す逆接の確定条件です。「確定」とは、前のことが実際に起こったということ。「ど」と「ども」の意味は同じです。
月見れば千々に物こそ悲しけれわが身ひとつの秋にはあらねど
(百人一首23番・大江千里(月見れば))
現代語訳月を見ると、あれこれと限りなくもの悲しい。私ひとりのためにやってきた秋ではないけれど。
しのぶれど色に出でにけりわが恋はものや思ふと人の問ふまで
(百人一首40番・平兼盛(しのぶれど))
現代語訳心に秘めていたけれど、顔色に出てしまったなあ、私の恋は。「もの思いをしているのか」と人がたずねるほどに。
家の人どもに物をだに言はむとて、言ひかくれども、ことともせず。
(竹取物語・貴公子たちの求婚)
現代語訳(かぐや姫の)家の人たちにせめて言葉だけでもかけようと、話しかけるけれども、相手にもしない。
百人一首55番「滝の音は絶えて久しくなりぬれど」も、完了「ぬ」の已然形「ぬれ」+「ど」で逆接です。
「とも」=逆接の仮定条件
「とも」は終止形につき、「たとえ〜ても」と訳す逆接の仮定条件です。前のことはまだ起こっていない(仮に考えている)点が、「ど・ども」とのちがいです。形容詞型に活用する語(形容詞・「べし」など)と打消の「ず」には連用形につきます(「よくとも」「行かずとも」)。
たとひ耳鼻こそ切れ失すとも、命ばかりはなどか生きざらむ。
(徒然草・第五十三段)
現代語訳たとえ耳や鼻がちぎれてなくなっても、命だけはどうして助からないことがあろうか。

合格先生
「ど・ども」はもう起きたこと(確定)、「とも」はまだ起きていないこと(仮定)。どちらも逆接だけど、上の活用形で見分けよう!
「に・を・が」=格助詞か接続助詞か
「に・を・が」には格助詞と接続助詞があります。接続助詞は連体形につき、前後がどちらも文になっています。
- 上が体言(花・人・君 など)なら格助詞。
- 上が連体形でも、下に「こと・時・人・もの」などを補って意味が通れば、格助詞(準体の用法。「見ることを」など)。くわしくは 格助詞「の」「が」。
- 前と後がそれぞれ文になっていれば接続助詞。前後の関係を見て、単純接続→逆接→順接の順に当てはめてみる。
接続助詞の「に・を」は単純接続(〜と)がいちばん多い用法です。まず「〜と」で訳し、合わなければ「〜のに」「〜ので」に直します。
あやしがりて寄りて見るに、筒の中光りたり。
(竹取物語・冒頭(かぐや姫の発見))
現代語訳不思議に思って近寄って見ると、竹の筒の中が光っている。

夏の夜はまだ宵ながら明けぬるを雲のいづこに月宿るらむ
(百人一首36番・清原深養父(夏の夜は))
現代語訳夏の夜は、まだ宵のうちだと思っているうちに明けてしまったが、雲のどのあたりに月は宿っているのだろうか。
接続助詞の「が」は平安時代の終わりごろに現れ、中世以降に広まったと説明されるのがふつうです。平安時代の物語の連体形+「が」は格助詞(同格・主格)のことが多いので注意します。
て・で・つつ・ながら・ものを
秋の田のかりほの庵の苫をあらみわが衣手は露にぬれつつ
(百人一首1番・天智天皇(秋の田の))
現代語訳秋の田の仮小屋の屋根の苫の目があらいので、私の袖は露にぬれ続けていることよ。
明けぬれば暮るるものとは知りながらなほ恨めしき朝ぼらけかな
(百人一首52番・藤原道信朝臣(明けぬれば))
現代語訳夜が明けてしまうと、また日が暮れて(あなたに会える)ものだとは知っているけれど、やはり恨めしい夜明けだなあ。
打消接続の「で」は未然形について「〜ないで」。85番「夜もすがら……明けやらで」(夜が明けきらないで)、59番「やすらはで」(ためらわないで)が例です。「ずて」がつまった形と説明されることが多い語です。
恨みわびほさぬ袖だにあるものを恋に朽ちなむ名こそ惜しけれ
(百人一首65番・相模(恨みわび))
現代語訳恨み嘆いて、涙でかわかす間もない袖さえ(朽ちずに)あるのに、恋のうわさで朽ちてしまうだろう私の名が惜しいことよ。
もっと深く(難関大・上級者)
1. 連体形+「が」「に」「を」の落とし穴
上が連体形でも、接続助詞とは限りません。いちばん有名なのは、源氏物語の冒頭です。
いとやむごとなき際にはあらぬが、すぐれて時めきたまふありけり。
(源氏物語・桐壺(冒頭))
現代語訳それほど高貴な身分ではない方で、とりわけ帝のご寵愛を受けていらっしゃる方があった。
「連体形+を」も、下に「こと・の」を補える格助詞(準体の用法)のことがあります。「月の出づるを見る」は「出づる(の)を見る」で格助詞。すぐ後に「見る・待つ」など対象をとる動詞があれば、まず格助詞を疑います。
接続助詞の「に・を・が」は格助詞から生まれたと考えられ、境目の判断が文法書で分かれる例もあります。入試では前後が文と文か、補える体言があるかを根拠に説明できれば十分です。
2. 「に」の識別(入試の定番)
「に」は識別問題の常連です(くわしくは 「に」の識別)。
- 接続助詞:連体形+に。前後が文。「見るに、筒の中光りたり」。
- 格助詞:体言(または準体の連体形)+に。場所・時・相手など。「京に上る」。
- 断定「なり」の連用形:下に「あり・侍り・おはす」などがくる(間に「や・か・こそ」などが入ることも)。「人にあらず」(断定の助動詞「なり・たり」)。
- 完了「ぬ」の連用形:連用形+に+「き・けり・たり・けむ」。「散りにけり」(助動詞「つ・ぬ」)。
- 形容動詞の連用形語尾:「静かに」「あはれに」。「いと」をつけられる(形容動詞)。
- ナ変動詞の連用形語尾:「死に」「往に」(変格活用)。
このほか「げに」「すでに」のような副詞の一部もあります。
3. 逆接確定と逆接の恒常条件
「ど・ども」には、ある一回のできごとではなく、いつもそうなることを表す用法もあります(逆接の恒常条件)。「〜ても(いつも)」と訳します。たとえば「春来れど、谷の雪は消えず」(自作)が毎年のことなら「春が来ても(いつも)谷の雪は消えない」。確定か恒常かは文脈で決めます。
4. 「ものを」「ものから」「ものゆゑ」の幅
- ものを:文中なら逆接「〜のに」。文末なら終助詞で「〜のになあ」(74番「憂かりける……祈らぬものを」。終助詞)。
- ものから:平安時代はふつう逆接。中世以降に順接「〜ので」の例が増えると説明されます。
- ものゆゑ:逆接と順接の両方があり、文脈で決めます。
5. 接続助詞「して」と格助詞「して」
形容詞・「ず」などの連用形につく「して」は接続助詞(「若くして」「ずして」)。体言につく「して」は格助詞で、手段(〜で)や使役の相手を表します。「人して言はせたり」は「人に言わせた」。
サクラちゃん
「に」って、こんなにいろいろあるんだ……。全部覚えられるかな。
合格先生
大丈夫。上が連体形か、下に何が来るかの2点を見るだけで、ほとんど決まるよ。接続助詞なら「〜と」と訳してみて、合わなければ「〜のに」「〜ので」。
うかるくん
上と下をセットで見る、だね! 係り結びで結びを探すときと同じだ。
よくあるまちがい
まちがい1:「ど」を読みとばして、順接で訳す
「しのぶれど」を「しのぶので」と訳すのは誤り。已然形+ど・どもは必ず逆接「〜けれど」です。「已然形+ば」(順接)と取りちがえないように。
まちがい2:「とも」を確定の逆接で訳す
「失すとも」は「なくなったけれど」ではなく「たとえなくなっても」。「とも」は仮定、「ど・ども」は確定です。
まちがい3:連体形+「が」をいつも逆接にする
平安時代の文の連体形+「が」は、同格・主格の格助詞のことが多いです。源氏物語「際にはあらぬが」は同格「〜で」。接続助詞の「が」が広まるのは中世以降です。
まちがい4:「家の人ども」の「ども」を接続助詞にする
体言につく「ども」は複数を表す接尾語(「人ども」=人たち)。接続助詞の「ども」は已然形につきます。上の語の形を確かめましょう。
練習問題
やさしい
- 次の( )に入る接続助詞として正しいものを選びなさい。(自作)
「呼べ( )、答へず。」(呼ぶけれども、答えない)
ア ば イ ど ウ とも エ で答えと解説を見る
イ(ど)。「呼べ」は已然形。已然形+「ど」で逆接確定「〜けれども」。「ば」なら「呼ぶので」(順接)になってしまいます。
- 「行かで帰りぬ。」(自作)を現代語に訳しなさい。
答えと解説を見る
「行かないで帰ってしまった」。「で」は未然形「行か」について打消接続「〜ないで」。
ふつう
- 次の「とも」と「ども」のちがいがわかるように訳しなさい。(自作)
① 雨降るとも行かむ。 ② 雨降れども行きけり。答えと解説を見る
① 「たとえ雨が降っても行こう」(終止形+とも=逆接仮定)。② 「雨が降るけれども行った」(已然形+ども=逆接確定)。
むずかしい
- 次の傍線部の「に」を文法的に説明しなさい。(自作)
① 花散りにけり。 ② 月の明かきに、門をたたく人あり。 ③ これは人にあらず。答えと解説を見る
① 完了の助動詞「ぬ」の連用形(連用形「散り」+に+けり)。② 接続助詞(連体形「明かき」+に、前後が文。単純接続「明るいときに・明るいと」、または「明るいのに」と文脈で訳す)。③ 断定の助動詞「なり」の連用形(下に「あり」)。
- 「いとやむごとなき際にはあらぬが、すぐれて時めきたまふありけり。」(源氏物語)の「が」を、接続助詞の逆接と考えて「高い身分ではないけれど」と訳すのは適切でないとされる。その理由を説明しなさい。
答えと解説を見る
この「が」は、「あらぬ(方)」と「時めきたまふ(方)」が同じ人を指す同格の格助詞「〜で」と考えるのが標準だからです。また、接続助詞の「が」が広く使われるのは平安時代の終わりから中世以降で、源氏物語の時代の連体形+「が」は格助詞であることが多い、という点も根拠になります。
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- 活用形:已然形・連体形の見分け
- 「に」の識別:接続助詞・格助詞・断定・完了などの見分け
- 古文文法辞典の目次
百人一首の歌の訳は「百人一首 全百首」で、和歌の読み方は記事「和歌の修辞」でも読めます。
読みもの(合格大作戦の記事)
- 百人一首 全百首
全首の現代語訳・品詞・修辞 - 和歌の修辞
枕詞・序詞・掛詞・縁語・本歌取り - 古文の助動詞一覧
接続・意味・活用をまとめて見る地図 - 古文単語の覚え方
入試に出る古文単語を、意味のつながりで覚える - 徒然草 第百八十八段
兼好法師の文章を読む
受験掲示板「100点BBS」で質問・相談しよう
- 古典文法のお勉強(スレ)(文法のわからない所を質問・答え合わせ)
- 古典の勉強方法(スレ)(古典の勉強の進め方)
- 共通テスト掲示板(共通テストの国語(古文)の対策)
- 国語の勉強掲示板(古文・漢文・現代文の勉強の相談)
よくある質問
古文の接続助詞にはどんなものがありますか?
ば・とも・ど・ども・に・を・が・て・して・で・つつ・ながら・ものの・ものを・ものから・ものゆゑ などです。上につく活用形が語ごとに決まっています。
「ど・ども」と「とも」の違いは?
「ど・ども」は已然形について実際に起きたことを受ける逆接確定「〜けれども」、「とも」は終止形について仮に考える逆接仮定「たとえ〜ても」です。
接続助詞の「に・を」はどう訳しますか?
まず単純接続「〜と・〜ところ」で訳し、前後が反対の向きなら逆接「〜のに」、原因と結果なら順接「〜ので」と訳します。
格助詞と接続助詞の「が」の見分け方は?
上が体言なら格助詞です。連体形の下でも、下に「こと・人」などを補えたり同格「〜で」と訳せたりすれば格助詞です。前後が文と文なら接続助詞です。
打消接続の「で」とは何ですか?
未然形につき「〜ないで・〜ずに」と訳す接続助詞です。「明けやらで」は「夜が明けきらないで」という意味です。
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出典・参考
- 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)」国語(言語文化・古典探究)
- 例文の本文:竹取物語(冒頭・貴公子たちの求婚)、源氏物語(桐壺)、徒然草(第五十三段)、百人一首(1・23・36・40・52・55・65・85番、ほか4・55・59・74・82番に言及)。表記は読みやすいように一部改めています
- 高校の古典文法の標準的な説明(接続助詞の接続・意味)にもとづいて作成。「に・を・が」の格助詞と接続助詞の境目、36番「明けぬるを」の解釈、「ものから」の順接には説が分かれるものがあり、本文中に両説を記した
- 画像:「The Tale of the Bamboo Cutter - Discovery of Princess Kaguya.jpg」(17世紀、作者不明、メトロポリタン美術館蔵、パブリックドメイン、Wikimedia Commons)
- 画像:百人一首の絵札「Hyakuninisshu 040」(パブリックドメイン、Wikimedia Commons)
最終更新:2026年10月21日/作成:大学受験合格大作戦



