中学受験の古文対策|出る問題・歴史的仮名遣い・百人一首・覚えること一覧と練習問題【小学生向け】

中学受験の古文対策|出る問題・歴史的仮名遣い・百人一首・覚えること一覧と練習問題【小学生向け】

古文文法辞典 › 入試別

中学受験

ひとことで言うと

中学受験の国語で古文が出るのは一部の学校で、文章の中の引用・注や訳つきの短い古文・百人一首や作品の冒頭などの知識の形が多い。まず歴史的仮名遣いとよく出る古語、次に「だれが」、最後に係り結び・和歌のきまり・知識の順で学ぶのが近道です。

このページのポイント

  • 中学受験で古文が出るのは一部の学校。まず志望校の過去問で出方を確かめる
  • 出方は「文章の中の引用」「注・訳つきの短い古文」「知識の問題」が多い
  • 勉強の順番は 仮名遣い → 古語 → 主語 → 係り結び・枕詞 → 百人一首・作品の冒頭・旧暦
  • 現代語訳がついていても、古文と訳を見比べる問いで差がつく

はじめて(やさしく):中学受験の古文はどんな形で出る?

中学受験の国語で古文(古むかしの日本語で書かれた文章)が出るのは、一部の学校です。出ない学校もたくさんあります。出る学校では、長い古文をいきなり読ませるよりも、物語文や説明文の中に古文や和歌が少しだけ出てくる形や、短い古文に注ちゅう(ことばの説明)や現代語訳がついている形が多く見られます。

また、古文そのものを読ませるのではなく、百人一首・ことわざ・故事成語こじせいご・有名な作品の冒頭ぼうとう(はじめの部分)などの知識を問う問題もよく出ます。小学校の学習指導要領(国の決めた学習の目安)でも、5・6年生で「親しみやすい古文や漢文」を音読することが示されていて、教科書で竹取物語や枕草子のはじめの部分にふれた人も多いでしょう。

中学受験の古文は、こんな形で出ることが多い1文章の中に古文・和歌が出る物語文・説明文の一部として引用される2短い古文に注・現代語訳がつく「――線の意味は?」「だれがしたこと?」3古典の知識を問う百人一首・ことわざ・故事成語・作品の冒頭古文が出るのは一部の学校。過去問で確かめよう
中学受験の古文の出方。3つの形のどれか、または組み合わせで出ることが多い
まなぶくん

まなぶくん

古文って、むかしのことばでしょ? 文法を全部覚えないと読めないの?

合格先生

合格先生

中学受験では、むずかしい文法はほとんど求められないことが多いんだ。それより読み方(仮名遣い)・よく出る古語の意味・だれがしたことかの3つが大事だよ。

ハルちゃん

ハルちゃん

注や現代語訳がついているなら、訳だけ読めばいいのかな?

合格先生

合格先生

訳は大きな味方だね。でも「この古文の、どのことばが、訳のどこにあたるか」を聞く問いが多いから、古文と訳を見比べる練習をしておこう。

何から勉強すればいい? 勉強の順番

古文の勉強は、下から順に積み上げるのがいちばんの近道です。まず古文を声に出して読めるようにし、次によく出る古語の意味、それから「だれが」を考える力、和歌や文のきまり、最後に知識をまとめます。それぞれのステップには、この辞典にくわしいページがあります。

勉強の順番:STEP1から1つずつSTEP1声に出して読む・仮名遣いを直す歴史的仮名遣い(いふ → いう)STEP2よく出る古語の意味を覚える古語の意味(をかし・うつくし)STEP3「だれが」したかを考える主語の補い方・会話の「 」STEP4和歌と文のきまりを知る係り結び・枕詞・掛詞STEP5知識をまとめて覚える百人一首・作品の冒頭・月の名前STEP1・2が土台。上の段ほど、下の段の力を使う
中学受験の古文の勉強の順番。STEP1・2が土台になる
竹取物語の絵。竹取の翁と妻が、竹の中から見つけた小さな子を見守る場面(中学受験 古文 竹取物語 冒頭)
竹取物語。「今は昔、竹取の翁といふものありけり」で始まる、日本でいちばん古い物語といわれる作品です。中学受験でも、冒頭の文や作品の名前がよく出ます。画像:「The Tale of the Bamboo Cutter - Discovery of Princess Kaguya.jpg」(17世紀、作者不明、メトロポリタン美術館蔵、パブリックドメイン、Wikimedia Commons)

STEP1の歴史的仮名遣いは、古文の書き方のきまりです。「いふ」は「いう」、「をかし」は「おかし」、「やうやう」は「ようよう」と読みます。くわしくは歴史的仮名遣いのルールのページで、ひとつずつ練習できます。「いずれ」と「いづれ」のちがいは、記事「いずれ」と「いづれ」も読んでみてください。

ひらめいたまなぶくん

まなぶくん

わかった! まずは声に出して読めるようにするのが先なんだね。読めれば、意味もだんだんわかってくる!

ここだけは覚えよう

  • 中学受験で古文が出るのは一部の学校。まず志望校の過去問で確かめる
  • 出方は「文章の中の引用」「注・訳つきの短い古文」「知識の問題」が多い
  • 勉強は 仮名遣い → 古語 → だれが → きまり → 知識 の順
  • 現代語訳がついていても、古文と訳を見比べる

わからないことは、受験掲示板「100点BBS」の中学受験掲示板や古典文法のお勉強で質問することもできます。

しっかり:中学受験の古文で出る項目の一覧と勉強の順番

中学受験の古文で出る項目の一覧表

中学受験の古文でよく問われる項目を、何が問われるか・大事さ(★が多いほど先に)・練習する辞典のページの順にまとめました。★★★から順に進めましょう。

項目何が問われるか大事さ辞典のページ
歴史的仮名遣い「――線を現代仮名遣いに直し、ひらがなで書きなさい」(いふ→いう、をかし→おかし)★★★歴史的仮名遣い
古語の意味「をかし」「うつくし」「あはれ」「ありがたし」などの意味を選ぶ★★★現代語と意味がちがう古語
百人一首歌の上の句と下の句、作者、季節、枕詞★★★百人一首 全百首
主語(だれが)「――線はだれの動作か」「だれのことばか」★★主語の補い方
作品の冒頭・作者冒頭の文と作品名・作者・時代を結ぶ★★下の「有名な作品の冒頭」の表
旧暦の月・十二支「弥生は何月?」「春は何月から何月?」「子の刻は何時ごろ?」★★旧暦・季節・時刻
枕詞「( )に入る枕詞」「ちはやぶるがかかる語」★★枕詞
係り結び「こそ」「ぞ」があると文の終わりの形が変わる★係り結び
掛詞一つの音に二つの意味(まつ=松・待つ)★掛詞
ことばの種類動詞・形容詞など(深くは問われないことが多い)☆品詞の分け方

★の数は、問題のよく見られる形をもとにした勉強の順番の目安です。学校によって出方はちがうので、志望校の過去問で多い項目を先にしてもかまいません。

勉強の順番(ステップ表)

ステップやることできるようになることページ
STEP1短い古文を毎日声に出して読む。仮名遣いの決まりを覚える古文をすらすら読める。仮名遣いの問いで得点できる歴史的仮名遣い
STEP2よく出る古語を、例文といっしょに覚える「――線の意味」を選べる古語
STEP3登場人物に印をつけ、「だれが」を考えながら読む主語・会話の問いに答えられる主語の補い方
STEP4係り結び・枕詞・掛詞の「きまり」を知る和歌や文のしくみの問いに答えられる係り結び・枕詞
STEP5百人一首・作品の冒頭・月の名前をまとめて覚える知識の問題で得点できる百人一首・旧暦

よく出る問いの型と、練習する辞典のページ

よく出る問い → 練習する辞典のページ「現代仮名遣いに直しなさい」歴史的仮名遣い「――線の意味を選びなさい」古語の意味「だれの動作ですか」主語の補い方「『こそ』の結びの語は?」係り結び「( )に入る枕詞は?」枕詞・掛詞「何月? どの季節?」旧暦・季節表の右の列のリンクから、それぞれのページで練習できる
よく出る問いの型と、練習する辞典のページ。問いを見たら、どのページの力を使うかを思い出す

問いの型ごとに、練習するページを決めておくと、まちがえたときにすぐ戻れます。

  • 「現代仮名遣いに直しなさい」:歴史的仮名遣いの「ルール一覧」で、ハ行・「ゐ・ゑ・を」・「やうやう」型をまず覚える。
  • 「――線の意味を選びなさい」:現代語と意味がちがう古語で、「うつくし(かわいい)」「ありがたし(めったにない)」など、今と意味がちがう語をおさえる。
  • 「だれの動作ですか」:主語の補い方で、「人物に印をつける」「『て』でつながる間は主語が同じことが多い」などの手がかりを練習する。
  • 「『こそ』の結びの語を答えなさい」:係り結びで、「ぞ・なむ・や・か→連体形、こそ→已然形」の表を見る(中学受験ではまず「こそ〜けれ」の形を知っておけば十分なことが多い)。
  • 「( )に入る枕詞は?」「掛詞を見つけなさい」:枕詞と掛詞の一覧表で、百人一首の例から覚える。
  • 「何月ですか」「どの季節ですか」:旧暦・季節・時刻で、睦月〜師走と「一〜三月が春」をおさえる。記事旧暦の月の名前も役に立ちます。
指さすハルちゃん

ハルちゃん

問いの形を見たら「これは仮名遣いのページ」「これは主語のページ」って、どの力を使うかを決めればいいんだね!

例文で確かめる(中学受験に出やすい問いの型)

問いの型:仮名遣い・だれが

今は昔、竹取の翁といふものありけり。野山にまじりて竹を取りつつ、よろづのことに使ひけり。

(竹取物語・冒頭)

現代語訳今ではもう昔のことだが、竹取の翁という者がいた。野山に分け入って竹を取っては、いろいろなことに使っていた。

ここがポイント仮名遣いの問いなら「いふ→いう」「よろづ→よろず」「使ひ→使い」。また「竹を取ったのはだれか」と聞かれたら、文の中に書かれていない主語を前から補って「竹取の翁」と答えます(主語の補い方)。文の終わりの「けり」は「〜た」と訳す昔のことを語る形です(助動詞「き・けり」)。

問いの型:古語の意味・仮名遣い

春はあけぼの。やうやう白くなりゆく山ぎは、すこしあかりて、紫だちたる雲のほそくたなびきたる。

(枕草子・第一段)

現代語訳春は夜明けのころ(がよい)。だんだん白くなっていく山の空のあたりが、少し明るくなって、紫がかった雲が細く横に長くたなびいているの(がよい)。

ここがポイント「あけぼの」は夜がほのぼのと明けるころ。「やうやう」は仮名遣いの問いの定番で「ようよう」(だんだん)。「春はあけぼの」のあとに「(がよい)」とことばを補って読むのがポイントです。品詞までくわしく読みたい人は記事枕草子「春はあけぼの」へ。

問いの型:係り結び・仮名遣い

つれづれなるままに、日暮らし硯にむかひて、心にうつりゆくよしなし事を、そこはかとなく書きつくれば、あやしうこそものぐるほしけれ。

(徒然草・序段)

現代語訳することもなく退屈なのにまかせて、一日中、硯に向かって、心に浮かんでは消えていくとりとめもないことを、なんということもなく書きつけていると、妙に心が乱れるような気持ちがすることだ。

ここがポイント「こそ」があるので、文の終わりが「ものぐるほし」ではなく「ものぐるほしけれ」の形に変わっています。これが係り結びです。仮名遣いは「むかひて→むかいて」「あやしう→あやしゅう」「ものぐるほしけれ→ものぐるおしけれ」。硯すずりは墨をする道具です。

問いの型:季節・枕詞(百人一首)

春過ぎて夏来にけらし白妙の衣ほすてふ天の香具山

(百人一首2番・持統天皇(春過ぎて))

現代語訳春が過ぎて、夏が来たらしい。夏になると真っ白な衣を干すと言い伝えられている、あの天の香具山に(白い衣が干してあるよ)。

ここがポイント「季節は?」と聞かれたら夏。昔のこよみ(旧暦きゅうれき)では4月から夏です(旧暦・季節・時刻)。「白妙の」は「衣」にかかる枕詞(枕詞)。「てふ」は仮名遣いで「ちょう」と読み、「〜という」の意味です。

問いの型:説明文の中の古文

ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。

(方丈記・冒頭)

現代語訳流れていく川の流れは絶えることがなくて、しかも(そこを流れる水は)もとの水ではない。

ここがポイント説明文の中で「世の中のものは移り変わっていく」という考えの例として、古文が引用されることがあります。そのときは「筆者がなぜこの古文を引いたのか」を、前後の文と結びつけて考えます。「河」は「かわ」、「絶えずして」の「ず」は「〜ない」です。

有名な作品の冒頭(はじめの部分)の一覧

作品の名前・作者・はじめの文をセットで覚えておくと、知識の問題にも、文章の中に古文が出てきたときにも役立ちます。

作品作者時代・種類はじめの文
竹取物語作者不明平安・物語今は昔、竹取の翁といふものありけり。
土佐日記紀貫之平安・日記男もすなる日記といふものを、女もしてみむとてするなり。
枕草子清少納言平安・随筆春はあけぼの。
源氏物語紫式部平安・物語いづれの御時にか、女御、更衣あまたさぶらひたまひける中に、
方丈記鴨長明鎌倉・随筆ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。
平家物語作者不明(諸説あり)鎌倉・軍記物語祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。
徒然草兼好法師(吉田兼好)鎌倉・随筆つれづれなるままに、日暮らし硯にむかひて、
おくのほそ道(奥の細道)松尾芭蕉江戸・紀行文月日は百代の過客にして、行きかふ年もまた旅人なり。
作品と作者を、時代の順に平安竹取物語作者不明(物語)土佐日記紀貫之(日記)枕草子清少納言(随筆)源氏物語紫式部(物語)鎌倉方丈記鴨長明(随筆)百人一首藤原定家が選んだとされる平家物語作者不明(軍記物語)徒然草兼好法師(随筆)江戸おくのほそ道松尾芭蕉(紀行文)三大随筆=枕草子・方丈記・徒然草
有名な作品を時代の順に。「三大随筆」は枕草子・方丈記・徒然草

平家物語の冒頭は、このあと「おごれる人も久しからず、ただ春の夜の夢のごとし」と続きます。「ごとし」は「〜のようだ」の意味です(助動詞「ごとし」)。

もっと深く:差がつくところと、本番での読み方

1. 差がつくところ:注と現代語訳を「使いこなす」

中学受験の古文は、注や現代語訳がついていることが多いぶん、だれでも答えられる問いと、差がつく問いがはっきり分かれます。差がつきやすいのは、次のような問いです。

  • 古文と訳の対応:「――線の古文は、現代語訳のどの部分にあたるか、抜き出しなさい」。訳を上から順に古文と見比べ、同じ順番で出てくることばを手がかりにします。
  • 書かれていない主語:古文では「だれが」がよく省かれます。人物が二人以上いる場面では、「て」でつながる間は同じ人、「ば」「ど」のあとで人が変わることが多い、という手がかりが使えます(主語の補い方、接続のことばは接続助詞)。
  • 和歌の気持ち:「この歌にこめられた気持ちを選びなさい」。季節のことば(旧暦・季節)と、「〜かな」「〜けり」のような気持ちを強めることば(感動の表し方)に目をつけます。
  • 筆者がなぜ古文を引いたか:説明文の中の古文は、筆者の意見の例や根拠として置かれていることが多いので、古文のすぐ前後の文に答えのヒントがあります。

2. 本番での読み方の手順

本番での読み方:5つの手順1問いと注を先に見る(何を聞かれる?)2現代語訳・あらすじがあれば先に読む3古文を、心の中で声に出して読む4人物と「 」に印をつける5問いの部分を、訳と照らして答える古文だけを最初から全部訳そうとしないのがコツ
本番での読み方の手順。問いと注を先に見て、最後に訳と照らして答える

古文が出てきても、最初から全部を自分で訳そうとしないのがコツです。まず問いと注を見て「何を聞かれているか」を知り、現代語訳やあらすじがあれば先に読みます。それから古文を心の中で声に出して読み、出てくる人物に○、会話の「 」に線を引きます。最後に、問いの部分を訳と照らして答えます。会話文の終わりは「〜と言ふ」「〜とて」のように「と」で示されることが多いので、「 」がついていない文章では「と」を手がかりに会話の範囲を考えます。

時間の使い方としては、古文の大問は短いことが多いので、わからない一語にこだわりすぎないことが大切です。注や訳を見てもわからない語は、前後の流れから意味を考えて先へ進み、ほかの大問の時間を守りましょう。

3. 小学生にも覚えやすい百人一首

百人一首は、仮名遣い・季節・枕詞・掛詞の練習がいっぺんにできる、中学受験の古文のいちばんの教材です。まずは意味がわかりやすく、問題にもなりやすい歌から覚えましょう。

番号歌ここを覚える
2番春過ぎて夏来にけらし白妙の衣ほすてふ天の香具山季節は夏(4月から夏)。「白妙の」は衣にかかる枕詞。「てふ」は「ちょう」と読む
4番田子の浦にうち出でて見れば白妙の富士の高嶺に雪は降りつつ富士山の雪の白さ。「つつ」は「〜し続けている」
7番天の原ふりさけ見れば春日なる三笠の山に出でし月かも遠い国で、ふるさと(奈良)の月を思い出す歌
17番ちはやぶる神代も聞かず竜田川からくれなゐに水くくるとは「ちはやぶる」は神にかかる枕詞。紅葉の秋。「くれなゐ」は「くれない」
33番久方の光のどけき春の日にしづ心なく花の散るらむ「久方の」は光にかかる枕詞。春の桜が散るようす
61番いにしへの奈良の都の八重桜けふ九重ににほひぬるかな「いにしへ」「けふ(きょう)」「にほひ(におい)」と仮名遣いの練習にぴったり
百人一首61番 伊勢大輔の絵札(中学受験 百人一首 歴史的仮名遣い いにしへ けふ)
百人一首61番・伊勢大輔の絵札。「いにしへの奈良の都の八重桜けふ九重ににほひぬるかな」。「いにしへ(いにしえ)」「けふ(きょう)」「にほひ(におい)」と、歴史的仮名遣いがたくさん入っています。画像:絵札「Hyakuninisshu 061」(パブリックドメイン、Wikimedia Commons)

全百首の現代語訳・覚え方・クイズは百人一首 全百首のページにあります。上の句を聞いて下の句が言えるように、毎日5首ずつ声に出して読むのがおすすめです。

4. 高校受験への橋わたし

学年が上がると、ここが増える中学受験歴史的仮名遣い・古語の意味百人一首・作品の冒頭・月の名前高校受験+ 主語・会話の「 」の範囲+ 係り結び・ことばの種類大学受験+ 動詞の活用・助動詞+ 敬語・識別・和歌の修辞中学受験の勉強は、そのまま高校・大学受験の土台になる
中学受験 → 高校受験 → 大学受験。古文で学ぶことは、下の段に積み上がっていく

中学校に入ると、国語の授業で竹取物語・枕草子・徒然草・平家物語などを本格的に学び、高校受験では多くの都道府県の公立高校入試で古文が出ます。そこでは、中学受験で学んだ仮名遣い・古語・百人一首に加えて、主語や会話の範囲、係り結び、ことばの種類(品詞)が問われます。入試ごとのくわしい内容は、高校受験の古文のページにまとめています。辞典の目次の受験別に探すからも、学年に合ったページを選べます。

ハルちゃん

ハルちゃん

中学受験で古文が出ない学校を受けるなら、古文の勉強はしなくていいの?

合格先生

合格先生

過去問で出ないなら、受験の前は他の勉強を優先してかまわないよ。でも百人一首やことわざ・故事成語は、物語文や説明文の中にも出てくることがある。知識として少しずつふれておくと安心だね。

まなぶくん

まなぶくん

中学校では1年生から古文の授業があるんだ! 今やっておけば、そのまま役に立つね。

よくあるまちがい

まちがい1:現代語訳だけ読んで、古文を読まない

訳がついていても、「古文のどこが訳のどこにあたるか」「――線の古文の意味」を聞かれることが多いです。古文と訳を一文ずつ見比べるくせをつけましょう。

まちがい2:ことばの頭の「は・ひ・ふ・へ・ほ」まで直してしまう

「はな(花)」を「わな」、「ひかり(光)」を「いかり」と直すのはまちがいです。ワ行で読むのはことばの途中や終わりのハ行だけ。くわしくは歴史的仮名遣いへ。

まちがい3:作品と作者の組み合わせを取りちがえる

「枕草子=清少納言」「徒然草=兼好法師」「方丈記=鴨長明」はよく入れかえて出されます。三大随筆は、時代の順(枕草子→方丈記→徒然草)で覚えると取りちがえにくくなります。

まちがい4:古語を今の意味で読んでしまう

「うつくし」は「きれい」ではなく「かわいい」、「ありがたし」は「感謝」ではなく「めったにない」のように、今と意味がちがう古語がねらわれます。現代語と意味がちがう古語で確かめましょう。

練習問題

中学受験の問いの形をまねた、自作の問題です(本文は有名な古典から短く引いています)。

やさしい

  1. 次の――線部を、現代仮名遣いに直して、すべてひらがなで書きなさい。
    ① 竹取の翁といふものありけり。 ② やうやう白くなりゆく山ぎは ③ をかし
    答えと解説を見る

    ① いう ② ようよう ③ おかし。
    ① ことばの終わりの「ふ」は「う」。② 「やう」は「よう」とのばす音になります。③ 「を」は「お」。

  2. 次の作品の作者を、下から選びなさい。
    ① 枕草子 ② 徒然草 ③ 方丈記
    ア 兼好法師 イ 鴨長明 ウ 清少納言
    答えと解説を見る

    ① ウ(清少納言) ② ア(兼好法師) ③ イ(鴨長明)。三つをあわせて「三大随筆」と呼びます。

ふつう

  1. 次の文を読んで、問いに答えなさい。
    「今は昔、竹取の翁といふものありけり。野山にまじりて竹を取りつつ、よろづのことに使ひけり。」(竹取物語)
    (1)「竹を取りつつ」とあるが、竹を取っていたのはだれですか。文中のことばで答えなさい。
    (2)「よろづ」を現代仮名遣いに直しなさい。
    答えと解説を見る

    (1)竹取の翁。「野山にまじりて竹を取りつつ」には主語が書かれていませんが、前の文に出てきた人物がそのまま続いています。
    (2)よろず。「づ」は「ず」と読みます。

  2. 百人一首2番「春過ぎて夏来にけらし白妙の衣ほすてふ天の香具山」について答えなさい。
    (1)この歌によまれている季節を答えなさい。
    (2)「衣」にかかる枕詞を、歌の中から抜き出しなさい。
    答えと解説を見る

    (1)夏(「夏来にけらし」=夏が来たらしい)。
    (2)白妙の。枕詞は多くは5音で、決まったことばの前に置かれます。

むずかしい

  1. 次の文を読んで、問いに答えなさい。
    「つれづれなるままに、日暮らし硯にむかひて、……あやしうこそものぐるほしけれ。」(徒然草・序段)
    (1)文の終わりが「ものぐるほし」ではなく「ものぐるほしけれ」になっているのは、文中のどのことばがあるからですか。ひらがな2字で抜き出しなさい。
    (2)このようなきまりを何といいますか。
    答えと解説を見る

    (1)こそ (2)係り結び。
    「こそ」「ぞ」「なむ」「や」「か」があると、文の終わりの形が変わります。「こそ」のときは「〜けれ」のような形(已然形)になります。

答え合わせのあとは、まちがえた問いの型のページ(上の「よく出る問いの型」の表)に戻って練習しましょう。

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よくある質問

中学受験で古文は出ますか?

出るのは一部の学校です。物語文・説明文の中の引用や、注・現代語訳つきの短い古文、百人一首や作品の冒頭などの知識の問題として出ることが多いので、志望校の過去問で確かめましょう。

中学受験の古文は何から勉強すればいいですか?

まず歴史的仮名遣い(いふ→いう など)を覚えて声に出して読めるようにし、次によく出る古語の意味、「だれが」を考える練習、係り結び・枕詞などのきまり、最後に百人一首・作品の冒頭・旧暦の月の名前の順がおすすめです。

中学受験で古文の文法(助動詞など)は必要ですか?

深い文法が求められることは少なく、注や現代語訳を手がかりに読む問題が多いです。係り結びの「こそ〜けれ」や、「けり」(〜た)、「ず」(〜ない)くらいを知っておくと読みやすくなります。

百人一首は全部覚える必要がありますか?

学校によりますが、まずは枕詞や季節がはっきりした有名な歌(2番・4番・7番・17番・33番・61番など)から覚えるのがおすすめです。全部覚えると、仮名遣いや和歌のきまりも自然に身につきます。

現代語訳がついていれば、古文は読まなくてもいいですか?

いいえ。古文のどの部分が訳のどこにあたるか、――線の古文の意味などを聞く問いが多いので、古文と訳を一文ずつ見比べる練習が大切です。

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出典・参考

  • 文部科学省「小学校学習指導要領」国語(第5学年及び第6学年:親しみやすい古文や漢文の音読など)
  • 例文の本文:竹取物語(冒頭)、枕草子(第一段)、徒然草(序段)、方丈記(冒頭)、平家物語(巻第一「祇園精舎」)、百人一首(2・4・7・17・33・61番)。表記は読みやすいように一部改めています
  • 作品の冒頭の表:土佐日記・源氏物語(桐壺)・平家物語・おくのほそ道の冒頭は、教科書に多い本文の表記による
  • 出題の形は、中学入試の国語でよく見られる形をもとにした一般的な説明です(特定の学校の問題ではありません)
  • 画像:「The Tale of the Bamboo Cutter - Discovery of Princess Kaguya.jpg」(メトロポリタン美術館蔵、パブリックドメイン)、百人一首の絵札「Hyakuninisshu 061」(パブリックドメイン)、いずれも Wikimedia Commons

最終更新:2026年10月21日/作成:大学受験合格大作戦