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大学受験難関大
ひとことで言うと
変格活用は、特別な活用をするカ変(来)・サ変(す・おはす)・ナ変(死ぬ・往ぬ)・ラ変(あり・をり・はべり・いまそかり)の4種類です。所属する語が少ないので、語を暗記して見分けます。
このページのポイント
- 変格活用は4種類・基本は約10語。「ず」で調べず暗記する
- カ変「来」はこ・き・く・くる・くれ・こ(こよ)と読みが変わる
- ナ変はな・に・ぬ・ぬる・ぬれ・ね(四段と二段のまじり)
- ラ変は終止形が「り」。終止形接続の助動詞には連体形「ある」でつく(あなり・あめり)
- 難関大は「ぬ」の識別、せし・こし、来たる・ものす・おはしますまで
はじめて(やさしく)
変格活用(へんかくかつよう)は、ほかの動詞とはちがう特別な変わり方をする動詞のグループです。「変格」は「ふつうの形(正格)から外れた」という意味です。古文の動詞の活用は全部で9種類あり、その全体像は動詞の活用の種類と見分け方にまとめています。このページでは、9種類のうちの4つの変格活用を掘り下げます。
変格活用は、カ行変格活用(カ変)・サ行変格活用(サ変)・ナ行変格活用(ナ変)・ラ行変格活用(ラ変)の4種類です。どれも仲間の語がとても少ないので、語をそのまま覚えてしまうのがいちばんの近道です。
うかるくん
「来」「す」「死ぬ」「あり」……どれもふつうの動詞に見えるけど、何が特別なの?
合格先生
たとえば「来」は、下につくことばによって「こず」「きて」「く」と、読み方そのものが変わるんだ。「ず」をつけて見分ける方法も、変格活用には使えないことがある。
サクラちゃん
だから、見分けるんじゃなくて、先に覚えちゃうんだね。
合格先生
そのとおり。覚える語は約10語だけ。しかも入試には毎年のように出るから、覚えた分だけ得点になるよ。
いちばん大事なのは、カ変の「来」です。漢字は1字なのに、活用形によって読みが「こ・き・く」と変わります。古文を声に出して読むときに必ず出てくるので、下の表を「こず・きて・く・くるとき・くれども・こ(こよ)」と声に出して覚えましょう。

サクラちゃん
「来ず」はこず、「来て」はきて。下のことばを見てから読めばいいんだ!
ここまでのまとめ
- 変格活用はカ変・サ変・ナ変・ラ変の4種類
- カ変「来」、サ変「す・おはす」、ナ変「死ぬ・往ぬ」、ラ変「あり・をり・はべり・いまそかり」を暗記
- カ変「来」はこ・き・く・くる・くれ・こ(こよ)と読みが変わる
覚え方や読み方でわからないところがあれば、受験掲示板「100点BBS」の古典文法のお勉強で質問できます。
しっかり(大学受験の基礎〜標準)
変格活用の活用表(カ変・サ変・ナ変・ラ変)
| 種類 | 例 | 語幹 | 未然形 | 連用形 | 終止形 | 連体形 | 已然形 | 命令形 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| カ変 | 来 | (来) | こ | き | く | くる | くれ | こ・こよ |
| サ変 | す | (す) | せ | し | す | する | すれ | せよ |
| サ変 | おはす | おは | せ | し | す | する | すれ | せよ |
| ナ変 | 死ぬ | 死 | な | に | ぬ | ぬる | ぬれ | ね |
| ナ変 | 往ぬ(去ぬ) | 往 | な | に | ぬ | ぬる | ぬれ | ね |
| ラ変 | あり | あ | ら | り | り | る | れ | れ |
| ラ変 | はべり | はべ | ら | り | り | る | れ | れ |
( )は語幹と活用語尾の区別がない語。表は横にスクロールできます。
変格活用の動詞一覧(覚え方)
| 種類 | 語 | 意味・覚え方 |
|---|---|---|
| カ変 | 来(く)/複合語:出で来・まうで来・持て来 | 来る・行く。1語だけ。読みは「こ・き・く・くる・くれ・こ(こよ)」 |
| サ変 | す・おはす/複合語:具す・念ず・御覧ず・奏す・啓す・ものす・恋す など | 「す」はする、「おはす」は「あり・行く・来」の尊敬語(いらっしゃる) |
| ナ変 | 死ぬ・往ぬ(去ぬ) | 2語だけ。「往ぬ」は去る・行ってしまう、時が過ぎ去る |
| ラ変 | あり・をり・はべり・いまそかり(いますかり) | 4語。をり=いる、はべり=お仕えする・あります(丁寧)、いまそかり=いらっしゃる |
サ変の複合語のうち、「念ず」「御覧ず」「信ず」のように濁る語は、ザ行変格活用(ぜ・じ・ず・ずる・ずれ・ぜよ)と呼ぶ説明と、サ変にふくめる説明があります。また「おはす」はサ変ですが、「おはします」はサ行四段なので注意します。尊敬語・丁寧語としての使い方は古文の敬語の記事も参考にしてください。
カ変「来」の例文
今来むといひしばかりに長月の有明の月を待ち出でつるかな
(百人一首21番・素性法師(今来むと))
現代語訳「すぐに行こう」とあなたが言ったばかりに、九月の長い夜を待ち続け、有明の月が出るのを待ってしまったことだ。
唐衣きつつなれにしつましあればはるばるきぬる旅をしぞ思ふ
(伊勢物語・第九段(古今和歌集にも))
現代語訳(唐衣を着なれるように)慣れ親しんだ妻が(都に)いるので、はるばるやって来た旅をしみじみと思うことだ。
サ変・ナ変の例文
恋すてふわが名はまだき立ちにけり人知れずこそ思ひそめしか
(百人一首41番・壬生忠見(恋すてふ))
現代語訳恋をしているという私のうわさは、早くも立ってしまったなあ。人に知られないように、ひそかに思いはじめたのに。
朝に死に、夕べに生まるるならひ、ただ水の泡にぞ似たりける。
(方丈記・冒頭近く)
現代語訳朝に死ぬ人があり、夕方に生まれる人があるという(世の)ならわしは、まるで(川に浮かぶ)水の泡に似ていることだ。

立ち別れいなばの山の峰に生ふるまつとし聞かば今帰り来む
(百人一首16番・中納言行平(立ち別れ))
現代語訳あなたと別れて因幡の国へ行ってしまっても、因幡の山の峰に生える松のように、あなたが待っていると聞いたなら、すぐに帰って来よう。
ラ変の例文と、四段とのちがい
ラ変は、古文の動詞でただ一つ、終止形がウ段で終わらない活用です。それ以外の形はラ行四段(取る)と同じなので、「あらず」と「ず」をつけると四段に見えてしまいます。ラ変の4語は「ず」で調べず、先に覚えておくのがきまりです(四段のくわしい形は四段活用)。
あらざらむこの世のほかの思ひ出に今ひとたびの逢ふこともがな
(百人一首56番・和泉式部(あらざらむ))
現代語訳(私はまもなく死んで)この世にいなくなるだろう。あの世への思い出に、もう一度だけあなたにお逢いしたいものだ。
隆家こそいみじき骨は得てはべれ。
(枕草子「中納言参りたまひて」の段)
現代語訳(私)隆家は、すばらしい(扇の)骨を手に入れております。
もっと深く(難関大・上級者)
1. 「ぬ」の識別:ナ変・完了・打消・下二段「寝」
「ぬ」は古文でいちばんまぎらわしい文字の一つです。ナ変の語尾、完了の助動詞「ぬ」(これもナ変型の活用)、打消の助動詞「ず」の連体形「ぬ」、下二段動詞「寝(ぬ)」の4通りがあります。カ変「来」が上にあると、読みまで変わります。
来ぬ人をまつほの浦の夕なぎに焼くや藻塩の身もこがれつつ
(百人一首97番・権中納言定家(藤原定家)「来ぬ人を」)
現代語訳いくら待っても来ない人を待つ私は、松帆の浦の夕なぎのころに焼く藻塩のように、身も恋いこがれていることだ。
反対に、百人一首47番「八重むぐら」の「秋は来にけり」や、2番の「春過ぎて夏来にけらし」の「来」は、下の「に」(完了「ぬ」の連用形)が連用形につくので「き」と読みます。
契りおきしさせもが露を命にてあはれ今年の秋もいぬめり
(百人一首75番・藤原基俊(契りおきし))
現代語訳お約束してくださった、させも草の露のようなありがたいお言葉を命として頼みにしてきましたが、ああ、今年の秋もむなしく過ぎ去ってしまうようです。
2. ラ変型の語は、終止形接続の助動詞に連体形でつく
「べし・らむ・らし・めり・なり(伝聞・推定)・まじ」は終止形につく助動詞ですが、ラ変と、ラ変型に活用する語(形容詞のカリ活用・形容動詞・助動詞「けり・たり・り・なり」など)には連体形につきます。「ありべし」ではなく「あるべし」です。さらに「ある」の「る」が撥音便になり、「ん」を書かない形がよく出ます。
「さり・かかり・しかり」(さ+あり、かく+あり、しか+あり)もラ変として扱われ、同じきまりにしたがいます。形容詞の「〜かり」が同じ形になる理由は形容詞(ク活用・シク活用)、撥音便は音便のページで説明します。
3. カ変・サ変と過去の「き」・完了の「り」
過去の助動詞「き」は連用形につくのがきまりですが、カ変・サ変には特別なつき方をします。連体形「し」・已然形「しか」は、未然形(カ変の「こ」、サ変の「せ」)にもつきます。
花の色は移りにけりないたづらにわが身世にふるながめせしまに
(百人一首9番・小野小町(花の色は))
現代語訳桜の花の色は、むなしく色あせてしまったなあ。長雨が降り続く間、私がこの世のもの思いにふけっていた間に。
完了・存続の「り」も、サ変の未然形につきます(「愛せり」「念ぜり」)。四段の已然形とあわせて「サ未四已(さみしい)」と覚えます(四段活用)。
4. 「来たる」「ものす」「いまそかり」
- 来たる:「来(き)+至る」がつまってできたラ行四段の動詞です。「来たり」は、カ変「来」の連用形+完了「たり」とも、四段「来たる」の連用形とも読めるので、文脈で考えます。
- ものす:サ変。「行く・来・言ふ・書く・食ふ」などいろいろな動作の代わりに使う、遠回しな言い方です。入試では「何の動作の代わりか」を文脈から答えさせます。
- いまそかり:「あり・をり」の尊敬語(いらっしゃる)。「いますかり」「いまそがり」などの形もあり、文法書によって見出しの形がちがいます。
うかるくん
「はべり」も「おはす」も、敬語だったんだ!
合格先生
そう。「はべり」「おはす」は、ほかの動詞の下について補助動詞にもなる。活用の種類と敬語の種類をセットで覚えておくと、主語を補う問題でも強くなるよ(補助動詞)。
よくあるまちがい
まちがい1:「来ず」「来む」を「きず」「きむ」と読む
カ変の未然形は「こ」。「ず・む・じ・ば(仮定)」の上の「来」はこと読みます。連用形「き」になるのは「て・たり・けり・ぬ」の上です。
まちがい2:「あり」を四段にする
「あらず」とア段になりますが、終止形が「り」なのでラ変です。ラ変の4語は「ず」で調べずに暗記します。
まちがい3:「死ぬる」「往ぬれ」を見て下二段にする
ナ変は連体形「ぬる」・已然形「ぬれ」が二段と同じ形です。でも未然形は「死なず」。「死ぬ・往ぬ」の2語はナ変と覚えておきます。
まちがい4:「おはします」をサ変にする
「おはす」はサ変ですが、「おはします」はサ行四段(おはしまさ・おはしまし・おはします……)です。

合格先生
変格活用は語の暗記が9割。あとは「来」の読み、「ぬ」の識別、ラ変+「べし・めり・なり」の連体形接続。この3つで入試の得点源になるよ。
練習問題
やさしい
- 次の動詞の活用の種類を答えなさい。
① 来 ② おはす ③ 往ぬ ④ をり答えと解説を見る
① カ行変格活用 ② サ行変格活用 ③ ナ行変格活用 ④ ラ行変格活用。どれも暗記しておく語です。
- カ変「来」の6つの活用形を、ひらがなで書きなさい。
答えと解説を見る
未然形こ・連用形き・終止形く・連体形くる・已然形くれ・命令形こ(こよ)。
ふつう
- 次の傍線部の活用形を答えなさい。(どちらも自作)
① 死ぬる人あり。 ② 往ぬれども、なほ恋し。答えと解説を見る
① 下に体言「人」があるので連体形。② 下に「ども」があるので已然形。どちらもナ変です。
- 「べし」は終止形につく助動詞なのに、「ありべし」ではなく「あるべし」となるのはなぜか、説明しなさい。
答えと解説を見る
「べし」など終止形につく助動詞は、ラ変(ラ変型)の語には連体形につくきまりがあるから。「あり」はラ変なので、連体形「ある」について「あるべし」となります。
むずかしい
- 「来ぬ人を待つ」と「春は来ぬ」(どちらも自作)の「来ぬ」の読みと、「ぬ」の意味をそれぞれ答えなさい。
答えと解説を見る
前者は下に体言「人」があるので「ぬ」は打消「ず」の連体形、打消は未然形につくので「こぬ」(来ない)。後者は文末で、完了「ぬ」の終止形、完了は連用形につくので「きぬ」(来た)。
- 百人一首9番「ながめせしまに」の「せ」「し」を文法的に説明しなさい。
答えと解説を見る
「せ」はサ変動詞「す」の未然形、「し」は過去の助動詞「き」の連体形。「き」は連用形につくが、連体形「し」・已然形「しか」はカ変・サ変の未然形にもつくので「せし」となります。
関連ページ
- 動詞の活用の種類と見分け方:9種類の全体像
- 四段活用:ラ変とよく似たラ行四段、サ未四已
- 下二段活用:ナ変とまぎらわしい「寝(ぬ)」
- 音便:死んで・あんなり→あなり
- 活用形:6つの活用形の使い方
- 係り結び:「こそ〜はべれ」の結び
- 助動詞「き・けり」・「つ・ぬ」:カ変・サ変につく「き」、ナ変とまぎらわしい「ぬ」
- 古文文法辞典の目次
読みもの(合格大作戦の記事)
- 古文の助動詞一覧
接続・意味・活用をまとめて見る地図 - 古文の敬語
尊敬・謙譲・丁寧と、敬意の方向 - 百人一首 全百首
全首の現代語訳・品詞・修辞 - 古文単語の覚え方
入試に出る古文単語を、意味のつながりで覚える - 和歌の修辞
枕詞・序詞・掛詞・縁語・本歌取り - 枕草子「春はあけぼの」
冒頭の段を品詞から読む
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- 古典文法のお勉強(スレ)(文法のわからない所を質問・答え合わせ)
- 古典の勉強方法(スレ)(古典の勉強の進め方)
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よくある質問
変格活用とは何ですか?
ほかの動詞とちがう特別な活用をする動詞のグループで、カ行変格・サ行変格・ナ行変格・ラ行変格の4種類があります。
カ変・サ変・ナ変・ラ変の動詞にはどんな語がありますか?
カ変は「来」、サ変は「す・おはす」(と「具す・念ず」などの複合語)、ナ変は「死ぬ・往ぬ(去ぬ)」、ラ変は「あり・をり・はべり・いまそかり」です。
「来」の読み方はどう決めますか?
下につく語で決めます。未然形は「こ」(来ず・来む)、連用形は「き」(来て・来たり)、終止形は「く」、連体形は「くる」、已然形は「くれ」、命令形は「こ・こよ」です。
ラ変の特徴は何ですか?
終止形が「り」で、ウ段で終わらないことです。また「べし・めり・なり」など終止形につく助動詞には、連体形「ある」でつきます。
ナ変「死ぬ」と完了の助動詞「ぬ」のちがいは?
「死ぬ・往ぬ」の「ぬ」は動詞の語尾、完了の「ぬ」は連用形につく助動詞です。完了の「ぬ」もナ変と同じ形に活用します。
あわせて読みたい
出典・参考
- 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)」国語(言語文化・古典探究)
- 例文の本文:伊勢物語(第九段)、方丈記(冒頭近く)、枕草子(「中納言参りたまひて」の段)、百人一首(2・9・16・21・41・47・56・75・97番)。表記は読みやすいように一部改めています
- 高校の古典文法の標準的な説明(変格活用・助動詞の接続・「ぬ」の識別)にもとづいて作成。ザ行変格活用の扱い、「いまそかり」の見出しの形など、文法書によって説明が分かれる所は両方を記した
- 画像:百人一首の絵札「Hyakuninisshu 016」(パブリックドメイン、Wikimedia Commons)
最終更新:2026年10月21日/作成:大学受験合格大作戦



