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大学受験
ひとことで言うと
助動詞「めり」は終止形(ラ変型は連体形)につき、目で見たことにもとづく推定(〜ようだ・〜と見える)と婉曲(〜ようだ)を表す、目の助動詞。活用はラ変型で、「なめり・あめり」は撥音便の「ん」が書かれていない形です。
このページのポイント
- 接続は終止形(ラ変型は連体形)、活用はラ変型(○・(めり)・めり・める・めれ・○)
- 意味は2つ:推定(目で見て「〜ようだ」)と婉曲(遠回しに「〜ようだ」)
- 「見+あり」が成り立ちとする説が有力。耳の「なり」(伝聞・推定)と対
- なめり・あめり・ざめり・べかめりは撥音便の無表記(読みはナンメリ・アンメリ)
- 「こそ〜めれ」は已然形の結び。命令形はない
はじめて(やさしく)
古文の「めり」は、目で見たことをもとにして「〜ようだ」とおしはかる助動詞です。たとえば、すだれのすき間から部屋の中をのぞいて、「花をお供えしているようだ」と言うときに使います。
「めり」の成り立ちは、「見(み)+あり」がつまって「めり」になったとする説が有力です(「見え+あり」とする説もあります)。だから、もとは「見たところ〜である」という気持ちだったと考えられています。耳で聞いたことから「〜ようだ」と言う「なり」(伝聞・推定)と対になる、目の助動詞だと覚えましょう。
- 推定:目で見たようすから「〜ようだ・〜と見える」とおしはかる。(すだれの中で花を供えているのが見える→「花を供えているようだ」)
- 婉曲(えんきょく):はっきり言い切らず、「〜ようだ」とやわらかく遠回しに言う。(「みんな〜と言うようだが」)
うかるくん
「めり」も「なり」も、訳すと「〜ようだ」なんでしょ? じゃあ同じじゃないの?
合格先生
訳は似ているけれど、何をもとにおしはかるかがちがうんだ。「めり」は目で見て、「なり」は耳で聞いて。だから「花奉るめり」は見ている場面、「衣打つなり」は音が聞こえる場面なんだよ。
サクラちゃん
つき方(接続)もちがうの?
合格先生
そこは同じ。どちらも終止形につき、ラ変型の語には連体形につく。活用も同じラ変型。ふたごのようなことばだね。

合格先生
「めり」は終止形(ラ変型は連体形)につく推定・婉曲の助動詞。目で見た推定が中心で、訳は「〜ようだ・〜と見える」。「なり」(耳)とセットで覚えよう!
「めり」は平安時代のかなの文章、とくに女性が書いた物語や日記(源氏物語・枕草子・蜻蛉日記など)によく出てきます。鎌倉時代より後には、だんだん使われなくなったと説明されます。わからないところは、受験掲示板「100点BBS」の〈古典文法のお勉強〉で質問できます。
ここまでのまとめ
- 「めり」=目で見たことから「〜ようだ」とおしはかる助動詞
- 意味は2つ:推定(〜ようだ・〜と見える)と婉曲(〜ようだ)
- 耳の「なり」(伝聞・推定)と対。接続・活用は同じ
しっかり(大学受験の基礎〜標準)
「めり」の接続・活用・意味の表
「めり」は終止形につきます。ただしラ変動詞(あり・をり・はべり・いまそかり)や、ラ変型に活用する語(形容詞のカリ活用・形容動詞・ず(ざる)・たり・り・べし・断定「なり」など)には連体形につきます。これは終止形接続の助動詞に共通するきまりで、くわしくは助動詞の接続のページで整理しています。活用はラ変型です。
| 語 | 未然形 | 連用形 | 終止形 | 連体形 | 已然形 | 命令形 | 活用の型 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| めり | ○ | (めり) | めり | める | めれ | ○ | ラ変型 |
連用形「めり」は「めりき」「めりつ」などの例がごく少ないため、かっこに入れる本が多くあります。未然形と命令形はありません。
| 意味 | 訳し方 | 使われる場面 |
|---|---|---|
| 推定 | 〜ようだ・〜と見える・〜らしい | 目で見たようすをもとに判断する(視覚による推定) |
| 婉曲 | 〜ようだ・〜と思われる(訳さないこともある) | 断定をさけて、遠回し・ひかえめに言う。うわさや一般論、自分の意見をやわらげる |
推定か婉曲かの見分け方
推定と婉曲は、訳がどちらも「〜ようだ」なので、入試で区別を問われることはそれほど多くありません。それでも、次のように考えると整理できます。
- 話し手がその場で目にしているようす(のぞき見・外のけしき・人の動き)なら推定。
- 目で見た根拠がはっきりせず、一般論・うわさ・自分の意見をやわらかく言っているなら婉曲。
- 迷ったら、まず「〜ようだ」と訳して文脈に合うかを確かめる。
ただし、推定と婉曲の線の引き方は本によって少しちがい、「めり」はもともと見たことにもとづく推定で、そこから遠回しに言う婉曲の使い方が広がった、と説明されることが多いです。
例文で確かめる

簾少し上げて、花奉るめり。
(源氏物語・若紫)
現代語訳(尼君は)簾を少し上げて、(仏に)花をお供えしているようだ。
子となり給ふべき人なめり。
(竹取物語・かぐや姫の生ひ立ち)
現代語訳(私の)子におなりになるはずの人であるようだ。
もののあはれは秋こそまされと人ごとに言ふめれど、それもさるものにて、今一きは心も浮き立つものは、春の気色にこそあめれ。
(徒然草・第十九段)
現代語訳しみじみとした趣は秋がまさっていると、だれもが言うようだが、それももっともなことで、(それよりも)もう一段と心も浮き立つものは、春のありさまであるようだ。

契りおきしさせもが露を命にてあはれ今年の秋もいぬめり
(百人一首75番・藤原基俊(契りおきし))
現代語訳お約束くださった、させも草の露のようなありがたいお言葉を、命のように頼みにしてきましたが、ああ、今年の秋もむなしく過ぎ去っていくようです。
もっと深く(難関大・上級者)
1. 撥音便の無表記:あめり・なめり・ざめり・べかめり
ラ変型に活用する語の連体形「〜る」に「めり」がつくと、「る」が撥音便で「ん」に変わり(あるめり→あんめり)、平安時代のかな文では、その「ん」を書かないことがよくありました(あめり)。これを撥音便の無表記といいます(音便)。読むときは「アンメリ」と「ん」を補います。伝聞・推定の「なり」で起こる「あなり」「ななり」とまったく同じしくみです。
| 書かれる形 | もとの形 | でき方 | 訳 |
|---|---|---|---|
| あめり | あるめり | ラ変「あり」の連体形+めり | あるようだ |
| なめり | なるめり | 断定「なり」の連体形「なる」+めり | 〜であるようだ |
| ざめり | ざるめり | 打消「ず」の連体形「ざる」+めり | 〜ないようだ |
| べかめり | べかるめり | 「べし」の連体形「べかる」+めり | 〜はずのようだ・〜にちがいないようだ |
| 多かめり | 多かるめり | 形容詞「多し」のカリ活用の連体形+めり | 多いようだ |
とくに「なめり」は入試で何度も出ます。「な」を形容動詞の語尾やナ変の一部と見まちがえないこと。「な」の上が体言や連体形なら、断定「なり」の連体形「なる」の撥音便の無表記です。「人なめり」「ことなめり」「〜にこそあめれ」の形をひとまとめに覚えておきましょう。断定の「なり」については「断定の助動詞「なり・たり」」で、撥音便のしくみは伝聞・推定の「なり」のページでも説明しています。
この人は、思ふことあめり。
(自作)
現代語訳この人は、何か心配事があるようだ。
2. 「〜ぬめり」「〜つめり」の識別
「めり」は終止形につくので、上に完了の「つ・ぬ」の終止形が来ることがよくあります(「散りぬめり」「見つめり」)。一方で、百人一首75番の「いぬめり」の「いぬ」は、ナ変動詞「去ぬ」そのものです。「ぬ」のすぐ上が連用形(散り)なら完了の「ぬ」、「いぬ・しぬ」で一語の動詞ならナ変動詞と考えます。また、打消「ず」の連体形「ぬ」は連体形なので、「めり」の上には来ません(打消なら「ざめり」の形になります)。
3. 「めり」と「見ゆ」「なり」「らし」:推定の仲間をくらべる
「めり」と同じ終止形接続(ラ変型は連体形)の推定・推量の助動詞には、なり(耳)・らし(根拠)・べし(確信)・らむ(目の前にない今のこと)があります。何をもとにおしはかるかで並べると、ちがいがよくわかります。
また、「めり」と似た意味を持つ動詞に「見ゆ」(〜と見える・〜のように思われる)があります。「〜と見ゆ」「〜に見ゆ」と書いてあれば動詞、「〜めり」は助動詞です。「めり」の成り立ちが「見+あり」と説明されることを思い出すと、意味の近さが納得できます。
4. 婉曲の「めり」と、学説の違い
「めり」の婉曲の使い方は、本によって扱いが少しちがいます。「推定」と「婉曲」の2つに分けて説明する本が多い一方、婉曲を独立させず「推定(〜ようだ)」にまとめて説明する本もあります。また、「めり」は目で見たことにかぎらず、話し手の主観的な判断をやわらげて言うときにも使われる、という説明もあります。入試では、「目で見た場面なら推定、言い切りをさけた言い方なら婉曲」と答えられれば十分です。
なお、助動詞「む」にも「婉曲」の意味がありますが、「む」の婉曲はおもに連体形で体言の上(「思はむ子」)に出るのに対し、「めり」の婉曲は文末にも出ます。同じ「婉曲」という名前でも、出る場所がちがう点に注意しましょう。
サクラちゃん
「春の気色にこそあめれ」の「あめれ」が「あるめれ」だなんて! 「る」も「ん」も消えちゃってるんだね。
合格先生
そう。「あ・な・ざ・べか・多か+めり(なり)」を見たら、すぐに撥音便の無表記を疑う。そして「こそ」があれば已然形「めれ」で結ぶ。徒然草第十九段はこの2つが一度に入った、よく出る文だよ。

サクラちゃん
「なめり」の「な」は断定「なり」の連体形、「あめり」の「あ」はラ変「あり」の連体形。どちらも「ん」を補って読めばいいんだね!
よくあるまちがい
まちがい1:「めり」を「〜らしい・〜だろう」とあいまいに訳して、なりとの区別を忘れる
「めり」は目で見ての推定、「なり」は耳で聞いての推定・伝聞です。訳はどちらも「〜ようだ」でよいですが、場面(見ているのか、聞こえるのか)を確かめましょう。
まちがい2:「なめり」の「な」を形容動詞の語尾と考える
「人なめり」「ことなめり」のように、体言の下の「なめり」は断定「なり」の連体形「なる」+めりの撥音便の無表記です。「ナンメリ」と読みます。
まちがい3:「めり」を連用形につくと思いこむ
「めり」は終止形接続(ラ変型は連体形)です。「散りぬめり」の「散り」は連用形ですが、これは「散り+ぬ(完了の終止形)+めり」なので、「めり」のすぐ上は終止形「ぬ」です。
まちがい4:「こそ〜めれ」の「めれ」を命令形と考える
「めり」に命令形はありません。「こそ」の結びの「めれ」は已然形です(係り結び)。
練習問題
やさしい
- 助動詞「めり」の接続と、2つの意味を答えなさい。
答えと解説を見る
接続:終止形(ラ変型には連体形)。意味:推定(〜ようだ・〜と見える)と婉曲(〜ようだ)。
- 「めり」の活用を、未然形から命令形まで答えなさい。
答えと解説を見る
○・(めり)・めり・める・めれ・○(ラ変型)。
ふつう
- 次の傍線部を文法的に説明しなさい(自作)。
① 庭に人あまたあめり。 ② かの君は、いと幼き人なめり。答えと解説を見る
① ラ変「あり」の連体形「ある」+推定の助動詞「めり」(「あるめり→あんめり」の撥音便の無表記)。「庭に人がたくさんいるようだ」。② 断定の助動詞「なり」の連体形「なる」+推定の助動詞「めり」(「なるめり→なんめり」の撥音便の無表記)。「あのお方は、とても幼い人であるようだ」。
- 「雪いみじう降りぬめり。」(自作)の「ぬ」と「めり」を説明し、訳しなさい。
答えと解説を見る
「ぬ」は連用形「降り」の下にあるので完了の助動詞「ぬ」の終止形。「めり」は終止形についた推定の助動詞「めり」の終止形。「雪がひどく降ってしまったようだ(降り積もったように見える)」。打消「ず」の連体形「ぬ」は「めり」の上に来ない。
むずかしい
- 「よろづのことは、月見るにこそ慰むめれ。」(自作)の「めれ」の活用形と、その理由を答えなさい。また、ここでの「めり」の意味を答えなさい。
答えと解説を見る
活用形は已然形。係助詞「こそ」の結びだから(係り結び)。意味は、自分の考えを言い切らずに「〜ようだ」とひかえめに述べる婉曲。「何ごとも、月を見ることで心が慰められるもののようだ」。「慰む」は四段の終止形。
- 「聞こゆる人ななり」と「見ゆる人なめり」(ともに自作)の傍線部「な」は同じものか、説明しなさい。
答えと解説を見る
同じもの。どちらも体言「人」の下にある断定の助動詞「なり」の連体形「なる」が撥音便となり「ん」が書かれていない形。前者は下に伝聞・推定の「なり」(耳)、後者は推定の「めり」(目)がつく。「〜である人のようだ(そうだ)」と訳す。読みはそれぞれ「ナンナリ」「ナンメリ」。
関連ページ
- 助動詞「なり」(伝聞・推定):耳の「なり」と目の「めり」
- 音便:撥音便と「ん」の無表記
- 助動詞の接続:終止形接続とラ変型
- 助動詞一覧:接続・意味・活用の地図
- 助動詞「つ・ぬ」:「ぬめり」の識別
- 助動詞「らし」:根拠のある推定
- 古文文法辞典の目次
「なり」の識別は 「なり」の識別 にまとめています。助動詞全体の流れは、記事「古文の助動詞一覧」でも読めます。百人一首の歌の訳や品詞は「百人一首 全百首」で確かめられます。
読みもの(合格大作戦の記事)
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接続・意味・活用をまとめて見る地図 - 百人一首 全百首
全首の現代語訳・品詞・修辞 - 徒然草 第百八十八段
兼好法師の文章を読む - 古文単語の覚え方
入試に出る古文単語を、意味のつながりで覚える - 枕草子「春はあけぼの」
冒頭の段を品詞から読む
受験掲示板「100点BBS」で質問・相談しよう
- 古典文法のお勉強(スレ)(文法のわからない所を質問・答え合わせ)
- 古典の勉強方法(スレ)(古典の勉強の進め方)
- 共通テスト掲示板(共通テストの国語(古文)の対策)
- 国語の勉強掲示板(古文・漢文・現代文の勉強の相談)
よくある質問
助動詞「めり」の意味は?
目で見たことにもとづく推定「〜ようだ・〜と見える」と、断定をさけて遠回しに言う婉曲「〜ようだ」の2つです。
「めり」と伝聞・推定の「なり」の違いは?
「めり」は目で見たことから、「なり」は耳で聞いたこと(音・声やうわさ)からおしはかります。接続(終止形、ラ変型は連体形)と活用(ラ変型)は同じです。
「なめり」とは何ですか?
断定の助動詞「なり」の連体形「なる」に「めり」がついた「なるめり」が撥音便で「なんめり」となり、「ん」が書かれていない形です。「〜であるようだ」と訳し、「ナンメリ」と読みます。
「めり」の接続は?
終止形です。ただしラ変動詞やラ変型に活用する語(形容詞のカリ活用・形容動詞・ず・べし・断定なり など)には連体形につきます。
「めり」の活用は?
ラ変型で、○・(めり)・めり・める・めれ・○ です。未然形と命令形はなく、連用形はごく少ない例しかありません。
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出典・参考
- 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)」国語(言語文化・古典探究)
- 例文の本文:源氏物語(若紫)、竹取物語(かぐや姫の生ひ立ち)、徒然草(第十九段)、百人一首(75番)。表記は読みやすいように一部改めています
- 高校の古典文法の標準的な説明(「めり」の接続・活用・意味、撥音便の無表記)にもとづいて作成。推定と婉曲の分け方など説明の違いがある点は本文に記した
- 画像:源氏物語「若紫」の絵(1620年ごろ、作者不明、バーミングハム美術館蔵、パブリックドメイン、Wikimedia Commons)、百人一首の絵札(75番、パブリックドメイン、Wikimedia Commons)
最終更新:2026年10月21日/作成:大学受験合格大作戦



